ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 3941840
全員に公開
雪山ハイキング
東海

【美濃】新巣山の謎(1142m)高時山(1086m)

2022年01月23日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
2
日帰りが可能
GPS
08:09
距離
11.0km
登り
655m
下り
654m
歩くペース
ゆっくり
1.61.7
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
7:19
休憩
0:42
合計
8:01
7:50
181
10:51
11:00
117
新巣山候補の1142ピーク
12:57
13:30
140
15:50
15:50
1
15:51
ゴール地点
◆周辺には高時山の名前を持つ山が三山ある
高時山 (恵那郡加子母村)1564m
高時山 (中津川市福岡町と付知町の堺)1086m <頂上に高時神社がある>
高土幾山(中津川市旧山口村と南木曽町の堺)1038m

◆興味深い事実がある
寒陽気山の点名が新巣!
寒陽気山の西南の931mピークの点名が実は寒陽気!
新巣山(974m)の点名は越原(おっぱら)なので、大明神からの呼称と思われる
過去天気図(気象庁) 2022年01月の天気図
アクセス
新しい朝があける
今日は新巣山の謎解き山行Part1
新しい朝があける
今日は新巣山の謎解き山行Part1
切越峠の南の林道支線から
切り開きをたどる
切越峠の南の林道支線から
切り開きをたどる
振り返ると笠置山が見える
振り返ると笠置山が見える
わちゃわちゃ登ると
柏原三角点
わちゃわちゃ登ると
柏原三角点
木々を透かして白鳥(1088m)が見える
木々を透かして白鳥(1088m)が見える
木曽五木の展示林を歩く
木曽五木の展示林を歩く
コウヤマキや
アスナロの大々が
岩に絡む
コウヤマキや
アスナロの大々が
岩に絡む
ほらほら
キタキタキタ
ほらほら
キタキタキタ
こういう中途半端なヤブは厄介
こういう中途半端なヤブは厄介
地味に体力を奪われる
地味に体力を奪われる
1156最高点は
ピンテ巻きの刑
ここも
そこも
あそこも
1156最高点は
ピンテ巻きの刑
ここも
そこも
あそこも
リョウブの美肌になごむ
リョウブの美肌になごむ
御嶽・小秀・新巣・御前山
御嶽・小秀・新巣・御前山
位山三山・寒陽気
位山三山・寒陽気
いよいよ1142ピーク
果たしてここが
越原の新巣山なのか
いよいよ1142ピーク
果たしてここが
越原の新巣山なのか
それを証明するかのように
境界杭が林立している
確かに
3町村界からのルートを集めて
重要ポイントには違いない
それを証明するかのように
境界杭が林立している
確かに
3町村界からのルートを集めて
重要ポイントには違いない
どこかで目にした
山名標があった
どこかで目にした
山名標があった
裏側には相変わらず
凝ったイラストが施されてる
裏側には相変わらず
凝ったイラストが施されてる
動物たちの足跡を追って
先を急ぐ
動物たちの足跡を追って
先を急ぐ
天岩を通り過ぎて
高時山への尾根に乗り替えた
天岩を通り過ぎて
高時山への尾根に乗り替えた
鞍部付近に
カスミ網と
おとりのケージ
鞍部付近に
カスミ網と
おとりのケージ
その数3つを数えた
その数3つを数えた
登り返すと
高時山の山頂が見えてくる
登り返すと
高時山の山頂が見えてくる
高時神社の鳥居
山頂の祠に綿帽子
山頂の祠に綿帽子
高時山の三角点を
掘り出してみる
高時山の三角点を
掘り出してみる
二ッ森山だね
奥三界・井出小路山・右はしに南木曾
奥三界・井出小路山・右はしに南木曾
東尾根を使って下山にかかる
東尾根を使って下山にかかる
ルートはやがて南寄りになる
ルートはやがて南寄りになる
ヤブを避けて沢型に降り
岩の脇をすり抜けると
ヤブを避けて沢型に降り
岩の脇をすり抜けると
林道が見えてきた
林道が見えてきた
かかりき峠方向に歩くと
登山口の目印があった
かかりき峠方向に歩くと
登山口の目印があった
登山ルートを切った跡が見える
登山ルートを切った跡が見える
林道脇のギャラリーだ
林道脇のギャラリーだ
自然の造ったアート
自然の造ったアート
しばし時を忘れる
しばし時を忘れる
恵北林道を歩くうち
恵北林道を歩くうち
雪がはらはら舞い始めた
雪がはらはら舞い始めた
ようやく切越峠
これにて
謎解き山行第1部の終了
新巣山候補の1146ピーク
踏査完了です
ようやく切越峠
これにて
謎解き山行第1部の終了
新巣山候補の1146ピーク
踏査完了です

感想

<「新巣山」ってどの山?>

「新巣山」の名前は「苗場藩主がタカ狩り用のヒナを捕まえるための山で、タカが巣をかけそうな深山」=「御巣山」に由来しています。

苗木藩仕置法度(1649年)によると、付知川流域の福岡にある「高山」「柏原」地区では、周辺域を「御巣鷹山」と呼んでいます。白川「御巣鷹山」エリアを指して「新巣山」と呼んでいたわけですね。

でも、その新巣山が、一体どの山なのかについては、色んなとらえ方があります。『岐阜百山』を開いてみると、大明神の村人から「あれ(国土地理院の地形図上の新巣山)は新巣山ではない」と否定された、と書かれています。

果たして、私やあなたが登った山は「新巣山」なのか。それが「新巣山」でないとしたら、どこが「新巣山」なのか・・・

『岐阜百山』を読み返すと、次の三つを候補が見えてきます。

 々淵から北を仰ぐ位置にある984m(点名;津賀立) <根拠は付知町史>
 寒陽気山そのもの <根拠は点名自体が新巣>
 4陽気山の東、恵那郡福岡町境の無名峰1114m <根拠は東白川村史>

ところが困ったことに、に関しては該当する標高の山が存在しません。ならばは一体、どのピーク?


