新岩間温泉に車を停め,楽々新道からアプローチ開始。ちなみに,岩間道方面の県道は,この冬に起こった大規模な崩落により,未だに閉鎖中(このあおりで導湯管が破断したため,新岩間温泉の山崎旅館も未だ閉館中)。まあ,こちらから入渓した場合,岩間噴泉塔の先の2段20m滝で苦労しそうだが…。
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新岩間温泉に車を停め,楽々新道からアプローチ開始。ちなみに,岩間道方面の県道は,この冬に起こった大規模な崩落により,未だに閉鎖中(このあおりで導湯管が破断したため,新岩間温泉の山崎旅館も未だ閉館中)。まあ,こちらから入渓した場合,岩間噴泉塔の先の2段20m滝で苦労しそうだが…。
楽々新道を登っていく。楽々新道では,昨年10月,富山県のトレイルランの男性が,このフィックスロープのある箇所から滑落され,亡くなられた。樹林で穏やかに見えるかもしれないが,この箇所の谷側は下までかなり切り立っている。しばし瞑目し,合掌した。
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楽々新道を登っていく。楽々新道では,昨年10月,富山県のトレイルランの男性が,このフィックスロープのある箇所から滑落され,亡くなられた。樹林で穏やかに見えるかもしれないが,この箇所の谷側は下までかなり切り立っている。しばし瞑目し,合掌した。
ところどころ紅葉が始まりかけた小桜平を通過。
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ところどころ紅葉が始まりかけた小桜平を通過。
昨年10月の地獄尾根や仙人谷訪問時と同じく,見返坂の頭から北側の中ノ川支谷・ゾロ谷を下降して中ノ川本流にアプローチする。ゾロ谷までは灌木の藪が濃いが,一旦谷に降り立ってしまえば,スムーズに下っていける。
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昨年10月の地獄尾根や仙人谷訪問時と同じく,見返坂の頭から北側の中ノ川支谷・ゾロ谷を下降して中ノ川本流にアプローチする。ゾロ谷までは灌木の藪が濃いが,一旦谷に降り立ってしまえば,スムーズに下っていける。
多段70m滝の滝頭に出た。昨年より水量が多く,幅広のスラブいっぱい広がって水が流れ落ちていく。右岸の草付きスラブを慎重にクライムダウンしていく。
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多段70m滝の滝頭に出た。昨年より水量が多く,幅広のスラブいっぱい広がって水が流れ落ちていく。右岸の草付きスラブを慎重にクライムダウンしていく。
4段目の下から多段70m滝を見上げたところ。この下にもまだ数段滝がある。
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4段目の下から多段70m滝を見上げたところ。この下にもまだ数段滝がある。
多段70m滝をクリアしてさらに下降を続けると,中ノ川本流との出合の直前でこの2条の10mほどの滝が現れる。この滝は右岸側を巻ける。
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多段70m滝をクリアしてさらに下降を続けると,中ノ川本流との出合の直前でこの2条の10mほどの滝が現れる。この滝は右岸側を巻ける。
1年ぶりの中ノ川本流が眼下に見えてきた。
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1年ぶりの中ノ川本流が眼下に見えてきた。
中ノ川本流に到着。よく発達した岩盤の間をどうどうと流れる水が美しい。
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中ノ川本流に到着。よく発達した岩盤の間をどうどうと流れる水が美しい。
中ノ川の水は相変わらず濁っており,水に含まれる成分のせいか,水に触れる箇所の岩は腐食したように赤く染まっている。
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中ノ川の水は相変わらず濁っており,水に含まれる成分のせいか,水に触れる箇所の岩は腐食したように赤く染まっている。
相変わらずの物凄い岩壁。この壁は玄徳壁と呼ばれ,昔,白山麓の村人たちがオウギ採りをしていたらしいが,この険しさを見てしまうと正直想像がつかない…。
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相変わらずの物凄い岩壁。この壁は玄徳壁と呼ばれ,昔,白山麓の村人たちがオウギ採りをしていたらしいが,この険しさを見てしまうと正直想像がつかない…。
地獄谷・仙人谷の二俣を目指して上流へ。
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地獄谷・仙人谷の二俣を目指して上流へ。
河原には,このように黒っぽくて表面がボロボロになった岩が頻繁に目につく。まるで黒焦げになったパンのようだ。おそらく,白山が火山活動をしていたころの名残だと思うが,こういうの,パン皮状火山弾っていうんだっけ?
