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Yamareco

記録ID: 2517561
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

槍ケ岳

2000年08月12日(土) ~ 2000年08月13日(日)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
38.5km
登り
1,781m
下り
1,771m

コースタイム

1日目
山行
4:00
休憩
0:45
合計
4:45
11:30
11:40
50
徳沢園
12:30
12:45
35
13:20
13:30
40
14:10
14:20
25
槍沢ロッヂ
14:45
槍沢幕営地
2日目
山行
9:45
休憩
1:55
合計
11:40
4:30
90
槍沢幕営地
6:00
6:10
85
水沢
7:35
7:55
20
槍ケ岳山荘
8:15
8:30
15
8:45
9:15
60
10:15
0:00
75
水沢
11:30
12:00
90
槍沢幕営地
13:30
13:40
150
16:10
上高地バスターミナル
 北アルプスの中で、今まで登りの残してきた槍・穂高周辺の山域に、2000年の盆休みを利用して出かけることにした。初日に上高地から槍沢沿いに殺生ヒュッテ迄入り幕営、2日目は槍ヶ岳登頂の後に涸沢まで移動して幕営、3日目に奥穂高岳に登り下山、と言う計画であった。プランの成否は、初日に予定通り殺生まで入れるかどうかであったが、家を出て30分でつまずいてしまう。沢渡に6時前に入り、一番のバスで上高地入れる様に、深夜2時頃に東京を出発したのだが、中央高速に乗るとすぐ「上野原〜国立府中、事故渋滞30キロ、所要時間3時間以上」と出ているではないか。乗ったばかりの中央高速を調布で降りて練馬へ移動、関越道・上信道経由で松本に向かうことにしたのだが、上信道に入る時間帯には、既に帰省の渋滞が始まっていた。結局、沢渡に到着したのは9時過ぎで、上高地のバスターミナルを歩き始めた時には10時になっていた。幕営予定地を、「殺生」より3時間ぐらい手前の「槍沢」に変更、ターゲットも第一目標の「槍ヶ岳」に絞っての出発である。