<謎解きの始まり>

地図を見ながら、付知川との分水嶺を作っている福岡町と東白川村の町村界尾根に注目してみました。

町界尾根の南側は、飛騨川の支流である「白川」「黒川」「赤川」の流域になっています。白川町の名はこの「白川」に由来します。その上流にあるのが、東白川村ですね。

さて、白川には「大明神川」と呼ばれる大きな支流があります。そこに展開する集落が、越原地区の「黒淵」と「大明神」です。

この地区では、周辺の11ヶ所を総称して「御巣山」と呼んでいます。それを裏づけるように、大明神川の最上流部に位置する「寒陽気山」の点名は「新巣」。大明神川流域では「越原(おっぱら)区内」の国有林と「神土(かんど)区内」の村有林一体も合わせて「新巣」と呼んでいます。う〜ん、謎が深まりましたね。


<の候補を絞り込んでみる>

仮説ですが、「新巣山」とは特定の山ではなく、付知川と大明神川をめぐる集落群の後背山地全体を指すのではないでしょうか。特定のピークに「新巣山」を名乗らせるのは、行政や登山者の強い思い入れであって、そもそも無理があるのかもしれません。

そうは言いつつ、気になるのは『岐阜百山』に登場する正体不明の「1114m峰」です。その正体は・・・?

地図上で目立つのは、最高点の1156mピーク。しかし、福岡町・東白川村・白川町の三つの「行政区界」をなす1142m無名峰の方が、より重要な位置にあるのがわかります。そこで、を次のように書き換えてみました。

 「白川町」「東白川村」「中津川市福岡町」の町村界にある1142mピーク

この目で確かめるため、さっそく山行を組みました。まず、切越峠を起点に柏原三角点を踏む。それから、最高点の1156m峰と、新巣山の候補である1142mを結んで歩く。そして高時山(福岡・付知町界)の山頂神社に詣でてから、切越峠に戻ろう。


<切越峠〜1156m>

峠から林道支線南縁の切り開きへ。三角点峰が現れる。点名が「柏原」なので、福岡町側に地権があるのか。笠置山や白鳥三角点を透かして、最初の休憩を取る。

コウヤマキやアスナロ、木曽五木を眺めて歩く。雪の重みに耐えるリョウブが美しい。楽勝とも思われた尾根歩き。だが、1156m最高点を待たずして、笹ヤブに飲み込まれる。

こういう中途半端なやつが一番厄介だ。ヤブを分けたり踏みしだいて進む。シカやウサギの足跡を追って、前へ前へと攻めていく。

黙々と起伏をたどると「テープぐるぐる巻きの刑」に処せられたヒノキが立っていた。そこが1156m最高地点だった。

何とも無骨で愛想もない山頂だけど、そもそもこのヒノキたちは、人を癒そうなどというサービス業についているわけでもない。

<1156m〜1142m>

ヤブがくくり罠みたいだ。足を踏み入れると、笹の根っこに絡まった。バランスを崩して、雪まみれでヤブに転がる私。まるでヌタバでもがくイノシシだ。私に似合うのはヌタバではなく、スタバなのに(意味不明)。

樹間には御嶽山・小秀山・新巣山・御前山・川上岳・寒陽気山。やがて「新巣山候補」の1142m峰に立った。「白川町・赤原町有林」の杭に、境界杭たち。やはり、ここは三町村それぞれのルートの集める重要ポイントだった。「新巣山」の可能性は濃い。

見渡すと、とある山名標が目についた。丁寧に作られた「まぼろしの山」の標識だった。いわくありげだが、根拠や出典という話になると、うーむ。見なかったことにしておく。


<1142m〜高時山〜切越峠>

再び動物の足跡を追って起伏をたどる。天岩を経て1023標高点へ。ここで高時山への尾根に乗り換えた。

高時山とのコルに降りていく。カスミ網の痕がある!おとり用の巣箱も三箱を数えた・・・さあ、高時山に登り返そう。

山頂の鳥居の前には祠が立ち、神さまが祀られていた。こじんまりとして、居心地の良い山頂。こういうのはすごく好きだ。

ひときわ大きくそびえ立つ二ッ森山。木曽駒は留守だった。御嶽は、真っ白な裾野だけで愛想なし。あれが南木曾岳・奥三界山・井出ノ小路山・・・その左が小秀山や御前山。

さあさあ下山。東尾根をたどるうち、ルートは自然と南向きになっていく。緩やかな斜面を選び、ヤブを避けるうち、最後は沢型をたどって林道に飛び出した。

満たされた気分。いつしか雪模様になった。思わず首をすくめる。冬は冬らしく・・・かな?

※続編はPart2へ

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:164人

コメント

まだコメントはありません
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。

ルートを登録する

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら