大清水から尾瀬沼と燧ヶ岳
- GPS
- 11:05
- 距離
- 26.5km
- 登り
- 1,493m
- 下り
- 1,486m
コースタイム
- 山行
- 9:07
- 休憩
- 1:50
- 合計
- 10:57
天候 | 晴れ後曇り ほぼ無風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・早朝の木道は降霜と雨による濡れのために大変滑り易く、ペースダウンを余儀なくされた。安全第一で通過するしかないが、木道区間が長いので精神的につらい。 ・この日は燧ヶ岳に降雪があり、特に山頂付近は雪が融けて泥濘になっていて滑り易かった。この日の雪は既におおかた融けたと思うが、今後当面は積雪直後の好天は要注意だし、滑り止めも早晩必要になってくる。 ・ナデッ窪は傾斜が急で、岩がゴロゴロしていて歩きづらい。 |
写真
感想
大清水の駐車場には3:45頃に到着。上のアスファルト駐車場はこの時間で既にほぼ埋まっていた。片品村の道の駅で食事と準備は既に済ませてきたので、靴を履き、泥濘に備えるためにスパッツを巻いて3:56にヘッドライトを点灯して出発。駐車場にクルマの数は多かったが、前後左右に人の姿はなく、広くて歩き易い林道が一ノ瀬まで続くとは言え、真っ暗なのでやはり心細いというか不気味だった。しかも出発時の気温は3℃と寒かったので、ペースを上げて林道を歩き体を温めることにした。林道の上は樹木が覆っているが、星空もよく見えた。好天の状態であることは間違いなく、このまま続いて欲しいと思いつつ歩く。45分ほどで一ノ瀬に到着。ここで身支度を調えた後に出発。すぐに登山道に入るが、左手側では川がゴーゴー音を立てて流れていて、落ちたらただでは済まなさそうだった。
一ノ瀬から尾瀬沼は過去に何度か歩いていて、木道が出てくることをよく知っていたが、今日は雨後だったのと気温が氷点下に近かったため、その状態がとても心配だった。そしてじきに木道歩きが始まる。湿った木道はとにかく滑り易い。登りの時はまだ踏ん張りが効くのでなんとかなったが、それでも低温のために霜が降りた木道や木の階段はどうにもならなかった。とにかく滑り易くて、ペースを落として慎重に歩く以外になかった。三平峠あたりで明るくなりヘッドライトも不要になったが、今度は尾瀬沼に向けて下りになるため、滑る木道は更に危険さを増した。滑らずに歩くのは非常に難しく、同行のZさんは一度大きく転んでいた。大事に至らず安堵するが、いつ自分が同じ目に遭うかは分からない。とにかくゆっくり慎重に進み、6:03に尾瀬沼山荘に到着。下りの木道で滑らないように気を遣い歩いたためか、気分的にかなり疲労した気分。ここのベンチに座って大休止をするが、尾瀬沼には盛大にガスがかかっていて何も見えなかった。すぐそばにあるはずの湖さえ全く見えないくらいの濃い霧。ここで何かを見るのは諦めて先に進むが、やはり木道は濡れていたりあるいは霜が降りていてとても滑り易く、歩きは遅く慎重にならざるを得なかった。
左手側に尾瀬沼の湖面を見ながら進むと、それまで濃かった霧が徐々に晴れ始め、霧の中から燧ヶ岳が姿を現した。なんと山頂付近は白くなっていて、当初は樹氷程度だろうとおもったが、実際は積雪だった。ここで雪を被った燧ヶ岳を見られるとは想定していなかったため、これまでの木道歩きでの疲労も吹き飛ぶ思い。しかも霧は徐々に晴れて青空も見え始めた。今日は燧ヶ岳以外の他の場所に行くか直前まで悩んだが、これを見られただけでも尾瀬に来た甲斐があったと思った。白く冠雪した燧ヶ岳に見とれつつ尾瀬沼の東岸を歩き、長英新道から登りに入る。ここも過去何度か利用したことがあったが、始めはダラダラ登りが続き、後に傾斜がきつくなるのと、始めのだらだらの部分がドロドロの登山道であることをよく覚えていた。今日もやはり同じで、昨日までの雨が影響していたと考えるよりも、いつでもドロドロと思ってよいのではないか。泥に汚れつつ先に進むと、先程尾瀬沼の南岸付近で見ていた積雪が登山道に現れるようになってきた。尾瀬沼を見下ろすようになってきて、遠くにやはり雪を被った日光白根山や、こちらは雪が見えずにまだ黒々としていた武尊山などが見えるようになってきた。天気はとてもよいので、見通しも効き正に登山日和。更に標高を上げて8:55にミノブチ岳まで来ると、休憩ポイントが一面雪に覆われていた。この時期の燧ヶ岳でまさかこれほど雪を踏めるとは思っておらず、季節外れの雪の感触は望外の楽しさだった。