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河原には,このように黒っぽくて表面がボロボロになった岩が頻繁に目につく。まるで黒焦げになったパンのようだ。おそらく,白山が火山活動をしていたころの名残だと思うが,こういうの,パン皮状火山弾っていうんだっけ?
2014〜2015年にかけて崩壊が発生し,濁水が問題になった中ノ川右岸の大崩壊地。しきりに落石音が響いていて,いまだに崩壊は進行中のようだ。
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2014〜2015年にかけて崩壊が発生し,濁水が問題になった中ノ川右岸の大崩壊地。しきりに落石音が響いていて,いまだに崩壊は進行中のようだ。
地獄谷(右)と仙人谷(左)の出合に到着。昨年10月の地獄尾根アタック時に泊まった場所だ。なつかしい。
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地獄谷(右)と仙人谷(左)の出合に到着。昨年10月の地獄尾根アタック時に泊まった場所だ。なつかしい。
地獄谷の下部ゴルジュの通過に備え,まだ時間は早いが,今回もここで泊まっていくことにする。雨の心配はなさそうなので,タープは張らずにゴロ寝。これが一番気持ちいい。
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地獄谷の下部ゴルジュの通過に備え,まだ時間は早いが,今回もここで泊まっていくことにする。雨の心配はなさそうなので,タープは張らずにゴロ寝。これが一番気持ちいい。
この二俣は良く乾いた薪が豊富に転がっており,焚火するには天国のようなところ。ゴロ寝して文庫本を読んだり,それに疲れたら焚火を眺めたりして,夜が更けていった。
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この二俣は良く乾いた薪が豊富に転がっており,焚火するには天国のようなところ。ゴロ寝して文庫本を読んだり,それに疲れたら焚火を眺めたりして,夜が更けていった。
谷の朝。手早くお茶漬けをすすって荷物をまとめた後,地獄谷の遡行を開始する。初めは穏やかなゴーロから始まる。
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谷の朝。手早くお茶漬けをすすって荷物をまとめた後,地獄谷の遡行を開始する。初めは穏やかなゴーロから始まる。
地獄谷の特徴は,とにかく岩が赤いこと。おそらく,水に含まれる酸化鉄か何かのせいだと思われるが,まるで血に染まったようで,まさに地獄といった風情。
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地獄谷の特徴は,とにかく岩が赤いこと。おそらく,水に含まれる酸化鉄か何かのせいだと思われるが,まるで血に染まったようで,まさに地獄といった風情。
不気味に濁った水の流れる赤い谷を遡っていく。
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不気味に濁った水の流れる赤い谷を遡っていく。
谷が左に折れると,それまでの穏やかな河原から一変,急に両岸が切り立ち始め,険悪な雰囲気が漂い始めた。地獄谷の下部ゴルジュの入り口だ。
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谷が左に折れると,それまでの穏やかな河原から一変,急に両岸が切り立ち始め,険悪な雰囲気が漂い始めた。地獄谷の下部ゴルジュの入り口だ。
激しく水煙を上げる小滝を越えるたびに,緊張が高まっていく。
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激しく水煙を上げる小滝を越えるたびに,緊張が高まっていく。
そして,両岸が完璧に屹立した中に,3mと5mの2連瀑が出現。さしづめこれが地獄の門か。手前の3mは簡単に越えられそうだが,その奥の5mはボルトでもない限り無理そうな雰囲気…。
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そして,両岸が完璧に屹立した中に,3mと5mの2連瀑が出現。さしづめこれが地獄の門か。手前の3mは簡単に越えられそうだが,その奥の5mはボルトでもない限り無理そうな雰囲気…。
