黒岳から愛別岳アタック失敗後、御鉢平1周
- GPS
- 28:30
- 距離
- 23.4km
- 登り
- 1,845m
- 下り
- 1,843m
コースタイム
層雲峡温泉(12:00)→黒岳5合目(12:10)→黒岳7合目(12:30)→黒岳山頂(13:55)→黒岳石室(14:30) 黒岳石室(17:30)→桂月岳(17:45←写真撮影→18:10)→黒岳石室(18:20)
8/13(2日目)
黒岳石室(3:40)→桂月岳(3:55←御来光撮影→4:45)→黒岳石室(5:00)
黒岳石室(6:25)→お鉢平展望台(7:00)→北鎮岳(7:55)→比布岳(8:45)→愛別岳分岐(8:55)→愛別岳のコル(9:14)→愛別岳分岐(9:45←休憩→10:00)→比布岳(10:10)→北鎮岳(11:05)→中岳(11:40)→中岳分岐(11:55←昼食→12:10)→間宮岳(12:25)→荒井岳(12:30)→松田岳(13:00)→北海岳(13:15)→黒岳石室(14:35←休憩→15:10)→黒岳(15:45)→黒岳7合目(17:00)→黒岳5合目(17:10)→層雲峡(17:30)
過去天気図(気象庁) | 2011年08月の天気図 |
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アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
ロープウェーは20分間隔で運行。運賃は片道1,000円。 リフトは随時運行で片道400円。 詳細はりんゆう観光ホームページ参照。 http://www.rinyu.co.jp/modules/pico01/ |
コース状況/ 危険箇所等 |
この日は強風で黒岳から石室に向かうまでのルートが風の通り道になっていて、突発的に来る強風にストックで重心を低く構えて風をやり過ごし、弱まったら進んでいくを繰り返しました。 黒岳石室は一泊2,000円。大雪山系で唯一の営業小屋ですが、貸してくれるのは毛布のみです。シュラフ等のレンタルもありますが数に限りがあるので、基本的に寝具等は自分で上げる必要があります。売店では、割高ですが、カップラーメンやご飯、水、ビールなどが販売されています。 縦走時はここを最終宿泊地にすると、疲れた身体をビールなどで癒しつつ、山の雰囲気も満喫できて有り難い存在です。 北鎮岳の手前の雪渓はトラバース気味に登ったが、気温が低かったこともあって雪が固く、ストックで雪を掘り起し足場を確保しつつ進みました。 |
写真
感想
夏休み後半戦は、前半戦に熱中症気味で堪能できなかった黒岳石室を使ってのんびり山行を楽しもうということで、急遽計画。というわけで3日ぶりに層雲峡に戻ってきました。
1日目(8月12日)
本日は天気が良くないので石室に行くだけ。層雲峡温泉街に昼前に到着し、いつもの登山軒でラーメンを食べた後、ロープウェーで5合目に上がる。ここで旭川から来た御年配から声を掛けられる。リフトに乗って7合目から一緒に登山開始。3日前に降りて来たばかりの道だし、特にこれといった光景もないが、自分達が標高を上げる度に、少しずつ雲が高くなっていく気がする。8合目ではyah氏と出会い、ここからは三人の即席パーティで上がっていく。
黒岳山頂は3日前と様変わりして強風とガスの海。写真からは伝わらないが風速15メートルを越える風が吹いている。私はここでアウターを着たが、yah氏は果敢にもそのままアタックしていった。で、やはり戻ってくる(^^;。少し下がるだけで相当風が強くなって寒いらしい。御年配はさすがというか頂上直下で着替えて登ってくる。進み始めると風の強いこと。突発的に来る強風にはストックで重心を低く構えて風をやり過ごし、弱まったら進んでいく。難所を越えれば幾分風も気にならないほどに...石室手前の雪渓で御年配がビールを冷やす氷を取りたいと言って、一緒にストックで掘ったりして雪をかき集める。
