奥久慈縦走:西金から下野宮(県北ロングトレイル)
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- GPS
- 10:56
- 距離
- 23.3km
- 登り
- 2,057m
- 下り
- 1,994m
コースタイム
- 山行
- 9:47
- 休憩
- 1:08
- 合計
- 10:55
天候 | 朝のうち霧が深く降りてましたが稜線に出てからはずっと好天でした。 結構暑くなってきました。 |
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過去天気図(気象庁) | 2021年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
水郡線の本数は2時間に1本くらいなので時刻はあらかじめ調べておきます。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
県北ロングトレイルについては以下のリンクをご覧下さい。地図もあります。 https://kenpokult.com/ 県北ロングレイルの生瀬富士分岐ー月待ちの滝間の開通ルートはこの1ヶ月ほどで格段に歩きやすくなりました。コース整備をしてくださっているボランティアの方には頭が下がります。 とはいっても(たとえば高尾ー陣馬山みたいな)快適なハイキングコースと呼ぶにはあまりにハードな直登と直下降が延々と続きます。眺望もほとんどなくあるのは試練のみという感じの道なので冒険心という名のマゾっ気がない人にはあんまりお勧めできません。以前ほどではないですが、濡れている時、乾燥しているときには滑るので這って登り降り必要がある場所もあります。 開通前は結構ルートファインディングに気を使うコースでしたが、赤テープと県北ロングトレイルの黄色テープをたどれば道迷いの心配はありません。所々歩くリズムに逆らうような方向転換があります。そういうところは大抵テープがあるのでぼんやり通過しないように気をつけます。開通ルート以外でも、男体山ー月居山間でも、そういった紛れがあるので用心します。 がけっぷちを歩いている場所が結構あります。たとえば、男体山頂上稜線や、渡渉箇所から生瀬富士の登山口にかけての登山道です。見た目は危なそうに見えないので、却って危険です。 川から登る場合、立神山山頂から北東尾根へ突っ込まないように気をつけます(自分は過去2回やりました)。標識に注意してルートを選びます。 生瀬滝上部の渡渉は基本的には靴を濡らさずに渡れないものと考えておいて、サンダルを用意します。プラスチックのサンダルが軽いです。便所サンダルは安定していますがその分やや重いです。これがあると履き替えのときに砂のうえに裸足にならなくていいので快適です。最初から川まで降りないで迂回ルートを取ることも出来るようです。標識が出ていますが筆者は未調査です。 暑くなってきて、飲用水が大目に必要です。自分は2Lプラスホットコーヒー300mLでは軽い脱水状態になりました。また、脚の痙攣対策もあるのでポカリなどのスポーツドリンクを持つことも有効でしょう。水の汎用性を考えてドリンクは粉で持つという手もあります。 月待ちの滝に自販機がなく、蕎麦屋とかき氷屋はあります。水郡線の時間に余裕があるときには寄りたいところです。自販機は久慈川を渡って暫く駅へ向かって歩いた所に自動車整備会社の社員向け自販機があり、これが1台目だと思います。ありがたかったです。 ブユがうるさくなってきました。なぜかやつらは目の中をめがけて飛びこんでくるので、入られても困りますし、気をとられて転倒ということもありえますから、虫除けを用意します。筆者は日焼け止めクリーム(一番安価なやつ)が一番いいと思っております。これからコースにくもの巣も増えてくるので、帽子をかぶってその上から防虫ネットをかぶることは強力でしょう。目だけを守ればいいので、眼鏡も使えるのかも知れません。 |
写真
装備
備考 | 雨具、ファーストエイド、日焼け止めクリームという名の虫除け、渡渉用サンダル、ヘッドランプ、 行動食(おにぎり3個、山崎の5個入りミニアンパン、スーパーで見つけたトレイルミックスにバナナチップを加えたもの、板チョコ)、水2L、テルモスのコーヒー300mL、水は2Lでは足りなくなりそうになり多少節約したせいか少々脱水気味でした。 デジカメ、GPS(スマホ)、ガラケー、帽子兼用のタオル。 速乾性の服装でいたつもりでしたが、汗びっしょりで下野宮駅で待っているのは結構冷えたので、薄いフリースを一枚持ってきて着替えればよかったかなと反省してます。 |
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感想
県北ロングトレイル大子アルプス区間を開通後初めて歩いた。コースを整備してくださったボランティアの皆様のご尽力のおかげで、今までとは比べ物にならないくらい楽に歩くことが出来た。けれども急登、急降下に両足はつり、気温の上昇に伴って軽い脱水症状になりながらのゴールだった。道路に降りてからの水不足が心配だったが、途中の自動車整備会社の自販機に本当に救われた。
ーー以下自分のためのメモ 無駄に長文注意ーー
2月のおなか周りと頭の中の緊急事態宣言に伴い、頭の中を空っぽにしてぼろぼろになるまで歩く「絞りきりハイキング」の第4回目は、県北ロングトレイル大子アルプス区間を3月28日の開通後初めて歩いた。同時に2019年の台風のダメージで長らく代行バス運行となっていた袋田ー常陸大子間が3月27日に開通した。新緑というには力強さを増してきた里山の緑をローカル列車で堪能することも目標の一つとした。
大子アルプス21鋸峰の過去2回のハイキングでは、いずれも5時45分下野宮発の汽車に乗り遅れ、寒くて暗い(無人駅だからもちろん暖房なし。1度などは雨の降りしきる中)下野宮で1時間待ち、さらにひと駅乗った常陸大子駅でこれまた寒い中(窓開放暖房なし)1時間待ち、代行バスに乗って上小川まで運んでもらってようやくマイカーの待つ西金駅へ「終列車」で移動するという貴重な経験を楽しむことが出来た。しかしこの季節、本来ならば下野宮から久慈川に沿って奥久慈を抜けていく水郡線は奥久慈の里山の迫力を堪能できる楽しい乗り物だ。
なお、国道118号線沿いに歩いても相当な迫力である。実は筆者の「絞りきりハイキング」第1回は袋田から118号沿いに西金まで歩いている。こっちから見る男体山の格好良さには思わず賞賛の声が出てしまう。車を走らせながらでもなかなかだが、景色に見とれられないのが難点だ。歩くのがよい。
これまでの西金のスタート時刻が5時台だったから、これを早くすれば自動的に早い到着になる。目標は3時スタートと思っていたのだが、そのためには1時起床、2時に家を出る必要がある。前の日に結局9時まで起きてしまい、この作戦は諦め、1時間繰り下げて2時起床の3時出発とした。
金曜日の午後は雨。夜まで降り続いた。出発時には天気予報通りに雨は止んでいたが、ところどころ霧に包まれていた。頭の中のバックグランドミュージックはMike Oldfield のTubular Bells、といってもわからない人が多いかもしれないが映画「エクソシスト」のテーマ音楽といえばぴんと来るのでは。悪魔ばらいのために霧の立ち込めた「患者」宅を訪れる神父の後姿が音楽と、目の前の景色に重なったが、霧の中の運転に映画のような禍々しさは感じなかったのが少し不思議であった。
西金駅到着は午前4時少し前。これで過去2回の西金ー下野宮縦走よりおよそ1時間半ほど早い出発になった。真っ暗な中の出発かと思いきや、歩き出してみるとすでに天頂には薄明が始まっていた。朝は良い。だんだん明るくなっていく、夕方の薄闇が濃くなっていくのよりはずっとましだ。
