栂海新道断念!でも唐松岳から日本海へ到達


- GPS
- 55:00
- 距離
- 55.3km
- 登り
- 3,173m
- 下り
- 4,997m
コースタイム
8/15 天狗山荘04:30→白馬鑓ヶ岳05:05→白馬山荘07:15→白馬岳07:35→雪倉岳10:25→朝日岳水平道分岐13:00→朝日岳14:50→朝日小屋15:50
8/16 朝日小屋04:00→北又小屋07:15→越道峠08:30→10:10小川温泉10:55→朝日小川ダム11:15→日本海到着14:30→14:55泊駅
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
写真
感想
ついに赤線を日本海まで伸ばすことにする。一番の心配は栂海新道。かなり、健脚のコースのようだ。しかも自分の場合は唐松山荘までしか繋がっていないので、不帰ノ嶮を通過してのハードコースになるのが心配。
前夜、ツアーバスに乗り、早朝に八方バスターミナルに着く。かなりの早着となったが、残念ながら、八方ゴンドラの開始時刻が6時半なので、約2時間近く待ちとなった。
ゴンドラとリフトに乗り継いで終点の八方池山荘に。天気は雲ひとつない晴れで、リフトからも五竜と鹿島槍がくっきり。
八方山荘からは白馬三山も良く見える。
観光客に混じって歩き出す。しばらくはかなり人も多いが、八方池を過ぎると登山者だけになってくる。北アルプスのまさしく大絶景でしかも歩きやすい道だが、実はそんな余裕がなかった。今回はテント山行の為、荷物がずしりと重い。しかも暑くて堪らない。一歩一歩歯を食いしばって、唐松山荘到着。
なんと、生ビールを飲んでいる人達がいた。うまそう!でも、これから不帰ノ嶮を通過するに飲むわけには行かない。正面に聳える剣の峰々を眺めてのしばしの休憩後、唐松岳へ向かう。
しかし、どうやら、体力は八方尾根で使い果たしているようだ。すぐそこの唐松岳なのに、あえぎあえぎ到着。山頂から、振り返ると五竜がそびえ立っているが、景色を楽しむ余裕はない。というのは、遠目に見ると簡単そうな不帰ノ嶮がキザキザの口を開けて待っている。こちらに向かう人はあまりいないようだ。荷物をよっこらせと背負って出発。
道はかなり厳しいアップダウンだ。鎖や岩にしがみ付きながらなんとか通過。しかし、通過したところが不帰キレット。今度はここから、天狗の大下りの逆行、すなわち大登り。30分ともたず休憩をしないと歩けない。のろのろと進みやっとのことで登りきった。
ここからは天狗尾根で道は比較的緩やかだが、足取りは遅く、やっと天狗山荘に到着。ひょっとしたら、白馬まで行けるかなとも思っていたが、とんでもなかった。テン場を申し込んで、生ビールも買って(しかもジョッキ!)、早々に至福タイムに入ったzzz。
今日は早めに行動したい。4時半には出発した。ガスで展望がない。
白馬岳までは楽チンと思っていたが、白馬三山の鑓ケ岳や杓子岳の登り下りが結構厳しい。展望もないこともあり、鑓ヶ岳は山頂を踏んだが、ガイドブックどおり杓子山はパスさせてもらった。それでも昨日の疲れが残っているようで特に登りが辛い。ザックの重さが肩に食い込む。幸い、ガスはきれてきて、白馬岳が見えてきた。白馬山荘で休憩をした後、力を振り絞って、白馬岳山頂到着。すぐ側には旭岳がそびえ立つ。また、これから向かう雪倉岳も見える。今日もいい天気になってきた。
白馬からは三国境より雪倉岳に向かう。ほとんど人がいなくて静かでいい道だ。マツムシソウも至るところで咲き乱れている。途中で遠くに雪渓の中に池が横たわっている場所が目に飛び込む。冷たくて気持ちよさそうだ。ということで今日も暑い!足取りも重い。
三国境から雪倉岳避難小屋まで下り切ってから登り返す。ガイドブックには雪倉岳への登りはたいしたこともないと書いてあるが、自分にとっては十分大した登りだった。
雪倉岳到着、コースタイムより遅れている。やはり荷重がオーバーなんだろう。
だが、朝日岳が待っている。朝日岳に向かって歩き出す。
降りだして、眼下の少し離れたところに池が見える。雪倉池というらしい。今日はもうここでテント張りたいぐらい。
さて、朝日岳から栂海新道に入るのだが、一番心配なのが水。毎日の炎天下で黒岩山から先が涸れているかも。従って、場合によっては黒岩平から6リットルぐらい担がなくてはダメかもしれない。
この状態でそんなに担いで大丈夫か???
