ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 29364
全員に公開
沢登り
塩見・赤石・聖

南ア・池口沢〜池口岳北峰〜加加良沢

2003年08月01日(金) ~ 2003年08月03日(日)
 - 拍手
GPS
56:00
距離
29.3km
登り
2,063m
下り
2,065m

コースタイム

南ア  ・池口沢〜池口岳北峰〜加加良沢
パーティー;単独
 8/1 入渓(1100)H.1020m出合(1300)H.1300m二股(1400~30)岩小屋沢H.1400m泊(1500)
  /2 発(530)池口岳(900~30)加加良沢奥二股(1100)H.1220m出合(1430)H.1040m泊(1530)
  /3 発(615)加加森沢出合(800~30)遠山川出合(1200)小道木
過去天気図(気象庁) 2003年08月の天気図
アクセス
ファイル
(更新時刻:2018/09/11 21:56)
(更新時刻:2018/09/11 21:56)

感想

 南アの沢で最も興味をそそられる沢の一つが加加良沢だ。地図で見るに、噂の倉沢同様表示の下流部とそれを大いに上回る流程、そして屈曲と興味を引く要素は多い。ガイドブックに載っていないというのもイイ。当初は加加良沢を登路に採り、加加森山から源頭部に略奪地形らしきがある加加森沢を下降する周遊を目論んでいたものの、実践済みのクライミング仙人・成瀬によれば核心部のゴルジュ状連瀑帯は手が出ないとのことなので発想を転換し、野生味溢れるというふれ込みの池口沢を絡めて下降路として行動に移した。梅雨明けの遅れた今年、狭められたチャンスを有効活用しようと三連休を捻出して上手く安定期に当てられた。加加良沢で増水に当たるのはやはり気持ちの良いことではないから。
 池口沢は堆積岩が主に沢を構成し、薙と呼ばれるガレが両岸に目立ち、派手な滝も現さず凡庸でありふれた感のある沢だった。左に採った岩小屋沢は、源頭右岸壁の峙ちが意外だった(湯沢を選択しなくて良かった!)。鹿を幾度と無く見掛け、彼らの警戒音に嚇かされたりもした。
 霧に佇む池口岳北峰を辞して・2156mからいよいよ本命の加加良沢へと下降を開始した。奥二股まではどこにでもある沢上流の一風景が続き、銅山跡らしきガレを仰ぎ地図上の狭まりを過ぎると遂に始まった、スケール有る連瀑帯が。出だしの三つは水線を辿れたものの、巻き返しのある滝壷で遂に阻まれ懸垂を強いられた。しかしひとたび水線を離れれば意外にも側壁の傾斜緩く潅木もまま有り、悲壮感のないこの彫れたゴルジュ状連瀑帯を、幾つか有る支尾根末端の船の舳先のような場所からつぶさに観察できた。赤いチャートで造られた幅広滝や、よく研磨された細長い釜に沸騰する水、抉れたチャートを滑る一条の白い帯(成瀬命名「赤筒の滝」)、ヒョングリ滝の飛水が側壁にブチ当たる爆音と、一通りのものが此処には有る。標高1210mの沢の出合で核心部は終了し、気を抜いた途端に足を乗せた岩がゴロリと転がって足の甲に載っかった!あまりの痛さに声も出ず。
 明けて腫れ上がった右足引きづり引きづりよろよろと下った。加加森沢との出合は意外にも平凡でガッカリした。そこからの下流は過去の記録から受ける印象(快活な河原のような遡行図)とは違い、ゴーロの詰まる荒れた沢といったものだった。ただ、終始両岸が迫っているわけではないけれども、やはり増水してはまずかろう。遠山川へとポンと飛び出したときの開放感ったらなかった。何とか入渓地まで歩き通して本山行を纏め上げた。
 後にインターネットとやらで検索してみたら、京大山岳部の連中の記録が出てきたときには思わずニヤリとしてしまった。成瀬さん、さがみ山友会はいいとしてもやはりセンスの似た人種というのは居るものだ。その後、わらじの仲間、渓ユウ会、きねづか同人の記録の存在も青島氏から教わった。

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:3433人

コメント

まだコメントはありません
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。

ルートを登録する

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら