【南大月作戦】菊花山・馬立山・九鬼山・大桑山・高畑山・天神山・倉岳山・細野山・トヤ山・舟山・丸ツヅク山・矢平山
- GPS
- 10:53
- 距離
- 29.4km
- 登り
- 2,362m
- 下り
- 2,426m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:神奈川中央交通バス白井バス停 |
コース状況/ 危険箇所等 |
道の状況: 菊花山〜礼金峠、富士見平〜鈴懸(鈴ヶ音)峠の間は草葉が道を覆い、倒木多数。蜘蛛の巣を掻き分けながらの山行となる。 鈴懸峠からは道が良くなり、九鬼山、高畑山、倉岳山では他のハイカーも見られた。 今日歩いた限りでは、巻き道が全く無いので、全てのピークをアップダウンしないといけない。しかも、そのほとんどが急な上りと急な下り。 大地峠からの尾根は、最後の辺りは急降下。 下山後の温泉:藤野やまなみ温泉 |
写真
感想
【出発まで】
例の如く0430時武蔵小金井駅発の電車に乗るべく自転車を走らせる。が、久し振りの武蔵小金井駅、再開発により従来使用していた駐輪場が無くなっていた。新しい駐輪場を探している間に発時刻が過ぎてしまう。若干嫌な気持ちになったが、30分短くなっても大丈夫だろうと次の電車に乗り込む。
【菊花山まで】
平日ではあったが、ハイカーと思しき中高年男性が数名、大月で富士急行に乗り換えていった。駅を降りると数百m先がもう山だ。そして線路の反対側には岩殿山が迫る。この山と山に挟まれた狭い平地に人が集住して市を形成しているのだ。
山麓の神社に参拝の後、山への取り付きを探す。ガーミン搭載の地図(以下、単に「地図」という。)上では神社の手前から真っ直ぐに伸びる道があることになっていた。確かに神社手前に山へ入っていく階段があるのだが、どうも草ぼうぼうな感があり、GPS上の現在位置とは結構ずれているようだ。迷った挙句、神社の後ろに階段があったので、たいてい神社の裏が登山口だったりするよなあと思って入ってみる。入ってみるとピンクのリボンがいくつか見られるものの、目の前は岩で地図が示すように真っ直ぐに歩いていけるような状態ではなく、左右もまた、まともに歩けそうな状況ではない。
前後左右上下に進路を模索した結果、地図上のルートに沿って真っ直ぐ登っていくこととし、神社裏の岩を回り込みながら足がかりを確保しつつよじ登っていく。市街地近くの低山だと高を括っていたが、最初からこれでは先が思いやられる。とりあえず強行して登っていけばまともな道に出るだろうとガシガシ登っていくと本当にまともな道に出た。時間のことを考えるとそのまま前へ進むのが良いのだろうが、これでは今後の山行の参考にならない。一旦振り出しに戻ってやり直すこととし、九十九折の道を下る。さすがに駅までは戻っていられないので神社から再開としたが、実際歩いてみたら地図と道が全く違うじゃないか。入口が大きくずれているだけでなく、道も真っ直ぐではない。
何はともあれ、再開後は難無く菊花山に登り、南に富士山、北に大月市街と岩殿山他の大月北稜を無事長閑に眺め得たのであった。
【菊花山〜九鬼山】
岩の下りで山頂を辞し、次なる山へ向かう。当初予定では御前山にも立ち寄る予定だったが、電車を遅らせたのと、一旦戻ったのとで端折ることとした。それより何より酷い道だ。道はあるが、草葉に覆われている。よほど人が通らないのだろう。笹を手で掻き分け、というのは今までも何度かあったが、今回はまさに体で掻き分けねばならぬほどの高さまで笹やススキや何やらが覆いかぶさっている。そして、草が生い茂って、人が通らないと繰れば、そこは蜘蛛が縦横無尽に巣を張るところとなる。たまらず、近くに落ちていた木の枝を拾って、蜘蛛の巣を払いながら歩く。11月の山ではあるが汗が噴出し、首の辺りが沁みる。どうも先ほど草葉を体で掻き分けた際、頚部を軽く切ったようだ。とんでもない山へ来てしまった。もう帰ってしまいたいような気分だ。
馬立山周辺で一旦道がまともになったが、ピークから降りるところでまた道が荒れる。こんなことではとても当初の目的は達し得ず、適当なところで下山しなければならんかもしれない。
と、思い始めたところ、整った植林帯に入り、道が画期的に良くなる。何だこれは?と思ってなお降りていくと、札金峠だ。何だか下世話な響きのする峠だが、ここから朝日小沢という所へ道が続いており、そちら方向及び峠からの道は非常に広く歩きやすくなる。その先に標識があるのだが、田野倉駅、猿橋駅の方向は示すものの、私の歩いてきた大月駅方向を指すものは無かった。それだけでも人の通りの少なさがわかる。しかし、これでもJTBパブリッシングの出している『日帰り山あるきベスト100 関東周辺』の「41 御前山」では菊花山からの荒れた道がルートとして示されているのである。