これまでより1時間以上早い出発だから、「2時間待ちコース」の憂き目は見ないで済むと思っているのだが、初夏の奥久慈は暑そうだ。暑さでペースががた落ちしてしまえばぎりぎり5時台の汽車を逃すこともありえる。そうかといって山登りの場合には安全重視ということがあるし、ペース配分を崩して動けなくなることもあるからがんばればいいというものでもない。まずは一番快適なペースで歩いて、頭の中は空っぽにして12時間を過ごすことにしよう。
霧が深く、奥久慈の山々を見て感動することはできない。ようやく大円地山荘まで来て盟主男体山をぼんやりと眺めることができ、道中の無事を祈った。ありがたいことに空は青空の気配。稜線に出れば雲海が期待できるのではないか。
恒例により一般コースを黙々と歩き。大円地越えに飛び出した。気温は12度。3月にやったときも7時ごろで気温12度だったはず。前回が暖かかったのか、今回が涼し目なのかよくわからない。ともあれ、いつきても大円地越に飛び出したときの開放感は気持ちよくて楽しい。ケヤキの高木越しに空を見る。晴れても雨でも空に刺さる幹の奥行きが楽しい。
頂上稜線に向かう急登の斜面にややまばらに生えているケヤキの木立に朝日が差し込む。雨の後で緑が一段とみずみずしい。空は青空のようだ。急登だが急登ゆえに一気に高度を稼げるところがこれまた愉快だ。足許は悪くなく、苦しいなと感じ始めたところで良い塩梅に稜線に飛び出す。終盤のちょっとした岩場っぽさも悪くない。
稜線に飛び出した。晴れ。楽しい縦走が楽しめそうだ。走り出したくなる頂上稜線を敢えてペースを落として進む。前半でぶっ飛ばすと後半脚が止まってしまうから。
足許に白いつつじのような花が散っていた。シロヤシオではないか。いままで奥久慈男体山のヤマレコ記録でなんどとなくシロヤシオ狩りの記事を読んだが、自分自身で見たことはなかった。見上げると。盛りは過ぎていたがたがやや高いこずえに白い花を見ることができた。こんな普通のコース沿いでも楽しむことができるのだ。
木の根が張り出していて、しかも土が出ていて滑りやすい道をブナの巨木のコルへ慎重に下り、登り返すと素晴しい雲海が広がっていた。海の中にひょうたん島のように浮かぶ双耳峰は、最近のレコを読んで左が下高塚山、右(北側)上高塚山だ。雲のない状態でもこの2座は存在感があるが、雲海から飛び出してひときわとんがった感じがする。
ここから山頂までは少しきついのだが、雲海を眺めながらの登高でさらに脈が上がった。息を切らせて山頂に到着。もちろん山頂から見る雲海は素晴しい。自分が歩いてきた谷をうずめ、滝倉の尾根尾根と長福山を際立たせ、奥久慈岩稜を脅かしている。対岸の山々はほとんど見えず。まるで雲海の水平線だ。しばらく男体山からのごほうびをいただいてから、先を急いだ。
白木山分岐手前の序盤でいきなりシロヤシオのじゅうたん。7時前の朝日が斜めに差し込む様子はなかなかきれいだった。見上げると青空と新緑をバックにまだ結構な数の花をつけているシロヤシオを見ることができた。思いがけずシロヤシオをもう一度眺めるごほうびをいただいた。
この季節の男体山ー月居山縦走はどちらかというとフレッシュな緑を楽しむことが主なお楽しみだ。晴れていれば木漏れ日さえ緑に感じる。森の中の山道を歩き続けていく、眺望はほとんどなし。それゆえに第二、第一(鍋転山)のふたつの展望台と、月居山の手前に突き出している岩塔からの景色は気持ちいい。雲海は展望台を通過することにはかなり晴れて、久慈川右岸の山々が現れてきた。川に沿った雲海の底からは水郡線の汽笛が聞こえてきた。前半のチェックポイント月居山までもう一息だ。
月居山へ登頂する前に恒例によって月居山ジャンダルムと筆者が勝手に思っている岩塔に立とう。ジャンダルム(前衛峰)としてはむしろ月居山の後で登る山王山のほうがジャンダルムにふさわしいが、日本の登山においてジャンダルムといえば奥穂高岳のジャンダルムだから、日本でジャンダルムは岩塔でなければならないのだ。
