村山葉山〜白き尖塔を越える
- GPS
- 06:32
- 距離
- 10.5km
- 登り
- 868m
- 下り
- 853m
コースタイム
11:36 主稜線へ
11:58 小僧森
12:57 葉山山頂
14:10 小僧森基部で昼食
15:40 下山完了
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
*尾根は明瞭なので晴天時は道迷いはないと思われる。 *キャンプ場から尾根の一番低いところに、沢形をたどってのりあげる。ここに雪庇がついているが、右側から行ける。 *小僧森、大僧森、葉山と三つのピークを越えることになる。小僧森は夏でもロープのある急斜面なので、滑落注意です。 *登山口から雪道。堅いバーンの上に5センチ程度雪が付いている。ところどころ脛くらいのラッセルあり。 *稜線の雪庇は崩壊が始まっている。雪線よりマージンをとって、ブッシュを行くほうがベター。 *この日は我々以外、山スキーさんが2名のみ。人はいないと思った方がいい。 |
写真
感想
*山形県にある幾つかの葉山の内、今日は一番登りたかった村山葉山へ。冬期はなかなかハードルが高い。記録も少ない。稜線上にいくつかの大きなピークがあり、一番手前の小僧森はかなり手強いという情報。山スキーの記録がいくつかあるので、ザイルが必要なレベルじゃないだろうと出かけてみた。
*美しい山だった。青空だが稜線は風が強く、雪が良く締まっており歩きやすい。小僧森の急斜面は雪質によってはピッケルが必要だろう。それ以上に雪庇が怖い。でも高度感のある稜線歩きは東北の山でも一級品だと思われた。
*畑地区の除雪が4月初めに行われると聞いた。ではそろそろ行ってみましょうかと緊張半分楽しみ半分の気持ちで葉山キャンプ場の駐車場へ。着いたときに山スキーさんが一人出発された。やや遅れ気味だったので、急いで支度して準備。運転中は雲がかかっていたが、登山口からはどんどん青空が広がってくる。神室方面かこちらか天気を見て葉山に回ったのが正解だったかもしれない。
*キャンプ場から沢形をたどって支尾根の一番低いところに乗り上げる。雪庇がついているが右から巻いて上がれる。そのあとはかなりの急傾斜が続く。スキーのトレースはジグを切っているが我々はまっすぐに登っていける程度。やがて尾根が一旦細くなり右手に雪堤が現れる。振り返ると月山と朝日連峰が丸見えだ。ただこの日は高い山は雲がしっかりついている。おそらくは強風で雪も舞っていたのではないだろうか。尊仏平とよばれる美しいブナ平がしばらく続く。ブナが赤く見える。もう春の芽吹きである。
<クマ発見>
小僧森が見えてくる。見事な尖塔である。それをじっくり眺めていたら、なにやら動く物体が。素早い動きで上りのスキーのシュプールを辿っておりてくるではないか。黒く足が短くて太めの体型、クマに間違いない。下山してくるクマとそのシュプールを辿る我々の距離は直線で約200mか。ちょっとまずいね。で、呼びかけてみた。
「おーい」
クマが止まった。キョロキョロするのが見える。
「おーい、クマさーん」
一旦動きを止めたあと、ものすごい勢いで反転し、急斜面を駆け登り右手の雪庇に消えた。そっちは崖だけど。
<小僧森急斜面>
さっきクマが登り返した小僧森の急斜面についた。ここまでツボ足だったが、基部でアイゼンをつける。固い雪面に数センチの新雪がついている状態でところどころ20センチくらいの新雪がある。スキーはジグを切っているが、ここを担がないで登れる脚力に感嘆。我々は安全を期して直登するがいよいよ行き詰る。左に一歩ずつ足場を確認しながら進む。一歩ずつ確実に、が大事だ。核心部は10mくらいか、あっという間に登りきった。高度感が苦手なら結構辛い登りかもしれない。クマが雪庇からぬっと顔を出したらもっと辛い上りだっただろう…
*小僧森のあともピークは続く。そのたびに降りて登っての繰り返し。右手は火口のような地形で崖になっており大きな雪庇がずっと続いている。尾根通しで行きたいが危険。ブッシュの中を進む場面もあった。雪も深くなり風も止む回数が減ってくる。何より黒い雲がどんどん押し寄せてきて、月山や鳥海が全く見えなくなりややモチベーションがさがる。それでも歩いていると頂上には着くものだ。葉山山頂の碑の横で立ったままオニギリを一つと白湯を飲みあとは下山である。
*心配した小僧森の下りは、高度感に慣れたせいか、問題なく通過。降り立った雪原でやや風はあるものの、ラーメンで乾杯。とりあえず登頂おめでとうってね。
*予報では土日とも晴れだが、天気図と気圧配置みればどうみたって高い山は厳しい天気が予想された。ただ冷えたので歩きやすかったのは助かった。今日日曜は仕事のため、土曜の天気にかけたがまずまず許容できる範囲。雪の葉山に登れて満足であった。この日は、スキーヤーが2名。一名は先行され、もう一名はすぐ後から追ってこられたがついに追いつかれることはなかった。人がいない山が好きなのである。
コメント