 上高地が一大観光地であることは承知していたが、夏休み中ということもあって本当に人が多い。バスターミナル〜河童橋〜明神池の間は、大きなリュックを背負って歩くのが、場違いに感じる程である。登山者はすれ違う時に、「こんにちは。」と挨拶することが多いのだが、大勢の観光客に囲まれる中では、軽く会釈して目で挨拶を交わしていく。
 上高地から遊歩道を約2時間半、横尾に到着すると、漸く登山者の領域になって来た。ここで涸沢から穂高岳に至る道と分かれ、槍沢沿いの登山道に入る。ただ登山道と言っても、急な登りの箇所も無い。平坦で歩き易い道が続く。横尾から約40分、天気のいい日には「槍ヶ岳」が見えると言う、「槍見河原」に到着する。沢沿いに開けた河原は、ザックを降ろして一休みするのにうってつけの場所であった。川面からの風が心地よい。
 「槍見河原」から、なおも槍沢沿いの道を進む。吊橋を渡って、ひと登りすると「槍沢ロッジ」に到着した。ヒュッテ前のテーブルでは、早く着いた登山者達が「生ビール」を美味しそうに飲んでいる。幕営地まであと30分。ジョッキ一杯700円の生ビールに、喉から手が出かかったが、ここはぐっと我慢。ヒュッテでテントの受付をした後、早々に出発する。
 槍沢の幕営地は、石積みの旧槍沢小屋跡に設けられている。飲料水は近くの雪渓からホースで引水されている他、仮設のトイレも設置されているのだが、場所が狭い。既に大小20張程のテントが、所狭しと設営されていて、張り切れないテントが槍沢の河原に設営されていた。本来的には、河原でのテント設営は鉄砲水や増水の危険を伴う為、避けるのが望ましいのだが、いかんせん場所が無い。危険承知の河原での幕営となった。万が一を考え、貴重品と必需品はサブザックに入れておく。後からテント受付の確認にきた槍沢ロッジの人に聞くと、「テントを設営している河原部分は、雨で増水しても、堆積した小岩の下を伏流水となって流れるだけで、雪解け時以外はまず大丈夫。」と言っていたが、「万一のときは、走って避難して下さい。」との事。気を引き締めてのテント泊となった。
 2日目は朝3時に起床、うっすら明るくなり始めた4時半に、ヘッドランプを点けて幕営地を出発した。槍沢の幕営地から約1時間、天狗原への分岐にさしかかる。「大岩」と書かれた岩の手前で、槍ヶ岳への道は直角に右折している。白ペンキで矢印も書かれているのだが、この近辺の登山道は、幾筋も並行した踏み後が、離合集散を繰り返している。矢印を見落として、大岩の脇を進んでしまった。程なく登山道を示す◎印が、雪渓の反対側に現れた。これは変だと地図で確認すると、どうやら天狗原への道に入り込んでしまった様だ。よく見れば右手の上に伸びる別の谷筋を、登山者の一団が登っていくのが見える。登りかけた正面の沢を大岩まで引き返し、槍ヶ岳への登山道を登り直す。約15分のロスだ。
 天狗原への分岐点から約30分、水沢の水場に到着した。登山道のすぐ脇の斜面から、冷たい水が涌いている。ひんやりとした清水が、喉に心地よい。槍沢幕営地から槍ヶ岳山荘までの、ちょうど中間点だ。ここから登山道は、ガレ場をジグザグに進んでいく。見ると岩に1550の数字がかかれている。標高1550?ではなかった。誰が計ったのか、槍ヶ岳山荘のある稜線部までの距離であった。表示はおおよそ100m刻みで、小屋まで続いている。ガスで展望が無く、自分の登っている位置が確認できない時には、この表示が励ましになる。「あと100m歩こう。」を繰り返している内に、何時しか目的地にたどり着けるのである。
 殺生ヒュツテを越え、槍ヶ岳山荘の建っている稜線部まで後少しのところに達したとき、一瞬青空が広がった。ガスの間から、槍の穂先が姿を現す。今回の山行の中で、唯一槍の穂先が見えた瞬間であった。
 槍ヶ岳山荘から槍ヶ岳山頂までは、混雑していなければ往復1時間もあれば登って来れる距離なのだが、人の多い時には2時間待ちの事もあるそうだ。登った日は、時間帯が良かったせいか、天候が今ひとつだったせいか、登山者の数が意外と少なかった。ザックを降ろし、ポケットにみかんを2個入れ、軽装で槍の穂先を目指す。
 梯子や鎖・ハーケンを掴みながら登る道は、危険な箇所は無いものの、確かに渋滞しそうだ。下の方は登りと下りが分かれているが、ハーケンを掴んで登るあたりからは道が1本になる。最後に2段の梯子を登りきると、ひょっこり山頂に出た。3180m、北アルプスの盟主「槍ヶ岳」山頂に到着である。山頂はちょうど雲の上だった。遠く「立山・剣岳」方面の山塊が、時折雲間から姿を現す。風も無く、気持の良い山頂であった。何時の日にか、天気の良い日の再登を胸に誓い、山頂を後にする事にした。 
  
天候 晴れ、霧
アクセス
利用交通機関:
自家用車
賑やかな上高地
槍見河原で一休み
槍見河原で一休み
平坦な道が続く
槍沢上部。幕営地はこの下。
槍沢上部。幕営地はこの下。
槍ケ岳へは、大岩手前を右折する。
槍ケ岳へは、大岩手前を右折する。
雪渓反対側の◎印は、天狗原へのルート
雪渓反対側の◎印は、天狗原へのルート
殺生直下のガレ場
殺生直下のガレ場
ハーケンを掴んで登る
ハーケンを掴んで登る
この2段の梯子の上が山頂。
この2段の梯子の上が山頂。
山頂は晴れていた。
山頂は晴れていた。
槍ケ岳山頂に到着。
槍ケ岳山頂に到着。
霧の中に浮かぶ槍ケ岳。
霧の中に浮かぶ槍ケ岳。

装備

個人装備
長袖シャツ ズボン 靴下 グローブ 防寒着 雨具 着替え ザック ザックカバー 昼ご飯 行動食 非常食 調理用食材 調味料 飲料 ガスカートリッジ コンロ コッヘル 食器 ライター 地図(地形図) コンパス 計画書 ヘッドランプ 予備電池 筆記用具 ファーストエイドキット 常備薬 日焼け止め ロールペーパー 保険証 時計 タオル ナイフ カメラ ポール テント テントマット シェラフ
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