池平山 - 本峰(北峰)に再チャレンジで到達 -


- GPS
- 28:40
- 距離
- 53.3km
- 登り
- 9,685m
- 下り
- 9,721m
コースタイム
- 山行
- 4:08
- 休憩
- 0:29
- 合計
- 4:37
- 山行
- 10:03
- 休憩
- 3:28
- 合計
- 13:31
- 山行
- 4:31
- 休憩
- 0:13
- 合計
- 4:44
天候 | 19日概ね晴れ、20日概ね晴れ、21日AM曇り、PM晴れ、22日概ね晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
帰りは逆に。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
欅平-阿曽原温泉:整備良好。歩きやすい。が、「黒部に怪我なし」の通りわずかでもコースをはずれれば死亡する。川側に飛び出たところではところどころ携帯電波を拾う。沢筋から適当に水は取れる(水質保証はしない)。 阿曽原温泉:管理人さん在中。草刈りなど整備頂いたようだった。ありがとうございました。小屋は組み立てられてもいないが、テントスペースは1000円で開放されていた。入浴料500円。 温泉があってビール(500ml800円)があって水が使い放題。最高のテン場です。虫が多いのが唯一の難点か。 3日目戻って聞いてみると下の廊下は通行可能となった模様。 阿曽原温泉-仙人谷ダム:整備良好。auはどこでも電波がつながるが、ドコモは全然だめ。暗くてわからなかったが、ここもまあまあ水平歩道的な切れたったところがあった。 ダムでは方向を間違えないように。下の廊下は一旦ダムを渡って右岸に。雲切新道はダム施設を乗り越して左岸のままで。 仙人谷ダム-雲切新道-仙人温泉小屋:整備良好だが急登は注意。くまに唸られた。仙人温泉小屋は冬に向けて整備中のようだった。営業していないが水場は使えた。今後は分からない。 仙人温泉小屋-仙人池ヒュッテ:基本沢筋を高巻きつつ登る。渡渉は3回ほど。いずれも水量が少なく容易だったが、水量が多い場合は注意が必要。仙人池ヒュッテは予約のみで営業中。水はどこでも取れる(水質は保証しない)。 仙人池ヒュッテ-池ノ平小屋:整備良好。池ノ平小屋も整備中であった。先週のように無人であれば乾燥室が避難スペースとして開放されていたようだが… 小屋内の状況は入っていないので分からない。 小屋の5分ほど手前に小屋の水場あり。 池ノ平小屋-池ノ平山南峰:急登のがれ場は注意が必要。 池ノ平山南峰-北峰:写真のコメントなどを参照のこと。残置されたロープを使いたくなければ少なくとも15mほどの長さの確保ロープが必要。 水平歩道のログはGPSを拾いにくいこともあり乱れています。また4日目の最初10分ほど記録されていません。 |
その他周辺情報 | 宇奈月温泉総湯:510円。県外立ち入り者の場合は氏名・連絡先・発熱などの問診が必要だった。 |
写真
感想
先週9月12日から3日間休みにして池平山を目指し、雨中南峰には達したが、本峰である北峰は断念して帰って来た。今回4連休で再チャレンジを表明したらシンモンさんが同行してくれると。これは頼もしい。天候予想も悪くないし、予備日もあるので成功出来るに違いない。前回室堂から下りて来てのアプローチだったが、今回は欅平から上がって行く。
1日目: シンモンさんの都合で朝早く出られないのでゆっくりと、欅平についたら昼食にしても良い時間。阿曽原までの半日コースなので問題ない。阿曽原に着いたら、ビール飲んでテント張って、温泉入って小宴会でお休みなさい。
2日目: 阿曽原から池平山への正味の標高差は1700m、毛勝山あたりに登るのと同程度だ。南峰までなら1日で往復も可能と思えたが、北峰往復が加わると相当厳しい。本当は仙人池ヒュッテに止まりたかったが、満員で駄目だった。そこでかなりの程度ビバークを覚悟して出発した。そして南峰までも予想以上に辛いことが歩いてみて分かった。
テントは置いてきたが、シュラフもマットもあり、登攀具があるので荷物はそれなりに重い。それ以上に、仙人ダムから仙人池に至るまで足場の良くない急騰続きで、登り返しも多く累積標高差は剱岳早月尾根に匹敵し、足への負荷は遥かに超える。池平山南峰への登りでは、シンモンさんも疲れていたとは言っていたが、僕は遥かに酷い状態で、ヘロヘロ登りでシンモンさんを随分と待たせた。ともかくも南峰には2週続けて到達した。
さていよいよ北峰へ。ハーネスを付けロープを担いで、ずっと下にテープマークの見える踏み跡を下って行く。核心部の岩壁に到達し、懸垂支点をセットする。着地点が見えないので30mロープの2つ折りで足りるのか不安になるが、記録からは大丈夫な筈と投げ下ろし、僕が先に下りた。3m位残して着地した。
もう1本のロープをシンモンさんに担いでいてもらったが、以後は使わずに済んだ。急な草付きの登り下り、ハイマツの藪漕ぎ、大岩周りのルーファイ、最後は取りついてみれば難しくはなかったクライミングで、念願の北峰に達した。
