雨飾山 前沢奥壁ダイレクト 左ルンゼ/右スラブ滑走 (仮)
- GPS
- 10:35
- 距離
- 15.9km
- 登り
- 1,618m
- 下り
- 1,594m
コースタイム
天候 | 晴れ、山頂付近は少し風あり。15時頃よりガスが上がってきた。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
全体的に50cm程の新雪ラッセル。稜線は風の影響で雪は固い。この3年では積雪量はかなり多いと思います。 |
その他周辺情報 | 道の駅は温泉食事とも休止中 |
写真
感想
雨飾山の南面に広がる前沢奥壁。小谷の標高1900m台の山とは思えない威容で、白馬や大渚山から眺める度に気になっていた。
前沢奥壁は2007年に右ルンゼが滑られているのは知っていたが、山頂からの滑走記録は未だに無い。山頂からのダイレクト滑走は数年に渡って課題として暖め、チャンスが来るのを待ち続けていた。
22年の1月は平日に雪が降り、週末に冷え込んだ晴れが来るという当たり月。斜度や標高から考えるとパウダーの時期が最適期と考えていたので、ストーム後の晴れ、それも気温の低い日を逃すわけにはいかないと考えていた。
予報を見た時点で家族と相談して週末のファミリースキーの予定を変更()。心配なのは降りすぎた雪の安定性だが…これは行ってみないと分からない。
出戻りも覚悟していた山行だが、結果的には好条件を掴んで初滑走をモノにする事ができた。一緒に行ってくれる力強いメンバーがいなければ成し遂げることはできなかった山行。思い出に残る登山になりました。
■メモ
・記録がなく、核心部の状況が不明なためプロテクションとしてスクリュー、ハーケン、イボイノシシを持参した。(結果的には使用せず)基本的には不要だが、斜面方位や標高的に草付きが多いので持って行くならイボイノシシか?
・昇温による雪崩リスクや雪質変化を考えると気温の低い日に早出で狙うのが良いと思う。
昨年の荒菅沢に続いて4回目となる雨飾山。今回はhatchさんが以前より狙っていた、雨飾山ピークから前沢奥壁を滑る記録のないライン。
未知のラインを素晴らしいコンディションで滑走する事が出来ました。
朝の白馬コンビニ時点では平地で−18℃とかなり冷え込んでいたものの、日中帯は気温が上がり安定している予報。
平日の間に小谷村で50cmくらい新雪が積もっており、天気は良いものの雪のコンディションは極めて難しいと思われましたが、悪い場合には他ルートにエスケープする形で入山。
林道開始点からフルラッセルでしたが、全体的に順調に進み11時半前にはピークへ。2ルートそれぞれで入念にピットチェックしました。斜面方位によってバラつきはあるものの、概ね安定している模様でエントリーする事に。
右スラブ側のラインではファーストピッチの斜面をロープ確保してスキーカットし、更に雪の状況を確認。結果かなり安定していました。
雪はパウダーで素晴らしいコンディション。中央リッジでリグループして右スラブ側にエントリーすると雪は少し悪くなりましたが、懸念していた滝などの地形が出て来ることもなく快適な滑走に。最後の喉部分を通過すると開けた大斜面になり、最後に最高の雪を楽しみつつボトムまで。
計画段階から滑走まで緊張しっぱなしでしたが、無事に滑りきる事が出来て本当に良かったです。
3年前、山スキーを始めたばかりの頃にはっちさんと荒菅沢を目指した時、うっすら聞いていた前沢奥壁の計画。
当初、というよりごく最近まで全く想像がつかず、今回お誘いをいただいてからもなかなかに悩みました。
壁の写真をもらって、ラインを考えると二本魅力的なラインが見え、特にスキーヤーズライトのラインは綺麗なフェイス面、傾斜的に行けるかどうかギリギリな極めて唆られるもので、とにかくここを滑りたいとどんどん気持ちが高まっていました。
当日は過去三日間で50cmオーバーの積雪とやや降りすぎなコンディション。
荒菅沢への下降はいつも通り最高な雪質。低温すぎたこともあり、急斜面に入るには焼結具合がちょっと足らないなと感じました。
その後稜線に向けて歩いていると風下側はスパスパ切れやすいコンディション。
山頂に着いてからは滑る斜面の方位変化が激しかったので色んなところで積雪を観察しました。
当初狙っていたラインは核心の急傾斜に入る出だしがノール地形でこれまでの積雪観察から個人的にはリスクが許容できなさそうな感じ。watarunrunはそのままスキーヤーズライトを狙うとのことでしたが自分はレフトを狙うことに変更。
watarunrunの滑りや無線からの情報で想像以上に焼結が進み実際の雪はかなり安定化していたようでした。
いざ自分の番になると、やはり当初から惚れていたライトのラインをどうしても滑りたかったのでまたもや計画変更。丁寧に雪質を感じながら思い描いていたラインを引けて結果最高な体験をすることができました。
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