蕪山(過去レコです)。
- GPS
- --:--
- 距離
- 6.8km
- 登り
- 792m
- 下り
- 784m
天候 | 曇り。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2002年12月の天気図 |
アクセス | 板取の二十一世紀の森公園駐車場の上にある体験小屋の前に車をとめました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
左程の危険個所はありません。 |
感想
今年は雪が早くから降り始め、秋から冬にかけての2ヶ月程の間は金華山に3回登っただけであり、1000mを超える山登りは久し振りである。妻のお友達で板取出身の奥さんがおり、この方に「板取にはブザンという山があるでしょう」と聞いた事がある。怪訝そうな顔をして「どんな字を書くのでしょう」というので、「草冠に無し」と答えると、「それはカブラヤマだ」と云われた事がある。
平成14年12月22日、板取の二十一世紀の森公園に入り、他に誰もいない広々とした駐車場の上にある体験小屋の前に車をとめた。9時40分出発。小屋の奥から良く整備された道が続き、ほどなくモンスターを思わせる杉の古木が立ち並ぶ場所に出る。今にも倒れそうな杉の木の枝から、真直ぐに何本もの木が生えており、株杉と呼ばれている。株杉を通り過ぎ、階段状に石が並べられた登山道を直登すること約20分で、小刻みにジグザグに斜めに登る道となる。小さなせせらぎを5〜6回渡り、尾根道に出ると「自然観察道1/4地点」の標識が立っている。「頂上まで3.6km」、「体力に自信の無い方は引き返して下さい」とある。登り始めから40分程経っており、汗もたっぷりかいたが、ここまで来たのだから引き返せるものかと、先に進む。道はなだらかな長いジグザグコースからやがて尾根歩きとなり、左手に蕪山も見え始めまだまだ遠いが目標も定まり、元気を回復する。お椀を伏せたような形の良い姿から、その山名が付いたのだろうと勝手に解釈した。水分補給のため5分程の小休止をとり、この季節には珍しい青空の下、雑木林の中を再び気持ち良く歩き始めた。小さなピークを登る頃になると、うっすらと積もった雪が現れ始めた。登ったり下ったりを何回も繰り返し、鞍部はぬかるんでいたり凍っていたりして、いいかげん嫌になり疲れも出始めた頃、ようよう最後の登りとなった。雪道を滑らないように気をつけながら、丁度12時に蕪山頂上1068mに到着した。小さな広場となった山頂は雑木に囲まれているが、冬枯れの枝の間から見る眺めは抜群で、見渡す限りの山また山の中、南に高賀山が真近にあり、東に御嶽山、乗鞍岳、北に白山が神々しく真っ白に輝いて見えた。自分以外誰もいない山頂で、おいしい空気をたっぷり吸い込んで、三角点に腰をおろし昼食を作って食べた。12時35分に頂上を出発。少し下った所に、どこかの山岳会が掛けた「奥牧谷コース」と記された小さな札があり、何やら道らしきものがついている。地図も案内本も持って来なかったので不安はあったが、同じ道を帰るよりはましだろうとその道に入っていった。落ち葉が積もった急な斜面を、滑らないように木の枝に掴まりながら慎重に下りていった。はっきりわかる道はなく、木に巻き付けてある赤や青の印しを頼りに下るのであるが、誰もいない山中で何とも心細いものである。道はやがて岩だらけの涸れ谷となり、行く手に次々と倒木が立ちはだかる。時々立ち止まっ行く手を確かめるのだが、肝心な所に印しがついていない。今朝まで2日間降り続いた大雨のせいで、山の斜面を這うように水が滑り、それが集まって谷に落ち込む。急勾配を豊富な水量が音を立てて流れ、あるいは滝となって流れる。滝壷は底まで透き通って見えるきれいな水であるが、魚の姿はない。靴の中も濡れながら流れを何回か渡り、丸太が組まれた崩れかかった橋を、丈夫そうな所をさがしながらこわごわ歩き、時々付いている赤い印しに胸をほっとさせた。斜面の細い道を谷に滑り落ちないように注意しながら行くと、やがて踏み跡がしっかりした迷うことのない道となった。左手に別れる道のようなものがあり、林の間から川の向こうに鋪装道路が見える。立ち止まって印しを探すがどこにも見当たらない。しっかりした道は真直ぐ続いており、これを下りて行くとまたまた何本かの倒木が行く手を立ち塞ぐ。道は川から離れて行き、木の間から見える山は蕪山とは別の山のように見え、登山口からどんどん遠のいて行く感じがする。意を決して先程の分岐点らしき所まで戻り、川を渡って鋪装道路に出ると、水源地なので立ち入り禁止と記されていた。林道を歩くと程なく株杉の森に戻りひと安心。車に辿り着いたのは2時25分であった。広々とした駐車場には1台の車もなく、山の中では誰にも会うことは無かった。
板取温泉で汗を流し、帰宅したのは5時前であった。
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