紺屋の休場で軽く休憩した後、最後に急な登りを越えて九鬼山へと至る。
【九鬼山〜鈴懸峠】
九鬼山も好展望だが、その先の富士見平からの富士山の眺めも素晴らしいものがある。これは今日はこの後順風満帆だぜと思って杉山新道と鈴懸峠方面への分岐まで来たのは良いのだが、その後、また草葉の茂る藪の中に突入する。菊花山からの道中で拾った蜘蛛の巣除け用の木の枝はお役御免になるはずだったところ、もう少し手に持って歩くこととする。
道は菊花山〜札金峠よりはまし。途中、まだ年月の経っていないと思われる杉の樹林帯に至る。この辺りも所々木が倒れていたりして歩きにくい。しばらくすると道志方面の山々がススキの合間から見えてくるのだが、この先の道は山をよく見ようと茂みに入っていった中にある。引き続き樹林帯沿いを下っていくのかなと思ったりもしたが、違うので要注意だ。特に矢印板なども無い。ちょっと右手側が開けたなと思ったら気をつけたい。道に迷ったのはそこくらいで、後は道も明瞭、なんとか鈴懸峠に到達した。
【鈴懸峠〜倉岳山】
山を降りていくと舗装道路に出る。その辺りが鈴懸峠である。時間があれば鈴ヶ尾山に寄るところだが、次なる大桑山を目指して道路を降りていく。数百m歩いていけば道が二股に分かれており、左手を登っていくと、大桑山への取り付きに至る。大桑山登山口の辺りは草が茂っており、この山の道はどうかな?と不安ではあったが、歩いてみると案外歩きやすい道であった。しかし、大桑山からしばらくは山頂部が飛びぬけている感があり、どのピークも急な上りで頂上に達し、その後急降下で下るというアップダウンの連続となる(その前も似たようなものだが、前半は荒れた道の方が印象に残った)。救いとしては、高畑山から他のハイカーも見え始め、倒木、草むら、蜘蛛の巣に悩まされなくなったことだ。これは大きい。倉岳山からの富士山を目指し、連続する急登をよじ登っていく。
【倉岳山〜大地峠】
倉岳山には先客1名。北方の稜線は相変わらず良く見えるものの、残念ながら富士山は厚い雲に覆われてしまっていた。やむを得ず次の山に移るが、以降はあまり展望の無い山頂の山々が続く。細野山の山頂から少し行った辺りでは道志の山々が眼前に堂々と、その威容を放っている。
この辺りから日の傾きもだんだんと顕著になってきたので、どこまで行けるのかというのを考えるようになる。まず、高柄山は無理だ。寺下峠から上野原という選択肢もあるが、何だか物足りない。残時間を考えれば、大地峠までは行ける。峠に至って南に下るか、北に下るか、それは峠に着いてから考えよう。
しかし、安易に寺下峠から歩を進めたものの、その先は763mの丸ツヅク山に860mの矢平山だ。最後に100m前後のアップダウンが来てさすがにげんなりする。
【大地峠以降】
大地峠には新と旧があるようだが、どこが旧かよくわからないまま(甚之函山方面分岐が旧峠?)、舗装道路と併走し始めたところで新大地峠に到達する。できれば藤野のやまなみ温泉に入って行きたいなと思っていたところなので、舗装道路の見えた南側に下りることとした。しかし、日没一時間前、舗装道路に出てしまえばもう安心と一旦舗装道路に出てみたものの、その道は、これまたガーミンの搭載地図では存在しない道である。このような心もとない道を歩くよりは、日没ギリギリまで尾根沿いに下った方が安心だろうと、再度山道に戻る。
この日最後の残光を受けて歩く尾根道は歩きやすく、鞍部に入ると暗部になる所はあったが、サクサク歩が進む。
太陽が稜線に沈むと急に暗くなってくる。日没10分前くらいになるとさすがに尾根とは言え暗い。道は最後の山道と言うことか、峠へ向けて急降下、と同時に道が笹薮に覆われ予期せぬ藪漕ぎに。これはしまったなと早足で降りていくと、急に視界が開け、里と畑が目の前に飛び込む。山を出たのだ。
ガーミンの地図を確認すると、またもや地図に無い道。しかも、地図上では金山峠で降りるような感じだったが、実際は金山峠どころか、そのずっと先まで進んでいたようだ。まあ、日没前に降りられたから良かったけれども。
しかし、下山したは良いものの目の前が鉄線と鉄柵。最後にこれか!どうすりゃいいんだ?一旦山に戻るのか?と一瞬狼狽したものの、鉄のゲートが開閉できることに気が付き無事下山を完了できた。
日の落ちた秋山村の紅葉は黒々としていたが、日中はかなり見ごたえのあるものと思われる。日が落ちてしまって惜しいなと思いつつ、藤野やまなみ温泉へ歩く。当初想定より距離があるようで、どうするかなと思っていたところで、たまたまバス停の時刻表を見ると5分後にバスが来る。これ幸いと今回のハイキングを終了したのだった。
このように幸運に恵まれたが、地図に依存しすぎることの危険も痛感した秋の日の山行であった。
〜おしまい〜
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