北岳 落石注意!!
- GPS
- 09:00
- 距離
- 10.8km
- 登り
- 1,739m
- 下り
- 1,725m
コースタイム
天候 | 曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
雪渓は落石と滑落に厳重注意 特に下りでは落石に気がつきにくいので大変危険 雪渓を登りきった後、八本歯のコルまで梯子の連続する急登あり 基本的にどのルートも急坂 |
写真
感想
北岳 大樺沢 左股 落石(YouTubeより)
この時、我々はこの動画の上方の斜面に取り付いていました。
なので、この落石に対して早めに
「ラーック!」
って、叫んだ一人です。
(つーか、ほとんど最初に叫んだんだっけか?)
いつか登りたいと思っていた北岳に、友人と二人で行ってきました。
往路は広河原から大樺沢を経て左俣、八本歯のコルに出て山頂を目指しました。
二俣から先の雪渓歩きは最も楽しみにしていたルートです。
しかし、この雪渓で大変な事態が起きました。
写真を撮ったりしながら左俣雪渓を30分程登った頃、何かの音が聞こえたような気がして、上のほうをみると、4人位のパーティーのいる岩場と雪渓が接する場所から、数個の落石が発生するのが見えました。
一瞬、体が凍りつきました。距離は300m位。
雪渓は落石が多く、音もなく落ちてくるので危険だということは知っていましたが、まさか自分たちの目の前から襲いかかってくるとは思っていませんでした。
しかも、落石の一つが、かなり大きく60〜70cmはありそうです。直撃を受けたらひとたまりもありません。
すぐに、自分の後ろを登ってきてる友人と他の人たちに叫んで伝えました。
どの方向にくるのか見極めようと思い、5〜6秒間はその場から動きませんでしたが、大きな石がこちらに向かってくるのが分かり、慌てて左岸方向に十数m走りました。
友人はなぜか退避が遅れ、「早く逃げろ!」と私が叫び、彼が数m左岸よりに移動した直後、でかい石(岩)が物凄いスピードで、友人の横をバウンドしながら、ほとんど音もなく転がっていきました。
友人と石との距離は3〜4mでした。
落石発生から20秒程の出来事です。私たちの少し後ろにいた二人の方も無事でした。
落石は二俣に向かって落ちていき、二俣分岐より上部の左岸の河原に突っ込んで止まったように見えました。
その辺りは結構人がいたものの、私が見た範囲では、みなさんなんとか避けられたようでした。
それにしても、肝を冷やしました。
友人になぜ素早く逃げなかったのか聞いてみると、落石のコースを見極めたつもりだが思っていたより近くにきたとか。
球技が得意でボールの軌道を読むのがうまい彼なので、落石も避ける自信があったのだろうけど、危なかったぞ!!
雪渓歩きはこういう危険があるので、できるだけ短い時間で通過したほうがいいです。
ただ、かなり急登の為、短時間で通過するのが難しい面もあり、落石を常に警戒しながら頑張って歩くしかないでしょう。
また、滑落にも注意が必要です。
はやく通過するのにアイゼンは不可欠だと思います。
私はチェーンスパイクを使いました。登りでの使用には向いています。下りは10本爪以上が安全でしょう。6本爪を使ってる方が多かったですが、つま先と踵部分に爪がないためか登りでも歩きづらそうでした。4本爪は危険だと思います。
今回この雪渓を登ってみて、下りは絶対通りたくないと思いました。
滑落の危険と、音もなくやってくる落石の発見が遅れる可能性が高いからです。
登山当日は落石の恐怖、北岳を無事登頂できた充実感、長く急な下りの疲労などがないまぜになり、頭の整理ができませんでした。
今は、本当に危険な状況でたまたま運がよかったに過ぎないと痛感しています。
山を登るとは危険も伴うものであると、当たり前のことを教えられた山行でした。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する