木枯らし一番!高水三山〜御岳渓谷〜渓谷祭りで大混雑


- GPS
- 05:14
- 距離
- 10.7km
- 登り
- 786m
- 下り
- 811m
コースタイム
天候 | 晴れ/木枯らし一番により強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
ほとんど空席。軍畑では5,6名の下車。 帰:JR青梅線 15:06御嶽駅発立川行 紅葉シーズンでもあり御嶽駅は大混雑。青梅までは4両での運行で、青梅駅で増車される。また、青梅にて東京直通の快速に乗り換える人もあり、やや混雑は緩和される。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【軍畑駅〜高源寺】 車道を歩く。高水三山方面への道は途中で左に分岐するが、最初は車道の右側にしか歩道がないので反対側に渡って歩くとよい。 車道沿いに沢があり、この辺りから早くも沢の景色を楽しみながら歩くことができる。道標がところどころにあるので方向を間違うことはない。 平溝通りで道が分岐して沢沿いに左方向へ。沢には何故か鴨が泳いでいた。 高源寺の手前で道はさらに分岐し、大きな岩の目印と右方向に「高水山登山道入口」の緑の道標がある。道標に従って進むとすぐに高源寺の門が見える。 門の左手にトイレがあり、登山前の用足しができる。 【高源寺〜高水山】 高源寺からさらに舗装道を10分ほど歩く。傾斜が出てくるので登山ペースを作りながら登って行く。 防砂ダムの手前で舗装道が終わり、その先は山道である。防砂ダム横の階段を登り、その先は沢沿いに道が続く。木橋で沢を二度ほど交差して越えて進んでいくと沢は途切れて植樹帯に入る。山肌を折り返しながら登って小さな尾根に出た辺りが6合目となる(石の道標がある)。 高水山は尾根を右手方向に進むが、左手方向に小さなピークがある。登ってみたが展望はあまりない。 高水山方面へ登って行くと7合目の直前に休憩スペースがあって展望が開けた箇所がある。一本とるのに最適。 その先は杉林の中を登って行く道が続く。8合目を過ぎた先になちゃぎり林道へ抜ける分岐がある。高水山は分岐を左。 さらに10分程登ると常福院に着く。常福院を経由せずに高水山を目指すルートもあるが、常福院を経由しても距離は大して変わらない。 この辺りは紅葉が非常に美しい。紅葉に見とれながら歩くといつの間にやら高水山山頂に到着する。高水山はあまり展望がないものの、紅葉が綺麗な箇所がいくつかある。 【高水山〜岩茸石山】 高水山山頂を通り過ぎて、木の根の階段を下り尾根道に出る。 ほぼ平坦な道が続く。両側は杉林で右手の木々の隙間から遠くの山並みが見える。途中で謎の分岐があったが何の道だろう?(道標なし。平行して走る別ルートか?) 岩茸石山直前で岩交じりの登りがある。それなりに急だが登れる道筋は十分にあるので落ち着いて登れば問題はない。 登りの手前で岩茸石山を巻く道が左に分岐している(通らなかったので様子はわからない)。 岩茸石山は展望がよく、川苔山や棒ノ折がよく見える。この日は木枯らし一番が吹いた日で、山頂は風が強くあっという間に体感温度が下がるようだった。防寒具は必須。 【岩茸石山〜惣岳山】 岩茸石山から少し下り、また平坦な道が続く。 杉林の中、アップダウンも少なく道幅も十分あって歩きやすい道だった。 惣岳山の手前で岩と木の根の入り組んだ急登がある。慎重に足元を確保しながら登る。 岩場を越えて、斜面を2,3度折り返して登ると惣岳山の山頂に着く。惣岳山の山頂も展望はない。 【惣岳山〜御嶽駅】 比較的緩やかな下りが続く。祠の水場の辺りで分岐があり、高水山方面の表記があったが惣岳山の巻き道か? 深く抉れた登山道を下っていく。前日が雨だったせいで粘土質の土が滑りやすい箇所が多かった。 4,50分ほど下った辺りで道が四分岐していて、直進すると御嶽駅、左方向が沢井駅(200mほどで車道に出るらしい)、右方向が丹縄となっている。丹縄方面は(今回はそちらに行く予定があったのだが)『山と高原地図』に記載のない道なので今回はパスした。 御嶽駅へ下るまでは小さなピークが2,3ある。鉄塔の足元を通り、何箇所か多少展望の望める場所もある。 