谷川岳(シンセン沢右俣〜東尾根)
- GPS
- 07:50
- 距離
- 8.6km
- 登り
- 1,242m
- 下り
- 1,227m
コースタイム
天候 | 曇り一時雨(上部は霧) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
シンセン沢出合までのアプローチは、まず第一見晴からマチガ沢に下り(雪渓の上に)、すでに露出している大滝手前で左岸を巻いて大滝上に下り立ちます。再度雪渓を歩いてそのままシンセン沢に入ります。 今後大滝下の雪渓はベルクシュルント等の状況で不安定になると思います。 シンセン沢〜東尾根の状況については感想のほうで |
写真
感想
東尾根から登るのは3年越しの課題でした。
過去に何度も登っているとはいえ、それは25年前の話、今の技術そして鈍くなった運動神経で登りきれるだろうか・・・。
そんな不安を抱えながらの挑戦です。
草付きの急登が主体になるので使用することはないだろう・・・と思いながらも退却用に6ミリ×40mの補助ロープと若干の登攀具を用意しました。
今回、東尾根までのアプローチは無雪期の定番シンセン沢右俣からになります。昔はアプローチに一ノ倉沢からばかり利用していたのでシンセン沢右俣を登ったことがなかったのです。
そのシンセン沢に取付くには、まずマチガ沢出合から一般登山道を第一見晴まで登りそこから踏跡をたどってマチガ沢に下ります。現在のマチガ沢は雪渓となっているため雪渓を渡って対岸に行きます。すでに大滝が露出しているので雪渓伝いにシンセン沢まで行くことができません。
大滝まで近づきすぎるとベルクシュルントの状態が悪いので手前から草付きを巻いてから大滝上流に下り立ちます。草付きはニッコウキスゲが咲いていたり心が和みますが景色を眺める余裕などなく草にしがみつきながら登るといった感じです。
大滝のすぐ上はまた雪渓となり、その雪渓はほぼマチガ沢上流を埋め尽くしているようです。こちらの雪渓は安定しているのでそのまま歩いてシンセン沢出合まで進みました。
シンセン沢は水流のないガレた沢となって合流してきます。明確な沢形状なので、シンセン岩峰が見えている状態なら間違う可能性は低いと思います。
入渓してしばらくは大石を腕力で登ったりするものの全体的な傾斜はゆるく単調な登りです。
やがて上部岩峰群が迫ってきて正面を岩場に阻まれるところが二股です。
左手はすっきりした岩場となっていてこちらはマチガ沢の代表的な岩登りルートとなってます。右手には細い岩溝となっていてここが右俣なのでしょうか?
私は岩溝伝いに登らないで正面の急峻なブッシュ帯をある程度登ってから右寄りに進んだので沢に沿って登った時との違いが分かりません。
いずれにせよ、二股より上部は非常に急峻な草付き、潅木、笹まじりの斜面なのでそれなりにシビアです。確保用とみられるリングボルトやハーケンもいくつかありました。シンセンのコル直下数十m付近に手がかり足がかりが豊富な岩場があってそこだけ快適に登れました。
最後は笹にぶら下がりながら登りながらコルに立ちました。
コルまでくればあとは楽勝!
と考えていた私がバカでした。
まず正面の岩場が登れません。
私の記憶では、第一岩峰までまったく問題になるような岩場はなかったのですが、いきなり足踏みとなってしまう・・・
仕方なく一ノ沢側の潅木帯を巻いて上部にでました。
ここでカメラの電源が入らないというがトラブル発生。
(その後、カメラでの撮影はできませんでした。携帯も忘れてきてしまい何の記録もできなくなってしまった・・・)
その先は第二岩峰と呼ばれる顕著な岩場です。
高さは5mほどとそれほどの圧迫感はないのですが正面から攻めるのはカブリ気味、一般的なルートとなっている左手の凹角は一見易しそうですが足元が切れていて落ちれば数百メートルの転落となるのでビビってしまいます。
10分ほど色々試し登りをしていううちに凹角手前のフェイスに手がかり足がかりが見つかりそこを慎重に登って突破しました。(卦蘢度)
第二岩峰を越えればもう余裕のはず・・・
またまた私がバカでした。
余裕ではありません。
西黒尾根の岩稜部の傾斜を急にしたような岩稜帯が前方にありました。
どこを登っても問題なさそうなのでしばらくは成り行きで登ってましたが、上部で
固まってしまいました。
こんな時は振り出しに戻って・・・
一ノ倉沢側から巻くように登って突破。
やはりルートファインディングが大切ですね。
そこから上は完全に霧の中でした。
ようやく傾斜も落ちて簡単な岩稜登りとなります。
やがて一・二ノ沢中間稜からのルートが合流してきて完全にひとつの尾根道となるところでピークを形成し観倉台と呼ばれる展望スポットに着きます。
今回の目的の一つがこの観倉台からの一ノ倉沢大岩壁の大展望だったというのに、何も見えない・・・。
ひと休みだけして先を急ぐことしました。
この先は積雪期の難所ナイフリッジですが、無雪期はなんてことのないやせ尾根です。このやせ尾根を過ぎたところに最後の難関、第一岩峰が行く手を阻んでいます。過去には何度も直登しているので「行けるだろう」という直感があったのですが、現物を目の前にして「こりゃあ無理だ!」と即決しました。
霧雨でびしょびしょに濡れているし、岩場の基部に立つまでが不安定でそこからカブリ気味の岩場にトライするのは今の自分には無理っぽいです。
無理と分かれば二ノ沢を巻いて登るしかない・・・しかし、ここも急峻な草付きでいやらしい・・・。
が、よく見ると第一岩峰の基部をからんで登る踏跡があり、そこを忠実にたどることで割とすんなり登れてしまいました。
最後は適当に踏跡をたどって登ると見覚えのあるオキの耳直下の稜線にでることができました。
帰りはロープウェイを利用して楽に下ろうと思ったのですが、あまりに登山者が多かったので時間的に西黒尾根の方を選択して下山しました。
下山時に眺めたシンセン沢はまるで一つの壁のように見え「よく頑張ったなあ〜」と少しだけ達成感を味わえたような気がしました。
また秋の紅葉のシーズンに、思ってますが、次回はもう少しスマートに登りたいなあ〜と思ったりしています。
地図にないコースを完登すごいですね!
谷川岳の西黒尾根から見た東尾根は結構切り立った岩があったようですが、道なき道を登る体力に感服です。
写真でスリルを共感したかったのですが、カメラの不具合は、かなり残念。
普通の登山では味わえないスリルと達成感を得られたことと思います。
ありがとうございます。
バリエーションルートは登山道を登るのとは違ってルートファインディングを養う意味でも有意義だと感じました。
想定外の悪天候となってしまいましたが、そんな中で無事登れたことは次回につながりますね。
tabitabiさんも夏山を楽しんできてください。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する