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Yamareco

記録ID: 3599372
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
塩見・赤石・聖

大無間山(井川田代から)

2021年02月07日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
7
1~2泊以上が適当
GPS
14:55
距離
18.4km
登り
2,400m
下り
2,397m
歩くペース
とても速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
12:46
休憩
2:06
合計
14:52
3:27
5
3:32
3:40
35
4:15
4:15
106
6:01
6:31
27
6:58
7:08
18
7:26
7:35
11
7:46
7:51
69
9:00
9:22
18
9:40
9:45
23
10:08
10:09
131
12:20
12:31
70
13:41
13:42
42
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14:26
18
14:44
15:04
57
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27
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17:08
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49
17:57
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17
18:14
18:14
3
18:17
18:17
2
18:19
ゴール地点
天候 快晴→曇り→晴れ
過去天気図(気象庁) 2021年02月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
【積雪状況】
・井川田代〜小無間小屋
ほぼ積雪無し。
・小無間小屋〜鋸歯P1
ほぼ積雪無し。急登の一部に凍結部分があり足の引っ掛かりが少なく困難
・鋸歯P1〜小無間ピーク
崩壊地点はさほど雪は無く、小無間取り付きから積雪が顕著。先行者が1名おり、その方をトレース。
・小無間ピーク〜大無間ピーク手前300m
ここから先は自分が先行。トレース無し。
踏み抜き地獄(足首〜腿)が続き、山頂部手前の急登付近より尻高さのラッセル。猿のように木を伝って急登を通過。山頂部では腹高さのラッセル。
・大無間山ピーク手前300m〜大無間山ピーク
ここから先は小無間での先行者と入れ替わり、その方をトレース。ピークが近くなるほど積雪が薄くなり、大無間ピークでは膝下ほど。
鋸歯P4辺りの急登。この様に凍結していて引っ掛かりが少ない。
2021年02月07日 07:11撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
2/7 7:11
鋸歯P4辺りの急登。この様に凍結していて引っ掛かりが少ない。
鋸歯P1から下りてきて小無間ピークを望む。ここまでは雪は無視できる程度だったが…
2021年02月07日 07:50撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
2/7 7:50
鋸歯P1から下りてきて小無間ピークを望む。ここまでは雪は無視できる程度だったが…
崩壊地点の積雪は怖くない。
2021年02月07日 07:58撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
2/7 7:58
崩壊地点の積雪は怖くない。
ここから積雪が顕著になる。
2021年02月07日 07:58撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
2/7 7:58
ここから積雪が顕著になる。
小無間ピークに取り付いて振り返ると富士。なんと美しい!
2021年02月07日 08:13撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
2/7 8:13
小無間ピークに取り付いて振り返ると富士。なんと美しい!
小無間ピークの急登は積雪だとなかなか手強かった。特に雪山装備を使わなかったことも原因?
2021年02月07日 08:13撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
2/7 8:13
小無間ピークの急登は積雪だとなかなか手強かった。特に雪山装備を使わなかったことも原因?
小無間ピーク。先行者が1名。小無間ピークの登りはその方のトレースを利用させていただいた。
小無間でお話しした際、2:00AMくらいから登っている、先週も来たが装備が足りず断念、とお聞きした。
2021年02月07日 08:58撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
2/7 8:58
小無間ピーク。先行者が1名。小無間ピークの登りはその方のトレースを利用させていただいた。
小無間でお話しした際、2:00AMくらいから登っている、先週も来たが装備が足りず断念、とお聞きした。
ここまでの苦労からして、この標識は自分に不安を抱かせる迫力を有していた…(この後死にかけた)
2021年02月07日 09:01撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
2/7 9:01
ここまでの苦労からして、この標識は自分に不安を抱かせる迫力を有していた…(この後死にかけた)
ここでようやく雪山装備。と言っても軽アイゼンのみ(これは後から思うにあまりにも無謀だった)
小無間山から先は自分が先行。小無間までの先行者はあらぬ方向へ下っていかれたので「この季節にバリルートなんて凄すぎる…。ここから先はひとり旅か…」と思っていた。後で知ることになるが、その方はスキー板が落ちてしまったのを拾いに行っただけだったそう。
2021年02月07日 09:20撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
2/7 9:20
ここでようやく雪山装備。と言っても軽アイゼンのみ(これは後から思うにあまりにも無謀だった)
小無間山から先は自分が先行。小無間までの先行者はあらぬ方向へ下っていかれたので「この季節にバリルートなんて凄すぎる…。ここから先はひとり旅か…」と思っていた。後で知ることになるが、その方はスキー板が落ちてしまったのを拾いに行っただけだったそう。