【御嶽駅〜どんぐりこのテラス】 昼食をどんぐりこのテラスでとる予定だったので御嶽駅から車道を歩いたが、歩道が狭く、強引に追い抜いていく車もあってやや危険だった。車道はなるべく避けたい。 御嶽渓谷に下りると遊歩道が整備されており、車の心配をせず渓谷の景色を楽しみながらどんぐりこのテラスまで歩ける。 ただし御嶽駅近くの遊歩道は、紅葉の季節ということもあり人であふれかえっていた。紅葉狩りというより人間狩り状態である。遊歩道は場所によっては狭く、手すりやガードレールもない箇所がある。中にはカヌーをかついで歩いている人もあり、大きな山装備だとすれ違いにくい場合があるので注意。 |
写真
感想
土曜日が雨だったので軽めの山行にしようと、高水三山へ行くことにした。
山歩きは午前中で早々に切り上げ、御嶽駅と川井駅の中間にあるどんぐりこのテラスで昼食を取ることにした。このレストランは、大きなパンの中にシチューやカレーを詰めたどんぐりこメニューが名物で、一度食べてみたいというかねてよりの企みがあったので、今回の山行は紅葉狩り半分、どんぐりこ半分のハイキングであった。
高水三山と言えば小学校の遠足でも登る入門者向けのスポットであり、紅葉シーズンということもあって混雑が予想された。
だが今回の計画では昼食時に下山してくることが肝心である。早目の時間に登るのは混雑回避を考えても都合が良い。
日の出前に家を出て、軍畑駅に下りてみれば、狙い通りほとんど人はいなかった。
朝もやの中を登山口目指して歩く。
道路と並んで流れる沢の音が心地よい。付近の民家に暮らす人は、窓を開ければすぐ目の前に小さな滝が流れていたりするわけで、ちょっと羨ましかったりもする。
沢には何故か鴨が泳いでいた。凍えないのか・・・・・・。
高源寺を通り過ぎたあたりから舗装道の傾斜が出てきて、まだ目覚めきってない身体がなんだか萎える。登山道より舗装道を歩くほうが疲れる気がするのはおっさんだけだろうか。
やがて行く手に立ちふさがる砂防ダム。ここから登山道である。
前日の雨のせいで地面は濡れ、特に木の階段は滑りやすい……かと思っていたがそうでもなく、比較的登りやすい階段だった。
階段を登ってしまえば傾斜も緩やかな沢沿いの道である。湿気交じりの朝の森の空気は実に心地良い。
木橋を二度ほど渡って沢とお別れし、植樹帯を登って行く。この辺りで後続の若者二人に追い抜かれる。かみさん曰く、ハンサムボーイだったそうな。
小さな尾根に出たところで道は右に折れるが、なにやら左手に小さなピークが見えたので、思わず足がそっちに向いた。
「そっちなの?」
とかみさんが言うが、
「こっちじゃないよ、そっち」
よくわからない返事をしてピークに登ってみた。景色が良いのかと思いきや……まだ中腹だもんなぁ。特に感動はなし。
引き返してかみさんに追いつくと、6合目の休憩所があって、
「ああ、ここはそこそこな感じですなァ」
そこそこな景色を眺めることができた。
6合目、7号目と、節目毎に設置されている石の道標が趣き深い。
いつごろ設置されたものなのだろう。これらの石標を担いで登ったボッカがいたのだろうなぁ。
そんなことをつらつら考えながら登って行くうちに常福院不動堂への分岐へ着く。今回は時間制限付きの山行なので、常福院は経由せずに高水山を目指すことにして枯葉の坂道を登ってみると、
「あれ?」
登りきった右手に常福院の鐘が。どうやらショートカットしてもしなくても大して距離に違いはないらしい。
せっかくだから見物してくればよかったな。
常福院から高水山山頂までの紅葉は見頃だった。高水三山内で一番見ごたえのある紅葉スポットと言える。
高水山山頂はあまり展望がよくないものの、紅葉狩りという観点からは三山中ベストだ。
興醒めする出来事として、岩茸石山を目指して下りかけたあたりの木に落書きが彫られていた。
古い落書きなのか、傷の周囲は盛り上がっていた。木は頑張って成長してるんだねえ。
写真はハングルだが、脇のほうには日本語も。こういうのは痛いね。
岩茸石山までは歩きやすい尾根道と杉林が続く。木々の間を吹き抜けてくる風が気持ち良い。
途中で謎の分岐があったが、標識もないので何の道かわからなかった。もしかしたらほぼ平行に走っている別ルート?
