ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 3723798
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
東北

白いスラブの大岩壁(会越国境)

2021年11月06日(土) [日帰り]
 - 拍手
GPS
--:--
距離
5.8km
登り
704m
下り
700m

コースタイム

【コースタイム】
〈上り〉
.好拭璽7:29→∈能蕕寮倔(520m付近) 8:40→D垢さ淌(660m付近) 9:39→P759 10:15→P890 10:50→900m(会津雪倉岳) 11:25 (所要4時間)
〈下り〉
900m(会津雪倉岳) 12:10→P890 13:14→┣嫉 15:50 (所要3時間40分)
天候 霧後晴れ
過去天気図(気象庁) 2021年11月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
(東北道) 白河IC → 下郷町 → 昭和村 → 金山町 上大牧
コース状況/
危険箇所等
・藪山(取付き点~山頂間に標識やテープ類一切無し)
・尾根筋に薄い踏み跡(獣道?)
その他周辺情報 ・国道252線は来秋のJR只見線の復旧(川口駅以西)を控え各所で大規模工事中(片側交互通行)
今日の入山はJR只見線会津水沼駅近くの金山町上大牧集落から。集落最初の建物手前から左手の墓地へ向う。
1
今日の入山はJR只見線会津水沼駅近くの金山町上大牧集落から。集落最初の建物手前から左手の墓地へ向う。
墓地裏で取付きの踏み跡を探す。北側に小さな祠を発見。
1
墓地裏で取付きの踏み跡を探す。北側に小さな祠を発見。
正一位稲荷大明神とある。しかし、周辺は伐木と雑草繁茂で踏み跡らしき道筋は解らない。
3
正一位稲荷大明神とある。しかし、周辺は伐木と雑草繁茂で踏み跡らしき道筋は解らない。
踏み跡探しを諦め左手木根沢(こねさわ)沿いの尾根筋を目指す。
4
踏み跡探しを諦め左手木根沢(こねさわ)沿いの尾根筋を目指す。
尾根は可成りの急勾配。落葉で滑りやすく、立木を拾いながら攀じ登る。
5
尾根は可成りの急勾配。落葉で滑りやすく、立木を拾いながら攀じ登る。
朝方は霧が立ち込め周辺が良く見えない。奥会津の何時もの朝だ。
7
朝方は霧が立ち込め周辺が良く見えない。奥会津の何時もの朝だ。
眼下の霧中に小さな上大牧の集落が見える。
3
眼下の霧中に小さな上大牧の集落が見える。
右手東側の中ノ入沢を挟んだ稜線も可成りの急峻だ。
2
右手東側の中ノ入沢を挟んだ稜線も可成りの急峻だ。
沢山の黒い実。ウラシマツツジかな?多分。
1
沢山の黒い実。ウラシマツツジかな?多分。
その熟する前の赤い実も。
2
その熟する前の赤い実も。
最初の急斜尾根を登り詰めると石祠出現。対の1つの屋根が崩れていたが重過ぎて直せない。
3
最初の急斜尾根を登り詰めると石祠出現。対の1つの屋根が崩れていたが重過ぎて直せない。
以降尾根筋が明確化し、程なく2つ目の石祠が出現。
2
以降尾根筋が明確化し、程なく2つ目の石祠が出現。
霧が徐々に上がって来た。紅葉は今が最盛期だ。
2
霧が徐々に上がって来た。紅葉は今が最盛期だ。
尾根筋の松の巨木。
2
尾根筋の松の巨木。
東方の谷筋を渡る雲海の中から「縦峰」(P851.6)の山稜が顔を出した。
7
東方の谷筋を渡る雲海の中から「縦峰」(P851.6)の山稜が顔を出した。
落葉に埋まる3っ目の石祠。信仰の篤さを知る。
5
落葉に埋まる3っ目の石祠。信仰の篤さを知る。
尾根が細くなり岩稜帯に変わり始めた。
1
尾根が細くなり岩稜帯に変わり始めた。
遥か北東彼方(中央)にスラブの山稜を望む。
8
遥か北東彼方(中央)にスラブの山稜を望む。
細尾根のアップダウンが続くが、所々に灌木が生え然程恐怖感は無い。
4
細尾根のアップダウンが続くが、所々に灌木が生え然程恐怖感は無い。
樹木が切れた所で後方(南方)を振り返る。雲海下で只見川が輝く。
5
樹木が切れた所で後方(南方)を振り返る。雲海下で只見川が輝く。
燃える山肌。前方(北方)は会越国境線の稜線か。霧が上がり、抜ける様な青空となった。
5
燃える山肌。前方(北方)は会越国境線の稜線か。霧が上がり、抜ける様な青空となった。
急斜の岩稜尾根が幾つも続く。
3
急斜の岩稜尾根が幾つも続く。
ナイフリッジの岩稜、今回一番の蟻の戸渡り。左右共深く切れ落ち、滑落すれば一巻の終わり。
