記録ID: 3011535
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積雪期ピークハント/縦走
中央アルプス
風越山、天狗山、独標
2021年03月20日(土) [日帰り]
![情報量の目安: S](https://yamareco.org/themes/bootstrap3/img/detail_level_S2.png)
体力度
4
1泊以上が適当
- GPS
- 07:42
- 距離
- 11.4km
- 登り
- 1,546m
- 下り
- 1,524m
コースタイム
日帰り
- 山行
- 7:08
- 休憩
- 0:28
- 合計
- 7:36
〇事前に想定したリスク
1.雪面の急登
氷化した雪面の急登はあるかもしれないが、アイスまではないだろう・・・あってお少しだろう・・・と想定。対策として12本爪アイゼン持参。ウィペットがあればピッケルは不要と判断。
実際は氷化した雪ではなく、雪溶け水が凍ったアイスの急登がこれでもかという位あった。数个靴刺さらない箇所もあったが、アイゼンの先端が丸まっていなくて良かった。以前、サンダーで研いでおいて良かった。また、急登の上り下りはピッケル1本ではちょっと危険だったろう。ウィペット2本の方がはるかに安定していて安全で助かった。急斜面の上り下りでは、ブレードの長いピッケルより拳の中に包み込んで雪面に打ち込めるウィペットの方が刺しやすく、打ち込んだ後も長いブレードより短いブレードの方がグラグラせず、拳の延長で動かせるので安全だと感じた。
2.雪の踏み抜き
風越山より少し上で雪を想定していた。スノーシューやワカンを使うほどの踏み抜きはないかもしれないが、もしツボ足で歩きにくい区間があっても短い区間だろうと想定して重量軽減を優先してワカンを選択した。この選択はドンピシャだった。久々にワカンを使ったが、通常の降雪後の雪ではなく、今回のような表面がクラストしている状況だとワカンのフレームがクラスト層を面で抑える形となり、結構有効だということが分かった。残雪期の春山などは今回のようなクラスト層がある場合が多いので、今後、有効活用することが増えそうだ。
〇想定外リスク
1.危険な急登が多く、ヘルメットは持参すべきだった。
1.雪面の急登
氷化した雪面の急登はあるかもしれないが、アイスまではないだろう・・・あってお少しだろう・・・と想定。対策として12本爪アイゼン持参。ウィペットがあればピッケルは不要と判断。
実際は氷化した雪ではなく、雪溶け水が凍ったアイスの急登がこれでもかという位あった。数个靴刺さらない箇所もあったが、アイゼンの先端が丸まっていなくて良かった。以前、サンダーで研いでおいて良かった。また、急登の上り下りはピッケル1本ではちょっと危険だったろう。ウィペット2本の方がはるかに安定していて安全で助かった。急斜面の上り下りでは、ブレードの長いピッケルより拳の中に包み込んで雪面に打ち込めるウィペットの方が刺しやすく、打ち込んだ後も長いブレードより短いブレードの方がグラグラせず、拳の延長で動かせるので安全だと感じた。
2.雪の踏み抜き
風越山より少し上で雪を想定していた。スノーシューやワカンを使うほどの踏み抜きはないかもしれないが、もしツボ足で歩きにくい区間があっても短い区間だろうと想定して重量軽減を優先してワカンを選択した。この選択はドンピシャだった。久々にワカンを使ったが、通常の降雪後の雪ではなく、今回のような表面がクラストしている状況だとワカンのフレームがクラスト層を面で抑える形となり、結構有効だということが分かった。残雪期の春山などは今回のようなクラスト層がある場合が多いので、今後、有効活用することが増えそうだ。
〇想定外リスク
1.危険な急登が多く、ヘルメットは持参すべきだった。
天候 | 晴れ 気温0〜10℃ 微風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
今日は自分の車のみ。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・風越山山頂から200m位進んだ所の中央アルプス展望所まで 危険なし。標高1450m位から雪が断続的に出てくる。中央アルプス展望所以降は雪あり。 ・中央アルプス展望所〜天狗山(ピーク2118) ここからはバリエーションルート。 天狗山の急登手前までは、往路は表層のクラスト層がしっかり凍結していて踏み抜きは少なかったが、復路では雪が緩んでクラスト層を踏み抜くと時々胸まで落ちることあり。腰までは10回程度。膝下までは数知れず。凍結箇所も多数あり。雪がそのまま氷化したのではなく、雪が溶けた水が再度凍結して完全な氷となったと思われる。氷が硬く、チェーンアイゼンでは先端の尖りが甘いため刺さりが悪く、少し危険。痩せ尾根で滑ったら滑落するので、できればきちんとした12本爪アイゼンの方が良い。時々岩や土の場所もあるので、アルミアイゼンは不向き。往路はチェーンアイゼン、復路は12本爪アイゼンで、途中から踏み抜きが酷くなったのでアイゼン+ワカンで踏み抜き対策したらかなりましになった。 天狗山への急登は、踏み抜きに加えて完全なアイスになっている区間も多数。斜度40度以上のアイスの急登や斜度50度程度あると思われる箇所もあり。往路は12本爪アイゼンの前爪とウィペットで4足登坂したが、少ししか刺さらない場合もあって危険。復路はバックステップ多用して降りた。上半身を斜面から少し離すと後ろへ倒れそうになるほどの斜面もあり。樹林帯の中の急登だが、樹木は枯れていたり、すぐに折れるようなものが多くあまり頼れない。落ちたら大怪我をしそう。とても怖い。 ・天狗山〜独標(ピーク2339)まで 細尾根や斜度40度前後の凍結急登あり。ここも12本爪アイゼンとウィペット使用。独標手前は雪、アイス、岩の急登。腰までの踏み抜きもあり。斜度30度位で、時々40度。ここも4足登坂、バックステップ多用。落ちたら死ぬかも。とても怖い。 人生で今日ほど12本アイゼン前爪を蹴り込み、ウィペットを打ち込んだことはない。氷が硬くてなかなか刺さらないため、足先は少し痛くなり、腕がしびれた。 今日は比較的早い時間にピークハントして下ったが、雪の状況次第ではさらに危険となる可能性がある。雪崩や雪庇崩壊、雪割れ、ヒドゥンクレバスなどの危険は感じなかった。 |
写真
これから行く独標への稜線です。
見えるのは1つ手前の偽ピーク。
山頂はその少しだけ向こうの岩稜ですが見えません。
この斜面、どう見ても斜度40度はありそう。しかもアイスかも・・・。
樹林ないし、前爪とウィペットかな・・・
見えるのは1つ手前の偽ピーク。
山頂はその少しだけ向こうの岩稜ですが見えません。
この斜面、どう見ても斜度40度はありそう。しかもアイスかも・・・。
樹林ないし、前爪とウィペットかな・・・
アイス斜面をバックステップで下って行く。
アイスからクラスト層にきたところで、アイゼン前爪がしっかり刺さったので一息して1枚撮影しました。
でもウィペットは、まだアイス区間です。
先端だけがちょこっと刺さっている状態。
アイゼンでも、きっちり蹴り込まないと刺さりませんでした。
今日はこんな場所がめちゃくちゃ多い!!
