【裏岩手縦走】 八幡平〜岩手山
- GPS
- 56:00
- 距離
- 36.6km
- 登り
- 2,182m
- 下り
- 3,135m
コースタイム
- 山行
- 4:20
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 4:30
- 山行
- 9:00
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 10:20
天候 | 17日 晴れ時々曇り 18日 朝晴れ、のちガスと強風 19日 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
下山: おらほの温泉から盛岡駅まで路線バス 両方ともこちらに時刻表あり http://www.iwate-kenpokubus.co.jp/regular/schedule/ |
コース状況/ 危険箇所等 |
岩手山の西、切通からお花畑までは硫黄臭い川沿いをゆくが、所々路肩が崩れて河原を歩きます。多少危ないので注意。それ以外は特に問題は感じませんでした。 |
その他周辺情報 | おらほの温泉(500円)。源泉掛け流しは素晴らしい。 焼走り登山口からおらほの温泉まで徒歩だと2時間弱かかりました。 |
写真
感想
■一日目 晴れ時々ガス 八幡平11:00〜15:30大深山荘△
夜行バスはコロナが怖いので、朝一の新幹線で盛岡入りした。新幹線は八幡平自然散策バスに接続するので大変ありがたい。盛岡はどんより曇っていたが、八幡平頂上まで登ると晴れてきた。今日の天気は面白く、秋田県側が晴れ、岩手県側がガスと、完全にデジタルに分かれており、それは夕方まで続いた。東風だったせいだろう。いかにも梅雨らしい天気だ。
荷物を置いて八幡平のピークまで行くが平日なのにさすがに人気で人は多い。バスターミナルまで戻り、車道を少し南下して裏岩手の縦走路に入る。すぐそばのモッコ岳にも登ってみたが、秋田県側が雄大に眺められた。それにしても八幡平はなんと真っ平らな山なのだ。おかげでアップダウンが少なく行程は非常にはかどるのだが。
その後もモロビ岳、ケンソ森と順調に進み、大深山荘までたどり着いた。あわよくば時間があれば三ツ石山荘を目指そうかと思っていたが、とても無理である。予定通りここに泊まることにする。小屋は小さいが新しく非常にきれい。水場もとても近く、おまけに湧き水である。最高の立地だ。他の登山者と密になるのが怖いので今日は念のためテントも持ってきたが、結局この日は私以外だれも宿泊者はいなかった。
※余談だが、テントは巨大なマスクのようなもので、小屋内で張ればおそらく至近距離でも感染は無いだろう。あとはトイレなど共用の場所を注意すれば大丈夫なはずだ。小屋テントは冬季の避難小屋ではよくやられる手段だが、コロナ禍では有力な感染症対策になると私は思う。
食事後、そろそろ寝ようかと思っていると、天気が良くなってきた。これはチャンスとばかり近くの大深岳まで日没を見に行く。とんでも無い素晴らしい景色になっていた。明日目指す岩手山が雲を突き抜け完全に現れていた。鳥海山や岩木山など遠くの山も見える。思わぬサンセットショーを堪能できたのだった。
■ニ日目 朝晴れ、のちガスと強風 大深山荘4:55〜13:40平笠不動避難小屋△
今日は曇りのち一時雨の予報。昨日に日没を堪能し、どうせ天気が悪いから寝坊しようと思っていたが、朝起きると朝焼けできれいに晴れている。これはヤバいと急いで起きて出発した。大深岳まで登ると、岩手山方面が滝雲になっており、凄い迫力だ。こんな景色は生まれて初めてだ。梅雨の晴れ間ならではの貴重な眺めだ。
しかし一時間も歩き小モッコ岳まで登るとガスに飲み込まれてしまった。その後、上空に太陽は見えるものの、景色が晴れることは全くなかった。大深岳から見た滝雲の中を延々歩いていたのだと思う。三ツ石山荘まで下るととんでも無い深いガスと強風で、雨でもないのにずぶ濡れになってしまった。松川温泉にエスケープしたいな〜などという邪心を振り切って先に進む。犬倉山の先で沢沿いに降りると湧き水の水場がある。冷たくて非常にうまい水だ。ここで水筒を満タンにした。そこから少し進むと山盛りになった熊の糞が登山道のド真ん中に鎮座しているのを目撃しビビる。しかし今は先に進むしかない。