右岸側のこの壁を登り,高巻きに入る。この壁自体は大まかな登りで難しくないが,その上が問題。まず先ほど5m滝の落ち口の上に続くバンドを辿ろうとしたが,あまりに外傾しているため諦め,さらに上の樹林帯を目指すが,傾斜の強いスラブに泥がのっかったような嫌な登りが続き,かなり肝を冷やした。(余裕がなかったため,写真なくてすみません…)
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右岸側のこの壁を登り,高巻きに入る。この壁自体は大まかな登りで難しくないが,その上が問題。まず先ほど5m滝の落ち口の上に続くバンドを辿ろうとしたが,あまりに外傾しているため諦め,さらに上の樹林帯を目指すが,傾斜の強いスラブに泥がのっかったような嫌な登りが続き,かなり肝を冷やした。(余裕がなかったため,写真なくてすみません…)
樹林帯に入ってからトラバース。昨年の地獄尾根アタック時にこの尾根の藪の濃さは思い知っているとはいえ,やはり濃密な灌木の藪に難渋させられる。しかも傾斜も強く,何度も前進不可能な地形に突き当たっては上に追い上げられ,時間だけがいたずらに過ぎていく。
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樹林帯に入ってからトラバース。昨年の地獄尾根アタック時にこの尾根の藪の濃さは思い知っているとはいえ,やはり濃密な灌木の藪に難渋させられる。しかも傾斜も強く,何度も前進不可能な地形に突き当たっては上に追い上げられ,時間だけがいたずらに過ぎていく。
と,灌木の間から谷底の様子を伺うと,物凄い赤茶けたゴルジュの光景とともに,その間をくねり落ちる大滝の姿が目に飛び込んできた。これは絶対に間近で見てみたい。
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と,灌木の間から谷底の様子を伺うと,物凄い赤茶けたゴルジュの光景とともに,その間をくねり落ちる大滝の姿が目に飛び込んできた。これは絶対に間近で見てみたい。
なかなか岩壁が緩まず下降点が見つからなかったが,やっとここしかない!というようなガレた草付きを見つけ,手持ちのロープ(40m,ダブルにして20m)いっぱいの懸垂で谷底に降り立った。
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なかなか岩壁が緩まず下降点が見つからなかったが,やっとここしかない!というようなガレた草付きを見つけ,手持ちのロープ(40m,ダブルにして20m)いっぱいの懸垂で谷底に降り立った。
中ノ川地獄谷で恐らく一番の大滝,2段40m滝(実際は40mないかも?とりあえず日本登山体系に合わせて40mにしておきます)。写真に写っている一番上の滝の奥にも大きな滝の気配があるのだが,残念ながら下からでは見ることができない。
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中ノ川地獄谷で恐らく一番の大滝,2段40m滝(実際は40mないかも?とりあえず日本登山体系に合わせて40mにしておきます)。写真に写っている一番上の滝の奥にも大きな滝の気配があるのだが,残念ながら下からでは見ることができない。
この滝の魅力は,やはり周囲に屹立した岩壁の圧倒的な光景だろう。まさに地獄谷に立ち塞がる獄卒と呼ぶにふさわしい滝だ。
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この滝の魅力は,やはり周囲に屹立した岩壁の圧倒的な光景だろう。まさに地獄谷に立ち塞がる獄卒と呼ぶにふさわしい滝だ。
ついでに,高巻きで巻いてしまったゴルジュの下部も見に行く。下流側にも,倒れ掛かってきそうなほど切り立った岩壁が続く。
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ついでに,高巻きで巻いてしまったゴルジュの下部も見に行く。下流側にも,倒れ掛かってきそうなほど切り立った岩壁が続く。
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しばらく下降していくと,さきほど越えられなかった5m滝の頭に出た。これで見るべきものは見た。
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しばらく下降していくと,さきほど越えられなかった5m滝の頭に出た。これで見るべきものは見た。
