記録ID: 31516
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積雪期ピークハント/縦走
日光・那須・筑波
皇海・庚申(松木沢から)
2008年11月22日(土) ~
2008年11月23日(日)
- GPS
- 16:38
- 距離
- 22.9km
- 登り
- 1,692m
- 下り
- 1,605m
コースタイム
22日 10:00銅親水公園ゲート-10:45大ナギ沢直前のゲート-11:35ウメコバ沢出合-12:10三沢出合-12:50不思議な石垣(?)-14:00ニゴリ沢出合-14:55モミジ尾根取付点-16:35稜線・幕営
23日 6:35出発-9:10皇海山頂-10:00不動沢のコル-11:05鋸岳山頂-13:50庚申山頂-14:53六林班峠への分岐-15:45一の鳥居-16:38かじか荘着
23日 6:35出発-9:10皇海山頂-10:00不動沢のコル-11:05鋸岳山頂-13:50庚申山頂-14:53六林班峠への分岐-15:45一の鳥居-16:38かじか荘着
天候 | 晴れ(強風) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2008年11月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
22日早朝に電車で東京を出発し、Yahooで検索した複雑な乗換をして9:26わたらせ渓谷通洞駅に到着。朝食に蕎麦でも食べようと思っていたら、駅前には飲食店は皆無。道路に出て少し先にはコンビニのような店は1-2軒あるようですが、歩くと遠いです。面倒なのでこの日は朝食・昼食抜き、行動食だけで歩いてしまいました。 タクシーは銅親水公園のゲートまで。ゲートには工事のおじさんが見張っています。林道は先に行くにつれて荒れており、土砂崩れで埋まっているところもありましたが、ロープが張られていて難なく通過できます。林道が終わっても山道(あるいは林道の成れの果てか?)が続き、ウメコバ沢出合直前のダムを超したところで河原に降り、ここから河原歩きとなります。 三沢出合直前の砂防ダムを越すのが大変で、20分位要しました。以前は1段で容易に超せたようですが、( http://www.k2.dion.ne.jp/~tnhc/matuki/matuki~ko.html )今は2段になっており、右岸にも左岸にも赤布が結んであり先達の苦労がうかがえます。私は右岸(=流れの左側)を進んでいてダムの直前で左岸に徒渉できなかったのと、遠目では左岸は岩壁で雪がついていてイヤな感じがしたので、右岸を力づくで木登りして漸く通過しました。上のHPだと2段目は左岸の階段状のステップで容易に越えられる、とあります。しかし左岸は1段目を越えるのがかなり難儀しそうです。( http://www.k2.dion.ne.jp/~tnhc/mmsko/mmsko.html ) 松木沢ルートは河原歩きですが、徒渉、へつり、高巻きなども少々あります。今の時期、人の踏跡は雪で全くわかりませんでした。なるべく沢筋を離れないようにしましたが、一度、すごくはっきりした踏跡が高巻くようについていたので、おお、先行者がいる、と、ついて行ったら、途中ではっきりしなくなりました。どうやら動物が水を飲みに来た踏跡のようです。折角登ったので、そのままトラバース気味にしばらく行くと同じ踏跡が沢に降りていましたので、それを伝って戻りました。 途中、ちょうど沢が左に急旋回し、南南西方向を向いたあたりに、左岸に石垣の跡があります。石垣の上に登ってみましたが何もありませんでした。上述のHPでは、ここをトラバース気味に登っていくと1828mのピークに出る、とありますので、25000分の1の地図でおおよその位置がわかりました。 ニゴリ沢の水量は本谷とほぼ同じで、黄色と赤の特徴的な道標がニゴリ沢のこちらと向こうに2カ所、向こう岸には「ニゴリ沢」と記した看板までありますので、間違いようがありません。 ニゴリ沢に入っても、踏跡ははっきりせず、右端から左端まで歩いてみましたがわかりませんでした。雪がついていたせいもあるでしょう。沢が左に曲がって間もなく前方に岩壁と滝が立ち塞がり、高巻き道を探そうとふと右方向を見ると、例の道標が目に入りました。