背丈ほどの岩塔をひと登りして、大子町の里山を満喫した。今回は眺望の利くところではいつも藤の花が目を楽しませてくれた。杉の木などに絡まって紫の巨木があるようにさえ見えてしまう。フジの花は実はブルーベリーのような香りがある。歩いているとその甘酸っぱい香りに気がついて見上げるのであるが、展望箇所ではこれだけ見事な藤が随所に見られるにもかかわらず、登山道から藤を見上げるチャンスは一度もなかった。
月居山ジャンダルムを月居山側に降りるとちょっと危険な下降があって(一応トラロープはあり)、登り返せば山頂だ。もはや歴史的構造物とも言うべき山頂広場の6個の灰皿を一望し、再びちょっと危ない下りを通過して山王山のキッツい階段を登り返した。立神山から生瀬富士への眺望が格好良く、さらに袋田の滝展望台の背後に屹立する屏風岩にどきどきする。縦走路はあの崖沿いに続いている。歩いているときには気がつかないし、あそこから見える袋田の滝は美しくて身を乗り出してしまうのだけれど、うかつな行動は慎まなくてはという気持ちになる。
眺望をひとわたり楽しんだ後は滝川(生瀬滝上部)の渡渉点。一応ここは靴で通過できることになってはいるのだが、水量の少ない冬季限定ではないか?筆者はここは靴脱ぎと最初から決めていてサンダル持参でジャブジャブ渡渉した。前回の雨中の渡渉よりも水量が多いような気がして足をすくわれるような感じがして少々注意を要した。
渡渉後は根気良く生瀬富士まで登るのみ。意外とアップダウンがあり、ここを登りきれば山頂だろうというところで山頂がこないところが精神的には堪えた。
何とか生瀬富士についた。県北ロングトレイルの部分開通に伴って、天使が置かれたというニュースを山行記録で拝見した。生瀬富士は茨城のジャンダルムだから本家(奥穂高岳のジャンダルム)の山頂にある天使をここにも置こうと誰かが置かれたようだ。探すも見当たらず。そもそも生瀬富士の山頂にジャンダルムらしいところがあるとしたら、山頂にいくつかある小岩塔だが、山頂の一部分ではやや力強さがないなと思い。山頂で休憩されていらした先行者に伺ったところ北のほうにあるとのことだった。
お恥ずかしいことに今まで北のほうに岩稜があることを知らなかったのだ。立神山へのルートをちょっと戻るようにしながら戻らずに北側を探ると確かに踏み跡があり、その先に立ちはだかるような2mほどの岩壁があった。その先には岩稜好きにはたまらない岩尾根が右側に巻くように続いている。この巻き具合確かに奥穂からジャンダルムを見るときの稜線のラインに似ている。
さて最初の目前の岩壁をどうするかと思ったら、巻き道とロープがあった。そこを通過すれば、若干の登はん要素はあるものの、大きな危険もなく囚われの天使にお目にかかることができた。天使はワイヤーで鉄の錘につながれていたのであった。さながら昔の囚人だな。そして天使の先に生瀬富士の北峰の標識が立っていた。岩稜越しに見える里山は緑がきれいだ。そして緑をバックに高貴な紫の花をどっさりつけた藤の木がいくつもあった。
これにて眺望点は終わり。生瀬富士を下っていよいよ今回のハイライト、大子アルプス鋸21峰が始まる。ここはただただ考えずに歩くのみ。もともとここを歩こうと決めたのは頭を空っぽにして歩くのに丁度いいところは内科と探すところから始まった。実際には始めのうちはルートファインディングが今より難しかったから、途中何度もGPSで現在位置を確認しながらの縦走だったが、ロングトレイルの一部として開通してからは格段に歩きやすくなった。前回の開通前の縦走時にもすでにテープが過剰なほどに巻かれていたのだが、開通後はところどころお助けロープが設置されていたり、ステップが切られていたりと、さらに歩きやすくなった。
もしかすると5時台の汽車のもう1本前、3時台の汽車に乗れるかもしれないと期待しながら歩き続けた。もう山藤はほとんど見ることができなかったが、ところどころ良い匂いがする。そういうところには大抵紫の藤の花が落ちているのだ。
格段に歩きやすくなったとはいえ、アップダウンだけが延々と続くことには変わらず。いつものようにいつもの場所で両足がけいれんを起こし歩けなくなった。もちろん歩けなければ家へは帰れない。暫く休んで回復を待ってから、だましだまし、一歩一歩歩きながら筋肉の緊張を解いて先へ進む。
飲料水水が足りなくなってきた。このままだと下山前に手持ちの水分がすべてなくなるかも知れない。無理に我慢することなく、しかし水なしの状態で長い距離を歩かないで済むように節約を始める。時を同じくして頭が痛くなり、気分が悪くなってきた。軽い脱水症状なのか、状況が悪くならないように30分おきに水を飲む。一度にたくさんは飲まないようにして。
一方時間のほうは余裕があるようだ。これはありがたい、脱水症状もどきの状態から早く脱することができそうだ。水を飲む頻度を増やしつつ、一回の飲む量は一口二口に節約しながら、筆者が勝手に大子アルプスのチマグランでと呼んでいる2峰、1峰を通過した。2峰は景観が良い。見事な山藤を堪能しつつ、さらにその向こうには美しく区画された田んぼで田植えの真っ最中だった。コンバインのバズが農繁期を演出していた。
1峰を過ぎれば、あとはなだらかな下りを駆けるように下りていくだけだ。道祖神に無事を感謝して、月待ちの滝近くの登山道入り口に飛び出した。
とりあえず自販機を探した。登山口は月待ちの滝とリンゴ園のための駐車場だから自販機はあるだろうと思ったら全くなし。そもそも駐車場自体が閉まっている。停めたらとてつもない料金が発生するとか警告がしきりとあるけれども、いっそちょっと高めの駐車場料金を取って積極的に使ってもらったほうが、閑散期も収入を確保できていいのではないかと素人考えもする。
月待ちの滝ならさすがに自販機はあるだろうと思ったら、甘かった。蕎麦屋やソフトクリーム屋(確かにソフトクリームは甘いだろう)はあり、これはこれで見慮kつ駅なのだが、今自分に欲しいのはアイスクリームでもなくそばでもなく、水分なのだ。蕎麦屋に入れば水が飲めたかもしれないが、それには汽車の時間が気にかかる。湧き水無料となっていたが、何もかわずに水だけもらっていくのもためらわれたので、そのまま下野宮駅へ向かった。
残りコップ一杯くらいの水はあるので、これを飲みきれば良いと思いながら駅へ向かった。途中給水中に地元の方に声を変えていただいた「暑かったでしょう?」「はい」(ぜえぜえ)。
幸運なことにその先の自動車整備会社に社員向けの自販機を発見した。まず不二家ネクターを飲み干し、続いて炭酸水を購入して飲みながら歩こうとしたら、押し間違えて出てきたのはエヴィアン。しかしこのエヴィアンが結構有難く、一気に歩く気力を回復した。
この場所は久慈川河畔が岩がちで長瀞のようになっていて面白い。危機を脱した余裕で景観を楽しんだ。貴社もどうやら余裕で3時台の汽車に乗れそうだ。
結局下野宮駅には3時前に到着し、40分待ちとなった。エヴィアンを飲みながら板チョコをかじった。登山には板チョコだ。ピッケルで割りながら口に放り込めれば一番格好良いが、それは雪山でやること。今は水を飲みながら少しずつ流し込んだ。行動食にもってきたアンパンやナッツは手をつける気にならず、板チョコの濃厚な甘みが食欲を満足させた。
寒い。今回来ている服装は着ながら乾かせるような組み合わせだったのだが、それでも汗をびっしょりとかいて汽車待ちしてると寒さが身に応えた。雨の中汽車を待った前回は、着替えのフリースを一枚準備して、それのおかげでずいぶんと助かったものだが、今回は初夏だということでそういう対策はしなかったのだ。汽車が来るまでは予想外にぶるぶる震えて待つこととなった。
かくて3時の汽車に乗り、初めて暗い中の2時間待ちコースの憂き目を見ることなく、スタート地点の西金駅へ戻ることができた。
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