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Yamareco

記録ID: 2379978
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
中国山地東部

三徳山 〜修行の山を裏側から攻める〜

2020年06月06日(土) [日帰り]
 - 拍手
体力度
2
日帰りが可能
GPS
04:17
距離
4.6km
登り
602m
下り
596m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
2:49
休憩
1:19
合計
4:08
距離 4.6km 登り 605m 下り 603m
10:05
25
10:30
43
11:13
11:22
13
11:35
12:30
13
12:43
12:57
17
13:14
17
13:31
13:32
13
13:49
ゴール地点
天候
過去天気図(気象庁) 2020年06月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
三朝から三徳山方向へ向かう道の途中で「小鹿渓」方向(南)に向かいます。神倉集落で、「冠巌展望駐車場」に車を停めて歩き始めました。特に登山口とか登山道の表記は無いようです。
コース状況/
危険箇所等
最初は作業用車両(軽トラ)が入れる程度の道、続いて林の中の歩道(中国電力送電線点検道)、ここまでは道が比較的明瞭です。
送電線の下を横切って山頂までの尾根は薮と灌木の間を歩くことになりますが、ここはあまり道がはっきりしません。ただ、尾根の高いところを上って行けば山頂までたどり着くことができます。
山頂には標識が掛かっていましたが、途中には標識などはありません。ただ、「火の用心」の黄色い札とピンクのテープが木の枝に下がっていますので、それを頼りに登って行くことができました。
冠巌(かんむりいわ)展望駐車場に車を停めました。展望所から見える冠巌は圧巻です。
2020年06月06日 09:29撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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冠巌(かんむりいわ)展望駐車場に車を停めました。展望所から見える冠巌は圧巻です。
道の脇に鳥居が見えたので立ち寄ってみました。神倉神社です。
2020年06月06日 09:41撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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道の脇に鳥居が見えたので立ち寄ってみました。神倉神社です。
今日も安全に登山ができますように。
2020年06月06日 09:44撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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今日も安全に登山ができますように。
冠巌、威圧感パネェ。でも、今日はそっちじゃなくて三徳山へ向かいます。
2020年06月06日 09:48撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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冠巌、威圧感パネェ。でも、今日はそっちじゃなくて三徳山へ向かいます。
山へ向かう細い舗装道路を歩きます。
2020年06月06日 09:49撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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山へ向かう細い舗装道路を歩きます。
ウツギ
今日の花はこれですね。山のあちこちでこの白い花の房を見かけました。
2020年06月06日 09:51撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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ウツギ
今日の花はこれですね。山のあちこちでこの白い花の房を見かけました。
中國電力の送電線点検路となっているようです。これは心強い。
2020年06月06日 09:54撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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中國電力の送電線点検路となっているようです。これは心強い。
ヘビイチゴ
道の中でたくさん赤い実を付けていましたが、これは食べられませんね。
2020年06月06日 10:01撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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ヘビイチゴ
道の中でたくさん赤い実を付けていましたが、これは食べられませんね。
ノアザミ
…だと思います。アザミにもいろんな種類がありますが。
2020年06月06日 10:03撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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ノアザミ
…だと思います。アザミにもいろんな種類がありますが。
歩くには十分広い道ですが、尖った石や窪みがあるので車で入るのは大変だと思います。
2020年06月06日 10:04撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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歩くには十分広い道ですが、尖った石や窪みがあるので車で入るのは大変だと思います。
木立の間をひらひらと白い虫が舞っていました。
キアシドクガのようです。ちなみに名前に反して毒は無いそうです。
2020年06月06日 10:07撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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木立の間をひらひらと白い虫が舞っていました。
キアシドクガのようです。ちなみに名前に反して毒は無いそうです。
車が入れるのはここまで。三朝町の車がありましたが、結局この方達とは出会いませんでした。