沢を離れ、姥倉山の尾根に登りきると地熱の高い地帯になり植物が無くなる。ここは看板もあるが陥没などの危険もあるため、歩行注意の区間だ。この先、岩手山の噴火注意の地帯がしばらく続く。黒倉山の分岐ではなぜか風がピタリとやんだので、大休止してラーメンを作った。
切通しからまた沢に下りお花畑を通って御釜湖を目指す。ここは岩手山の旧火口だ。岩手山では一番の印象的な区間であり、多彩さを思い知ったところだった。硫黄のにおいが漂う川沿いを上るが、ところどころ崩れていて河原に降りなければならない。少々危険なので十分注意して登降した。御釜湖と猪苗代湖はすぐそばにあった。特に霧の猪苗代湖が幻想的だった。この湖は岩手山の山頂からも俯瞰できる。
御釜湖からは平笠不動小屋を目指して登る。ここは最後の登りが滑り落ちるほど急なので注意が要るが、道はよく踏まれており特に問題は感じなかった。森林限界に出ると大岩があり、その基部を少し登ると焼走りからの登山道と合流して小屋に到着した。小屋に荷物を置いて山頂を往復することにする。
今日はもともとこのまま岩手山山頂を往復し焼走りに下山してしまおうと思っていた。しかし山頂に登り付くととんでもない強風とガスである。雨は降っていないが暴風雨と同じでびしょ濡れである。写真すら取れず、こんなではせっかく東北の山まで来た甲斐がない。小屋まで降りてう〜んと悩むが、結局ここで一泊して明朝もう一度山頂を目指すことにした。平笠不動小屋は近くに水場が無いのだが、幸い犬倉の水場で水筒を満タンにしたのでまだ1.5Lある。なんとか足りそうだ。
土曜の夜なのでさすがに私以外にも宿泊者がいるだろうと思っていたが、その後小屋を訪問する方は皆下山してしまい、なんと私だけになってしまった。結局小屋テントは出動することなく、快適に週末の夜を過ごすことができたのだった。
■三日目 曇り時々晴れ 平笠不動避難小屋4:15〜8:20焼走り登山口[下山]
昨夜はひどい雷雨になったが、幸い起きるころには雨もやんでいた。すっきりとした晴れではないが、強風も収まり視界もあるので、朝飯前に山頂を往復してきた。山頂部はさすがに樹木のない裸地火山の様相であったが、一方で昨日歩いた旧火口のように樹木や植物に深く覆われている地帯もある。岩手山の多彩さをつくづく思い知った。私が登った日本の山の中でも、10本指に入るほどの名山だと思う。
小屋から焼走り登山口までは快調に進み、この充実した縦走を終えた。途中のコマクサの群落にまた驚くこととなった。この大規模な群落はおそらく日本一ではないかと思う。今年は天気が悪かったが、それが逆に作用したのか、コマクサは狂い咲きであった。
登山口からは交通機関は何もないので、おらほの温泉までさらに2時間弱歩いた。おらほの温泉は観光客が全くいない旧西根町の地元の温泉。湯温は高いが厳選かけ流しのいいお湯だった。温泉の目の前のバス停から盛岡行きの路線バスに乗り、新幹線で小田原まで帰った。
コメント
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junjapaです。とても楽しんだようですね。花も多いし景色もいいし、最高です。コマクサがとても可憐です。東北まで行った甲斐があるというものですね。実は自分もほぼ同じコースを行ったことを思い出しました。初日は藤七温泉、2日目は三つ石山荘で岩手山にも行きました。三つ石の湿原はとても素晴らしかったことを覚えています。あそこを林道を越える計画があったそうですが、あそこに林道などを通してはいけないそんなことを思いました。写真も素晴らしいですね。デジタル写真で加工等をしているんでしょうか。とてもきれいです。
裏岩手の縦走はメジャーなので結構な方が歩いてますね。交通機関も便利なので遠くから行ってもストレスになりません。
それにしても三石湿原に林道を通そうとは信じられないですね。あそこは縦走路でもチャームポイントなおで是非守っていきたいものです。小屋の立地も最高でこちらに泊まっても快適だったと思います。
写真は一部は自動の処理でいじってますが、少し作り物っぽくるので乱用しない方が良いかなと思いました。それにしても最近はスマホでも良く撮れるもんですね。
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