白山・激闘17時間フルラッセル
- GPS
- 16:42
- 距離
- 44.4km
- 登り
- 2,782m
- 下り
- 2,693m
コースタイム
天候 | 雪のち晴れガス目まぐるしく変わる |
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過去天気図(気象庁) | 2020年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
白峰ゲートから先激ラッセル、別当出合から先はどこでも歩けるくらい雪は多い |
写真
感想
今日は言うまでもなく白山へ挑戦した。メンバーはYSHR、大魔人、コーエー(是非と志願)、チャリオ(別当出合まで訓練)の4人、重い新雪ラッセルに泣かされ白峰から延々山頂までフルラッセルだった。
出だしは雨になる可能性があるためスタートを1時間ずらして深夜1時とした。0時半に着くとすでに全員集合、先に大魔人とコーエーが白峰を出ていった。準備が整いYSHRとチャリオも白峰を後にしようとしたがチャリオはポンを担いで細板を履いている。エエエ、何なんその格好、話がうまく伝わってなかった。もう一度車に戻り再度準備し直し、かなり時間を要して先行から遅れを取る。
先行は深いラッセルを頑張っている。早く追いつこうと飛ばしてようやく変電所過ぎで合流できた。市ノ瀬手前のスノーシェッドで休憩、チャリオはシールを濡らし下駄で大変なことになっていた。市ノ瀬から先も重い激ラッセルが続き別当出合手前で夜が明けて18kmを6時間半もかかっていた。ようやくスタートライン、長かった。
滑れないチャリオはここで終了たくさん勉強したことでしょう。この先YSHR、大魔人、コーエーでラッセルを回す。一本橋通過は過去最高難度だった。鉄骨に雪がたんまり乗り、慎重にポンを履いたまま渡る。先頭の大魔人は大変だったろう。石畳の急登はYSHRが前に出るが、深い雪に苦しんだ。登り切って以降は三人で交代でラッセルを回す。早くもコーエーかなり足に来ているようで段々とペースが落ちてきた。
中飯場のトイレは雪で埋まりかけていた。中飯場を過ぎると素晴らしい景色が広がった。厳冬期限定の景色である。もうどこでも歩ける。樹氷やモンスター群の中黙々とラッセルした。甚之助を過ぎても雪が深いため風が強くてラッセルが軽減できるモンスター尾根に這い上がる。ここの景色は素晴らしかった。エコーラインに着くとホワイトアウトになり焦ったが直に視界は晴れた。
弥陀ヶ原で白山ドン、ゴールは午後2時を回ることが確定、帰還は真っ暗になるが無制限一本勝負で腹をくくる。室堂の鳥居はすごいことになっていた。お参りしてロックオン、しかししばらくでホワイトアウトになり最後まで気は抜けなかった。午後2時を過ぎてようやくピクることができた。無事帰還を祈りホワイトアウト滑走となった。YSHR先頭で皆が続くがコーエーは転けまくりで遅れてしまう。室堂で待つも姿が見えないので大声で叫んだ、遠くから声がした。良かった無事だ。室堂で合流して以降はYSHRと大魔人の間にコーエーを挟んだ。
弥陀ヶ原もホワイトアウトで滑走はムズかった。エコーラインまで降りるとようやくガスが取れ快適に滑れるようになった。しかしもう足が売り切れたコーエーだけはなかなか降りてこなかった。甚之助下でもう一度合流してYSHRと大魔人は快適に滑っていく。ポンはよく浮いて楽しかった。あっという間に別当出合、一本橋を渡りコーエーが無事着いたのを見届けて二人先に林道を滑った。