来た道を引き返し、ロープを残していた岩壁をプルージック確保で攀じ登り、南峰に戻った。登攀装備を解いて池の平小屋へと下りる。ここからが次の物語。池の平小屋は今年完全休業で、テント場も使用禁止と。小屋が無人であったらそこで雨風をしのげるビバークのつもりだったが、この日は管理作業のため大勢のスタッフがいた。乾燥室などでも良いから泊まらせてもらえないかと頼んではみたが、断られた。コロナのご時勢で仕方がない。仙人峠へともう一頑張り歩き、ベンチでの青空ビバークとなった。夜は基本的に曇り空で、雲が薄れて明るい星だけが見える時もあったが、小雨に濡れた時間もあった。
3日目: この後は、余韻に浸りながらゆったり過ごす2日間。この日に欅平まで下山も問題ないのだが、もう一泊して山中の温泉と酒を楽しむのだ。十分明るくなってから仙人峠を出発し、仙人池、仙人温泉、雲切新道と、急がないながらも順調に下り、仙人谷の橋で大休止しても阿曽原温泉には10時半過ぎには到着。当然ビールを買い、掃除後湯を張ったばかりの一番風呂に入り、昼寝してカズミン、ミエリン達を待った。夕方には7人での大宴会。
4日目: 7人連なって、ワイワイガヤガヤ、写真を撮りあったりしながら、楽しく欅平へと歩き、トロッコの客となり、宇奈月で温泉に浸かってさっぱりして、心地よい疲労感で帰宅。
トロッコには何回か乗っているが、全て観光。
欅平からの山は初めて。
となればもちろんその先も全て初めての道。
楽しくないわけがない。
総じて思ったことは、思いもしないところに人工物がボコっと大きな塊であって道という道がきっちり整備されていた事。黒部ダム創成期から多くの方々の、今は関電の、掌の上で遊ばせてもらってるなぁとつくづく。
何が感動したかと言えば、長い登りを詰めた末に仙人池小屋横から見えた裏剱。
毛勝から見るのは表の姿だし、方角が同じ唐松からはこんなに大きくは見えない。仙人池に映して良し、一旦下って再び登り返して仙人峠からまた現れる姿も良し、池ノ平小屋を過ぎて再び樹林が切れて草原になった時に見える間近な姿も良し。
何よりも心許ないロープワークの末にたどり着いた北峰からの剱岳はニシデンさんの満面の笑みと共に最高だった。
楽しい時間はあっという間に過ぎていき、南北往復に時間がかかり過ぎたため、池ノ平小屋に戻った時はもう17時ころ。小一時間で日が暮れる。
様々に整備下さる小屋の方に我が儘は言えず、夜を過ごすならと仙人峠のベンチに戻った。
この夜は少し逸脱した行為となってしまい申し訳ない限り。せめてもと、ペグを打つようなことはせず、排泄物はきちんと持ち帰った。
この夜は寒気が入り込んでいて剱の稜線では雪もパラつくかもと予報されていた日だった。ダウンの上下を着ていたとはいえ、夏用のペラペラのシュラフで過ごす夜は文字通り中々に痺れる夜となった。ナルゲンボトルに熱いコーヒーを入れて抱えて寝た。
星が見えたり雲が流れたり霧が顔を撫でていったり小雨が流れたり…
3日目、4日目は感動が薄れてしまったのか淡々と足を進めるのみ。
阿曽原温泉をたっぷり楽しんだ。
3日目午後に合流したIMPのkazumi-hiさん、mierinさんの記録は
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2588511.html
ニシデンさん、シンモンさん、お疲れ様でした。ついにやりましたねー。コロナの影響で通常より難易度があがり、その分達成感も高まったでしょう。二回目で登頂できるなんてやはり天寵を負える方達は違います。とりあえずゆっくり余韻に浸ってください。おめでとうございました。
チカさんにも助言と励ましをありがとうございました。
山中の3日目、4日目と余韻に浸りまくりでした。
富山百山の最難関のひとつ、
池ノ平山(北峰)、やりましたね。
北峰ー南峰区間は、
劔岳北方稜線全体の最難関部分でもあります。
おめでとうございます。
クマ
クマさんからご祝福いただき光栄です。
剱岳から行く案、大窓から行く案もありましたが、なるべく一般道で行く選択としました。
南北峰間は短くてもバリ要素の詰まった充実区間でした。
つくづく前の週南峰から無理やり進まなくて良かったと思いました。雨の中行ってたら草付きで滑って落ちてた可能性があったと思います。
ニシデンさんシンモンさん登頂おめでとうございます!
普通の登山道と比べるとこのルートの状況では3倍の時間と体力を要すでしょうから、その疲労感はただものではなかったと思います。そして青空ビバーク…お疲れ様でした!!
さて102のキノコはクチベニタケです。食毒不明です
口紅茸なんですね、ありがとうございます。
珍しく感じたのと、丸っこくて可愛くもあったので撮ってきました。
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