雪に埋もれた丹沢山(蛭ヶ岳を目指したけれど、積雪に阻まれ無念の撤退!)


- GPS
- 09:33
- 距離
- 17.9km
- 登り
- 1,661m
- 下り
- 1,643m
コースタイム
5:43 観音茶屋
6:00 見晴茶屋
6:28 駒止茶屋
6:49 堀山の家
7:26 花立山荘
7:50 金冷やし
8:10 塔ノ岳山頂 ~8:19
10:00 丹沢山山頂 休憩~10:40
12:05 塔ノ岳山頂
12:40 花立山荘 休憩~13:00
13:15 堀山の家
13:30 駒止茶屋
13:45 見晴茶屋
14:00 観音茶屋
14:35 大倉BS
天候 | 快晴。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
※今回のような特殊状況に限ります。 ◆大倉~花立山荘 積雪も歩行に影響するほどはなかったので危険箇所ありませんでした。 ◆花立山荘~塔ノ岳 やや雪が多くなり、アイゼンがあったほうが安心 ◆塔ノ岳~丹沢山 ほぼ新雪の箇所を通ったのでルートが不明瞭です。木道の位置が分かりにくく、踏み外すと腰辺りまで雪にもぐる箇所もありました。やせ尾根もあるので滑落が怖い。 (ただ、今回の復路のように既にトレースが出来ている場合は比較的安全) |
写真
感想
丹沢には何度か行っているものの、登山口から遠すぎて未だ到達できていない蛭ヶ岳、今回はちゃんと頂上を目指してみようと、日の出前から登山開始とすべく大倉バス停に向かうことにしました。
作戦としては、大倉から塔ノ岳までを3時間で消化、丹沢山までさらに1時間で行けることは以前経験済みなのでココまでで4時間を見込みます。丹沢山~蛭ヶ岳間は未経験ですが、手持ちの地図によるとコースタイムは往復4時間程度のようです。
この地図のタイム全般と自分の速度を照らすと、私の脚の方がやや早いようですので、おそらく3時間30分で行けるでしょう。
丹沢山から塔ノ岳までは往路と同じ1時間、塔ノ岳からの下山は2時間30分以内を見込めば余裕ですので行動時間は11時間。
5:30出発で、16:00下山。途中休憩を考えても16:30ごろの日没前後には下山可能というプランです。
完璧なスケジューリングだと思っていたんですよ、このときは。
そう、まさかあんな状況だとは知る由もなく。。。
早朝5時過ぎ、大倉の有料パーキングに車を停めて登山準備を進めます。誰もいないかと思いきや既に数台が停まっていました。大倉からの登り始めは完全に夜間登山ですのでヘッドライトを点けて慎重に足元を確認して進みます。前日の雨で登山道は濡れていましたし。他の登山者の光は全く見えませんでした。幸いにして暗闇自体への恐怖感はあまりないのでペースを落とさずに進めます。
見晴茶屋を過ぎたあたりで明るくなり始め、同時にうっすらと雪が目立ち始めます。堀山の家の辺りでは2cmくらいの積雪が道を覆っていました。まだ歩行へ影響するほどでもなかったので大して気にもしませんでしたが、花立山荘あたりで、ちょっと雪が多いかなと思いアイゼンを着装。念のためと買ってから2ヶ月近く使う機会のなかったアイゼンの初陣です。持って行くか迷ったアイゼンですが、今日は持っていって正解でした。
雪中ハイキングだと軽く考えていたものの登るほどに積雪は増え、あれよあれよと言う間に登山道は完全に雪道に。ふかふかの新雪は爪がかからないのでアイゼンの効果の程はよく分かりませんでしたが、滑らないという安心感から雪道でも足を動かしやすい気がしました。
塔ノ岳山頂は完全に雪原。山荘の方が雪かきをしていました。聞けば、12月の雪にしては10年ぶりくらいの積雪量だとのこと。
山頂からは、パーフェクトに明瞭な富士山が見えました。実は私、毎回曇がちだったので塔ノ岳から富士山を眺めるのは初体験。これは山頂標柱と一緒に富士山を撮影しなけらば、と立ち位置を下がったら、ズボッと雪原を踏み抜き膝上まで雪が達するまで沈み込みました。一様に見えて雪の厚みはまちまちのようですね。これも良い勉強になりました。
とりあえず雪にはびっくりしましたが、この時点では計画通りの3時間以内の塔ノ岳到着。なんとかなるかもと期待してさらに進んだものの、丹沢山への道のりは期待を打ち砕く分厚い雪道でした。一応先行者(2,3人?)の足跡を辿っていけたのですが、この先行者の方、どうも途中でスノーシューに履き替えたようで足跡トレースに難航するように。何しろスノーシューの足跡に乗るとアイゼンは確実に踏み抜いてしまうのですからツボ足となんら変わりません。場所によっては腿まで埋まるような沈みかたをして、苦労して這い出る始末。踏み抜いた拍子に足を捻らないかとか、スパッツの隙間から靴に進入した雪で足を冷やしすぎないかとか緊張しながらの行動になりました。
途中ですれ違った、前日小屋泊のご夫婦が道を踏みならしておいてくれたおかげで途中から歩行ペースは多少戻りましたが、丹沢山到着は予定より50分遅れの10時。1時間を見込んでいたところが雪のおかげで1時間50分になったことになります。さらに悪いことに、聞いた話によると「蛭ヶ岳方面へ向かった人はまだいないからラッセルが必要だよ」とのこと。他の人が踏み固めてくれたルートで後半助けてもらってさえこれだけの遅れ。ラッセルしながらだとコースタイム4時間の道のりに要する時間って、5時間?6時間? そもそも体力もつのかい?