11
ナイフリッジの岩稜、今回一番の蟻の戸渡り。左右共深く切れ落ち、滑落すれば一巻の終わり。
右手前方に遂に捉えた。これが名だたる "白いスラブの大岸壁" か。
8
右手前方に遂に捉えた。これが名だたる "白いスラブの大岸壁" か。
長い急登が出て来た。ザレ気味の岩稜、足を滑らせない様慎重に登る。
3
長い急登が出て来た。ザレ気味の岩稜、足を滑らせない様慎重に登る。
急登を終え松林に変わった。
1
急登を終え松林に変わった。
ブナも出て来た。
1
ブナも出て来た。
傾斜が緩むと藪も濃くなった。
1
傾斜が緩むと藪も濃くなった。
尾根右端は中ノ入沢に落ちる断崖。少し西寄りを歩く。
1
尾根右端は中ノ入沢に落ちる断崖。少し西寄りを歩く。
目が覚めるような真っ赤な紅葉。
10
目が覚めるような真っ赤な紅葉。
巨木が続く。
前方左右から国境稜線が近付く。右手稜線の杉のピーク(中央枝下)は恐らく今日の目的地900m峰だろう。
1
前方左右から国境稜線が近付く。右手稜線の杉のピーク(中央枝下)は恐らく今日の目的地900m峰だろう。
左手には木根沢源頭部の険しいスラブ斜面が覗く。
2
左手には木根沢源頭部の険しいスラブ斜面が覗く。
藪の背後が少し明るくなってきた。県境も間近か。
1
藪の背後が少し明るくなってきた。県境も間近か。
会越国境稜線 P890 に到着。樹木に覆われ眺望無し。帰路の目印(朱テープ)を残して右に折れ東方へ進む。
3
会越国境稜線 P890 に到着。樹木に覆われ眺望無し。帰路の目印(朱テープ)を残して右に折れ東方へ進む。
稜線鞍部に下る。北方樹間からは新潟県側の柴倉沢に落ちるスラブ斜面が一挙に広がった。かって登った土地倉山や大倉山の山々が懐かしい。
6
稜線鞍部に下る。北方樹間からは新潟県側の柴倉沢に落ちるスラブ斜面が一挙に広がった。かって登った土地倉山や大倉山の山々が懐かしい。
稜線は杉やハイマツの激藪で中々進まない。
2
稜線は杉やハイマツの激藪で中々進まない。
900m峰(中央)が徐々に近付いて来た。
1
900m峰(中央)が徐々に近付いて来た。
その手前で中ノ入沢に切れ落ちるスラブ斜面が出現。足場が狭くハイマツの枝を跨いで慎重に通過する。細い稜線、冬場の雪庇はいったいどれ程のものだろうか。
5
その手前で中ノ入沢に切れ落ちるスラブ斜面が出現。足場が狭くハイマツの枝を跨いで慎重に通過する。細い稜線、冬場の雪庇はいったいどれ程のものだろうか。
鞍部を登り返して山頂に接近。
1
鞍部を登り返して山頂に接近。
そして遂に杉に囲まれた900m峰の山頂に到着(所要約4時間)。山頂で一服後南方の "白いスラブの岩壁" ピークへの降り口を探るが藪が濃く、戻りも面倒で戦意喪失。
2
そして遂に杉に囲まれた900m峰の山頂に到着(所要約4時間)。山頂で一服後南方の "白いスラブの岩壁" ピークへの降り口を探るが藪が濃く、戻りも面倒で戦意喪失。
早めに帰路に付き、中ノ入沢源頭部から南方の縦峰稜線や遠方沼沢湖、高森山(1,099.8m)を望む。
4
早めに帰路に付き、中ノ入沢源頭部から南方の縦峰稜線や遠方沼沢湖、高森山(1,099.8m)を望む。
正面に往路のP890手前の稜線を望みながら再び手前のリスキーなスラブ上部をトラバース。
3
正面に往路のP890手前の稜線を望みながら再び手前のリスキーなスラブ上部をトラバース。
P890を通過して国境稜線を離れる。右手木根沢源頭部の美しいスラブ。
7
P890を通過して国境稜線を離れる。右手木根沢源頭部の美しいスラブ。
南東に縦峰下部を見下ろす。
5
南東に縦峰下部を見下ろす。
急斜尾根の下降前に平らな岩稜で足(筋肉)の休憩。寄る年波には逆らえない(苦笑)。
2
急斜尾根の下降前に平らな岩稜で足(筋肉)の休憩。寄る年波には逆らえない(苦笑)。
降りてきた急斜尾根を振り返る。
1
降りてきた急斜尾根を振り返る。
東方の縦峰。向こうの稜線も登高意欲をそそる。
4
東方の縦峰。向こうの稜線も登高意欲をそそる。
憧れの "白いスラブ大岩壁" 最後の眺め(ズーム)。サヨナラ、生涯忘れられない絶景となろう。
12
憧れの "白いスラブ大岩壁" 最後の眺め(ズーム)。サヨナラ、生涯忘れられない絶景となろう。
最後の急斜ピークからR252の水沼橋と只見川を見下ろす。下山口迄急斜面は残りひとつだ。        (スライドショー終)
6
最後の急斜ピークからR252の水沼橋と只見川を見下ろす。下山口迄急斜面は残りひとつだ。        (スライドショー終)