市ノ瀬までは自動運転、この先は手漕ぎだがもう日も落ちて雪は固くなってきたのでよく滑ってくれた。白峰ゲートに着いたのは夕刻6時半もう真っ暗だった。今日は17時間を過ぎる激闘だった。待つこと1時間コーエーの明かりがようやく見えた。コーエーゲートで転けてしばらく立ち上がれなかった。コーエーも完全燃焼したのだろう。お疲れさまでした。
色んな偶然が重なり、白山同行を希望することに決めた。
下界は雨予報、当初0時発の予定が、1時発に変更された。自宅を出る時には雨だったが、吉野谷あたりから雪に変わってきた。良かったと思う反面ラッセルがきつくなるなと気持ちは複雑。0時30分頃にゲートに到着し先に支度が出来た大魔人さんと一緒に出発する。出だしからラッセルは初めての経験、これが本当の厳冬期白山だろう。
一つ目のスノーシェッドを過ぎたら片斜面が現れた。他にも出口付近でデブリがあったりと、初めての光景に気持ちが引き締まる。大魔人さん先頭に雪の降る中ラッセルをしているとチャリオ君が追いついてきた。挨拶をして先頭を変わってもらう。最後のスノーシェッドで休憩してから僕が先頭でラッセル、重い雪でカカトにすぐに雪がまとわりつくのでしばらく進んで落とすのに苦労した。
別当出合までラッセルを回し、明るくなってきたころに到着する。ライブカメラで見ていたけど実際見てみるとものすごい積雪量だった。つり橋通過が一番心配していたが予感的中、こんもり雪が積もっていた。大魔人さんが先頭でどんどん道を切り開いていかれ、スキーのまま進むと無事通過できた。やっとここから登山開始である。
まずは先生先頭に石畳をクリアされていく。そこからは順番に先頭を交代しラッセルを回した。いろいろアドバイスを受けながらルートを探すが、上手くいかず無駄に深いラッセルをしてしまい、無駄に体力をつかっていた。もっと頭を使いなさいとダメだし…ルート取りにもたつくと先生方が切り開いていくので役に立てず、ラッセルで頑張ろうにもどんどん足に来て前に進むことが出来なかった。日が昇り暑さも手伝って消耗が激しく、行動食の選定もよくなかった。
甚之助避難小屋を過ぎてモンスター尾根に取りつくため、谷をトラバースする。トラバース終点からの少しの登りで足が攣り、そこからはお客様状態となってしまい申し訳ない気持ちでいっぱいだった。モンスター群の景色はとても綺麗で南竜、別山もこれ以上ないくらい白い世界だったので、感動しきりだった。エコーラインに上がるとガスが出始め御前峰は隠れてしまったが、しばらくするといきなり姿を現した。純白の御前峰は神々しくここでも感動。弥陀ヶ原は幻想的な雰囲気で直線的に室堂を目指す。お腹がすきすぎて室堂に着いてすぐに羊羹をほおばり、栗大福、パンの残りを平らげた。お腹いっぱいになって山頂を目指す。祈祷殿の積雪も多く鳥居が凄いことになっていた。
始めは晴れていたのにすぐに曇り始め、山頂間近では完全にホワイトアウトとなってしまった。YSHR先生について登っていくと山頂の岩のあたりに差し掛かり、そのままスキーで山頂へと向かう。しっかりお参りして安堵したのも束の間、ここからが最悪の展開となってしまった。
シールを剥がすまでは良かったが、ブーツを滑走モードにしようとしてもロック機構が凍結し、ロックがかからずウォークモードのまま滑らなくてはいけない状況になってしまった。レバーを上下してロックするが機構は内部にあるので外からは何も出来ないので、解けてロックがかかるのを待つしかなかった。が山頂付近は気温が低いうえガスがかかっているので溶けるはずもなかった。
案の定初めの岩の間をすり抜ける斜面では、ホワイトアウトのため地面の凹凸が分からず、後ろに荷重がかかるとそのまま倒れてしまった。そこからはボーゲン、キックターンを繰り返すが先生達から離れていけないと焦ると余計にコケて板が外れてとうとうはぐれてしまった。とりあえず室堂めざしGPSを確認すると寒さからか、山頂からの軌跡しか表示されていなかった。焦らず下っていくと先生の大声で呼ぶ声が聞こえたので、こちらも大声で返すと室堂前で合流することが出来た。
それ以降YSHR先生と大魔人さんに挟んでいただき、ヨチヨチで視界が晴れる高度までなんとか降りることが出来たときは少し安堵した。その頃には右足はロックがかかったが、そこまでの変な滑り方で脚は完全に売り切れていた。甚之助を過ぎたところで気温も上がってきたので左足のブーツにお湯をかけてみたところロックがかかった。が時すでに遅しで、少し滑っただけで脚は張ってしまい、休み休みマイペースで滑り降りていくしかなかった。
無事つり橋までたどり着いたが、ここもまだ核心なので気が抜けない。出だしは雪がどっさり積もっているが、ツボ足で歩くとごっそり下に落ちていく。鉄骨の上に足を置いていないとそのまま雪と一緒に落ちてしまうので面倒でもしっかり雪を落とし、確実に鉄骨の上に足を置き進んでいくと、日中で溶けた区間に差し掛かる。ここは慎重に歩き、また最後はどっさり積もった区間になり、落としながら少しづつ進み、最後は薄氷を進むように緊張を保ち四つん這いでなんとか袂までたどり着くことが出来た。
ここからはトレースを辿るだけなので暗くなっても慎重に行けば帰ることは出来る。ヘッデンを用意し、まずは市ノ瀬までボブスレー。市ノ瀬からはヒールフリーでクロスカントリーで黙々歩く。デポしたエネルギーを適度に補給しながら暗くなった林道をヘッデン下山。目の前のトレースしか見えないので今日の山行を振り返り色んな事を考えながら歩いた。
最後まで気を抜かずゲート付近まで来ると先生の車のライトが見えた。待っていて頂いてすいません。ゲートをまたぐ動作でコケてしまうくらいに疲れ果てた。内容が伴っていれば達成感に満たされるだろうけど、今回はその感情はなく、お二人のサポートのおかげで生きて帰ることが出来てよかったとだけ思った。しかし得るものは多かったので今後の糧としたい。
今日は水曜友の会で決戦をする。メンバーはYSHRさんと僕とチャリオと小松のおじさんコーエーの4人だ。おじさんは鍛えているから体力もあり余裕しゃくしゃくだった、何とも心強い、今日はコーエーの復帰祝いだ、さあ頑張ろうぜ…。1時発の予定だが準備が早くできた僕とコーエーおじさんでスタート、下界の雨は白峰ではぼた雪だった。とりあえず百万貫まで僕がラッセルして行くが雪が重く板にダンゴになり、ヒールにもダンゴが出来て常にかかとを上げた状態で林道をブーツラッセル、早くもつま先が痛くなってきた。
200m程毎にヒールと板の雪を落とす作業があるので時間がかかる。百万貫辺りで後ろから(はじめましてチャリオです)と言って先頭に出た。おしゃべりしながら進む、市ノ瀬までチャリオがラッセルした、若いって素晴らしい。最終スノーシェッドで休憩してスタート、次はおじさんが別当まで頑張るはずだが4人でラッセルを回した。重ラッセルなのでスタートから6時間半以上かかり別当に到着、別当手前で明るくなるのは初体験だった、今日はナイターになるな。
チャリオは別当までで終了、山スキーは歩く練習からなのでガンバ、下山してスキー場で滑りの練習をするそうだ。さて1本橋はえらい事になっていた。雪の付き具合が中途半端でスキーで渡るにも難儀した、僕が先頭で道を切り開くこれまでで一番緊張した。橋を渡るとYSHRさんが石畳を攻略、次は僕が中飯場手前まで攻略、やっとおじさんの出番ですよ。しかし段々とペースが落ちるので代ろう…そして甚之助手前で使い物にならなくなった。ラッセルしながら絶景を楽しむ、降雪直後の晴れた山は素晴らしい。YSHRさんと二人で高度を上げていった。