ミノブチ岳で少し写真撮影後に更に登る。笹や樹木の上にも雪が乗っていて、脇を通り過ぎると雪が落ちてきたりしてウェアやザックを濡らした。それでも冠雪した燧ヶ岳はきれいで、途中途中で写真を撮りつつ進む。この時間はまだ降りてくる人も少なく、通過を待つこともあまりなかった。山頂近くになると少し雲が出始めたものの眺望には影響がなく、また尾瀬ヶ原と至仏山も視界に入るようになった。至仏山も山頂付近に少し雪が着いていたが、燧ヶ岳ほどは白くなっていなかった。9:26に無事俎グラに到着。小屋泊まりや御池から上がった人で先着の人多数。山頂が密状態で「山密」なので、写真撮影だけで柴安グラへ向かう。ここも雪が着いていて歩きにくく、しかも先行者達が歩いて固めていたため、少し滑り易い状態だった。チェーンスパイクを着けている人も見られたが、スリップ注意区間は短く、付け外しのことを考えたら、慎重に歩く方が早かったように思う。俎グラから一度鞍部に降りた後に柴安グラに登り返す。降りてくる人も多く、すれ違いをしながらの登降になるし、こちら側は日照のためか、雪が融け始めていて登山道が泥濘になっており、やはり滑り易かった。注意して進むしかなかったが、9:50に柴安グラに到着。こちらも人は多かったが、広さがあるのである程度散らばって休憩することができた。尾瀬ヶ原と至仏山がよく見えた。ここへ来て良かったと思えた瞬間だった。
柴安グラでしばし休憩後に出発するが、到着時よりも人は更に増えていて、先に進むのも大変な状態。俎グラへ向け一度下って登るときもすれ違いが多くて時間がかかる。足下が泥や雪でよくないので、時間がかかるのも致し方ない。コースタイムよりもだいぶ押した状態で俎グラに再度到着。帰りは特に写真も撮らずに下りにかかる。登りの時よりもだいぶ雪が融け、白く見えた山肌はこの時期の色らしく茶褐色になりかかっていた。白く冠雪した燧ヶ岳は、今朝の一時だけしか見られなかったようだ。下りは来た道ではなくナデッ窪を利用する予定だったが、登りでその降り口を確認できなかった。見落とさないよう注意して下ると問題なく降り口を発見。急傾斜の斜面を下り始める。このルートは一度下ったことがあったが、記憶として、傾斜がきつかったのと、岩がゴロゴロしていて歩きにくかったのを覚えていた。10年ぶりくらいに歩いたが、その記憶というか印象は変わらなかった。しかも今回は上部には雪が多くて通常よりも更に滑り易かった。滑らないように、転ばないように下るが、Zさんのようすがどうもおかしい。何度も転ぶし、ヨタヨタしている。聞けば膝痛が出始めてしまったらしい。自分は最近あまりでないが、これが出始めるとまともに歩くのも辛い状態になるのはよく知っている。荷物を軽くするなど手伝うが大変そうだった。とは言えまだ先は長いし、進むしかないので、怪我に注意して進んでもらう。長くて厳しいナデッ窪が終わり平坦地に入ると沼尻に11:56に到着。多くのハイカーが休憩していた。我々もここで安堵しつつ休憩を取る。
沼尻からは尾瀬沼の西岸を通り南岸へ至る。木道もあるが普通の登山道もあるルート。アップダウンは少ないので、膝痛が出たZさんにも比較的優しいだろう。ただやはり濡れた木道が心配だったが、既に気温も上がり水気が飛んでいるところがほとんどで、滑ってどうしようもないところはほとんどなかった。助かった。足下を見る必要がなければ、当然周囲の紅葉に目が向く。紅葉は既に終盤だったが、それでもきれいな所は多くて、時折立ち止まって見たり、写真を撮ったりしながら進む。それは既に曇り空になってしまい、紅葉が映える状態ではなかったが、それでも色付いた木木はきれいだった。湖岸から見上げる燧ヶ岳も、既に雪はほとんど見られなかった。13:03に尾瀬沼山荘到着。ベンチに座り休憩後、三平峠に向けて登り始める。ここも既に滑る木道はなく比較的楽に峠に到達。下りも同様で、朝は散々苦労した木道は、この時間は全く問題なく通過できた。早朝の大変さが嘘のようだった。一ノ瀬への下りは、所々で紅葉がきれいで、まだ残っている箇所もあることに喜びつつ進んだ。14:04に一ノ瀬着。ここまで来ればあとは広い林道を歩くだけ。林道から河原に降りられる道もあったが、既に20km以上歩いて疲労していたのでやめて、林道を歩いて帰ることに。途中バスに何台か抜かれる。林道も紅葉はきれいで、後半は、あちこちで紅葉見物ができた。
14:52に駐車場到着。下の駐車場も多くが埋まっていて、上のアスファルトも同様だった。膝痛でかなり難儀したZさんもなんとか26km超を歩き切った。さすが。後片付けをし駐車料金を支払って出発。片品村中心部へ戻る途中の道は、紅葉見物のためか、かなり渋滞していた。この時期のこのエリアは、混雑覚悟で出掛けなければならないようだ。
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