2020年06月06日 10:08撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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車が入れるのはここまで。三朝町の車がありましたが、結局この方達とは出会いませんでした。
杉林の中を縫いながら進みます。この辺りの道は明瞭です。
2020年06月06日 10:09撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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杉林の中を縫いながら進みます。この辺りの道は明瞭です。
ぐるぐるです。解いてあげたいけど無理です。
2020年06月06日 10:17撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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ぐるぐるです。解いてあげたいけど無理です。
オオシロカラカサタケ かな?
木に生えているのは珍しいですね。
2020年06月06日 10:20撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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オオシロカラカサタケ かな?
木に生えているのは珍しいですね。
コナラやミズナラ、カエデなど広葉樹の林が混じります。
2020年06月06日 10:23撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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コナラやミズナラ、カエデなど広葉樹の林が混じります。
杉林の林床には大きな石が沢山転がっています。というか、岩の斜面に木々が育ったのでしょう。
2020年06月06日 10:27撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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杉林の林床には大きな石が沢山転がっています。というか、岩の斜面に木々が育ったのでしょう。
細かい板状節理が見られる、安山岩?かな
2020年06月06日 10:29撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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細かい板状節理が見られる、安山岩?かな
斜面のスギやヒノキの根元がみんな曲がっています。冬には雪が積もるんでしょうね。
2020年06月06日 10:41撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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斜面のスギやヒノキの根元がみんな曲がっています。冬には雪が積もるんでしょうね。
ピンクのテープと「火の用心」の黄色い札が導いてくれます。
2020年06月06日 10:45撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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ピンクのテープと「火の用心」の黄色い札が導いてくれます。
スギ・ヒノキの林を抜けて自然林に突入します。
2020年06月06日 10:51撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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スギ・ヒノキの林を抜けて自然林に突入します。
フタリシズカ
穂が1本のものもありました。
2020年06月06日 10:54撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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フタリシズカ
穂が1本のものもありました。
細めの笹で、道まで侵食していないのがありがたい。
2020年06月06日 10:55撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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細めの笹で、道まで侵食していないのがありがたい。
このあたりにもウツギがしばしば見られます。
2020年06月06日 10:56撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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このあたりにもウツギがしばしば見られます。
ヤマボウシ
車を停めた駐車場の脇にも立派なヤマボウシの木があったので、山の中にもあるだろうと思っていました。花弁のように見えるのは「総包片」というのだそうです。
2020年06月06日 10:59撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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ヤマボウシ
車を停めた駐車場の脇にも立派なヤマボウシの木があったので、山の中にもあるだろうと思っていました。花弁のように見えるのは「総包片」というのだそうです。
岩と、新緑の広葉樹、いい雰囲気になってきました。
2020年06月06日 11:04撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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岩と、新緑の広葉樹、いい雰囲気になってきました。
アマドコロ
道の脇で葉の下に隠れるように白い花(蕾)が付いているのを見つけました。
2020年06月06日 11:06撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
6/6 11:06
アマドコロ
道の脇で葉の下に隠れるように白い花(蕾)が付いているのを見つけました。
送電線の鉄塔の下に来ました。ここまではこの送電線の点検用の道だったようです。ありがとう、中国電力。
2020年06月06日 11:08撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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送電線の鉄塔の下に来ました。ここまではこの送電線の点検用の道だったようです。ありがとう、中国電力。
鉄塔の下をくぐって、尾根を上ります。
2020年06月06日 11:11撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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鉄塔の下をくぐって、尾根を上ります。
よく見れば人(または獣)の通った跡らしきものはあるのですが、草が生えていてわかり辛いです。
2020年06月06日 11:17撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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よく見れば人(または獣)の通った跡らしきものはあるのですが、草が生えていてわかり辛いです。
シャクナゲだと思うのですが、もう花は咲いたのかな?
2020年06月06日 11:21撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
6/6 11:21
シャクナゲだと思うのですが、もう花は咲いたのかな?
ブナとミズナラとヒノキとアカマツと、人の手の入っていない雑木林ですね。
2020年06月06日 11:21撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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ブナとミズナラとヒノキとアカマツと、人の手の入っていない雑木林ですね。
稜線は道(踏み跡)になっています。
2020年06月06日 11:23撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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稜線は道(踏み跡)になっています。
この薮を抜けたら山頂です。
2020年06月06日 11:35撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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この薮を抜けたら山頂です。
到着、この標識で山頂と確認。展望は全くありません。
2020年06月06日 11:36撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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6/6 11:36
到着、この標識で山頂と確認。展望は全くありません。
二等三角点「神倉」
 緯度: 35:23:09.4172
 経度: 133:57:48.5996
 標高: 899.56
2020年06月06日 11:38撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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6/6 11:38
二等三角点「神倉」
 緯度: 35:23:09.4172
 経度: 133:57:48.5996
 標高: 899.56
お湯を沸かしてカップラーメンで昼食にします。
2020年06月06日 12:00撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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6/6 12:00
お湯を沸かしてカップラーメンで昼食にします。
下山します。稜線を下ります。
2020年06月06日 12:30撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
6/6 12:30
下山します。稜線を下ります。
送電線が見えてきました。この辺りが一番薮が深いですが、上りより下りの方が道がわかりやすいです。
2020年06月06日 12:38撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
6/6 12:38
送電線が見えてきました。この辺りが一番薮が深いですが、上りより下りの方が道がわかりやすいです。
木洩れ日
いつも山に来ると「図鑑持ってくればよかった」と思うのですが、出かけるときは忘れてるんですよね。
2020年06月06日 12:53撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
6/6 12:53
木洩れ日
いつも山に来ると「図鑑持ってくればよかった」と思うのですが、出かけるときは忘れてるんですよね。
里山に下りてきました。
2020年06月06日 13:38撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
6/6 13:38
里山に下りてきました。
キリンソウ
夏の花だと思っていたのですが、もう花をつけています。
2020年06月06日 13:41撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
6/6 13:41
キリンソウ
夏の花だと思っていたのですが、もう花をつけています。
ムシトリナデシコ
道端に咲いていました。ヨーロッパ原産の帰化植物だそうです。
2020年06月06日 13:44撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
6/6 13:44
ムシトリナデシコ
道端に咲いていました。ヨーロッパ原産の帰化植物だそうです。
展望駐車場で愛車が待っています。今日も無事に帰って来られました。
2020年06月06日 13:47撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
6/6 13:47
展望駐車場で愛車が待っています。今日も無事に帰って来られました。
車で少し離れて三徳山の姿を写真に収めておきました。
2020年06月06日 14:36撮影 by  DSC-RX100M3, SONY
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6/6 14:36
車で少し離れて三徳山の姿を写真に収めておきました。
撮影機器:

