田子の浦〜富士山
- GPS
- 32:00
- 距離
- 50.2km
- 登り
- 3,816m
- 下り
- 2,377m
コースタイム
- 山行
- 10:40
- 休憩
- 1:50
- 合計
- 12:30
天候 | 8/24:曇り時々雨、25:雨のち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所はありませんでした。 |
その他周辺情報 | 富士宮市内・花の湯 |
予約できる山小屋 |
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
行動食
飲料
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
|
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感想
8月24日曇り時々雨
君津20:50-21:55足立22:35-0:35足柄SA 3:40-4:20田子の浦(238km)
田子の浦5:30(2:40)8:10西富士本橋8:20(1:05)9:25村山ジャンボ9:45(1:30)11:15 ? 11:30
(1:10)12:40グリーンキャンプ場13:10(1:15)14:25旧料金所14:45(1:30)16:15御殿庭下16:30
(1:30)18:00宝永山荘 (計10:40)
富士山は過去6回登っているが、登って楽しい山ではない。山は殺風景だし、人は多いし、山小屋は居心地悪いし。やはり富士山は程よい距離から眺める山だ。
しかしながら「海抜0mから登頂」には心惹かれるものがあり、いつかやりたいと思っていた。
来年1月には還暦を迎え、体力がどこまで続くか判らないので今のうちにやっておくことにした。
心配なのはその標高差だ。海抜0mの田子の浦から富士宮五合目の2,400mまでの約40kmの距離はどうって事ないが、標高差2,400mのきつさが想像つかない。まあ、なんとかなるだろう。
出発前に荷物の重さを量ると8.25kg、水が2函▲好肇奪0.5kg、カメラ0.3kg、傘0.2kgで合計11.25kg。小屋泊まりなので軽い。登山靴がなければ10kgを切ると思うが、下りに大砂走りを下るので、下り用に担いで行く必要がある。
20:50出発。首都高は少し渋滞したが、65分で聖のアパートに着いた。
荷造りと休憩をして21:55に出発。首都高は千住新橋から東京料金所までずっと渋滞したが、東名に乗ってからは順調に走行。田子の浦で仮眠する予定だったが、サービスエリアの方が朝食も食べられるので、足柄SAで夜食のうどんを食べた後、そのまま車中泊。ステップワゴンの2,3列目を倒して、登山用のマットを敷いて仮眠した。外は小雨が降っている。
1〜2時間仮眠。SA内のコンビニで買ったパンを食べて3:40に出発。曇り、気温24℃。
4:20富士市田子の浦の「みなと公園」に到着。広い駐車場があるので余裕で駐車可能と思っていたが、なんと夜間はゲートが閉鎖されていた。30分くらい周辺を走り回って駐車場所を探したが良い場所が見つからない。仕方ないので、公園の外側の堤防土手の中段の行き止まりのデッドスペースに駐車した。
身支度をした後、海水を触ってから出発しようとしたが、海岸はかなり遠いうえテトラポットで埋め尽くされて近づけない。なので、漁港側の堤防を下ったところの海岸で海水を触り、記念撮影をした。天気は曇りだが、富士山は良く見える。
5:30出発。4:00発の予定だったが、駐車場探しなどで遅くなってしまった。
最初の2時間は富士市の市街地。天気は曇りだが、かなり暑い。晴天でなくて良かった!
今年富士山が世界遺産に登録されたので、街のあちこちに登録を祝う幟が立っている。
郊外になると茶畑が多く、静岡らしくなる。茶畑ごしの富士山がいかにも静岡だ!