・・・仮にコースタイムどおり4時間で往復できたとして丹沢山に14:00着。塔ノ岳への戻りも1時間50分要するとして塔ノ岳15:50。ちょっとは休憩も必要だろうし16時をかなり過ぎる恐れも。雪が残った下山路で日没を迎えちゃうかな・・・うーん。
蛭ヶ岳往復で時間を要したらさらに時間は厳しいし、そもそも時間を気にして焦って行動すると滑落したり怪我したりするかもしれないし
結局、雪山経験がない自分が装備不十分で知らないルートに突入するのは遭難一歩手前だと判断して、ここで撤退を決意。
蛭ヶ岳に登るのは残念だけどまた今度。
そうと決まれば、みやま山荘でゆっくりと休憩してから下山にかかります。
(どんなもんかな、とちょっとだけ蛭ヶ岳方面への登山路に出てみましたが予想通りの新雪で、スノーシューの足跡1人分しかありませんでした。)
休憩中、丹沢山へ来る登山者もちらほら増えてきたので、下山では先ほどの雪道も随分と締まって歩きやすくなっていました。それでも無雪期ほどの歩行速度は出ませんでしたけれどね。
昼頃のため人がいっぱいの塔ノ岳を過ぎ、花立山荘へ向かうルートは雪が踏み固められすぎてツルツルに。履いてて良かった10本爪。アイゼンの効果は新雪よりもむしろこういう固められた雪面で実感できますね。
花立山荘で特製とん汁と対面し、アイゼンを外して引き続き下山。大倉尾根の大部分の雪は日照で溶かされてしまったようです。ただ、その後の路面は泥濘そのものでしたが。
結局、撤退開始の時間が早かったこともあって14時半ごろに下山完了。
下山後、日帰り入浴の湯花楽秦野へ立寄って帰途につきました。
今回は初めての雪山遭遇、そして山登りをする人であればいつかは経験する途中撤退というケースを体験しました。
天気もよく風もなく気温も最適だったので、もったいないという気持ちは下山中も捨て切れませんでしたが、おそらくこれで良かったんだと思います。遭難ドキュメント等に照らしても「行ける所までは行ってみよう」は危ないですしね。
雪山に阻まれて帰る羽目になりはしましたが、雪をかぶった丹沢の景観はキレイだと思いました。富士山も終始くっきりと見えましたし。
あとはスパッツの重要性。ツボ足に苦戦して初めて実感できましたよ。スパッツがなかったら靴から靴下から雪が入り放題で支障が出ていたでしょうし。
さて今回で雪に閉ざされてしまいましたし、蛭ヶ岳登頂できるのはいつになるでしょうか・・・
思うところをそのまま書きますがご容赦を。
自分は山登りして(丹沢歩き?)1年になるのであなたより長いのですが、でも自分より知識があります。断腸の思いの撤退英断が良い結果に繋がったと思います素晴しいと思います。
でも雪の降った12月20日は大変な強風が吹き荒れた日でありました。一般ルートでも倒木や、もし雪でない場合は土砂崩れが起きている・起きるかもしれないですので、自分は荒天の翌日は近寄らないようにしています、、荒天の翌日に現場に近寄らないほうがいいです。
文面からアタマが柔らかいと思うのでこんなことを書いていますスイマせん
無事帰還と素晴しい写真乙ですよ
Honocaさん 始めまして。
ご指摘のとおり、危険な状況になっていてもおかしくない日でした。何事もなかったのは単に運がよかっただけですね。
前日に雨、雪が降ったのは知っていましたが軽く考えていた部分があり、事前の状況確認が不十分だったと思います。
気軽に行ける山でも、ちょっと天候が変わるだけで全く別物になるってことが身に沁みましたよ
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