で、石室にチェックインするなりビール買って宴会スタート。yah氏は酒が飲めないと言っていたが、一緒に話に加わる。他にも朝に石室に来て一日いたという関西のおっちゃんなどを交えて盛り上がる。そんな感じで3時間近くが経過して、ふと外を見ると晴れているっぽい。どれどれと三人で外に出て眺めていると桂月岳がくっきりと。私が「桂月岳登りませんか」と言うと他の二人も同意。で、夕食前に桂月岳に登ることに。登るとは言っても石室からなら近所の小山も同然で、あっというまに到着。カメラ片手に思い思いのポジションで写真を撮っている。
みんな堪能したということで帰って夕食。食べおわって後片づけをしていると管理人の清水さんが、テント場から利尻富士が見えますよと声を掛けてくれる。どれどれと後片づけもそのままに見に行く。肉眼ではあまりよくわからないので、ズームをいっぱいにして撮影する。ああ、確かにピークが見える。しかし手持ちなので中々うまく撮影できない。ねばって何枚も撮影してようやく良いものが撮れる。時計を見たらもう19時20分。食事の後片づけをして寝床の準備をするとあっという間に消灯時間。そんな感じで一日目はすぐに過ぎていった。
2日目(8月13日)
朝2時54分。誰かに「時間ですよ!」と耳元で声を掛けられて起床。というか誰も声を掛けてはいない様子。そもそも、いつものように耳栓をして周りの人の気配すら感じずにぐっすりと眠っていたのに、よほどの大声でなければ声で目覚めるなんてありえない。不思議に思いつつも、まぁ「山ではこんなことは良くあるさ」と星の写真でも撮ろうと起き出す。石室前のテーブルには、もう既に桂月岳御来光の準備をしている人達もポツポツと。石室の屋根ごしにはオリオン座が登ってきているのが確認できる。夏でも、明け方近くであれば東の空に見られるようだ。
3時30分、御年配が起き出してくる。そろそろ準備して行きますかとyah氏を起こしにかかる。去年は酒を飲んで桂月の御来光を逃したが、今年は謎の声のおかげもあって、かなり飲んだにも関わらずスッキリと目覚めた。が、しかし、yah氏は寝ついたところらしく中々起きない。私も耳栓を使い出すまでは、テントや山小屋で眠れなくて苦労した覚えがあるだけに、悪いなぁと思ったが、ここで起こさなければ御来光を逃した後悔のほうが大きいだろうと思い、心を鬼にして強く身体を揺すると何やら反応が...「時間ですよ。そろそろ行きましょう」と声を掛けるとガバッと起きてくる。しばらく固まっていたが、状況を理解したようで準備を始める。暗闇の中の登山は私自身も始めてで、ライトの調整等々色々と試しながら登っていく。LEDライトは全体的にぼんやりと明るいが地面の凹凸がはっきりしなくて歩きにくい。結果的には、電球のスポットライトのほうが凹凸がわかって歩きやすかった。そんなわけで無事に山頂に、既に多くの人がスタンバイしている。
私も桂月岳で最も高いと思われる岩の上に腰を落ち着ける。寒いかと思ったが、上半身は下着の上にシャツ、フリース、ダウン、アウターの5枚重ね、下半身はパンツの上に雨具、スパッツと持ってきたものをすべて着ただけのことはあってすこぶる快適。待つこと約30分、武利岳の左側の稜線から朝日が登り始める。最大望遠で朝日を捉える。うーん美しい。今まで「御来光なんて」と思っていたが、こうやって実際に見てみるとわざわざ見に行く人の気持ちが理解できる。太陽が完全に稜線の上に出ると横長の楕円形に見える。大気の影響で真円には見えない。縦アングルで撮ってみて花札みたいだとか、いや花札は月だろうと御年配にツッコミをくらったりと楽しく時間が過ぎていく。
その後は御年配は旭岳縦走、yah氏は御鉢平一周、私は愛別岳アタックと思い思いに別れて出発。yah氏とはここで別れ、御年配とは北鎮岳まで一緒に行く。北鎮岳の雪渓の手前では一回チャレンジして引き返してきたカップルのパーティがいる。少し休憩した後、御年配は直登、私はトラバース気味に思い思いのルートで雪渓を登っていく。気温が低かったこともあって雪が固い。ストックで雪を掘り起し、足場を確保して進んでいく。ストックは、キャップを外して90cm弱まで短くしている。傾斜が急だとこのほうが楽だ。しかし、時間のかかること。斜度が緩くなると三点確保で登っていく。カップルパーティも私の足場を使って登ってきている。全員無事に登れそうだ。
