樹氷美しい台高★スーパーハードハイク 三峰山〜高見山〜明神平〜桧塚〜ナメラ山〜入道ヶ塚
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- GPS
- 32:00
- 距離
- 52.6km
- 登り
- 3,512m
- 下り
- 3,837m
コースタイム
- 山行
- 7:50
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 8:30
天候 | 1日目 曇り時々晴れ 2日目 ガスと強風 |
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過去天気図(気象庁) | 2020年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
[下山] ホテルスメールから松阪駅行きバスに乗車(1680円)。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
この縦走のラストの区間、入道ヶ塚から辻堂橋までは踏み跡が不明瞭なうえ、転落の危険が高い箇所が2〜3か所程度ある。懸垂下降が望ましいレベルの箇所。相当な難路でかつ私のように道を外すと、立っていられないほどの急斜面やトンネル上で行き詰まる可能性もある。この区間は下りでは利用しないことを強くお勧めする。私は歩いていないが、入道ヶ塚まで下らず、手前の池杉山(1073ピーク)から北西尾根経由で青田発電所に下山すると安全だと思う。 それ以外の区間は踏み跡が薄い箇所が多々あるものの、大きな問題はない。 |
その他周辺情報 | 1泊した山林舎は非常におすすめです。食事もおいしく、女将も気さくで親切です。 |
写真
感想
11/29(日) 三峰山登山口〜三峰山〜高見山〜高見峠〜入鹿の首塚〜山林舎△
時間節約のため夜行バスで大阪梅田へ。コロナ禍での夜行バスは怖かったが、HPを見て杉崎観光バスのコロナ対策は信頼できると判断した。近鉄を榛原で下車し、バスを二つ乗り継いで奈良県御杖村の三峰山の登山口に到着した。乗客は私だけだったが、バスの運ちゃんといろいろ話せて楽しかった。「紅葉は終わってるし樹氷はまだ早い。中途半端なときにわざわざ関東から来たねぇ」とか言われたが、結果的に樹氷を満喫できた。運ちゃんざま〜みろだ(笑)。
三峰山はあまり魅力のある山に思えなかったが、途中の不動の滝は素晴らしかった。水がとにかくきれい。修行場も整備されている。おまけに滝の横に豊富な湧き水もあり、なかなか素敵な場所だった。山頂には1時間半かからず到着。すっきりした晴れではないが、山頂から北の風景を満喫した。それにしても関西の山は見ても全然わからない。
三峰山では7〜8人くらいお会いしたが、高見山の縦走路に入ると誰にも会わなくなった。ここはバリエーションルートなのだが、看板や目印が思いのほか充実している。迷いやすいポイントもなく、バリエーションとしては難易度は低かった。請取峠でトレランの方とすれ違った。なんと三峰山から高見山を往復してきたそうだ。33キロくらいですよ、大したことありませんと言っておられたが、私はその片道で今日一日を使おうとしている。あまりのスピード差に唖然だった。
ほぼ予定通りに高見山に到着した。ちょうど夕陽が当たる時間で、良い景色を満喫できた。明るいうちに車道に出たいので急いで下る。高見峠から南伊勢街道に入り、良い道を駆け抜けるように下って、入鹿の首塚のある舟戸登山口に到着。ちょうど17時で日没の遅い関西だとこの時間はまだヘッデン無しで歩ける。ここからは車道なので暗くなっても問題ない。途中からヘッデンを付け、18時ちょっと前に宿泊予定の山林舎に到着した。
風呂にゆっくりとつかり、夕食はあまごづくしを満喫した。本当は、今回はテントを持って入山する予定だったが、コロナで医療体制がひっ迫しているのもあり、単独行だがどこかで人のつながりを保険的に持っておきたいという意識が働いた。GOTO割引があったのも後押しになった。
この日は大峰を登られたというMさんという単独登山者と私の2名だけの宿泊で、三密とは程遠い状況でコロナも安心だった。下界の宿に泊まるのもいいもんだなと改めて思ったのである。Mさんは300名山を登られたそうでもう登る山がないとおっしゃっていた。私と同じく関東在住で明日朝に車で帰るそうだ。
