赤岳 〜一條君の幸運〜
- GPS
- 07:30
- 距離
- 9.1km
- 登り
- 652m
- 下り
- 650m
コースタイム
天候 | 曇り時々晴れ ただし強風 |
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過去天気図(気象庁) | 2021年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
とてもよく手入れされた登山道です。ただ、「岩ゴロ」コースが苦手な一條君は第3雪渓以降でスピードダウンします。登山道が大きく抉れている箇所もあり、土砂流出を防ぐためにも階段の設置が急がれるのでしょうね。 |
その他周辺情報 | 今日は幌加温泉にて入浴 完全混浴 日帰り入浴料金600円 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
雨具
ゲイター
着替え
靴
予備靴紐
ザック
ザックカバー
昼ごはん
非常食
飲料
ハイドレーション
地図
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
携帯
ポール
ナイフ
カメラ
|
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感想
先週末、私は父の13回忌を兼ねた墓参りに行っていました。
日曜日の朝の仕事を終えて、すぐに札幌(正確には石狩市厚田区)の墓に向かい、家族と久々に食事して少しだけ自宅に寄り、娘からの父の日のプレゼントを受け取ります。
と言うかこの「父の日のプレゼント」、本来は「女房(娘にとっては母ですね)の誕生日プレゼント」だったようです。
フルーツゼリー6個詰め合わせ。
女房が「こんなに要らないよ」と言ったことで、娘が「じゃぁ、余ったのはお父さんにあげてよ。父の日のプレゼントってことにして。」
たらい回しのフルーツゼリーが不憫です。(笑
さてそんな中、一條君は単独で西別岳に登っていたようです。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-3455001.html
今まで一條君は、単独で登った山に登頂したことがありませんでした。
これまで全て途中挫折してきたのです。
しかも、北西別岳のピークも踏んだと言います。
でもあれ?
彼のスマホのログには北西別岳登頂の軌跡が見られないんですけど。(笑
それでも、きっと本当に西別岳のピークは踏んだのでしょう。
彼の初の「単独登頂成功」を祝ってあげようじゃないですか。
で、今週です。
「一條君、今週はどこに登る予定なの?」
「今週はシッカリ休息しようと思います」
「いやいや、1週間休んだでしょ?それに来週はきっと消防の点検日なんでしょ?そうすると、3週間何もしないことになるじゃん?」
「まぁ、”登山”はそうなりますね」
「登山以外に何かトレーニングするつもりなの?」
「いえ、何も・・・」
「じゃぁ、なんで”登山は”なんて言い出したの?意味が分からないよ?」
「確かにおかしいですね?私も意味がわかりません。」
こんな漫才を繰り広げるうち
「じゃぁ、明日も西別岳に登りますか!」と言い出す一條君。
「西別岳は単独トレーニングの時にしようよ。私と一緒の時は、いろいろな山に登って経験値上げようよ!」
「分かりました」
と言うことになり、結局、大雪山系赤岳に登ることになりました。
そして直前に、今回はsu-sunも同行することになりました。
私は朝の仕事終了後、ダッシュで準備、そしてsu-sun、次いで一條君を迎えに行きます。
一條君は道中、半分以上の区間で眠っていました。(笑
三国峠を下りながら、「一條君、銀泉台までの道を覚えるんじゃなかったの?そろそろ起きようよ!」と一條君を起こします。
「それにしても一條君、朝からよくそんなに眠れるね?昨日十分に寝なかったの?」
「はい、夜中にお腹が痛くなってトイレに駆け込んだんです。その後はよく眠れたんですが、2時か3時頃だったので。」
「なんだ、私より寝ているじゃん。ってか、腹痛はもう治ったの?まさか車の中で粗相したりしないでよ!」
「大丈夫です。便器一杯、タップリ出ましたから。」
・・・迂闊にも想像してしまった。
銀泉台には10時20分頃到着しました。
赤岳登頂を果たすためには急がなければなりません。
今日は一條君も一緒なのです。
・・・と、心配するほどのこともなく、一條君はスタスタと歩き始めます。
一條君の成長は、やはり横方向だけではないようです。
コマクサ平まで、ペースはともかく大休止することなく一気に登ります。
初夏とは花の顔触れはガラッと変わっておりましたが、それなりに豊富でウメバチソウやミヤマアキノキリンソウ、ミヤマリンドウなどが盛りを迎えていました。
雪渓に長く覆われていた部分には、まだチングルマやエゾコザクラ、アオノツガザクラなども見られます。
コマクサ平のコマクサは何とか間に合ったかな?って感じで、クモイリンドウも見ることが出来ました。
第3雪渓から上は、岩場になります。
一條君は岩ゴロゴロのコースが苦手で、この辺りから更にペースダウンします。
ココには荷揚げされた丸太が積まれており、きっとそのうち階段が出来るのではないでしょうか。登山道は水の流れに抉られて深く掘れている部分もあり、階段は歩きやすくするためばかりではなく、ルートや地盤の養生にも効果があるのではないかな?と感じました。
この辺りから、チシマアザミやエゾウサギギク、ミヤマシオガマなどが目立つようになります。雪渓は断末魔。消失寸前まで小さくなっています。
第4雪渓を登り詰めるとそのまま緩い登り勾配から山頂標識に辿り着きます。
同時に、一気に風が強くなりました。
そして一條君初の赤岳登頂が叶います!
ただ残念ながらガスの中、眺望には恵まれませんでした。
山頂の岩の上は強風でグラグラと揺れているように感じました。
それでも、覚悟していたほどの風ではありません。
su-sunがお湯を沸かしてカップ麺を振舞ってくれます。
銀泉台の気温が15℃ほどしかなかったので、山頂は寒いくらいでした。
カップ麺の温かいスープが身体に染み亘ります。
我々は休憩もそこそこに、下山を開始します。
日帰り組では私たちが最後です。
「下りの一條」も、ちょっと頑張り過ぎたのか?足元が怪しくなります。
「一條君、滑落事故とか転倒による怪我は下りに多くなるからね!気を付けて!」
「そう言えば白雲山での滑落も下りでしたね。」
「うん、藻琴山もね。」
慎重に歩いたはずの一條君ですが、下山中3度ほど滑って転びます。
さて、何とか18時前に下山を完了して温泉に向かいます。
「今日は幌加温泉だね!」
すると一條君、「その前にコンビニに寄ってもらえますか?何か飲み物が欲しいです!」
「う〜ん、幌加温泉の手前にコンビニなんてないよ?」
「じゃぁ、後でもいいです。」
幌加温泉に到着した頃には辺りは真っ暗になっていました。
幌加温泉鹿乃湯のお店番のお婆ちゃんはかなり耳が遠いようで、ご高齢でもありいろいろあやしい部分がありますが、話が通じてみると気さくで優しいお婆ちゃんです。
ただ、そこ(話が通じる)まで辿り着くのが難しい。(笑
日帰り入浴600円で、泉質は3種類ほどあって、湯量も豊富で野趣溢れる露天風呂もあります。
ただ完全混浴なので、特に女性にはハードルが高いでしょう。
とは言え、若い女性が入ってくることも珍しくなく、この日も1名の女性入浴者がおりました。
しかし残念ながら、眼鏡を外した一條君にはほぼ何も見えません。(笑
それでも、一條君にもこの温泉の良さが理解出来たらしく、「登山で満足」「温泉で満足」してくれたようです。
ところがこの後、事件は起こります。
一條君が求めた「何か飲み物を買いたい」を実現するため、温泉を出て車を走らせますが、幌加温泉から最も近い自販機は糠平温泉郷まで行かなくてはありません。
距離にして約12辧
「お待たせ」
渇望の一條君、やっと飲み物を買うことが出来ます。
一條君が車のリアドアを開けて風呂道具を引っ張り出します。
「あれ?財布そんなところに入れているの?風呂出る時、次はコンビニか自販機だって分かっていたんだから、手元に財布を出しておけばよかったのに」
聞いているのかいないのか、一條君は自販機の前に行きます。
しかし、一條君はなかなか帰ってきません。
「何悩んでいるんだろう?飲みたいものがないのかな?」
見ると、一條君は自販機の前で風呂道具を広げ始めているではありませんか?
「一條君、何しているの?」
「それが・・・財布が見当たらないんです」
「どんな財布?」
「普通の緑の四角い財布です」
一條君に、私とsu-sunが加わって一條君の財布を探し始めますが、ドコにも見当たりません。
「一條君、風呂代支払った後、財布ドコに入れた?」
「風呂道具のバッグの中です。そして脱衣所のカゴの中にバサッと全部空けました。」
「風呂から帰る時、カゴの中は確認した?」
「見てなかったかも?」
仕方がありません。
幌加温泉に逆戻りです。(笑
真っ暗な国道をしばらく走り、幌加温泉に折れると、対向車がパッシングしてきます。
「一條さんですよね?財布忘れたんですよね?よかった!これから駐在所に届けようかと思っていたんです。」
まさに地獄に仏です。
「ありがとうございます!」
私が窓越しに対向車の運転手さんから財布を受け取り、一條君に手渡します。
と言うか、一條君は「四角い普通の財布」と言っていましたが、受け取った財布はよくおばちゃんが使っているような分厚い長四角の財布で、中に100万円以上も入りそうなモノでした。(そこまでは入っていなかったそうですが)
私は受け取りながら、「本当にこれ?」と思いましたが、当の一條君は全く違和感なく受け取ります。「あぁ、これでいいのか」
ホッとしたところで、一気に突っ込みどころ満載の一條君への批判が噴出します。(笑
「はい、今日の私は何を言われても文句言えません」
しおらしく振舞っているつもりなのでしょうが、私とsu-sunは更に説教します。
「一條君、今回の件で一番の被害者は誰だと思う?よく考えてみろよ。そこを考えた時、私は何を言われても文句言えませんなんて被害者みたいな言い方にはならないでしょ?それにね、財布を渡してくれた人には、車を降りて感謝を伝えるくらいが当たり前だと思うよ?後部座席から偉そうに手を伸ばして受け取るだけって、人としておかしいと思わない?そういうところだよ!」
「次回」の車中も、きっと一條君への説教から始まりそうです。(笑
赤岳お疲れ様でした(^^)
まだまだお花も咲いているのですね〜♪
一條さん、第三雪渓の岩ゴロも頑張られたんですね(^^)
初登頂おめでとうございます!!
kenyoさんもハードなスケジュールの中、お疲れ様でした(^^)
今流行りの<某>筋肉注射が紅葉時期と丸被りでどれだけ行けるか分かりませんが、何処かのお山でお会いできることを楽しみにしています(^^)/
某筋肉注射、私は1回目の接種を終え、2回目は9月15日19時からの予定です。
しかも、翌朝2時起きで出勤。
万が一にも体調が悪いなんて言っていられません。(笑
小林君(仮名)がまだ研修出張から帰ってきていないので今後の予定は未定ですが、紅葉時期に山に行かない選択肢はありませんよね!
最近、一條君はどの山に登っても知らない人から声を掛けられることが多くなったそうです。
全国区の人気者に育て上げたいですね!(笑
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