2.5時間歩いたところの「西富士本橋」で最初の休憩をとる。ここまではほぼ平坦で、12.7km歩いたが、標高は428mしか登っていない。周囲は森に囲まれ、人気が無い。
富士山スカイラインに続く登り道にさしかかるまではお店や自販機に不自由しないと思いきや2時間以上もコンビニはおろか、自販機も無い。予想外だが、事前の調査不足だ。途中で水が切れてしまい、「みらい」という産廃処理工場の事務所で水を分けてもらった。
富士宮市に入って少し行くと「村山ジャンボ」という野球場とサッカーグランドのある施設があり、トイレと水飲み場があったので、2回目の休憩をした。ここで水を飲み、給水をした。
あとで判ったが、村山ジャンボには宿泊施設もあり、近くにある村山浅間神社から始まる村山古道を歩く人が泊まるところらしい。
村山ジャンボを出て15分くらいで久しぶりに自販機を発見。この先あるかどうか判らないのでスポーツドリンクを補給する。
10:25頃富士山スカイラインに続く県道180号線に入るといよいよ登り勾配がきつくなる。道路脇の標識は「10%」を示している。これは車道としてはなかなかの傾斜だ。延々と続く上り坂を登るとやがて九十九折りとなり、心が折れそうになる。「一合目・標高1000m」の標識には励まされる一方で、まだそんなものか?という気持ちになる。
時折小雨が降るがたいした事はなく、ザックカバーだけでしのげる。
九十九折りをクリアして30分くらいで表富士グリーンキャンプ場に到着。この先五合目駐車場まではなんの施設もないので、ここで休憩する。
キャンプ場の食堂で休憩させてもらい、売店でノンアルビールと富士山アイスを買ってクールダウンと行動食チャージを行う。
キャンプ場の食堂には女子大生らしい集団が続々と到着し、何かイベントの準備が行われている。キャンプ場のスタッフに聞いたが、何のイベントかは不明とのこと。
キャンプ場スタッフに村山古道について聞いてみたが、やはり判りづらく迷う人も多いとのことで車道を辿ってきて正解だったようだ。
キャンプ場を出て1時間15分で旧料金所に到着。この旧料金所が夏のマイカー規制のゲートになっており、ガードマンがチェックしていた。マイカー規制は周知の事なので、だれも行かないと思っていたが、結構突入する車がいて、ゲートで追い返されていた。
丁度この料金所が二合目(1,460m)になっており、ガラン沢コースの登山口にもなっている。
警備のお姉さんに声を掛けて、料金所の屋根の下で休憩をさせてもらった。
14:45出発。いきなり崩れた階段が出現し、あまり手入れされていない雰囲気を感じる。トレースもそれほどはっきりしていない。やはり富士山は五合目から登る山なので、二合目からのルートを歩く人は少ないのだろう。時々GPSで確認しながら登る。
傾斜はそれほどきつくはないが、登りっぱなしなので効率よく高度を上げていける。
宝永山の第二火口縁の手前のガレ場の傾斜が最もきつく、足下が不安定なこともあって今日一番の難所だった。
宝永山は遠くから見ると小さなコブのようだが、近くで見るとなかなか迫力がある。
火口も迫力があり、別世界のようだ。第一火口の底を歩く登山者が見えた。宝永山を経て御殿場ルートに至るコースだ。
第二火口縁に着いた頃は山頂まで良く見えていたが、まもなくガスが出て見えなくなってしまった。
18:00富士宮ルートの六合目に建つ宝永山荘に到着した。田子の浦から40.13km、標高差2,493m、12時間30分だった。出発が予定より1.5時間遅れたが、ゴールは30分遅れで1時間挽回した。
宝永山荘の隣の雲海荘の前に人だかりが出来ているので、見るとイモトアヤコさんがTVのロケをしていた。後で聞いたが、24時間テレビの生中継で、福島の小学生と須山口一合目から登って来たそうだ。
宝永山荘に入ると、こぶ茶を出してくれた。これは美味しい!