登ってみると踏跡程度の道がジグザグを切って上に延びており、赤布もついているので、これがモミジ尾根の取付点だと確信しました。ふと思い出して、沢に戻り、水2リットルを汲みました。庚申の下りまで水はありませんでしたので正解でした。 国境平にテントを張ろうと思っていたのですが、モミジ尾根の上の方で、笹と雪のために道がわからなくなりました。本当は右方向にトラバース気味に登らなければならないところを、また獣道にひきずられて左方向に進み、1636mピークのやや皇海寄りで稜線に出て、樹林の陰にテントを張りました。強風でしたが、樹林が比較的よい風よけになってくれました。従って、この時期国境平に水場があるかどうかはわかりません。 翌日も強風で、鋸岳までは鹿以外の足跡が無く、ラッセルは足首まででしたが、思いのほか時間を要しました。不動沢のコルから見上げた鋸岳の登りは急峻で、本当に登れるんかいなと思いました。実際、上の方は足場の乏しい岩場に雪がついており、折れそうな木を頼りに力任せに登りましたが、もし仲間がいたらザイルを出せ、と叫んだでしょう。登れはしましたがとても降りられるとは思えませんでした。これに比べると庚申への鋸尾根の方が、鎖やハシゴがしっかりついていて安心でした。鋸岳頂上には、庚申方面からやって来て六林班峠方面へ向かう2人パーティーの足跡があり、勇気づけられました。 庚申の展望台から先の道は大勢の人が踏み固めており、問題はありませんでした。結局1人の登山者にも出会いませんでした。 かじか荘に着いて携帯でタクシーを呼ぼうとしたら圏外で、宿の公衆電話で呼びました。従業員の方が、ここはどこの携帯も圏外です、と、にこやかにおっしゃいました。かじか荘の少し奥に登山者用の駐車スペースがあり、20台くらいは停められそうです。かじか荘の駐車場に置く場合は受付に申し出るようにとの看板が立っており、登山者用駐車スペースが満車の際は申し出れば停めさせてくれるのでしょうか。 アイゼンは持っていきましたが使いませんでした。ピッケルは持っていきませんでした。ストックだけで十分でした。 |
写真
撮影機器:
感想
実はこんなに冬山とは予想せず、最初の計画では2日目に袈裟丸の避難小屋まで行って2泊3日で帰ってくる予定を立てていたのが、思いのほか時間がかかりルートを変更したのでした。通洞で乗せてもらったタクシーの運転手さんによると、積雪は一度溶けたんだが連休の直前にまた降って積もったとのことでした。
失敗は他にもあり、スパッツを持っていかなかったこと。私の登山靴は留め金が3つ付いている深いものなので、今回のラッセル程度なら雪は入らないのですが、沢の徒渉で濡れたズボンの裾に雪がくっついて氷になり、テントの中で1個ずつはがして捨てなければなりませんでした。
さらに、なんと手袋を忘れたのです。行きの電車の中で気づき、通洞で買えばいいやと思っていたら、駅前には酒屋さんが1軒あるだけでした。タクシーの運転手さんが新品の軍手をくれたのでそれで登りましたが、やはり濡れて冷たかったです。私の指は血行がよくて寒さに強い方なのですが、それでも時々しびれてきて、立ち止まってはお股で暖めるのを繰り返しました。思いのほか時間がかかったのはこんなことをしてたのも一因かもしれません。五体満足で帰って来れてうれしいです。
あんなに百名山ハンターで賑わう皇海に人の気配がなかったのは意外でしたが、考えてみると皇海橋への林道が冬期閉鎖になったんでしょうね。
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初めまして。metaboと申します。
やはり沢登りの技術や地図を読む力など、
総合力が必要なコースみたいですね。
私は雪山の経験はないのですが、鋸山の
下り及び登りはかなり急で、正直怖かった
です。
私の力量では、張られていたロープがなければ
登ることも下りることも出来なかったと思います。
松木沢ルート、何年かかるかわかりませんが、
いつかは行きたいと思ってます。
貴重な情報、ありがとうございました。
はじめまして。
積雪があって、ソロには精神的にちょっときつかったですが、最近では一番印象に残る山行でした。あまり人の行かないコーズのようで、孤独感がいやでない方にはおすすめです。紅葉の頃の「もみじ尾根」も見てみたいものです。
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