さて,今度は先ほどの2段40m滝の右岸に降りてきている大きなルンゼから高巻きに入るのだが,滝を眺めていた時から危惧していた通り,樹林帯に取りつくまでもかなり大変なうえ,凄まじい大高巻きになった。高い岩壁が続き下降点が見つからないうえ(ロープ2本持ってくればよかった…),とにかく藪が濃い。かなりの時間を要した。
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さて,今度は先ほどの2段40m滝の右岸に降りてきている大きなルンゼから高巻きに入るのだが,滝を眺めていた時から危惧していた通り,樹林帯に取りつくまでもかなり大変なうえ,凄まじい大高巻きになった。高い岩壁が続き下降点が見つからないうえ(ロープ2本持ってくればよかった…),とにかく藪が濃い。かなりの時間を要した。
苦難の大高巻きの末,やっと見つけたこのルンゼの底に懸垂下降で降り立ち,何とか谷に戻ることができた。
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苦難の大高巻きの末,やっと見つけたこのルンゼの底に懸垂下降で降り立ち,何とか谷に戻ることができた。
少し下流に戻ってみると,目測で2段20mほどの大きな滝が。恐らくこの滝が,下部ゴルジュ出口の滝だ。できることならこの滝を懸垂して下の様子も見てみたかったのだが,滝の形状的にロープが滝の流芯に思いっきり入ってしまい,登り返しに相当苦労することが予想されたため,思いとどまった。
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少し下流に戻ってみると,目測で2段20mほどの大きな滝が。恐らくこの滝が,下部ゴルジュ出口の滝だ。できることならこの滝を懸垂して下の様子も見てみたかったのだが,滝の形状的にロープが滝の流芯に思いっきり入ってしまい,登り返しに相当苦労することが予想されたため,思いとどまった。
上から見るだけでも十分迫力が伝わってくるような,凄まじい岩壁帯だ。この下に降りたら,二度と生きて上がって来られないのではないか,そんな妄想にさえ囚われてしまう。
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上から見るだけでも十分迫力が伝わってくるような,凄まじい岩壁帯だ。この下に降りたら,二度と生きて上がって来られないのではないか,そんな妄想にさえ囚われてしまう。
さて,泥臭い高巻きに終始してしまったが,何はともあれ懸案の下部ゴルジュ帯の上に抜けることができた。大きな安心感とともに,上流へ歩を進める。この小滝は左側から簡単に越えられる。
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さて,泥臭い高巻きに終始してしまったが,何はともあれ懸案の下部ゴルジュ帯の上に抜けることができた。大きな安心感とともに,上流へ歩を進める。この小滝は左側から簡単に越えられる。
すると次第に谷が開け,若干穏やかな風情に。
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すると次第に谷が開け,若干穏やかな風情に。
ここからしばらくは河原歩きだろう,と安心し切っていると…ん? 雪渓の残骸…。もう10月だというのに。なんだか嫌な予感が…。
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ここからしばらくは河原歩きだろう,と安心し切っていると…ん? 雪渓の残骸…。もう10月だというのに。なんだか嫌な予感が…。
!! あ,あれはまさか…。
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!! あ,あれはまさか…。
嫌な予感が的中。谷いっぱいに雪渓が出現。源頭でちょっとは出てくるかな,とは思っていたが,まさかこんなに大規模な雪渓が残っているとは…。
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嫌な予感が的中。谷いっぱいに雪渓が出現。源頭でちょっとは出てくるかな,とは思っていたが,まさかこんなに大規模な雪渓が残っているとは…。
うう…この下をくぐるしかないのか? でも先が真っ暗で何も見えないんですけど…。
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うう…この下をくぐるしかないのか? でも先が真っ暗で何も見えないんですけど…。
ついさっき崩壊したばかりです,と言わんばかりの崩壊雪渓も見受けられ,恐怖心をあおられる。
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ついさっき崩壊したばかりです,と言わんばかりの崩壊雪渓も見受けられ,恐怖心をあおられる。
周囲を観察すると,雪渓の上に這い上がれそうな箇所が見つかり,チェーンスパイクとアイスバイルを駆使して何とか雪渓の上に乗った。写真のように割れ目も見受けられるが,ありがたいことに大部分は結構分厚くて安定していそうである。
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周囲を観察すると,雪渓の上に這い上がれそうな箇所が見つかり,チェーンスパイクとアイスバイルを駆使して何とか雪渓の上に乗った。写真のように割れ目も見受けられるが,ありがたいことに大部分は結構分厚くて安定していそうである。
雪渓を振り返る。まさかこんなに広いところでに雪渓が残っているとは…。やはりこの冬は雪が多かったんだな。
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雪渓を振り返る。まさかこんなに広いところでに雪渓が残っているとは…。やはりこの冬は雪が多かったんだな。
こんな崩壊雪渓の迷路も出てきて肝を冷やすが,少しでも安定していそうな箇所を慎重に辿っていく。
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こんな崩壊雪渓の迷路も出てきて肝を冷やすが,少しでも安定していそうな箇所を慎重に辿っていく。
なんとか無事上流側に降り立ち,胸をなでおろした。
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なんとか無事上流側に降り立ち,胸をなでおろした。
すると,左手に凄まじい赤茶けた岩尾根の姿が。火の御子峰だ!
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すると,左手に凄まじい赤茶けた岩尾根の姿が。火の御子峰だ!
地獄谷の下部のハイライトが先ほどの3段40m大滝とするなら,上部のハイライトはこの壮絶な地獄尾根の光景だろう。まさに白山地獄絵巻中の針山地獄というべきか。
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地獄谷の下部のハイライトが先ほどの3段40m大滝とするなら,上部のハイライトはこの壮絶な地獄尾根の光景だろう。まさに白山地獄絵巻中の針山地獄というべきか。
その凄惨な地獄尾根の足元を,賽の河原のような荒涼とした流れが続く。
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その凄惨な地獄尾根の足元を,賽の河原のような荒涼とした流れが続く。
こりゃすごい。写真のように壁にはかなり黄色い箇所もあり,火山活動の名残の硫黄分を多く含んでいるものと思われる。(実際,地獄谷では随所で強い硫黄臭が漂っている。仙人谷と同じように温泉が湧いていないか気にしながら歩いていたが,残念ながら見つからなかった。)
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こりゃすごい。写真のように壁にはかなり黄色い箇所もあり,火山活動の名残の硫黄分を多く含んでいるものと思われる。(実際,地獄谷では随所で強い硫黄臭が漂っている。仙人谷と同じように温泉が湧いていないか気にしながら歩いていたが,残念ながら見つからなかった。)
ちなみに,中ノ川地獄谷にはもともと古白山火山の火口があったと言われている。今歩いている谷底は,かつては灼熱のマグマの通り道だったのだ。そう考えると,地獄尾根がこんなに赤茶けてボロボロなのもうなづける気がする。
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ちなみに,中ノ川地獄谷にはもともと古白山火山の火口があったと言われている。今歩いている谷底は,かつては灼熱のマグマの通り道だったのだ。そう考えると,地獄尾根がこんなに赤茶けてボロボロなのもうなづける気がする。
ぬおっ,なんだありゃ? 土砂崩れでできた小山かと思って近づいてみたら,何と巨大な雪渓のうえに土砂が載っているものだった。
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ぬおっ,なんだありゃ? 土砂崩れでできた小山かと思って近づいてみたら,何と巨大な雪渓のうえに土砂が載っているものだった。
そしてその小山の上に乗って谷の行く手を遠望すると…うわぁ,また雪渓出てきた…!