受付をしても部屋には案内してくれず、まず食事とのこと。食事は一斉ではなく、着いた都度に食べるシステムらしい。
ビールを買って乾杯後、出て来た食事は案の定カレー。今時カレーを出す山小屋は富士山くらいなものだ。カレーは嫌いな人が少ないというのが理由だそうだが、ほぼ全ての山小屋が毎日カレーだけ、というのは頂けない。
富士山以外の山小屋では20〜30年前からカレーなんぞ出さなくなり、色々と美味しい食事を工夫と努力で出しているのに、富士山の山小屋は客の多さにあぐらをかいている感じがする。
富士山の登山者の殆どは観光客のようなもので、他の山は知らないと思うが、山にしろ山小屋にしろ、富士山のそれを一般的なものだと誤解されるのが残念だ。
まあ、カレーはそれなりに美味しく、お代わり自由だったのは良かったが・・・
食後2階の部屋に案内される。部屋というよりすし詰めの寝床で、我々のスペースは一番奥で長さが160cmくらいしかなく、足を伸ばす事が出来ない。
部屋に荷物を置くスペースがなく、階下の隅に置くように云われたが、我々は一番奥だったのでちょっとした空間があり、荷物を持ってきてしまった。
トイレは屋外で、300円入れないとドアが開かない、オートロックの強制課金システムだが、宿泊者はカギを持っていき無料で使えるシステムだった。小屋の二階奥に男性用トイレがあった。
20:00就寝。
8月25日 雨のち曇り
宝永山荘5:25(30)5:55新七合5:55(35)6:30元祖七合6:30(35)7:05八合7:05(30)7:35九合7:35(30)
8:05九合五勺8:05(30)8:35富士宮頂上9:20(45)10:05八合10:35(1:55)12:30大石茶屋13:05(10)
13:15御殿場口五合目 (計6:00)
御殿場口五合目14:00-14:45御殿場駅15:10-15:47沼津駅16:00-16:14吉原駅16:20-16:30田子の浦
16:50-17:25花の湯19:40-23:40足立0:20-1:15君津(256km)
4:00起床。雨!
寝床には結局誰もこなかった。脚は伸ばせないが、良く眠れた。宿泊客の大半は既に出発していた。
1階の食堂に降りるとまだ灯りが点いていない。小屋の人はまだ起きていないようだ。テーブルに置いてある朝食弁当を勝手に食べる。そうゆうシステムなのだ。
4:30頃小屋の人が起きてきてお茶を入れてくれた。
さらに起きてきた年配の客と話をしたら、彼はなんと89才とのこと。昨日登頂したが、天気が悪く展望が無かったので、今日もう一度登るとのこと。でも今日の方が天気悪そうなので考え中とのこと。彼は世界中の山に登っているらしい。すごい人だ。自分も89才で登れるだろうか?
米寿の祝いを剱か槍の山頂で出来たら良いと思うが・・・・ 頑張ろう!
小屋の人によるとイモト隊関係者からの情報として、強風のため9.5合から上は通行止めらしい。
我々が登頂する頃には解除になっている事を願う。
5:00過ぎにイモト隊が小屋の前を通った。小屋のテレビをつけると宝永山のほうに少し行った場所から24時間テレビの生中継をしていた。
イモト隊のガイドは実川さんという、富士山に1,400回以上登頂し、世界7大陸最高峰6座に登頂している強者。出発前に宝永山荘にも顔を出していた。
水筒の残りの水は約1函小屋の売店でアクエリアスを1人2本づつ買った。
5:15に出発しようとしたら、山頂への登山道の途中でイモト隊が中継しており、10分ほど足止め。でも応援しているイモトだからか、まったく腹が立たない。
中継が終わり5:25にスタート。イモトを追い抜くときに「頑張って下さい」と声を掛けたが、雨のせいか浮かない感じの顔だったが、やはり眉は太かった。
雨はときおり強くなるが、風はそれほどでもない。後から追いつく人は誰もいないが、上から降りてくる人がものすごく多い。狭い所ではすれ違いのため待つ事が多いが、譲ってくれる人はほぼいない。やはり富士山は山ノボラーの常識は通用しない。それどころか、ザックカバーはおろか、雨具すら持たない人も多い。流石に富士山だ!