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雪がたっぷりあっても* ̄(エ) ̄)←この方、いらっしゃいましたか。
写真を拝見すると、そちらも新しい雪が積もったみたいですね。
神室方面よりは明らかによいお天気だと思います。
僕はこの日の朝、R108の駐車スペースに降り立ったら、雪が降っていましたからね
kiyoshiさんと大鏑山からみえた白い峰々はここだったわけですね
今年もアニマルフレンズに好かれそうな気配です
距離があったので落ち着いて対応しました、が、小僧森の下でアイゼン履いてるときも背中には注意
葉山山頂は、一刻も早く帰りたい風と空模様でした。避難小屋と神社まで行ってみたかったけどね
大鏑から見えていた月山手前の大きな山体が、ここ村山葉山です。完全雪山でございました 気持ちのいい歩きができました。でも仕事忙しいので、これが最後の雪山です←前回も書いたな
今年も動物寄せフェロモンは健在ですね
冬の村山葉山の記録は見たことがありませんでした。かなりハードルが高いとは思っていましたが…。
蔵王よりも遅くまで雪が残っている(ような気がする)山ですからね。
いずれ参考にさせていただきます
こちらも新雪ありましたか。この日は蔵王温泉にいましたが、温泉街も朝は真っ白でした。この時期に珍しいと地元の方が言ってましたね。
シーズン最後のフカフカのラッセルでしょうか
そう言えば今シーズンはアイゼンを一度も使っていませんでした
譲り渡したはずなのに
この日はクマが山頂からこっちに向かって降りてくるので、鉢合わせはやだな〜と思いましたよ。あんな真っ白な山頂で何してたんだろ〜
ま、どこにもクマはいるので、とりあえず音を出してすすみましょうか
村山葉山、なかなかでしたよ 是非そのうちに 雪は稜線部のみ、部分的に深く、基本はクラストしたものがやや柔らかくなった感じでした。3月中だとアイゼンピッケルラッセル訓練に最適。でも畑地区まで除雪はないよ〜
モッケさん、蔵王温泉で何してたのかな〜
そろそろ冬眠から覚める頃なのに、またこんなお天気で…って困惑していたかもしれませんね。
脅かすつもりが、「おーい」って呼ばれて余計に
幾度も超えるピークと稜線の高度感、高所ビビリ症の私ですが、写真で見ると、気持ちよさそうだなぁと感じました
クマった、って私にオヤジギャグを言わせたいということかな
「おーい」の他に思いつかなかったよ
気持ちのいい超展望の稜線歩きです。鉄の爪かクマの爪があれば大丈夫 オニコウベのスネーク上部程度なので、Springさん、いけると思うよ
流石に山形はまだまだ雪がいっぱいですね、岩手県はもうだいぶ溶け始めています
月山スキー場が4月にオープンする理由が良く解りました
いいじゃないですか〜広く言えば哺乳類同士、なかよくやりましょう
宮城も岩手も太平洋岸はかなり融けましたね。葉山は東北一の豪雪地帯、山形の肘折温泉のある大蔵村の隣ですし、月山の手前ですから、雪はたっぷりでしたよ。
月山はいつ行っても人が一杯ですが、こっちはいつも空いてますよ。
ところでここで見かけたスキー屋さん、山ブログをやっている人のようでした。結構凄い人のようですね。どうりで、急斜面スイスイ登るわけだ
いつにもまして臨場感があって引き込まれました。クマの出現のせいだけではないと思います。20番や27番を見た後だから急斜面の直登、黒い雲が押し寄せる強風の山頂部・・自分がそこに立っているような感覚を覚えました。
まだまだたっぷりの雪、新雪もあるせいでしょうか、全面白ですね。4月とは思えないぐらい すばらしい稜線です。奥様もお疲れ様でした。登頂おめでとうございます
クマの写真、拡大して見てしまいましたよ。もう少し引き寄せてから撮ったらどうだったでしょう
話題のマクロで撮ったらよかったかも
って誰ができますか
お疲れのところ、お優しいコメントありがとうございます 実際は、kamadamさんが歩かれたら鼻歌まじりの斜面だと思いますが、シルバー世代には急登は辛いのよ 下がハードでうっすら雪がズレるので、斜高せず直登しましたが、最後は左上に逃げながら、一歩ずつ足場作って登りましたよ。もうちょっと雪が深いとキックステップきれいに効いたんだけどね
夏にもう一度来てみたい大展望の稜線でしたよ。気持ちのいい歩きができました。
山形はユキぶかい所?
神奈川はないよ
硬雪の上を少年の頃のように歩きてぃ〜
少しくやしい
雪山もう危ないよね
気を付けて遊んでね
熊さんも目覚めてるし
おいらも気を付けべぇ。
今年は大雪だったけど3月が暖かくて結構融けましたね。これでも例年より少ないと思います。
kazikaさんにくやしいって言わせちゃった
こっちのクマとそっちのヒルとどっちが怖いだろ
雪山危ないよね。この世で一番美しいから、行っちゃうけど、いつも細心の注意を払い、装備も万全ででかけています。慢心せず 沢も危ないよね お互い気を付けましょう。そろそろ誕生日…あー
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