踏み抜き地獄が延々と続き、体力を奪われる。
踏み抜くこともあれば踏み抜かないこともある。この違いはランダム(自分の目利きが悪いだけかもしれないが)にやってくるので、それがまた消耗させる。アドレナリンが出ていたらしく、強引に進んだ。
2021年02月07日 10:16撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
2/7 10:16
踏み抜き地獄が延々と続き、体力を奪われる。
踏み抜くこともあれば踏み抜かないこともある。この違いはランダム(自分の目利きが悪いだけかもしれないが)にやってくるので、それがまた消耗させる。アドレナリンが出ていたらしく、強引に進んだ。
大無間山ピーク近くの展望所から。悪沢、赤石、聖、上河内、光、イザルガ。全てが殺気を放っているように感じた。この後すぐに冬空に変化して怪しくなる。この時点で消耗が激しく、弱気になってきた。「これは、…ヤバい」
2021年02月07日 11:21撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
2/7 11:21
大無間山ピーク近くの展望所から。悪沢、赤石、聖、上河内、光、イザルガ。全てが殺気を放っているように感じた。この後すぐに冬空に変化して怪しくなる。この時点で消耗が激しく、弱気になってきた。「これは、…ヤバい」
展望所からもう少し進んだピーク手前300m付近?でいよいよ「あ、これは、死ぬ」と思った。その時の絶望感たるや!時間を取って体勢を整えようにも、ラッセル真っ最中で風もそれなりに吹き付けるため停止して数分で冷えを感じる。雪を掘る道具も無い。休もうとしても、考えを巡らそうとしてもその猶予さえ与えてくれない。
しかし歩かなければ帰ることもできない。パニックになり呼吸が荒くなる中、少しずつ戻る。
そんな中、なんと小無間までの先行者が自分をトレースしてやって来ていた!その方に励まされ、ようやく大無間山ピークに至ったのであった。
2021年02月07日 12:19撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
2/7 12:19
展望所からもう少し進んだピーク手前300m付近?でいよいよ「あ、これは、死ぬ」と思った。その時の絶望感たるや!時間を取って体勢を整えようにも、ラッセル真っ最中で風もそれなりに吹き付けるため停止して数分で冷えを感じる。雪を掘る道具も無い。休もうとしても、考えを巡らそうとしてもその猶予さえ与えてくれない。
しかし歩かなければ帰ることもできない。パニックになり呼吸が荒くなる中、少しずつ戻る。
そんな中、なんと小無間までの先行者が自分をトレースしてやって来ていた!その方に励まされ、ようやく大無間山ピークに至ったのであった。
帰路、唐松谷の頭を望む。帰路も一度絶望感に浸った心はパニック状態。小無間までの先行者に無理なお願い「姿が見える位置を保ってもらえませんか」をし、何とか正気を保ちながら下山。その方は快く応じてくださり、小無間ピークまで戻ることができた。この写真を撮った時、とても一人ではあそこまで辿り着けそうもないと思うと同時に、人がそばにいるだけで(その日会ったばかりで何も知らなくても)十分に温かいものがあることを痛感した。
2021年02月07日 12:53撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
2/7 12:53
帰路、唐松谷の頭を望む。帰路も一度絶望感に浸った心はパニック状態。小無間までの先行者に無理なお願い「姿が見える位置を保ってもらえませんか」をし、何とか正気を保ちながら下山。その方は快く応じてくださり、小無間ピークまで戻ることができた。この写真を撮った時、とても一人ではあそこまで辿り着けそうもないと思うと同時に、人がそばにいるだけで(その日会ったばかりで何も知らなくても)十分に温かいものがあることを痛感した。
唐松谷の頭から大無間山ピークを望む。すっかり冬空。しかし、これが雪を固まらせ、帰りは比較的踏み抜かずに済んだのだった。
2021年02月07日 14:23撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
2/7 14:23
唐松谷の頭から大無間山ピークを望む。すっかり冬空。しかし、これが雪を固まらせ、帰りは比較的踏み抜かずに済んだのだった。
小無間までの先行者の方は300名山の山スキーが目的とお聞きした。元々、帰りが暗くなることを覚悟して臨んでおられた。
この方のスキー跡を通ることで、踏み抜きをより回避することができた。
2021年02月07日 14:39撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
2/7 14:39
小無間までの先行者の方は300名山の山スキーが目的とお聞きした。元々、帰りが暗くなることを覚悟して臨んでおられた。
この方のスキー跡を通ることで、踏み抜きをより回避することができた。
小無間ピークでは風を凌げたのでしっかり補給して休んだ。その方に御礼を言って別れ、帰路を急ぐ。小無間ピークの下りは積雪でむしろラクラクだった。富士はかろうじてまだ姿を見せていた。
2021年02月07日 15:39撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
2/7 15:39
小無間ピークでは風を凌げたのでしっかり補給して休んだ。その方に御礼を言って別れ、帰路を急ぐ。小無間ピークの下りは積雪でむしろラクラクだった。富士はかろうじてまだ姿を見せていた。
往路では気が付かなかったが、鋸歯P1(だったと思う)には不思議なフォントの標識があった。印象的だった。
2021年02月07日 15:56撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
2/7 15:56
往路では気が付かなかったが、鋸歯P1(だったと思う)には不思議なフォントの標識があった。印象的だった。
小無間小屋のあるピークでいよいよ夕暮れ。暗い中の下山は嫌なので、もの凄く急いで下った(自分比)。結局すっかり真っ暗になったが、無事に、何の不調も無く下山を完了することができた。奇跡の生還だった。
2021年02月07日 17:09撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
2/7 17:09
小無間小屋のあるピークでいよいよ夕暮れ。暗い中の下山は嫌なので、もの凄く急いで下った(自分比)。結局すっかり真っ暗になったが、無事に、何の不調も無く下山を完了することができた。奇跡の生還だった。

感想

雪山を何も知らず、初見で大無間山に挑んだ記録です。
同日に挑んだ方がいたおかげで生還しました。

自分はここで死ぬのか、と思う体験は強烈なものでした。下山してしばらくは自分の半分は死んでいるような、奇妙な感覚がありました。

しかし変なもので、この山行がきっかけで深南部が好きになり、その中でも大無間山は自分にとって特別な山になりました。その夏、南アルプス山域で思いきり活動することになります。

【反省】
・雪山装備が甘すぎる
雪に埋もれ風が吹き付けるので休めない、という問題に対応できる道具が必要。また、軽アイゼンだけでなく、ワカンのような物があれば少し違っていたかもしれない。雪を溶かす道具もなかったので、あれば安心だった。
ちなみに、アイゼンは12本爪にしたからといって何か変わる訳ではない環境だったし、ピッケルも不要だったと思う。
・計画が甘すぎる
同日登っていた方は深夜スタートの夜終わりで計画。雪を進むスピードを遅くしないと消耗が激しくなるので、このような計画に一定の合理性があると思った。計画に遅れる、という心理状況はパニックを招き精神的ダメージが大きい。特にゆとりある計画を最初から立てるべきだった。
・撤退判断が遅すぎる
踏み抜き地獄が続いた時点で撤退を決断しなければならなかった。日帰り装備では疲れを感じてからでは遅すぎる。もう少しで山頂だから…と無理をするのは禁物。一度パニックになると立て直すのに時間が必要だが、その猶予さえ与えてくれない環境(というよりは装備?)だった。

結果的に、2人で互いに先行を交代して大無間山ピークへ行く形になった。自分からすればこの方がいなければ間違いなく死んでいた。当日、それに今でも、深く感謝の気持ちでいっぱいです。

ヤマケイにその方の記録があります。改めて拝見すると、同じ環境・時間を共有していたにもかかわらず自分とは随分違う認識をされていることがわかります。ちゃんと雪山がどんなものかをご存知だからこそなのだろうと思います。

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コメント

積雪期の大無間、入山者皆無ですよね。
私は四月でしたがやはり踏み跡見つけて涙が出そうになりました。
今後の登山人生の血肉になるような素晴らしい経験だと思います、読み応えありました。
2021/10/5 12:38
tomhigさん、ご覧いただきありがとうございます。
大無間、やはり積雪期には人が入らないのですね。
同日に登る方がいただけでも本当に奇跡的だったと思います。
雪山に今後取り組むかどうかは未定ですが、半年ほど経過して知識も増えてきた今ようやく冷静に振り返ることができるようになりました。
2021/10/5 17:32
プロフィール画像
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