雲取山〜赤指山〜尾平山☆雪の山頂から陽だまりの尾根へ

- GPS
- 07:32
- 距離
- 24.9km
- 登り
- 2,003m
- 下り
- 1,984m
コースタイム
- 山行
- 6:53
- 休憩
- 0:37
- 合計
- 7:30
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2022年01月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
写真
感想
1/6日に東京の都心でも10cm程の積雪をもたらした低気圧は奥多摩のあたりではほとんど雪を降らせなかったようだ。それなりの降雪があったと思われる丹沢と迷ったが、久しぶりに雲取山に出かけることにする。以前、雲取山に登ったのは高校時代、奥多摩から石尾根を縦走して雲取山荘に泊まり翌日に長沢背稜を延々と縦走するというコース取りだった。日帰りのメジャー・コースである鴨沢から
青梅から奥多摩行きの電車に乗り込むのはもっぱら登山者ばかりである。奥多摩駅で小菅の湯行きのバスには登山者が十数人ほど乗り込んだ。留浦では他に二人のカップルが下車される。ところで、この留浦は「とずら」と国土地理院の地図でも読み仮名が記されているが、漢字からは到底、予測不能な難読地名だろう。
登山口のある鴨沢までは歩いて数分の距離だ。早速にも登山客を乗せたタクシーが追い越してゆく。林道を登ったところに丹波山村の村営駐車場があるが、そこまでは林道をショートカットする登山道を歩く。村営駐車場にはすでに10台以上の車が停められている。さすがは人気の山だ。
ところでこの丹波山という名称、京都に住む私は京都の大部分が属する丹波(たんば)の国があるので、つい「たんばさん」と読んでしまうが、「たばやま」と読むのが正解だ。
登山道に入るとなだらかなトラバース道が続く。植林と落葉した自然林が交互に現れる。落葉した自然林には朝陽が差し込み、植林の中とは対照的に明るい。樹間からは谷を取り巻く自然林の彼方に澄んだ蒼い空が広がっているのが見える。
七ツ石小屋が近くになると、勾配が増すし、足元には岩が多く現れるようになる。ほとんどの岩石は石灰岩のようだ。よくよく見ると石灰岩特有の凹面が見られる。
七ツ石小屋にたどり着くと小屋の裏手からは富士山の雄大な展望が飛び込む。この日も前日に続き絶好の快晴が広がっている。丁度、大きなリュックを背負った若者三人が出発されるところであった。お泊まりですか・・・とお伺いすると1月の降雪の後の情報により冬装備を色々と詰め込んで来られたとのことだった。
小屋を出発するとすぐにも水場がある。細いけれども水は流れており、ここで喉を潤す。水場からは七ツ石山をトラバースする巻道と山頂を通過する道の分岐となるが後者を選択する。
七ツ石山の手前には真新しい祠があり、その背後には大きな岩がある。七ツ石神社と呼ばれるところだ。藤原秀郷に射抜かれた平将門の七人の従者が岩に化身したという伝説が山名の由来らしい。狛犬にあまり着目しなかったが、狛犬は珍しく狼らしい。
山頂からは富士山の展望と北西にこれから辿る雲取山にかけての広々とした稜線が目に入る。山頂の北西を降りる登山道ではわずかばかりの雪が残っているが、雪が凍結しており、下手に雪の上に足を載せると滑りそうになる。距離はわずかなので足場を慎重に選んで通過する。
斜面からは左手に南アルプスの展望が広がり、北は甲斐駒ヶ岳から南部の荒川岳、赤石岳、聖岳に至るまで雪を戴いたピークが連なっているのが見える。
ここからはしばらくは樹木が切り開かれて草原状の広々とした尾根が続き、終始、南側に好展望を眺めながら緩やかに高度を上げてゆく。富士山と南アルプスの間には昨日訪れた大菩薩嶺がなだらかなシルエットを見せている。
広々とした尾根上のヘリポートを過ぎ、ヨモギの頭を通過するとしばらくは美しい林相の落葉松の樹林がなだらかな尾根に広がる。落葉松がまばらに生える笹原を登り小雲取山に至るとようやく登山道が雪に覆われるようになる。
目指す雲取山の山頂直下には避難小屋が目に入る。欧風のロッジのような瀟洒な作りなので遠目には避難小屋というのが信じられないほどだ。まずは避難小屋を通過して山頂を訪れる。
山頂付近は風があることを覚悟してはいたが、ほとんど風のない絶好の好天だ。富士山の東の方角は雲が多く、どうやら丹沢のあたりには雲がかかっているようだ。
