富士山
- GPS
- --:--
- 距離
- 15.2km
- 登り
- 2,434m
- 下り
- 2,435m
コースタイム
天候 | 晴れ、ほぼ無、−5℃〜10℃位 頂上も暖かく手元の温度計は7℃位有ったが、気象庁の温度計は-2.6℃。 http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/hourly_s1.php?prec_no=50&prec_ch=%90%C3%89%AA%8C%A7&block_no=47639&block_ch=%95x%8Em%8ER&year=2009&month=4&day=11&elm=hourly&view=p1 雪はカッチンカッチンのクラストだった。 |
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過去天気図(気象庁) | 2009年04月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
斜面はこの数日の気温上昇にもかかわらず朝方はクラストして非常に歩きやすかった。 次郎坊の上まで雪は無く、雪との切れ目に雪解けの水が流れ出していた。 雪の亀裂も宝永山と7合目辺りに有ったが今は安定しているよう。 しかし雨が降るとほぼ雪崩れるそうです。 |
予約できる山小屋 |
御殿場口七合四勺・わらじ館
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写真
感想
冬富士も終わりを告げ春富士へと衣替えが進んでいる。
この1ヶ月、この日に照準を合わせそれなりではあるが身体を作ってきたが後は天気だけだ。
数日前から季節外れの好天が続きこの次期にしては暑過ぎる。
今度は雪崩の不安が大きな材料として頭を持ち上げてしまった。
気温が上がり雨が降ると、かなりの可能性で雪崩が起きると、以前に下山中に遭った落石や雪崩の調査官の方が言っていた。
富士砂防事務所の出しているスラッシュ雪崩の通り道を確認し、春の雪質の関係書類を読み直し、後は現場判断することに。
1:15分を少し過ぎたころに太郎坊の駐車場へ到着した。
まだ大分早いので他に車は居ないだろうと予想していたが1台既に駐車している。
この太郎坊へこの時間に駐める車と言へば、まず間違いなく富士山だろう。
もう中には誰も乗っていない、出陣したか。準備を整え駐車場の裏の森へと入って行く。
木々に囲まれた山道を越えたところで上を見上げると、雲ひとつなく澄んだ紺色の中に真っ白い満月が浮かび、周りの景色と私を照らしている。
そして、その澄んだ紺色の向こう、月明りに照らされた白い富士が神々しく静かにたたずみ白い光を放っている。
二合八勺へ到着すると事前に得た情報どうりここまで雪は無い。
少し休みつつ、ここで装備を少し入れ替えようと思い、ザックを降ろし座り込む。
気温は0℃位だが妙に寒く感じる。疲れているのだろうか。身体がだるく動こうとする気力が起きない。
暫く休むか?寒さからか身体が震える。軽い高度障害なのか?
気力が奮い立たない。このまま帰るかとも一瞬考えるが、もしこのまま帰れば後々間違いなく自己嫌悪に陥るだろう。
今日はまず間違えなく晴れの無風、絶好の富士日和。太陽が出れば又気力も帰ってくるだろう。
時間も大分余裕を見てきた。状態がよければ必ず頂上を踏めるはずだ。
40分位座り込んでいると少し気分が良くなってきた。ここで荷物を準備し勢いで出発することに。
薄っすらと空が白み始める。先程の重く鬱とした気分も嘘のように消えていく。
次郎坊を超えるとすぐに雪面が現れ、その切れ目の辺りから雪解けの水が結構な量で流れ出していた。
雪解け水の水路は出来上がっているようだ。
宝永山の辺りに雪面がずれた跡が15m位残っているが、だいぶ古そう。
明け方の雪面は適度にクラスとして非常に歩きやすい。軽く掘ってみるが非常に固く簡単に掘れる感じではない。
この辺りは弱層テストをするまでも無いだろう。あるのは全層雪崩だけだ。
7合目までくると1ヵ所幅3cm位、深さ40cm位の亀裂が10m位はしっていた。
この辺りは雪の吹き溜まりらしく雪の層も厚そうだ。帰りは気温も上がっているので、ここは要注意でラインを変えた方が良いかもしれない。
3200mを越えた辺りから2度目の高度障害が出始めた。とにかく1歩が重い。
もうほとんど長田の鉄柵にしがみついて一歩一歩進んで行く。
ペースはかなり遅いので、身体が重くなっては暫くすると楽になり、また重くなりの繰り返しだ。
7合5勺から上を見上げ、あと2H30M位と見ていたが、初めは調子良くもっと早く着きそうだと思えたが、登るにつれてどんどん身体が動かなくなる。
2H30Mを超えると本当に着くのだろうか、もうここで切り返したほうが良いのだろうかとも考えるようになってしまう。
しかし、もう頂上は目の前。一歩一歩高度を上げ、最後のひと踏ん張りで頂上が現れ、平らな地面が開けた。
「いや〜疲れた。もう登らなくてもいいんだ。暫く富士山のことも忘れられる」
八合目辺りで下を見下ろした時に2人組と単独の方が登っていた。
2人組のほうは歩みも早く、夏道の方を登っていき私を抜き剣が峰の方へ登っていった。
単独の方は後から頂上まで登ってきて少し会話を交わす。50才はもう十分いってそう。
身体もそう剛健そうにはみえない。しかし2月2日も来たそうで「まいった、今日は暑い、2月のほうが良かった」などと仰っていた。恐ろしい、、、
お互いに写真を撮りあい私は夏道の方から下山路についた。
八合目位まで下りた所で1人登ってきた。なんと背中にスキーを担いでいる。しかもこれから頂上まで向かうそうだ。
宝永山の辺りではスノボーをしているグループがいる。
下山は雪面も緩み適度なクッションを受けて快適に下山をすることができた。
が、足のほうはいっぱいいっぱいで、つま先の辺りが靴擦れを始めている。
二合八勺からストックを使い何とか駐車場までの帰還となった。
2月から始めた富士も3回目で、もう春になってしまったが、なかなか充実した時間を過ごさせてもらった。
これで暫くは富士のことは忘れられる。また次の冬が来たら思い出すことだろう。ありがとう富士山。
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