アイスからクラスト層にきたところで、アイゼン前爪がしっかり刺さったので一息して1枚撮影しました。
でもウィペットは、まだアイス区間です。
先端だけがちょこっと刺さっている状態。
アイゼンでも、きっちり蹴り込まないと刺さりませんでした。
今日はこんな場所がめちゃくちゃ多い!!
撮影機器:
装備
個人装備 |
ジオライン長袖シャツ
モンベルのウィックロンジオサーマルロング
ロングパンツ(モンベルマウンテンガイドパンツ中厚手)
モンベルのジオラインバラクラバ
防寒テムレス
レインウェア上下
3シーズントレッキングシューズ(ノースフェイスヴォルト)
ザック(グラナイトギア38)
パン3個(2個消費)
非常食(柿の種)
スポーツドリンク1.5L(0.6L消費)
地図(地形図)
ヘッドランプ(レッドレンザーMH5を2個)
予備電池
GPS(ガーミンmap64sとetrex30)
筆記用具
ファーストエイドキット
保険証
スマホ
BDウィペット(直径12cmのスノーバスケットへ交換)
ココヘリ
防寒着(化繊ジャケット)
ツェルト(juza)
12本爪アイゼン
ワカン
モンベルチェーンスパイク
総重量11kg位?
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---|
感想
登山は距離ではない・・・というが、今日はまさにそういった類のとてもタフな登山だった。だが、今後の糧になるとても良い登山でもあった。
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コメント
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greenriverさん、こんばんは
やばそうな所が沢山あったんですね。
申し訳ないけど、私、行かなくて良かったかも・・
雪が解けたらもう少し登り易いのかな?
ちょっと調べてみよっと思いました。
そんなこと言われてしまうと、ちょっとへこみますね・・(笑)。
この時期の独標のレコはほとんど見つからず、唯一あったレコもほとんど何もわからないようなものだったので、行けるところまで行ってみようという感じでした。
実際、行ってみると、装備もドンピシャで、まあなんとかなる範囲でした。
無雪期のレコはそこそこありますよ。
藪があるみたいですが、大したことなさそうですし、ぐっと安全度が上がるかと思います。
それでも天狗山の急登はちょっと注意が必要だと思います。
雪無くてもアイゼンあっても良いくらいだと思います。
そうそう、そういえばヘルメットは持参すべきでした。
無雪期でも、人によってはヘルメット持参しても良いくらいです。
それと、ちょっとびっくりですが、無雪期に三ノ沢岳、上松ルート経由で周回されているレコが1名いらっしゃいました。sunatomoさんです。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2513935.html
これ、かなりの藪道、アップダウンのはずで相当な方です。
でも、ちょっとそそりますよね。どうです(笑)。
いや・・・ちょっと引きますかね(笑)。
追記。
ありました。積雪期の三ノ沢岳。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2671506.html
やばすぎです。
greenriverさん、こんばんは
弱気なコメですみません。
レコ見てたらピッケル1本じゃ行ける気がしなかったので。
また昨日アイゼン見たら少し丸かったので、その状態で行ってたら良くなかったなと。
一緒にお供してたら、天狗山急登手前で恐らく先に行ってもらい、自分は行ける所まで行くって感じだったと思います。
この状況知ってるんだったらザイルも持参ですかね(といっても補助ロープ程度で立派な物はない)
三ノ沢岳から風越山を見た事ありますが、結構な落差があったのを記憶してます。
道も無いのは記憶があり、提示いただいたレコみると、ハイマツを登ったんですね・・
絶対べとべとですね。
ちょっと面白そうですけど、一日で行けるか微妙と思いました。
そそるか、引くかで言うと、そそる方ですが、もうちょっと調べたいです。
(って、きっと他にログないですよね・・)
そそるんですね。そっちですか・・・。
クククッ・・・と笑ってしまいました。
この2つの他には・・・ないでしょうね。
無雪期ならザイル持参で行けそうですよね。
自分が行った時なら、なんか変な話ですが、ピッケル1本よりくぎ抜き付きハンマー2本の方が良いのではないかと。アイス専用だとそんなに出番ないですし高いですから。
それと、補助ロープ、結構有効だと思います。
残置してあげると、いろんな方が助かるかも。
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