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そしてその小山の上に乗って谷の行く手を遠望すると…うわぁ,また雪渓出てきた…!
再び雪渓の上に這い上がる。真ん中は穴が開いていたりして精神衛生上よろしくない眺めだが,端のほうは雪渓が分厚くて安定している。
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再び雪渓の上に這い上がる。真ん中は穴が開いていたりして精神衛生上よろしくない眺めだが,端のほうは雪渓が分厚くて安定している。
慎重に雪渓上を歩きながらも,目は地獄尾根にくぎ付け。これがYSHRさんらパーティーが火の御子峰への登路にしたルンゼか。
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慎重に雪渓上を歩きながらも,目は地獄尾根にくぎ付け。これがYSHRさんらパーティーが火の御子峰への登路にしたルンゼか。
火の御子峰(手前),そして火の御子峰北峰(奥)。
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火の御子峰(手前),そして火の御子峰北峰(奥)。
昨年10月に登った火の御子峰北峰のアップ。あの上に立ってたんだなぁ。懐かしい…。
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昨年10月に登った火の御子峰北峰のアップ。あの上に立ってたんだなぁ。懐かしい…。
何度も火の御子峰を振り返りながら,穴の開いた雪渓を慎重に登っていく。
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何度も火の御子峰を振り返りながら,穴の開いた雪渓を慎重に登っていく。
この雪渓は結構長く続いた。
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この雪渓は結構長く続いた。
ズタズタの雪渓迷路を慎重に抜けて…。
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ズタズタの雪渓迷路を慎重に抜けて…。
御手水鉢から降りてくる枝谷(右)との出合に到着。ここで雪渓は途切れた。
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御手水鉢から降りてくる枝谷(右)との出合に到着。ここで雪渓は途切れた。
谷の側壁に飛びついて雪渓から離脱。歩いてきた雪渓を振り返る。
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谷の側壁に飛びついて雪渓から離脱。歩いてきた雪渓を振り返る。
ここで御手水鉢に突き上げる枝谷経由で稜線に出てしまう選択肢もあったが,地形図上に記された源頭の滝記号の滝を見てみたかったので,本流を進む。
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ここで御手水鉢に突き上げる枝谷経由で稜線に出てしまう選択肢もあったが,地形図上に記された源頭の滝記号の滝を見てみたかったので,本流を進む。
相変わらず両岸には荒涼とした側壁が続くが,火の御子峰のあたりに比べれば迫力は若干和らいでいる。
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相変わらず両岸には荒涼とした側壁が続くが,火の御子峰のあたりに比べれば迫力は若干和らいでいる。
谷中はしばらく概ね穏やか。こんな5mほどの滝が出てくるくらい。
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谷中はしばらく概ね穏やか。こんな5mほどの滝が出てくるくらい。
と,またまた雪渓が出現。雪渓が出てくるたび,本当に心臓に悪い…。
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と,またまた雪渓が出現。雪渓が出てくるたび,本当に心臓に悪い…。
再び雪渓上の人に。万が一にも滑落しないようにチェーンスパイクを効かせていく(ありがたいことに,アイゼンが必要になるほどの傾斜ではない。)
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再び雪渓上の人に。万が一にも滑落しないようにチェーンスパイクを効かせていく(ありがたいことに,アイゼンが必要になるほどの傾斜ではない。)
この雪渓,分厚いな…。厚さ10m以上はあるんでないか。