装備

個人装備
長袖シャツ ズボン 靴下 グローブ 日よけ帽子(ハット) サブザック 昼食(カップラーメン) 行動食(飴) 予備食(シリアルバー他) 飲料(お茶600mL+ 水500mL) ガスカートリッジ シングルバーナー ケトル iPhone(GPS+カメラ) iPad mini サブバッテリー カメラ 携帯電話 腕時計 ラジオ ヘッドライト 手拭い ティシューペーパー
備考 トレッキングポールを持って行けばよかった。

感想

 この日の天気予報は曇り、降水確率は20%程度だったので、雨の心配はそれほどしなくても良いだろうが、山からの眺望を楽しむことはできなさそうだった。山にかかっている雲の様子を見ながら登る山を決めようと、自宅(鳥取市)を出てとりあえず国道9号線(山陰道)を西へ向かった。車を走らせながらちらちらと見る山はみんな雲がかかっていて、やはり高い山はダメそうだった。展望が無くても楽しめそうな山はどこかなと考えて、一つ心当たりを思い出した。「三徳山」…以前、三佛寺から投入堂への道を歩いたこと(「三徳山投入堂 〜2時間足らずの修行の道〜」 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1562846.html )はあるのだが、そこから山頂へ行くことは禁止されていた。けれども、中国100名山にも選ばれている山なので一度は山頂を目指してみたいと思っていた。三徳山山頂への道は国土地理院の地図には載っていないが、ヤマレコのレポートを見ると南側から登っているレポートがいくつかある。その中で、一番上りやすそうなレポートのルートを参考にすることにした。
 登山口とされている地点には駐車場があった。「冠巌展望駐車場」と標識が立っているが、駐車場は道から少し下がった展望が良いとは思えないところだ。どこが展望駐車場なのかいぶかしく思っていたが、車から下りて傘(屋根)の下に入り振り返ったら目の前に大きな岩の断崖がそびえていてびっくりした。そうか、あれが冠巌(かんむりいわ)なんだ。まさか、三徳山って、あの山じゃないよねと、地図で確認したが、少し方向が違っているようでほっとした。
 ヤマレコアプリの山行記録地図を見ながら歩き始めた。最初は車でも行けそうな道ではあったが、無理して車で入っても車を停められるところが無いかもしれないし、往復で5kmぐらいの行程なのでそんなにケチらずに歩けばよいと思って、畑の脇の道を歩いて行った。畑が無くなって山の中に入っても、道は車が通れるぐらいの道幅で、きっと農耕車や山仕事の車は通るんだろうなという感だった。けれども、そこは轍が掘れて溝になっていたり、そこに尖った礫が転がっていたり、なかなか厳しい道だった。でも、歩くには傾斜は緩やかで楽ちんだ。轍の間には赤いヘビイチゴが、道の脇には白い花が房になって咲いている。そして木立の上の方を見ると白い蛾がひらひらと舞っていた。やがて車の入れない林間の道になった。杉林の中には1mぐらいある岩がたくさん転がっている。時々、広葉樹林の中を通る。明るいところでは道の脇に笹が広がっている。杉林の中は落ちている杉の葉に覆われて道がはっきりしないところがあるが、ピンクのテープや「火の用心」と赤い字で書かれた黄色い札を頼りに林の中をジグザグに上って行った。
 道の左脇が開けていて送電線の鉄塔が見えた。前に続く道はこの先下りになっているようだ。スマホに表示される地図を見ると、ここで、送電線を横切って尾根を上がるようだ。道を外れて送電線の下にやってきた。目の前は薮になっていて道は無いように見えた。しかし、ここから目の前に見える尾根を上ることは間違いなさそうなので、思い切って薮の中に飛び込んでみた。すると、足下に草の密度が薄いところがある。それを辿っていくとその先にも少し薮の開けたところが…どうもこれが山頂へ向かうルートで間違いなさそうだ。しばらく行くと下草の少ないヒノキの林、シャクナゲらしき低木硬葉樹、そして、ブナやミズナラ。尾根の直登で傾斜はそこそこあるものの豊かな植生が目を楽しませるし、足下も歩きやすい。すぐその先にある山頂目指してラストスパートをかけた。
 薮を抜けたところで上り坂が終わった。周りには木が茂っていて展望は無いが、その地面に三角点の標石を見つけた。ここが山頂だ。少し奥に「三徳山900m」の900の字に×が重ねられていてその下に小さく899.6と記されている青い札が掛かっていた。間違いなく山頂だ。まあ、展望がないだろうことは予想していて、だからこそ今日この山を選んだのだから目的達成だ。枯れた笹の葉が重なる地面に腰を下ろしてお湯を沸かし、途中のコンビニで買ってきたカップラーメンを作って昼食とした。
 下りは来た道を折り返したが、上ってきたときよりも道が確認しやすく、特に迷うこともなく順調に歩くことができた。鉄塔上の薮の中もそれほど苦労せずに歩きやすいルートを辿ることができた。「これ何の木だろう?」と木の葉の形や樹皮の模様を確認したり、立ち止まって鳥の聲を聴いたりしながら。
 結局この日、上りも下りも山の中では誰にも会うことはなかった。展望も特になかった。中国地方の取り立てて特徴のない山といった感じだった。ただ、これでやっと「三徳山に登った」と胸を張って言えるようにはなった。単なる観光登山ではなく「休日には山歩きしてます」と言える、ちょっと山の好きなおじさんを自称しても文句は出ないだろう。

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