東の方角には東京の上空は褐色がかった霞がかかっている。丁度今頃、子供達がスカイツリーに上っているはずだ。あとで子供達に聞いたところでは霞のせいで富士山すらよく見えなかったとのことだった。大雪の後ということもあって道路から立ち上る粉塵が多かったのだろうか。
丁度、避難小屋の庇の下のベンチが空いたので暖かい陽射しを浴びながら実家の母が用意してくれた弁当を広げる。先ほどの七ツ石小屋でお遭いした若い三人組も到着される。大きなリュックの割には快足で登って来られたようだ。
下山路は登りのルートを下るとバスの待ち時間を持て余すと思われたので、下山は小袖川の左岸尾根を下ることにする。七ツ石山の次のピーク、ジャンクション・ピークとなるp1704は千本ツツジと呼ばれるところらしい。七ツ石山からこの千本ツツジにかけても広々としたい快適な尾根が続き、まるで落葉松のプロムナードといった雰囲気だ。尾根から南側には富士山の好展望が続く。
千本ツツジのピークに達すると高丸山の方から単独行の若い男性が登って来られるところだった。奥多摩から石尾根を縦走して来られたらしい。雲取山まで登られて日帰りで下山の予定らしい。
千本ツツジからの南尾根には明瞭な道が続いているが、まもなく植林の中へと入ってゆく。尾根の西側は自然林となっているので、午後の陽射しによる暖かい陽だまりが続く。
尾根上のピーク、赤指山の一帯はなだらかな台地状になっており、三角点の手前に赤指山最高点と記されたプレートが変形した樹に掛けられていた。赤指山の三角点の傍にも古びた山名標が掛けられているが、いずれもプレートがなければ気がつかずに通り過ぎてしまいそうなところだ。
赤指山の山頂の南からは尾根上に林道が通じており、林道に下降する案内標がある。構わず尾根を進み続けるが、意外にもアップダウンがあり、林道を進むことにする。しかし、ウエンタワと記されたピークが近づくと広々とした尾根の自然林の雰囲気が素晴らしく、林道を外れて尾根を歩いてみる。
ウエンタワのピークを過ぎると広々とした尾根の樹にはところどころにテープによるマーキンがあるが、完全に踏み跡はなくなる。林道と交差すると再び尾根の形が明瞭になる。地図で船窪峠と記されたあたりには峠の名残りは明らかではなく、プレートの類いも見当たらなかったが、尾根の北側にはほぼ典型的な船窪地形が広がっていることにその名称は由来するのだろう。
鞍部を過ぎて留浦への分岐となる小ピークにかけてはここでも落葉松の綺麗な樹林が広がっている。ピークには尾平山北峰と記された山名標がある。まだ時間には余裕があると読んで、尾平山の本峰を訪れる。
尾平山からは植林の作業道を歩いて南側斜面をトラバースする。先ほどの北峰からの尾根に乗ると尾根上には明瞭な掘割の古道が続いている。古道には落葉が堆積しているが、掘割の縁にも踏み跡があり、順調に尾根を下降することが出来る。
尾根の末端には小さな祠があり、おそらくは留浦集落の氏神が祀られているのだろう。祠から集落に向かって降りて行くと下から集落の方が登って来られる。普段は滅多に登山者は通らないのだろう、驚かれた様子で「どちらから来られた?」と聞かれる。雲取山からとお答えすると「道が荒れていたでしょう」と笑いながら仰る。
「いえ、しっかりしたいい道が続いておりました」とお答えする。実際、このまま人が通らなくなって荒廃してしまうのは勿体ないような道だと思われる。植林や林道の区間はあるものの、尾根の雰囲気という意味においては登りの一般登山道よりも遥かに変化に富むルートだろう。
留浦のバス停に到着したのは15時31分、バス停には他には人影は見当たらなかった。この留浦で折り返す小菅の湯からのバスが35分に到着する。雪は思ったより少なかったものの、冬の奥多摩の魅力を満喫した一日だった。
山猫















京都の雲取山よりずっと厳しそうですね
25劼篭辰です
京都の同名の秀峰にはよく雲を掴みに行くのですが、久しぶりに登った東京の雲取山には雲はありませんでした
本当は奥多摩まで石尾根を縦走したかったのですが、実家への帰宅が遅くなると実家に預けた長女から怒られることが目に見えていたので諦めることにしました(~_~;)
今年もどこかのお山にご一緒させて頂けるのを楽しみにしております。
本年もどうぞ宜しくお願い致します m(_ _)m
おめでとうございます
こちらこそよろしくお願いいたします
ご挨拶遅れました m(__)m
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