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この雪渓,分厚いな…。厚さ10m以上はあるんでないか。
と,雪渓が途切れ,途切れた先に8mほどの滝が見える。
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と,雪渓が途切れ,途切れた先に8mほどの滝が見える。
更に谷の奥を伺うと,ちょうど二俣になっており,谷に引っかかった嫌〜な感じの雪渓と,地形図上の滝記号の滝と思しき滝の姿(写真左上あたりに小さく写っている)が見える。
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更に谷の奥を伺うと,ちょうど二俣になっており,谷に引っかかった嫌〜な感じの雪渓と,地形図上の滝記号の滝と思しき滝の姿(写真左上あたりに小さく写っている)が見える。
今乗っている雪渓から谷底に降りるには側壁の登攀になりそうで面倒だったのと,その先に見えるどんよりした感じの雪渓とのやり取りを避けるため,雪渓上から直接右岸のこのリッジに取りつき,高巻きに入ることに。
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今乗っている雪渓から谷底に降りるには側壁の登攀になりそうで面倒だったのと,その先に見えるどんよりした感じの雪渓とのやり取りを避けるため,雪渓上から直接右岸のこのリッジに取りつき,高巻きに入ることに。
砂利の乗った急峻な細いリッジを慎重に登り切り,樹林帯に入る。この尾根も相変わらず藪が濃いが,下部ゴルジュ帯の巻きに比べればまだましなほう。
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砂利の乗った急峻な細いリッジを慎重に登り切り,樹林帯に入る。この尾根も相変わらず藪が濃いが,下部ゴルジュ帯の巻きに比べればまだましなほう。
高巻きしながら右俣を遠望すると,嫌な感じの雪渓が断続的に続いている。入るのがこちらでなくてよかった…。
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高巻きしながら右俣を遠望すると,嫌な感じの雪渓が断続的に続いている。入るのがこちらでなくてよかった…。
進む予定の左俣は,地図の滝記号のとおり,15m・5m位の2段20mほどの滝となっており,なかなか美しい眺め。
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進む予定の左俣は,地図の滝記号のとおり,15m・5m位の2段20mほどの滝となっており,なかなか美しい眺め。
濃い灌木の藪をかいくぐり,ズルズルの草付き斜面を滑るように下って,先ほどの滝を越えた地点でうまいこと左俣に降り立った。こちらは右俣と異なり,穏やかな谷で崩壊雪渓の姿も見当たらない。とりあえず安心。
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濃い灌木の藪をかいくぐり,ズルズルの草付き斜面を滑るように下って,先ほどの滝を越えた地点でうまいこと左俣に降り立った。こちらは右俣と異なり,穏やかな谷で崩壊雪渓の姿も見当たらない。とりあえず安心。
そのまま穏やかな詰めを迎えた。
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そのまま穏やかな詰めを迎えた。
両岸の樹林が色づき始めている。
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両岸の樹林が色づき始めている。
左俣の源頭は,巨岩が点在するロックガーデンのような気持ちのいい草地であった。その向こうに聳えているのは,大汝峰の北面の岩壁帯。大汝峰は穏やかな印象のある山だが,北側はこんなに切り立っているなんて…。
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左俣の源頭は,巨岩が点在するロックガーデンのような気持ちのいい草地であった。その向こうに聳えているのは,大汝峰の北面の岩壁帯。大汝峰は穏やかな印象のある山だが,北側はこんなに切り立っているなんて…。
南に直行すると岩壁帯にぶつかって難渋するのが目に見えているので,やや左手のP2416m西側にある小さなコルを目指す。ここも灌木の濃い藪で,なかなか苦労した。
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南に直行すると岩壁帯にぶつかって難渋するのが目に見えているので,やや左手のP2416m西側にある小さなコルを目指す。ここも灌木の濃い藪で,なかなか苦労した。