この日は全くタイムテーブル通りの予定をこなすことができ、疲れもそれほどでもなく、明日も頑張れそうだと安心して眠りについた。明日の行程の最後の最後でハードな事態に陥るとは、この時は夢にも思っていなかった。
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11/30(月) 山林舎〜高見峠〜伊勢辻山〜国見山〜明神平〜明神岳〜桧塚奥峰〜ナメラ山〜入道ヶ塚〜辻堂橋〜スメール[下山]
宿に無理を言って6時に朝食にしてもらい、6時半過ぎに出発した。やはり朝食を目いっぱい食べて出発できるのは嬉しい。昨日通った高見峠まで到着し台高の縦走路に入る。ここから明神岳までは地図上の表記では登山道だが、昨日までのバリエーションルートとあまり変わらない。看板もきちんとあるかと思えば、踏み跡が薄くなってウロウロすることもある。
今日は思ったより天気は悪いし、風が激烈で刺すように冷たい。天気予報は晴れなのだが。伊勢辻山を超えるとガスに入った。そして国見山が近づくと何と樹氷が現れた。季節的にまだ早いかなと思っていたのでこれはラッキー。明神平は紅葉の名残りと黄色い芝生と白い樹氷がハイコントラストで見られて、とても美しかった。ここは6年前の縦走で土砂降りで撤退した地点だ。意気消沈して食事を取ったあずまやもまだ健在でとても懐かしかった。これで台高山脈の主稜線は全て歩いたことになる。
明神岳に近づくと強風がとんでもないことになってきた。桧塚を超えるまでこの状態は続いたが、超えるとようやく収まってきた。奥峰の手前でお湯を沸かして昼食にしたが手足がかじかんでしまい凍傷になるかと思った。
桧塚から先は難しいバリエーションと思っていたがそうでも訳でもなく、岩屋口山、ナメラ山、池杉山と順調に進んだ。入道ヶ塚までは少し薮っぽかったが、大したことはなく、何だこれは余裕で下山だなと思い始めた。しかし、入道ヶ塚を過ぎると途端に薮が深くなり、オマケにだんだんと急になって滑落注意の細尾根になってきた。ロープが欲しいほどの箇所もある。杉の植林帯に入ってもそれは続いた。鹿柵のゴムワイヤーを頼りに安全第一で下る。
あと100mほど下れば登山口だという所で下を見ると、向かっている方向が辻堂橋より北にズレていることがわかった。このまま降りると車道は無く、そのままダム湖にドボンかも知れない。見回すと右の沢地形を渡り1本向こうの尾根を降りたら車道に出そうだ。その方が安全だろうと、方角を若干南に変えた。あとから分かったことだがこれは間違いで、ダム湖に向けてドボンで真っ直ぐ下れば良かった。そうすれば辻堂橋から北に伸びる薮道があり、そこから水平に辻堂橋に到達できるようになっていた。
そうとは知らず更なる難路を苦闘しながら下り、やがて目の前真下についに道路が見えた。「やった、無事に下山した!!」と思ったら、そこはなんとトンネルの入口の上のコンクリートの上だった。道路に降りれるハシゴや道は全くない。さすがに飛び降りれる高さでもない。長いトンネルで斜面は深い薮なのでトンネルの逆側に行くのも不可能だ。
数メートル下が下界だと言うのに、それを目の前に完全に手詰まりだった。トンネルの上から救助を呼ぶなんで恥の極みだ。どうしよう… よく見ると左の崖を挟んで反対側に古い階段が見える。しかし崖はほぼ垂直な岩でとても超えられない。何とか崖の上を巻けないだろうか。登ってみると崖上に微かな踏み跡があり、なんとか安全に階段の上に出られたのだった。山仕事用に整備された古いルートだったのかもしれない。万事休すの寸前で助かった!!
最終バスの時間が迫っているので、大急ぎでスメールに向かった。最後1キロ位はマラソンになってしまった。出発5分前に何とかスメールに到着し、無事に小田原への帰途に着いた。
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2014年の台高山脈の縦走の途中撤退以来の再訪でした。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-557190.html
これにて尾鷲から高見山までの台高山脈がすべてつながりました。更に三峰山までもつなぎを延長できました。長い尾根の足跡がつながるとうれしいものです。
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