羊の皮を被った狼・栗駒山〜東栗駒山に雪シーズン到来!
- GPS
- 03:47
- 距離
- 7.0km
- 登り
- 522m
- 下り
- 504m
コースタイム
- 山行
- 3:24
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 3:44
過去天気図(気象庁) | 2021年11月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
宮城県最高峰の屏風岳を知らない人は多いが、紅葉のシーズンには大勢の観光客が押しかけクルマも人も大渋滞する栗駒山を知らない人はいないだろう。深田久弥氏が百名山に入れるかどうか迷ったすえ落選にした(東北では他に秋田駒ケ岳)二百名山。一般的な中央コースだと、石畳の整備されていてとても登りやすい観光客のたくさんくる「羊さんのようなお山」である。
また、コースが短く、かなり上までクルマで来られ山頂までの標高差が少ないこともあり、ガイドブックや山雑誌によっては、「雪山初級者向け」分類されるが、紅葉が終わり積雪シーズンになるとこの山は一変する。西からの強い風でホワイトアウト・ノートレースになることも多く、山行記録でも結構「山頂直前で撤退」「途中でホワイトアウト」が見られる、実は狼さんの山である(と私は個人的に思っている)。
その前のシーズン(2019〜2020冬)で、南アルプスや八ヶ岳の端っこのいわゆる関東に住んでる人の雪山初級コースを履修して最後に残雪期の谷川岳に登った私は、昨シーズン(2020〜2021冬)は拠点を仙台に移し東北の雪山にチャレンジしていた。10月中旬に予想外に早池峰山で初冠雪をくらって凍え「東北の冬山は甘くないよ…」って神様に言われたような気がしたが、その後の岩手山や八幡平はなんとかクリアし、12月中旬にこの山の登山を計画したとき、「コース定数12だし、ドンちゃんの雪山練習って感じかな…」とかなり舐めていたのである。
当日、駐車場は肌寒い曇り空、旧いこいの村駐車場からいわかがみ平まで舗装路をトボトボ歩き、基本のキ、中央コースを登っていると、風が強くて撤退する登山者と数名すれ違い、「はて、雪山初級者コースでねぇの…?」と山頂方向を見ると、雪が舞いよく見えない。森林限界を超えて進むと、「山頂200m手前でホワイトアウトで撤退してきた」というパーティーともすれ違い、やっと自分の置かれている状況に気づく始末。その後は、強風でトレースが無くなり膝までずぼ抜ける状態のなか、GPSとにらめっこしてやっとこさ山頂にたどり着き、速攻、写真を撮り下山したトラウマの山である。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2795138.html
ドンちゃんが早池峰山で足首をぐねり(大阪弁らしい)リハビリ中なので、今回は私が一人で(岩手山に続き)、前回のトラウマ解消登山に赴いたのであった。
今日のコンディションは、登山天気C/5、てんくらB/3、日中は晴れで天気は悪くないが風が強い予報。昨晩、旧いこいの村からいわががみ平までの舗装路は来週24日の午後に通行止めになるとサイトで確認してきたのに、高速を降りて広域情報板を見ると「積雪のため通行止め(しかも通行止めは赤字)」の表示。まじかぁ、去年みたいにまたあそこを歩かないといけないのかと結構凹んだが、現地に来てみると旧いこいの村駐車場にはクルマが一台も止まっておらずゲートが開いている。「ラッキー♪」。いわかがみ平で出発準備をしていると、隣のおじさんから「6時過ぎにゲートを開けてくれた」と教えてもらった。
実は金曜日の山行記録をアップされた方は「やばかった…。滑落すると死ぬかも…」、土曜日の方は「山頂稜線は強風で吹雪で激寒(稜線積雪は20〜30僉法山頂では写真とって即撤退。停まれば凍死しそう、自分は上下雨具仕様でしたが、冬山装備必須です。」と書かれていて、予定したいた秋装備から、第一級警戒体制を発動し、完全フル雪山装備(上下アウトシェル、雪山用ゲーター、雪山用登山靴、12本爪アイゼン、さらにワカンも)で臨み登りはなかなか良い天気のなか、中央コースをテクテク。途中から雪が増えてきて途中の看板のところからは完全雪山だったが、なんとかツボ足で登れた(少し踏み抜くところがあったのでワカンを履けば楽になるのはわかっていたけど、半年ぶりの雪山登りが楽しくてそのままズボズボ)。
看板から先、森林限界を過ぎ遮るものがなくなると山頂がきれいに見える。前回はほぼホワイトアウトしたがドンちゃんが「行ってみようよ…」といったのを思い出した。今日見ると、あぁ、こんなきれいな山なんだ、としばし見とれる。それと同時に風が強くなり、キャップからニット帽にとりかえておいてよかった(第一級警戒体制)。先行者のありがたい踏み跡があるが、ところどころで膝までズボズボ踏み抜き、ストックのスノーバスケットが役に立つ。風だけ強いものの、去年とは精神的な部分も含めて全く異なる次元で山頂まで到達できた。
山頂からは焼石岳の後ろに岩手山、鳥海山は頭の部分に雲がかかっていたが、周囲にわたり視界が開け大展望。一ヵ月違うので山頂標にえびの尻尾はできていなかったが、こういう景色をドンちゃんに見せたいんだよなぁ、という眺望だった。
余裕がありこのまま表コースを下るのは勿体なかったので、今回は東栗駒ルートに。分岐部でマタギのように長い木を一本ストック代わりに使うおじさんとすれ違う。下ってみてわかったが実はこのコース、思っていたよりずっと大変。もちろん、東栗駒山に登り返すので多少の大変さは頭に入れていたが、渡渉もあり沢沿いを下りていき、また登山口までの下りも残雪融雪期のようにコースに雪解け水が流れていて足場も悪く、中央コースのようにフラットでは全然ない。
これを登ってくるのは大変だろうなぁ、と思っていたら登山口でそのマタギおじさんとバッタリ。この方、下りは中央コースを使ったとのことで速い…。それだけ中央コースのほうが楽々コースなんだけど、しっかり積雪するまでは東栗駒コースはご注意ください。
今日は、白い雪、青い空、そしてズボズボ踏み抜く感じ、雪山用登山靴の重さやソールの硬さ、夏山とは違った下山後のけだるさ、半年で忘れていた雪山の楽しさと大変さを思い出した、トラウマ解消登山となりました。帰りにハイルザーム栗駒で日帰り温泉(@850円)に浸かってほっこり。
コース定数はヤマケイのヤマタイムで(下山は東栗駒コースなので)17。でも、好天でも風が強く、曇天の場合は非常に寒くなりますので、これからは冬山装備をお勧めします。(金曜、土曜に記録をアップしていただいた方、本当にありがとうございました。)
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