雪倉岳を降り切ったところの沢で試に水を補給。5リットル担いだ。そこから、朝日岳水平道分岐に向けて歩き出す。が、歩けない。登りがきつ過ぎる。それでも頑張って、水平道分岐から朝日岳を登り出す。あまりの辛さに断念。水を途中で放棄。やっとこさで朝日岳山頂到着。今日は一先ず朝日小屋に下って行く。
下りながら考えた。明日の体力の回復が見込めるなら、また朝日小屋から朝日岳を登り返して栂海新道に入るのもありだが、たぶん回復はダメそう。水を多量に持つ自信がない。従って、日本海へのエスケープルートとして考えていた別のルートを辿ることにした。
夕方、朝日小屋到着。食事が美味しいことで有名らしい小屋なので小屋どまりも考えたが、荷物を軽くしたい一心でテントを張って食糧を食べた。当然ビールも買ったが(残念ながら生は無し)。
今日は日本海へのエスケープルートを歩く日。フライングルートだが北又小屋、小川温泉を経て、泊まで歩くというルートだ。
早々に寝入っていたところを夜12時ぐらいに音で起こされる。どこかの大学の早朝出発らしい。彼らが1時半ぐらいまでがたがたして出発。やっとまた寝れると思ったら、今度は2時半過ぎに別のグループの早朝出発。完全に観念して、出発準備。4時に出発した。北又小屋へは途中、夕日ヶ原という感じのいいところを歩く。イブリ山(何故か10合目という標識)に登り返してからは北又小屋まで一気に下る強烈な道。幸い、下りなので荷物の重さも気にならない。合目毎に標識があるのも助かる。どんどん下って、足が棒になりかけた頃、北又小屋に到着。
今日もまたかなり暑い。北又小屋は無人だったが(さっきすれ違った人が管理人?)、ビールの自販機があったので、購入し、内側からクールダウン(笑)。ここから、小川温泉までは車道歩きだが、一般車通行禁止(タクシーは来る)だし、川沿いなので気持ちいいだろうと勝手する。ところが、工事関係の車両が時々来る。それにやはり暑い。しかし、川沿いの雰囲気はなかなか良かった。北又小屋より一旦登り返して越道峠に到着。ここで謎の小道発見(後で調べると初雪山方面に向かう道らしい)。
越道峠より下りになる。小川温泉まであと少しというところで、ガイドブックの道は藪道に変わる。30メ−トルぐらい藪をかき分け、小川温泉到着。
一浴して、さっぱりする。
ところが、せっかくさっぱりした後でもう仕事残っている。日本海到達である。
先ずは小川温泉から朝日小川ダムに向かうのだが、道がわからない。遊歩道があるので宿の人に聞くと車道のトンネルを歩いて行けという。驚いていると、「大丈夫、歩道があるから。それにランニングしている人もいるし」とのこと。果たして、車道トンネルに入って行くと本当にランニングしている人が二人もいた。それに通行量も少なく廃ガスくささはまったくなく、逆にひんやりして快適。トンネルを出たところが朝日小川ダム。
そこからもしばらくはスノーシェッドが続いたが、その先は炎天下の地獄だった。
途中、車に声をかけられるが乗るわけにも行かない。
更に、道がわからなくなったが、聞く人もない。それでも、なんとか迷わず、歩き続け(途中、コンビニと役所で聞いた(いずれも偶然発見))、そして、道の先に海が!
栂海新道ならそうでもなかっただろうが、登山者が海にいるのは明らかに怪しい。
奇異な目でみられつつも、堤防を越えて、日本海に到着。
一番頑張った靴をそっと日本海に差し入れた。
佐古清隆氏のひとりぼっちの百名山の記載の「こみ上げるものが」という気持ちまでは至らなかったもののフライングルートとは言え感無量。これで太平洋と日本海がつながった。しばらく、ここで日本海を眺めたかったが、暑くて暑くて、後は足を引きずるようにして、泊駅に向かった。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
ランデブーできずに残念ですぅ〜
私は13〜14で奥秩父を彷徨っとりました(^^ゞ
やっぱり、不帰のキレットを経ての栂海新道はちょっと無謀だったかも
先程はコメント有難うございました!
不帰キレット越えだったんですね…
自分は白馬からでしたが
体力的にギリギリだったので
日本海に到達されただけでもの凄いです!!
自分もいつの日にかmomohiroさんのように
太平洋〜日本海をつないでみたいなぁなんて思っているので
いろいろと参考にさせてください!
日本海到達、お疲れ様です。
またコメントありがとうございます。
同時期に太平洋日本海を目指していたようで、なんか嬉しいです。
小川温泉から日本海までの歩き・・・ある意味凄いですね。
私は栂海新道は歩けたものの、岩場恐怖症なので不帰キレットは恐ろしくて近寄れずに迂回しています
keichiro01さん、malembeさん、コメントありがとうございます。
やはり、太平洋、日本海横断は栂海新道が王道ですからね。お二人とも羨ましいです。
いつか、自分もと思います。
keichiro01さん、横断、頑張って下さい。
malembeさん、不帰のキレットは天気が悪い時は通過はしないようがいいかと思います。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する