【過去レコ】大日岳・奥大日岳 称名滝→室堂へ縦走 富山県西部集中豪雨の日
- GPS
- 32:00
- 距離
- 15.4km
- 登り
- 2,134m
- 下り
- 680m
コースタイム
- 山行
- 4:35
- 休憩
- 0:55
- 合計
- 5:30
- 山行
- 4:10
- 休憩
- 1:50
- 合計
- 6:00
天候 | 1日目:雨 2日目:雨のち一時晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
帰り:アルペンルートの高原バス・ケーブルカーで立山駅へ、立山駅からバスで車を回収 |
その他周辺情報 | 大日小屋に宿泊 http://www.dainichigoya.jp/ 立山吉峰温泉 グリーンパーク吉峰 https://www.yoshimine.or.jp/?page_id=37 |
写真
感想
【1日目】
もともと天気予報は「くもり時々雨」と芳しくなかったが,夜中から予想外の大雨となり,あまりの雨音に目が覚める.「この雨では無理でないか?」いう意見も出るが,集合時刻も近づいているし,とりあえず会社に集合することにする.
家から出る時もバケツをひっくり返したような大雨ですぐにずぶ濡れになってしまう.JRの高架下が冠水していて前進できない.道路の冠水など初体験で,さすがにこの雨では登山は無理かも,との考えが頭をよぎる.千保川の水位が上がり,もう少し降れば決壊するのではないかというほどになっている.高岡駅からから会社への道にも水があふれていて,明らかに床上浸水している家も見える.なんということだ,この高岡でこんなことが起こるなど想像したこともなかった.
さすがに我が家が心配で,家の前を通ってもらうが,何事もなかったかのように,水はない.本当に紙一重というか,わずかな高低差,位置の差で水がつくかどうかが決まることを身をもって知ることができた.
車はコンビニに寄った後,小杉ICから流杉SAまで北陸道を走り,称名滝を目指す.途中の庄川・神通川・常願寺川の水位はいつもとほとんど変わらず,ラジオのニュースの通り,今回の雨は高岡・氷見にのみ被害をもたらしたようだ.雨も小降りでこの分なら登れそうだなと少し希望が出てくる.
高岡の出発が遅れたために,予定よりも約1時間遅れの7時30分,称名滝駐車場に到着.ここの標高は約1000mで今日は大日小屋まで約1500m高度を上げることになる.まずは称名滝の方へ舗装道路を歩いていく.しばらく進むと左手に「大日岳登山口」の標識がある.最初からかなりの急登が続く.レインウェアが蒸し暑く,まるでサウナにでも入っているかのように汗が噴き出して来て不快極まりない.今日の雨では登山道が滝のようになっているのではと心配していた人もいたが,やはりこっちはさほど降っていないようだ,全く滝にはなっていないし,さほど歩きにくいこともない.約1時間で「猿ヶ馬場」と呼ばれる平坦地に出る.もう雨がほとんど降っていないので,ここのベンチでレインウェアを脱ぐ.
さらにしばらくやせ尾根が続くが,やがて大日平に入ると木道となり,快適に歩を進めることができる.木道をしばらく行くと,右手に大日平山荘が姿を現す.入口を入った所が「無料休憩所」となっており,机と椅子を使わせていただいて,少し早い(まだ10時過ぎ)が昼食とする.休憩を終えて,出発の準備をしていると雨脚が強まり,仕方なく再びレインウェアを着用する.
この先,谷筋を登ってゆく.何度か沢の渡渉がある.ペンキ印を見失わないよう注意が必要な箇所もある.展望も花もなく,気が滅入ってくる.岩にペンキで「サイゴ」と書かれた最後の水場を過ぎ,大岩が現れると,傾斜が急になる.この辺りからもうひと踏ん張りで,今宵の宿,「大日小屋」に到着だ.
まずは,濡れたレインウェア・ザックカバーをハンガーにかけ(乾燥室はなく部屋のストーブで乾かす)受付へ.収容人員36名の小さな小屋だが,この雨の影響もあってか,この日の宿泊客は30名強でひとり布団1枚があてがわれる.食堂を借りての宴会の後,17時30分より夕食.その後も早く眠ってしまっては夜中に目覚めてしまうので,20時の消灯まで来年の計画を話しつつ,まったりと山談義に花を咲かす.途中,ギターの生演奏のおまけつきで,この小屋の良い思い出となる.
【2日目】
4時30分に起床.トイレを済ませ,5時からの朝食を待つ.しっかりご飯とみそ汁をお代わりして朝食を済ませ,まずは大日岳山頂を空荷で往復する.大日の山頂まではわずかに片道15分ほどであるが,残雪が多く,ルートが不明瞭.若干,迷いながらの登頂となる.今日の奥大日までの縦走コースの残雪状況が不安になる(結局,アイゼンが必要なほどの残雪はなかったが).山頂は一面のガスに覆われ,全く展望がないので,記念写真だけ撮って早々に小屋へと引き返す(朝食前には剱,毛勝がなんとか見えていた).
大日小屋から中大日岳はわずかに10分.この少し先に七福園と呼ばれる場所がある.ガイドブックには「大きな岩が折り重なるように展開し,高山植物が美しく咲く,時間を忘れそうな別天地」と最大級の賛辞が書いてあるが,この天気ではさほどの感動はない.ここから奥大日岳への稜線には鎖場×1,ハシゴ×1があるが,落ち着いて行動すれば全く問題なし.途中,青空が見え隠れするようになり,レインウェアの上だけ脱いで行動する.立山方向に目を向けると,アルペンルートを走るバス,弥陀ヶ原・天狗平の小屋,室堂,一ノ越,雄山,浄土山,薬師岳がガスの中に一部姿を現している.
奥大日岳の頂上でおやつ代わりに小屋の弁当を食べる.コーヒーとお菓子もいただきながらゆっくりと休憩.残念ながら剱は一瞬,頭だけがちらっと見えたのみ.奥大日からは雷鳥平へ向けてゆっくり下る.昨年,KM先輩と歩いた「雷鳥平→剱御前→真砂→富士ノ折立→大汝→雄山→一ノ越→室堂」のコース全体を見渡すことができ,わずかな時間でも展望に恵まれたので,今回の山行を決行して良かったと実感する.
雷鳥沢キャンプ場の手前に大きな雪渓が残っているが,雪が腐っているのでアイゼン無しでも,不安なく下ることができる.キャンプ場脇のベンチで湯を沸かして再び大休止.後は室堂まで「遊歩道」を淡々と歩いてゆけばよい.
予定では,弘法でバスを降り,八郎坂を歩いて下るつもりだったが,室堂に着いた途端に土砂降りとなり,やむなく立山駅までバス・ケーブルカーを乗り継ぐこととなる.立山駅から称名滝へのバスの乗り継ぎのタイミングが悪く,立山駅で約50分時間をつぶすことになる.NMさんが売店で新聞を買ってきた新聞に「高岡で1000件浸水」の記事があり,一同驚くとともに,我が家が心配になる.おにぎりの志鷹でそばとソフトクリームを食べてバスの到着を待つ.
称名滝で車を回収したのち,吉峰で温泉に浸かってから高岡へと戻る.幸い,自宅は全く雨の影響を受けていなかった.
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