約30分おきに小屋があるが、外で立ち止まって水を飲むだけで通過した。
上に行くにつれ、気温が下がりTシャツ+カッパでは少し寒いが、着替えるのが面倒なのでそのまま登る。トムラウシの大量遭難は強い風雨の中で防寒や着替えをちゃんとしなかった事による疲労凍死だったので、今日のような状況で無理をしてはいけないが、富士山には山小屋が多数あるので大丈夫だ。
下山してきた人から、9.5合で止められたと聞いたが、我々が行く頃には解除されていた。
8:35富士宮口山頂に到着。宝永山荘から3時間10分だった。コースタイムは5時間なので、なかなか良い調子だ。
富士山登頂は通算7回目、聖は3回目の登頂だが、海抜0mから登ったのはもちろん初めてだ。
達成感はあるが、寒いしガスで展望は無いので、爽快感は無い。
まずは浅間神社奥宮の鳥居で記念撮影。頂上富士館で熱いコーヒーでも飲もうとしたら、売り切れで、カップめんしか無いとのこと。なんと800円のカップめんが飛ぶように売れているが、とうてい買う気がしない。
神社の隣りにあった郵便局は御殿場口の頂上に引っ越ししていた。残暑見舞いを出したが、寒さで手がかじかんで酷い字になってしまった。果たしてちゃんと届くか心配だ。山頂の気温は5.5℃。冬なら0℃でもへっちゃらなのだが、身体が慣れていないせいか、5℃でも震えてしまう。
山頂は全キャリアOKのはずだったが、ソフトバンクは圏外だった。LTEもOKのはずだが、3Gさえ繋がらないとは!やはり山ヤはドコモに限る。早くドコモからiPhoneを出して欲しいものだ。
9:20下山開始。下山は大砂走りのある御殿場ルート。標高1,440mの御殿場口五合目までの標高差実に2,300mだが、豪快な大砂走りが魅力だ。
悪天候でも大賑わいの富士宮ルートに比べて御殿場ルートは距離が長いせいか、ほとんど人がいない。
3,300mの八合目赤岩八合館で休憩。コーヒーとココアを注文すると、ワンカップのカップに入って出てきた。特に文句はないが、なかなか珍しい。
3,100mの七合五勺で登山道と下山道が分岐し、しばらく下るといよいよ大砂走りが始まる。
荒涼とした月の沙漠のような砂走りは程よい傾斜と柔らかさで、とてもスピーディーに下れる。これは楽しい!雨が降っているので埃も立たず、用意してきた防塵マスクも不要だった。
大砂走りの下りは1時間以上続くが、調子に乗り過ぎたのか、五合五勺を過ぎたところで膝が笑い出し、ペースダウン。やっとの思いで大石茶屋に到着。五合目の駐車場まで10分ほどだが、五合目には売店も食堂もないので、大石茶屋でビールを買って乾杯し、ラーメンを食べた。
大石茶屋から五合目までの400mは足が動かず、かなり辛かった。
13:15五合目着。「SEA TO SUMMIT」のチャレンジ完遂だ。合計53km、正味16時間40分だった。
マイカー規制されているわりには駐車場には車が多かった。
駐車場の一角で観光協会の人が靴洗い場と足湯のサービスをしていた。泥んこの靴を綺麗にして、足湯に入るととても気持ち良い。晴れていれば足湯から正面に富士山が見えるらしいが、今日は残念だ。
14:00発の御殿場行きのバスに乗り、御殿場から御殿場線と東海道線を乗り継いで吉原駅へ。
当初計画では吉原駅から田子の浦まで約2kmを歩こうと思っていたが、とてもそんな気力が湧かず、タクシーに乗った。
車に戻ってから出発時に海水に触った海岸に降りて海水に触り、全行程を完了した。
富士宮市内のココスで夕食を食べ、「花の湯」で温泉に浸かって汗を流してから帰路についた。
聖のアパート経由で君津に着いたのは1:15だった。
今回はかなり疲れたが、達成感は非常に大きい。富士山は登るより眺めるべき山だが、こうゆう挑戦はななかなか楽しい。来年はさらに大きな達成感を求めて、1日で完成させる「1DAY SEA TO SUMMIT」をやってみようか?
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