南ア・池口沢〜池口岳北峰〜加加良沢
- GPS
- 56:00
- 距離
- 29.3km
- 登り
- 2,063m
- 下り
- 2,065m
コースタイム
パーティー;単独
8/1 入渓(1100)H.1020m出合(1300)H.1300m二股(1400~30)岩小屋沢H.1400m泊(1500)
/2 発(530)池口岳(900~30)加加良沢奥二股(1100)H.1220m出合(1430)H.1040m泊(1530)
/3 発(615)加加森沢出合(800~30)遠山川出合(1200)小道木
過去天気図(気象庁) | 2003年08月の天気図 |
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アクセス | |
ファイル |
(更新時刻:2018/09/11 21:56)
(更新時刻:2018/09/11 21:56)
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感想
南アの沢で最も興味をそそられる沢の一つが加加良沢だ。地図で見るに、噂の倉沢同様表示の下流部とそれを大いに上回る流程、そして屈曲と興味を引く要素は多い。ガイドブックに載っていないというのもイイ。当初は加加良沢を登路に採り、加加森山から源頭部に略奪地形らしきがある加加森沢を下降する周遊を目論んでいたものの、実践済みのクライミング仙人・成瀬によれば核心部のゴルジュ状連瀑帯は手が出ないとのことなので発想を転換し、野生味溢れるというふれ込みの池口沢を絡めて下降路として行動に移した。梅雨明けの遅れた今年、狭められたチャンスを有効活用しようと三連休を捻出して上手く安定期に当てられた。加加良沢で増水に当たるのはやはり気持ちの良いことではないから。
池口沢は堆積岩が主に沢を構成し、薙と呼ばれるガレが両岸に目立ち、派手な滝も現さず凡庸でありふれた感のある沢だった。左に採った岩小屋沢は、源頭右岸壁の峙ちが意外だった(湯沢を選択しなくて良かった!)。鹿を幾度と無く見掛け、彼らの警戒音に嚇かされたりもした。
霧に佇む池口岳北峰を辞して・2156mからいよいよ本命の加加良沢へと下降を開始した。奥二股まではどこにでもある沢上流の一風景が続き、銅山跡らしきガレを仰ぎ地図上の狭まりを過ぎると遂に始まった、スケール有る連瀑帯が。出だしの三つは水線を辿れたものの、巻き返しのある滝壷で遂に阻まれ懸垂を強いられた。しかしひとたび水線を離れれば意外にも側壁の傾斜緩く潅木もまま有り、悲壮感のないこの彫れたゴルジュ状連瀑帯を、幾つか有る支尾根末端の船の舳先のような場所からつぶさに観察できた。赤いチャートで造られた幅広滝や、よく研磨された細長い釜に沸騰する水、抉れたチャートを滑る一条の白い帯(成瀬命名「赤筒の滝」)、ヒョングリ滝の飛水が側壁にブチ当たる爆音と、一通りのものが此処には有る。標高1210mの沢の出合で核心部は終了し、気を抜いた途端に足を乗せた岩がゴロリと転がって足の甲に載っかった!あまりの痛さに声も出ず。
明けて腫れ上がった右足引きづり引きづりよろよろと下った。加加森沢との出合は意外にも平凡でガッカリした。そこからの下流は過去の記録から受ける印象(快活な河原のような遡行図)とは違い、ゴーロの詰まる荒れた沢といったものだった。ただ、終始両岸が迫っているわけではないけれども、やはり増水してはまずかろう。遠山川へとポンと飛び出したときの開放感ったらなかった。何とか入渓地まで歩き通して本山行を纏め上げた。
後にインターネットとやらで検索してみたら、京大山岳部の連中の記録が出てきたときには思わずニヤリとしてしまった。成瀬さん、さがみ山友会はいいとしてもやはりセンスの似た人種というのは居るものだ。その後、わらじの仲間、渓ユウ会、きねづか同人の記録の存在も青島氏から教わった。
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