岩茸石山直前でやや急な登りになる。
そう言えばおっさんも子供の頃に高水三山に遠足で登ったような覚えがある。途中で岩を這い登るような箇所があった記憶があるので、これがその場所だったろうかと思い返してみるが、記憶にあるのはもっと強烈な登りだったような気がしてならない。
しかし『山と高原地図2012年度版』にも“露岩帯の急坂”と記載があるし、子供の頃の記憶だから多少大げさに見えたのだろうと思い、ひょいひょい登って岩茸石山へ。
岩茸石山はなかなか展望がよい。
川苔山方面から棒ノ折、遠く見える町並みは飯能の辺りか。振り返れば高水山も見える。
棒ノ折方面の山は見事に黄色に染まっていた。そのうち棒ノ折にも行ってみようと密かに心に刻む。
山頂には何組かの先客がいて、思い思いにベンチに腰掛けて休憩していた。
と、風がずいぶんと強く吹いてきて、体感温度がぐんぐんと下がっていく。
後に知ったことだがこの日は木枯らし一番が吹き荒れた。杉林の中を歩いている分には心地よいくらいの風だったが、吹きさらしの頂上では防寒着が無いと凍えそうだった。
軽い休憩のみで岩茸石山を後にし、三山最後の惣岳山へ向かう。
再び林の中の道となるので木枯らしの猛威からは守られ、ゆるく下る歩きやすい道が続く。
途中、トレイルランの集団に出会う。5、6名が列を成して走ってくるのを脇に避けてやり過ごす。その後から遅れて1、2名がちょっと恥ずかしげな表情でまた走っていく。
何故か学校に遅刻しそうになって走っていく小学生の集団を想像してしまい、1人でニヤニヤ。なんでそんな想像が出てきたのやら。
この辺りから、逆ルートで登ってくる登山者たちと何度かすれ違った。
数十人の団体さんもいた。
「こんにちは〜」
「こんにちは、お早いですねぇ〜」
と言われ、
「でへへ……」
と笑ってごまかしたが、こういうときは何と答えればいいのだろう。
おっさんとしてはそこまで早出をしてきたつもりもないのだが……。筑波山では朝の時点で下ってくる人もいたしなぁ。なんだか恐縮です。
と、惣岳山の直前で木の根に覆われた岩の斜面が出現。
(これだ!)
遥か昔の遠い記憶にある岩場の登りは、まさにこの場所だった。
木の根につかまり、岩の隙間に足を突っ込んで登る。
(よーいしょっしょっしょ、うん、こんな感じの坂だった)
脳内でマイナーな台詞のパロディを思い浮かべながら、かみさんの尻を見上げて登る。
ここが最後の山場で、登りきると間もなく惣岳山山頂に到着。これで三山制覇である。
ちょうどおじさんパーティの数人が逆ルートから到着したところだった。
「ふう、これで到着?」
「うん、あと二つあるけどね〜」
「うええ」
みたいなやり取りを聞き流しながらこちらは下山を開始。
前日の雨のせいで、土の登山道はところどころ滑りやすい状態になっていた。
トレッキング棒を使っていたが、ゴムのグリップが効かずにズルズル滑ること滑ること。軽くバランスを取るくらいに留めないと危なかった。もっとも、棒に頼るような段差の高い箇所は無かったが。
御嶽駅へ下る道は、途中でごく小さなピークを2,3度通る。ピークの上には鉄塔が立っていたりするのだが、御岳方面が見えたり、紅葉が美しかったりして、それなりに楽しい道である。
途中、『山と高原地図』に載っていない道を発見。どうやら丹縄方面へ下れる道らしい。
昼食予定のどんぐりこのテラスは、まさに丹縄方面なので、冒険がてら進んでみたい気持ちもあったのだが、
「あんたはいつでも困難で苦しい道ばっか選ぶんだよ、このハゲ」
というかみさんの言葉を思い出して思いとどまる。
今日のところは大人しく予定通りに御嶽駅に下ろう。
御嶽駅が近づいてくると、なにやら祭囃子が聞こえてきた。
駅前で“渓谷祭り”なるイベントを実施中であった。
紅葉シーズンに合わせた観光イベントらしい。昼食前に通った時にはそれほどの人出でも無かったが、のんびり昼食を済ませて御嶽渓谷を歩いて戻ってみると大混雑だった。
(紅葉狩りというより人間狩りだなぁ)
頭の中でピーターの『人間狩り』の曲がリピートする。
どんぐりこのテラス周辺、そして御嶽駅下の御嶽渓谷の紅葉はまさに絶好の見頃を迎えていた。
正直、高水三山に登るよりも御嶽渓谷を歩いたほうが紅葉を満喫できるという……認めてしまうとやや空しい気持ちが沸いて来る。
否、紅葉は御嶽渓谷のほうが素晴らしかったかもしれないが、高水三山には山歩きそのものの楽しさがあったではないか……と言い切るには若干物足りない感じもする。
別に山行に不満があったわけではない。十分楽しい山行だった。
ただ、物足りなさを感じるのは、おっさんのレベルが少しだけ上がったということなのかもしれない。
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