大弛峠から国師岳往復(スキー使用)(過去レコ)
- GPS
- 32:00
- 距離
- 11.3km
- 登り
- 1,175m
- 下り
- 66m
コースタイム
(21日)大弛小屋9:15‐11:05北奥千丈岳11:29‐12:23大弛小屋13:00‐13:57駐車地点
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2010年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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写真
装備
個人装備 |
兼用靴
山スキー板
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感想
大分前の記録だが、珍しいと思われるので掲載させていただく。奥秩父最奥の国師岳に峰越林道(川上牧丘線)からスキーでアプローチすることで、一泊二日で登ってみようと計画したものである。
(20日)早朝自宅を車で出発。川上は畑に雪がうっすらと積もっている程度だ。廻り目平との分岐に車を置き、スキーをかついで出発。5分ほどでスキーを履く。積雪2センチだが舗装道なのでシール歩行に問題はない。唐松林を抜け、針葉樹が混じってくる。林道が二股に分かれ、右側に「朝日峠」の標識が打ちつけられているところで、色気を出しショートカットしようと右に入ったが、間もなく行き詰まり引き返す。1時間と体力のロスだった。
気を取り直して、黒木と岳樺の混じる森の中をゆっくり登る。地味だが、雪が積もっていれば車道も不快ではない。積雪は80センチほどに増えているが、表面から5センチほどのところに氷結層があり、沈まないのでラッセルの苦労はない。スキーの威力を再認識する。それでも長いトラバースに脚の疲労は積もってくる。雨氷に包まれた木々の梢が青空をバックに輝き、気をまぎらしてくれる。朝日岳北尾根の岩峰群の眺めも目新しい。いよいよ行く手にこんもりと国師岳のドームが近づき、ひょっこりと大弛峠に飛び出す。安堵と達成感にしばし浸る。
大弛小屋は開放されており、屋根続きの別棟の中を湧き水が流れており、実にありがたい。この日は大変暖かく、一人でも快適な一夜を過ごせた。
(21日)快適さに寝過ごしてしまい、あわててラーメンをかき込み、出発する。登山道の切り開きを辿り、古いワカンの足跡をスキーで踏んでいく。雪は前日同様潜らないので助かる。樹林は濃く自由には歩けない。急傾斜や溝状になったところもあり、階段登行やキックターンを駆使し、樹の幹にすがっての腕力登りも使ってクリヤしていく。木道もあって、こんもりと雪の積もった一本橋を渡るようだ。
程なく「夢の庭園」との分岐に出て、行ってみると周囲が開け、眩しい陽光の下、銀の鯨のような金峰山や南アルプスの連山が圧倒的に広がる。分岐に戻り先を進むと、稜線に出る。一瞬の山スキー気分を味わいながら白い尾根を進み、前国師岳を過ぎて少し下り、分岐から北奥千丈岳を目指す。この辺りは傾斜が緩くなり、スキーで気持ちよく歩ける。空が広がり頂上に着く。朝日、金峰のグレーの山体が大きく、八ツ、北ア、浅間から上越の山並み、南ア全山までの大展望だ。
休憩の後、国師岳に向かう。雲がかかってしまったので長居せず帰路につく。シールは付けたまま踵解放で下る。狭い切り開きに沿っての下降は、横滑り、階段下降、キックターン、股制動、樹木制動?と、「山」スキーならではの技巧を総動員させられる。苦労しながらも40分ほどで小屋に帰り着いた。
湧き水で最後のコーヒーを一服。小屋前でシールを外し、そのまま樹林から林道へ滑り込む。前日のトレースが残っているので良く滑る。登りの苦労の跡を味わう間もなく、ぐんぐんと景色は流れ過ぎていく。谷間に入ると空気は冷えてスキーはさらに良く走る。峠から1時間で車に帰着した。
(総括)
・自由な滑走はできないが、スキーはラッセルの道具としては存分に威力を発揮した。
・林道の所要時間は雪の状態次第。この2年前に最初に挑戦した時は、脛半ばまでのラッセルで大弛小屋まで2日がかりで延べ9時間、下りに3時間を要した。
・林道の傾斜は緩く、登ってトレースを付けておかないと滑らない。
・大弛峠から国師岳まではスキーが有効かは微妙だ。登山道を直進するしかないので、潜る時は往生しそうだ。登りも下りも小技を要する。
・当たれば奥秩父核心部の雄大な雪景色を眺められる穴場コースだ。
2015年3月大弛峠から金峰山往復実施(別に報告あり。)
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