装備

個人装備
GPS 補助ロープ他

感想

1.今回の山は会越国境(県境)稜線にある標高900Mの無名峰です。地理院地形図で国土山と高陽山の間にある薮山で、地元では俗称「会津雪倉岳」と呼ばれているピークです。
2.狙いはこのピークの南方に連なる ”白いスラブの大岩壁” を至近距離から眺める為もので、一度は眺めてみたいと数年前から憧れていた秘峰です。大岩壁は俗称「毛無岩」と呼ばれる岩峰の南西斜面で、深い中ノ入沢へ一気に落ち込む巨大なスラブ斜面です。
3.ルートは木根沢(こねさわ)と中ノ入沢に挟まれた急峻な藪の細尾根を辿って会越国境線に上がり、そこから国境線を東方へ回り込んで南下接近します。近年は遭難死亡事故も発生して入山者は殆どいない(地元民談)とのことで、ルートの目印類は一切なく藪中に薄い踏み跡が所々残るのみです。(帰路最終ピークの下り500→400m間で軌跡をロストし復帰に難儀)
4.しかし急峻な細尾根のスリルや国境稜線上から一気に広がる会越特有のスラブの絶景等は他には望めない雄大さと美しさが有り期待通りの藪山でした。
5.天候にも恵まれ晴天下印象深い奥会津の山歩きを堪能出来ました。奥会津バンザイ!

追記:今回は会津名山案内さんの記録(2008年)を参考にさせて頂きました。また俗称毛無岩を同会津雪倉岳とする記録も有りました。    (完) 

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:706人

コメント

tonkaraさんこんにちは。
いつも、水沼橋からチラッと見えるスラブが気になっていました。会津雪倉岳と言うんですね。私には登れませんが、誰か登った方がいれば、その記録が見たいと思っていました。
そうしたら、tonkaraさんが上げてくれました。さすがtonkaraさんと思わず頷いてしまいました。とても、嬉しかったです。これからも会津の秘境のレコを楽しみにしています。
ありがとうございました。
2021/11/9 7:54
sinobunoさん、こんにちは

コメ有り難うございます。
sinobunoさんも気になっておられましたか。
実際に対面しその美しさに息を呑む思いでした。奥会津には雪食地形と称される山々が多く、周囲の赤い山肌に白いスラブはとても良く映えていました。
2021/11/9 8:21
どこを向いても崖マーク、奥会津の厳しい藪山への登頂、おめでとうございます!
スラブの上の通過など、ハラハラドキドキのレコですね。
このような細い急坂だと、残雪期は雪の付き方が不安定で、むしろ難しくなるでしょうか。
2021/11/9 19:43
kamadamさん、こんばんは

安全登山で時間を要しましたが、久し振りにリスキーな崖山歩きをしました。
恐らく尾根幅2〜3mの細尾根には風圧とスラブ肌から雪庇が堆積しないかも知れませんね。多少付着したとしても怖くてとても歩けないでしょうね。スラブは残雪の崩落リスクも大きいので要注意です。
2021/11/9 22:28
tonkaraさんこんばんは。
奥会津、山名も地形も気になるのですが我が越後側からはなかなかアプローチよろしくありません。
縦峰周辺も地形図を見るからに悪そうで、無雪のほうが安心して歩けそうですね。こちらの山行写真見ているだけでも緊張してくるようです。
近い様で遠い会越国境の記録、またたのしみに拝見させて頂きます。
2021/11/12 22:19
osm310さん、こんにちは

コメ有り難うございます。
会越国境の東(南)側は確かにアクセスが悪いですね。その分入山者は少ないのでosm310さんにも好まれる?山が残っているかも知れません。奥会津には小さな温泉や道の駅も散在していますから、たまにはゆっくり前泊(会津坂下IC近くの柳津等)してお訪ね下さい。高山は有りませんが、スラブ地形の中高山が沢山在ります。
2021/11/13 7:05
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。

ルートを登録する

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら