鶏冠尾根から木賊山、甲武信岳には届かず
- GPS
- 12:45
- 距離
- 13.4km
- 登り
- 1,520m
- 下り
- 1,508m
コースタイム
天候 | 曇りのち雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
(出発時は2台のみ、下山時は数台。ガラガラでした。) |
写真
感想
右足クルブシを昨年2月に骨折し、今年の2月に抜釘手術を受けてから3回目の登山です。
1回目は、横浜市の最高峰168mへ山道を歩けるかどうかの確認登山。
2回目は、ハイカットシューズでもう少し標高差と距離のある登山。
そして今回3回目が標高差1000m越える山として甲武信岳を選びました。
この鶏冠尾根は、2月の積雪期に第3岩峰まで往復していますので、今回は、その第3岩峰までは雪無しで、その先、甲武信岳頂上までは残雪歩きを楽しみにしていました。
実は、この計画は先週のもので、その時は、前夜1時にみとみ道の駅に着いて仮眠し4時の目覚ましを鳴らしたのですが、あまりの眠たさにそのまま車中泊してしまいました。
目が覚めたら道の駅はすっかり観光モードで、もはや登る気などさらさら無くそのまま帰宅してしまいました。
それでもう諦めていたのですが、この一週間さほど気温は上がらず雪が融けた様子はないばかりか今日の気温は逆にぐっと下がるとあって、これはチャンスと出発しました。
今回は家で寝て、2時に目覚まし、即出発し、車の中ではアゲアゲのライブハウス調ミュージックでテンションマックスにして西沢駐車場へと走りました。
車を止めて10分後には歩き出す準備のよさです。
今回は歩く距離も長いので、靴はハイカットシューズをザックに担ぎ、ローカットシューズで運転してそのまま登山します。
標高2000m以上では雪を期待しているので、もし踏み抜くような雪質ならとワカンも持って行きます。
登山靴の入ったザックは嵩張りますが、ロープ等の登攀具は一切無いので軽いものです。
東沢は鶏冠谷出合までに3回徒渉をしましたが、いずれも飛び石を飛んで渡ることが出来、裸足での徒渉は免れました。
2月に登った時の印象では傾斜はあまり無いという記憶でしたが、今回はイヤに急に感じました。
それだけ、2月はいくらチビラッセルだとは言えラッセルの方が辛かったのでしょう。
2月には第3岩峰の壁を登ったところが目標地点だったのですが、今回はその先僅か10分ほどで「山梨百名山 鶏冠山」の小ピークに辿り着きました。
山梨百名山の鶏冠山は、足下がスッキリしていて見晴らしの良い山です。
前回「乙女の滝」とまちがって写真を載せた沢は「西のナメ沢」でした。お詫びして訂正します。
この山梨百名山の鶏冠山からは、その氷瀑登攀で有名な「乙女の沢」全体がよく見え、出合に落ちる乙女の滝も写真に納めました。
晴れていれば、おそらく富士山や南アが綺麗なんだろうと思います。
この山梨百名山の鶏冠山のすぐ先で、第3岩峰の廻り道と合流します。
そこには、なんと「木賊山」の案内標識があります。
今はどうか分かりませんが少なくとも以前はこの鶏冠尾根は木賊山まで「登山道」だったようです。
第1岩峰から見た尾根筋は岩稜歩きを楽しめそうに見えますが、残念ながら径は樹林の中を進んでいきます。
次のピークでスマホのGPSアプリの地図ロイドで現在地を確認したら、なんとそこが2115mで地図上の鶏冠山でした。
これにはがっかり来ました。
2つのピークに同じ名前が付けられていると言うことよりも、第3岩峰の上からここ2115mの鶏冠山までに掛かった時間が45分に対して、ここから木賊山山頂までは距離にして5〜6倍もあり、計算上は4時間は掛かることになります。
この時点で、甲武信岳は諦めたどころか木賊山も放棄して下山しなければならないか考えるようになりました。
次のポイントになる2177m到着は11:00。なかなか微妙な時間です。
引き返すべきか何度も自問します。
ここまでで既に雪というかそれが氷になったところが結構増えてきました。
その雪には、先週の人かと思われるかすかな足跡が残っています。
既にアイゼンを着用して居られる様子です。
2177mから先の下降は少し傾斜があって全面的に雪が付いていました。
北斜面で日光で雪が融けることがないらしく氷結していないのでズボッと膝まで踏み抜きます。
これはイヤだと、ローカットシューズのままワカンを履きました。
お陰で沈まないばかりか爪が雪を噛んでくれて具合良いですが、雪で踏み跡など見えないからルートを逸脱したらしくシャクナゲの藪漕ぎがつらいです。
コルまで降りてくるとそれより先、すなわち南面の登り坂も雪に覆われて居るので、ここでローカットシューズを脱ぎ、ハイカットシューズに履き替えます。
上は2枚では歩いていても寒いぐらいになったので、ミッドレイヤーのフリースを着、町中で着ていたパーカーをレインウェアの上着に着替えました。
木の枝や葉に粉雪が乗っているので、手袋も軍手からオーバーミトンに履き替えました。
これでほぼ真冬なみのスタイルに変身して、出発です。
雪は、アイゼンの爪がよく効きますし、硬く氷結していてまず踏み抜きはありませんが、シャクナゲの密藪のブッシュ漕ぎには泣かされます。
最後の木賊山付近では傾斜も無くシャクナゲの藪漕ぎからも解放されて登山道に出ました。
もちろん甲武信岳へ向かう力も時間もありません。
スマホも電池が無いと警告しているのでGPSアプリを終了させ、電源を切りました。
さあ、後は登山道の踏み跡を頼りに下山です。
アイゼンがよく効き、ブッシュ漕ぎも踏み抜きもなく楽なものです。
すぐに「鶏冠尾根通行止」の標識がありました。と言うことは元々はやはり鶏冠尾根は登山道だったようです。
この標識を記念に写真を撮っているところへ登ってきた人がシャッターを押して下さると言うことで有り難く撮してもらった。
今回の山行で自分が写っている唯一の写真です。
その写真を見ると私は70歳過ぎのお爺さんに見える。ええ?
最近、山で出会う老人は70歳以上が多いと感じていましたが、実は見間違いで、私と同じ年かむしろ若い人かも知れない。
途中で3人の女性に出会いましたが、この時間なら皆さん上で泊まりらしい。
羨ましいと言うより、今回は、もうすでに天気は崩れているのに明日はツライだろうなと思ってしまう。
標高1869mの近丸新道・徳ちゃん新道の分岐点でローカットシューズに履き替えたりミッドレイヤーのフリースを脱いだりしていたら小雪が舞い始めた。
間もなく径は真っ白になりだし、急いで下るのも滑りやすくなってきた中を一回の転倒だけで西沢山荘まで降りてこられました。
林道はさすがに降った雪もすぐに消えますが、駐車場まで戻って車の中でホッとしていると雪は更に強くなりフロントガラスに積もりはじめた。
例年、スタッドレスは5月の連休明けまで履いているので、少しぐらい雪が積もっても車は運転できますが、長居は無用と発車します。
抜釘手術後の3回目の登山、目的の甲武信岳はとても及ばなかったですが駐車場から標高差で1368m高い木賊山まで行けたので、術後の回復は合格レベルでしょう。
けれど、甲武信岳まで行けなかったと言うことは、5月連休の穂高行の計画は考え直した方が良いかも知れない。
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