8歳児とゆく50座めの山百は早秋の金峰山
- GPS
- 06:03
- 距離
- 8.4km
- 登り
- 547m
- 下り
- 534m
コースタイム
天候 | 晴れ&曇り 金峰山の稜線を境に長野は晴れ、山梨は曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
完璧 危険箇所なし でも鉄山はあまり行く人がいない模様で少し荒れていた |
その他周辺情報 | 正徳寺温泉 初花 なかなかの穴場温泉。 ぶどうの丘天空の湯は入館制限もあって行列ができてたので回避 |
写真
感想
編笠山に登って、山梨百名山は49座。
記念すべき50座めはどこに登ろう?
前に御正体山にしようと思って息子とふたりで向かったけど、林道通行止めを知らずに都留側から登ろうとして失敗。夏休みの終わり頃の平日を狙って北岳あたりにチャレンジしようと思ったけど、8月下旬はずっと雨で断念。
そうこうするうちに夏休みが終わり、妻が参加できるようになった。妻は言う、念願の金峰山に登りたいと。甲府盆地からいつも見えているあの霊峰こそ記念すべき50にふさわしいと。
金峰山、標高こそ2,500mと高いけれど、大弛峠からだとそれほどキツくないらしい。でも大弛峠までが時間かかるのよね、遅れると駐車場満杯だし。
さて当日、快晴。前の晩にタコライスの肉を作っておき、早起きしてカップにごはんとチーズに野菜とつめて、息子を車に持ち込んで出発。中央道勝沼インターから大弛峠を目指す。
……と、なんだかんだで出発が7時半になってしまった。大弛峠に停められるかな?
塩山から北上する大弛峠への道「クリスタルライン」は、下界だとまだ夏の去らない9月中頃なのに、もう秋の空気。色づき始めた木々と心地よい風、なんて気持ちのいい世界! Spotifyが偶然出してきた秋の空気にぴったりの曲、ビリー・アイリッシュの「Everything I Wanted」をかけながら走る(※この歌の歌詞が景色と似合うとかそういうんじゃ全然ないってことはこの後知ることに)。
峠に近づくと、路肩に停められた車が増えてきた。これは駐車場満杯だな、と思っていたら、上からおりてきた車の方が「ウチが出たから1台ぶん空いてるよ!」と言ってくれた。ありがとうございます!!
登り始めはものすごくゆるやか。やはり国師ヶ岳への道と雰囲気が似ている、森の中の苔むした登山道、というよりゆるやなアップダウンのある公園の散歩道。
9月なのでキノコは豊富に生えていて、息子はタマゴタケを林の中に見つけたという。ベニタケの仲間もいたるところに生えている。透明の粘液につつまれたキノコには外国のハイカーさんも見とれていた。
しかし長い山道で酔ったのと平坦なのとで、息子のペースが上がらない。がんばれがんばれ言い続ける。
そこに突然、岩登りポイントが登場。両手を使いながら岩場を登りきると、いきなり視界が開けた。たぶん秩父方面、遠くまで見渡せる。この岩でやっと息子のエンジンがかかった。
ここから、いかにも高い山といった風情の稜線歩きになった。白い立ち枯れの木が並んでいる。そうだ、見晴らしの良いところでちょっとお茶にしよう。
そしてすぐ、朝日岳の山頂。ハイカーさんたちがそれなりの人数休んでいる。我々はさっき休んだのでここは通過。それにしてもここは景色が見事だ。これから向かう金峰山、そのシンボル五岩
と、この朝日岳の向こう側が岩場の急降下! ロープがあるわけではないけれど、こりゃ帰りキッツいなと思わせるくだりっぷり。
岩壁のようなくだりをすぎると、コルのようなところ。ケルンがあったのですかさず息子が積む。
どうやらここからのんびりした道が続くらしい。でも少し遠回りすると「甲府名山」のひとつ「鉄山」があるから寄ってクリアしておきたい。
鉄山への道はかなりヤブ、みなさん寄らないようです。なので妻はこんなのやだという。かくして妻と、我々男子チームで競走?をすることになった。どっちがはやいかしょうぶ!ってそら山寄らないほうが早いぜ息子よ……。
ヤブっぽい道を少し進むと、鉄山山頂。甲府名山の標柱がある。眺望はない、どころかヤブの中そのものである。鉄山には悪いんだけど超微妙。
鉄山からの道はさらにヤブ、というかバリルートじゃないのかこれっていうレベル。ヤブこぎに近い感じでやっと登山道本線に戻ってきたら妻がいない。息子は「ママおそいからまだついてないんじゃ」というがまあそんなわけなかろう、と進んでみる。息子がママーと何度か呼んで、何回めかで先のほうから返事がきた。やはり合流点がわからず先に進んでいたようだ。
苔むしたあまり傾斜のない道を進むと、視界が開けた。朝日岳の頂上よりさらにスゴい眺望の岩場!だけど特に名前とかはないらしい。お昼の時間になり、息子が腹をすかせたのでここでお昼ごはん。この日のメニューはカップ麺とタコにぎり(タコライスおにぎり)、そして50座記念のベイクドケーキ。お飲み物もどうぞ。
この日、大弛峠から朝日岳あたりまでは見事な快晴だったけれど、ここへきて厚い雲がどんどん押し寄せてきた。しかしその雲を、他ならぬ金峰山が押し留めている。長野は依然快晴、山梨はどんより曇り。面白い。
さあ頂上へ向かおう。岩だらけの稜線をほとんど水平に歩いていく。息子はコース外の岩を探検がてら歩きたがったがもちろんダメである。ぶんむくれてしまったがもちろんダメである。てかここは2,500メートルの高山なんだって! アブない真似しないの!