甚之助を通過したのは11時を回っていた、いつもは早朝か暗闇だが。ここからモンスター尾根に行く事にする、体力を温存したコーエーおじさんがラッセルしていく、甚之助谷を越えて尾根に取付くとモンスターの世界、しかしおじさんはモンスターの根元でうずくまっていた…足が攣っているらしい。もうアカン再びYSHRさんと2人でラッセルしていった。尾根に上がり弥陀ヶ原を目指すと白山ドン…だがもうすでにホワイトアウトだった、しかし弥陀ヶ原では一瞬視界が開けたから良かった。室堂は厳冬期並みの積雪で鳥居は半分以上埋まっていた。そしてまた視界が開けたがそれ以降はホワイトアウトだった。
3人同時で山頂に到着ベイビー。風が冷たいけどそよ風ですか。お参りして神社横で滑降準備、今日は山頂から滑ります。いつものように岩をすり抜け吹き溜まりに滑り込む、あららコーエーおじさん転んだ、何だかブーツがロックしないとか…ありえんでしょう。ホワイトアウトではバラバラになったらいけないが滑りは我が身も必死なのでおじさんを見失う。2人で室堂で待つ、5分ほどで降りてきた。ブーツ不良と脚の売り切れ…そしてGPSが不調…ヤバいから間に挟んで滑降することにした。弥陀ヶ原から下は視界アリなので思い思い楽しんだが甚之助下でおじさんを待つ。
雪ダルマを5個作ったところでやっと降りてきた、コーエーに栄養を摂ってもらう。もう夕暮れが近い、この後は安全地帯なので頑張ってついておいで、遅れたら先に林道ラッセルしているよ。あっという間に吊り橋まで滑り降りた、もう白山は完全に出来上がっている。恐怖の1本橋を渡り切るとおじさんが到着したもう安心だ。<br>
ボブスレーで市ノ瀬まで、手漕ぎで白峰まで…試練でした。僕たちが到着してから1時間後におじさんが到着、今日はしょっぱい復帰戦のコーエー劇場でした。。。
深夜、白峰ゲートに細板とポンツーンを持っていくとYSHR先生に「細板いらないよ。」と指摘され、車に引き返す。準備しなおしてスタート。白峰から歩くのはじめて。大魔人さんとコーエーさんに追いつき挨拶して先頭を行かせてもらう。先頭のラッセルは大変。おまけにシールトラブルでシールに雪と氷が張り付き、ぐう重っ。何だコレ。なんとか皆さんについていき別当出会まで辿りつくことができた。今回はここで一人、来た道を引きかえす。別当出会は白山登山の登山口。登山口で引き返したのは初めて。登山口にたどり着くのにこんなに疲れたのも初めての経験だった。覚えたてのボーゲンを使う場面は一度もなかった。
こんばんは😄初コメです。
とてつも無い距離と時間、それも雪山。
ただ驚くばかりでコメントなどだいそれた事言えません。
余りに次元が違い過ぎます(^_^*)
噴火1年前の御嶽山の剣ヶ峰からお鉢巡りで観た白山、いつかはと思って今年の夏にコロナ禍の中登りましたが、、。
夏山と違ってあの吊り橋も怖そう(^_^*)
雪山は何度かトライしてますが、いやはや。
天晴れです、山レコのギネス級ですね。
レス有難うございます。
この時期の白山は神っていてご利益もありそうです。是非写真を見て楽しんでいただければ幸いです。
いつも楽しみに拝見させて頂いております。
今月初めとは積雪量が全然違いますね!
明日も積雪量が増えそうですが、日曜日のレポートが今から楽しみです。
因みに、どちらに向かわれるのでしょうか?
レス有難うございます。行き先は楽しみにして下さい。バラすと車上荒らしが起きる可能性もあるので申し訳ございません。過去に仲間が被害にあってまして、、、、
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