P2416m西側のコルに到着。ハイマツに包まれていて当然道はない。写真に写っている岩峰はP2416m。
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P2416m西側のコルに到着。ハイマツに包まれていて当然道はない。写真に写っている岩峰はP2416m。
最後に遡行してきた地獄谷を振り返る。雪渓の冷気によるものか,谷底からガスが湧き出し始め,みるみるうちに地獄谷を視界から隠してしまった。
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最後に遡行してきた地獄谷を振り返る。雪渓の冷気によるものか,谷底からガスが湧き出し始め,みるみるうちに地獄谷を視界から隠してしまった。
さて,とにかく中宮道に出なければ,この山行は終わらない。中宮道は未だにはるか眼下で,無情にも濃いハイマツの藪が彼我の間を隔てている。もう勘弁してほしいと思いつつも,ハイマツの枝に乗っかりながら根気強く登山道を目指す。
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さて,とにかく中宮道に出なければ,この山行は終わらない。中宮道は未だにはるか眼下で,無情にも濃いハイマツの藪が彼我の間を隔てている。もう勘弁してほしいと思いつつも,ハイマツの枝に乗っかりながら根気強く登山道を目指す。
ようやく中宮道に合流。重いザックを投げ出すように下ろしてヘルメットを脱ぎ,稜線を仰ぐと,傾きはじめた秋の陽の淡い光の中に,剣ヶ峰と大汝峰のシルエットが浮かび上がっていた。
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ようやく中宮道に合流。重いザックを投げ出すように下ろしてヘルメットを脱ぎ,稜線を仰ぐと,傾きはじめた秋の陽の淡い光の中に,剣ヶ峰と大汝峰のシルエットが浮かび上がっていた。
【おまけ(岩間噴泉塔上流ゴルジュ1)】地獄谷の下部ゴルジュも凄いが,岩間噴泉塔の少し上流の中ノ川本流にある大ゴルジュ帯もなかなかのものなので,ついでにご紹介(別の日に撮ったものです)。地図の滝記号の位置にある2段20m滝。昔はこの滝の左岸に鉄ハシゴがあったらしいが,現在は見当たらず,この滝を越えるのは結構大変そう(逆に上流側からの下降は,30m程度の懸垂で可能)。
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【おまけ(岩間噴泉塔上流ゴルジュ1)】地獄谷の下部ゴルジュも凄いが,岩間噴泉塔の少し上流の中ノ川本流にある大ゴルジュ帯もなかなかのものなので,ついでにご紹介(別の日に撮ったものです)。地図の滝記号の位置にある2段20m滝。昔はこの滝の左岸に鉄ハシゴがあったらしいが,現在は見当たらず,この滝を越えるのは結構大変そう(逆に上流側からの下降は,30m程度の懸垂で可能)。
【おまけ(岩間噴泉塔上流ゴルジュ2)】とにかく壁。どこを見ても壁。
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【おまけ(岩間噴泉塔上流ゴルジュ2)】とにかく壁。どこを見ても壁。
【おまけ(岩間噴泉塔上流ゴルジュ3)】両岸の壁の高さだけで言えば,地獄谷の下部ゴルジュ以上かもしれない。
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【おまけ(岩間噴泉塔上流ゴルジュ3)】両岸の壁の高さだけで言えば,地獄谷の下部ゴルジュ以上かもしれない。
【おまけ(岩間噴泉塔上流ゴルジュ4)】白く磨かれたような岩の大廊下が続く。地獄谷下部の赤ゴルジュに対して,こちらは白ゴルジュ。同じ谷なのに岩質が違って面白い。
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【おまけ(岩間噴泉塔上流ゴルジュ4)】白く磨かれたような岩の大廊下が続く。地獄谷下部の赤ゴルジュに対して,こちらは白ゴルジュ。同じ谷なのに岩質が違って面白い。
中宮道から地獄谷に雪渓は見えましたが、
想像以上に残ってたんですね…
中宮道からは雪渓見えてたんですね。楽々新道からは見えなかった(見逃してただけかも…)ので、油断してたらこの有り様でした笑 無事抜けられて良かったです。
中宮道の整備、お疲れ様でございます。好きな道なので、また歩いてみたいと思いました。
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