北鎮岳で2日間共に過ごした御年配と別れて愛別岳へ向かう。まだ、朝も早い裏ルートということで誰も歩いていない。愛別分岐に辿りつくと愛別岳の全容が見える。前回はガスがかかっていてよくわからなかったが、思ったよりも痩せ尾根だ。ザックをおいて出発、コルまで降りてくると、別な風が流れ込んでいるらしく、急に風向きが変わり、強風が吹きつけ身体がふらつき始める。もう少しなんだけどなと思いつつ、誰か他にアタックする人がいればと思い来た道を振り返るも誰もいない。午後にかけて風も強くなってくるらしいと前情報と、御年配が言っていた「風が強かったら戻ったほうがいいよ」の声を信じて戻ることに。丁度、分岐まで戻ったあたりで愛別岳に行くというおっちゃんと出会う。タイミング悪いよと思いつつ、今回は諦めて戻る。
北鎮岳で休憩した後は、あの急斜面の雪渓を降りる気もしないので御鉢平を一周して帰ってくる。北海岳では神戸から来たN氏夫婦と出会う。銀泉台から黒岳・層雲峡への一周ルートを楽しんでいるらしい。ペースが似たりよったりで、たまに話をしながら降りていく。黒岳石室では管理人の後藤さんとエゾシマリスが出迎えてくれる。「もう一泊するかい?」と声をかけられるが、家の中が山道具で散らかった状態なのでやっぱり「降ります。ちょっと休憩させて下さい」と言って休憩していると、今度は管理人の清水さんがチャーハンの鍋片手に話掛けてくる。名刺交換して互いの情報を共有したり、山の話をしたりしている内に30分以上時間が経過。「お世話になりました」と声を掛けて下山する。
小屋を出ると黒岳への登りにの手前で、北海岳で出会ったN氏夫婦が何やら岩場を眺めて立ち止まっている。「この辺りにナキウサギいるんですか?」って聞かれて「いますよ〜」と即答。鳴き声は聞こえるんだけど、ということで暫くナキウサギタイム。近くの岩場でチョコっと顔をだす。「ここまで出てくれば後は時間勝負ですね」と、言って見ているとギャラリーが増えていき、発見率がどんどんあがる。で、岩場の一番上にいるナキウサギを捉える。暫くじっとしていてくれたので、N氏も無事にビデオにも収められたようだ。「いますよ〜」と回答した手前、見れてよかったとホッとする。
その後もN氏夫婦とは着かず離れずのペースで、途中から元山岳ガイドのおっちゃんも加わって、花のことを聞いたりしながら降りていく。山岳ガイドのおっちゃんは途中からペースを上げて先に行ってしまった。7合目で私は脚が痛いからリフトで下りますと言って、5合目まで歩いて降りるN氏夫婦と別れる。
ロープウェー黒岳駅で、山岳ガイドのおっちゃんと再び合流して話をしていると、何やら見たことのある大きな人が近づいてくる。あれ?白雲小屋の管理人さんじゃないか。勤務シフトを終えて降りるようだ。偶然とはいえ良く合うなと管理人さんも驚いている様子。「十勝縦走したんですって?いいなぁ。今度の休みに行ってみようなかなぁ」とロープウェーの中でも話をしなから下山して行った。
層雲峡で二人と別れた後は、黒岳の湯で汗を流す。駐車場に戻ってくると神戸ナンバーの車を発見...もしやと思って近づいてみるN氏夫婦だった。今、下山してきたところらしい。「お茶でもどうですか?」と言われて別に断る理由もないので「いいですよ」と答えて温泉街の一番手前にある喫茶店で話をする。明日は高原温泉沼巡り、明後日は旧士幌線のアーチ橋を見に行くと言っていた。毎年北海道に来ているそうで、車中泊で色々回っているんだそう。私の移住話や、私の知らない北海道の情報を色々と教えてもらったりしつつ、1時間ぐらいがあっと言う間に過ぎていた。車に戻ると急に眠くなってくる。まぁ、考えてみたら3時起きで山歩いてるんだから眠くもなるよね。そうは言っても今日は宿もとってないし帰るしかない。まぁ、そんなわけで、途中のパーキングでお菓子を食べたり、仮眠を取ったりして何とか無事に帰り着いたら時計は22時30分を差していた。
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