大きな岩を乗り越えて進むと、五丈岩がどん!と目の前に現れた。岩がいったんピークをつくり、少し下がったところが広場になっている。五丈岩はそこにあった。
五丈岩のうえでゴルフクラブを振り回しているおじさんがいて、ハイカーさんたちが口々にすごいねえと言っていた。息子はそれを見て五丈岩に登りたくなったらしい。
広場には山梨百名山の標柱があり、まわりではハイカーさんたちが大勢休んでいた。五丈岩の下には小さな鳥居。
息子はこの巨岩に登る気まんまん。でもヘルメットもなにもなく、こんな本格ロッククライミングな岩に登らせるのは無理すぎる。できないよ、と説得するも「おじさんのぼってたよ」と聞く耳をもたない。こまったな、と思っていたら、西の方から来たと思われる学生さんたちがこの岩にチャレンジしていて、ひとりを除いて「こりゃ無理」と判断していた。ね、大学生でも無理なんだから、とやっとあきらめてもらった。それでも、途中まで登ってからの眺望もまたなかなかのものだった。
さて山をおりようか。小高くなっているところに甲府名山の標柱、また別のところに古い金峰山の標柱があったので写真をとる。
さっき乗り越えてきた岩を、こんどはその下からくぐりぬけるようにすり抜ける。昼ごはんを食べた岩場をくだると、しばらく森の中の気持ちいい散歩道が続く。気の早い紅葉が目に心地よい。
なんて気持ちよく歩いていたら! 朝日岳山頂手前の岩壁が立ちはだかった。鎖があるほどの壁ではないけれど、帰りにこの急登はマジでキッツい。
なんとか乗り越え、朝日岳山頂を過ぎて進む。このあたりは本当に見晴らしがよい。相変わらず雲がこの山にひっかかっている。やるもんだね金峰山と朝日岳(鉄山はよくわかんない)。
さっきのやつほどではないけれど、岩場の急降下が待っている。妻も僕もここで転んでひざをしこたまぶつなどした。
そのあとは樹林帯に戻り気楽に歩いて登山口へ。しかしたまに登り返しがあってそれなりにつらい。息子がのぼりのときに見つけたタマゴタケにはもう会えなかった。
かくして、山梨百名山50座めは無事完了。かなり楽かと思ったけどそれなりに骨のあるよい登山だった。帰ったら山梨県観光協会に証明書の申請をしよう。
クリスタルラインではヤマブドウを探してみたけど見つからず残念。そのかわり、おりてきたところにものすごく素敵なぶどう直売農家さんがあった。見事な巨峰を爆安で大量に仕入れたら、おまけにアケビをくれた。いろいろラッキーだな今日。
このへんで温泉は……と思ってぶどうの丘に向かったが、入場の行列ができていた。こりゃないね、ということで山梨市の「初花」へ。こちらはほどよく空いていて、さらにラッキーだった。ここはたまにうなぎ蒲焼のよいにおいがするのでお腹がすくという欠点があるけれど。
ラッキーの続いた山行、中央道も空いていて最後までラッキーだった。あるいは50座めに金峰山を選んだことの、山の神からのお返しだったのかもしれない。
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