雪上歩荷トレ 鋸山、大岳山
- GPS
- 08:48
- 距離
- 11.2km
- 登り
- 1,313m
- 下り
- 1,337m
コースタイム
このルートはGPSロガーでトレースしています
※2
重荷を背負っているため、途中で頻繁に立ち止まっています。
コースタイムは、とりわけ鋸尾根(奥多摩駅〜鋸山)は
エアリアのそれ(2時間20分)から大幅に遅れており、
全くあてになりません。
累計時間 区間時間 時刻 場所
00:00 0:00 0810 奥多摩駅
00:40 0:40 0850 愛宕神社
01:35 0:55 0945 726m三角点(〜0952)
03:12 1:37 1122 1046m三角点
03:36 0:24 1146 鋸山(〜1200)
05:41 2:05 1405 大岳山(〜1425)
07:39 1:58 1623 白倉林道終点
07:56 0:17 1640 白倉バス停(下山)
当初は大岳山から馬頭刈尾根を縦走して瀬音の湯へ下りる予定でしたが
時間切れに伴い白倉へエスケープ。
計画では、エスケープは御岳ケーブルを利用することになっていましたが、
大岳山との標高差が少ないのがちょっと納得いかなかったのと、
どうしても瀬音の湯に入りたかった(理由は下記)ので、
バスで瀬音の湯にアクセスできる白倉へ下山することを選択しました。
天候 | 10時まで 晴時々曇(雲量3〜7) 14時まで 曇時々晴(雲量8〜10) それ以降 快晴(雲量1) 南西寄りの風がやや強し |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
↓(青梅線) 奥多摩駅 駅前の通りを青梅街道に向かい、 青梅街道を横切って直進、橋(氷川大橋)を渡り、 すぐ右側が鋸山登山口。駅から6〜7分。 ※橋の先のすぐ左にある町営氷川駐車場は3/31まで無料開放中。 http://www.okutamas.co.jp/hikawa/ 【復路】 白倉バス停 ↓(西東京バス) 武蔵五日市駅 ↓(五日市線) 白倉バス停は白倉林道終点からの標識に従って歩き、 下山してすぐ左手(10mくらい)にある。 道路向かいに商店(角屋商店)があるので、すぐわかる。 【バス時刻表】 http://transfer.navitime.biz/bus-navi/pc/diagram/BusDiagram?orvCode=00042333&selectDnvCode=00042639&dnvCode=00042639&course=0000423801&stopNo=17 |
コース状況/ 危険箇所等 |
※滑り止めは必携です。 1.鋸尾根 入山して間もなく、愛宕神社本社に上がる187段もの石段を登るが、 これが実に長くて急。 そこから標高1000m弱まではほぼ凍結はないが、 ところどころ鎖や梯子があり、 エアリアでは奥多摩エリアにしては珍しく「危」指定されている。 1000mより上は一部凍結している。 今回は鋸山まで使わなかったが、不安なら滑り止め使用推奨。 下山路に使うなら、使用必須。 2.鋸岳〜大岳山 1つ目のピークを巻くあたりから凍結が著しくなるので、 要滑り止め(当方、6本刃軽アイゼンを持参)。 行き交う人々は、最低でもチェーンスパイクを履いていた。 さすがに8本刃以上は見当たらず。 ピークを3つ巻くが、巻き道が一部痩せているので、滑落注意。 3.大岳山〜大岳山荘〜馬頭刈尾根〜白倉バス停 エアリアには大岳山から馬頭刈尾根へ直接降りるルートが記載されているが、 実際には存在しない、あるいは見当たらなかった。 大岳山荘まで下り、巻き道を鋸山方面へ戻ってアプローチする。 大岳山頂直下は融雪しているが、下って間もなく凍結箇所が現れるので、 歩きづらくても滑り止めは外さないほうがいい。大岳山荘まで凍結。 そこからは滑り止め不要。 帰りは瀬音の湯に入湯。3時間800円。 http://www.seotonoyu.jp/ これまで、臨時休館とか時間切れとか、 いろんな理由で5回続けて入り損ねていたが、6回目の正直。 噂通りいい湯だった。 |
写真
感想
「おまえの背中には何がある?」
いたいとか
おもいとか
そういうことにはもう慣れきっている
けれど
今ぼくの背中にあるものは
これまでとは全く異質のものだった
いたいとか
おもいとか
そういうことではなく
身体の後ろ半分が
自分の意志とは関係なく
もげ落ちてしまうのではないか
そういう感覚だった
東京都内で一番西にある駅から
真南に伸びた尾根の天辺まで
ひたすら喘ぎ
ひたすら登りながら
そう思った
尾根の天辺まで登ってから
しばらくすると雪で路が凍り付いていたので
靴に滑り止めをつける
脚の末端にほんのちょっと鉄の錘がついただけなのに
脚が
身体全体が
後ろに引っ張られるような気がする
身体は前に進もうとしているのに
脚が全然進まない
だから
進まない
だけど
進む
− ぼくの背中には何がある?
この日の最高標高点に至る最後の急登で
ぼくはふとそのようなことを考えた
幾度となく繰り返してきた
「歩荷」と呼ばれる鍛錬
この鍛錬が及ぼす心身への効果は
知り尽くしているつもりだった
けれどこの日は
明らかにその経験則を上回るものが
ぼくの背中にあった
喘ぎながら進むぼくの前から
幾人かのひとびとがやってきては
行き交っていった
みな一様に
異質なものを見る目でぼくを見る
ぼくも
自分自身に対してそう思っていた
溶けかけた雪が張り付いた岩に
必死でしがみつきながら攀じ登る
普通ならどうということのない岩が
この日ばかりは異様に大きく感じられる
何もかもが異質だ
歩き慣れたお山でもない
幾度となく繰り返した「歩荷」でもない
すべてがこれまでにない感覚だった
背負っている「歩荷」を下ろせば
この感覚のすべてから解放される
解放?
ぼくはそもそもこの感覚に束縛されているのか?
− ぼくの背中には何がある?
そのとき
頭からずっと離れなかったこのことばの答えが
天啓のように突然降ってきた
ぼくは「歩荷」を背負っているのではない
ぼくは「いのち」を背負っている
たとえば
怪我をして動けなくなった大事なひとを背負っていたら?
重いからと言って下ろすのか?
それは解放なのか?
いや違う
そうだ
ぼくの背中にはいのちがあると思え
そう思えば
重くない
この瞬間
ぼくの中で新しい力が解放された
絶対に最後まで背負い
歩きとおす
背中にあるいのちを
必ずお山から下ろす
と
こんなことは自己暗示で
実際はただの重荷だ
馬鹿馬鹿しいことだと思われても
下らないことだと思われても
妄想もいいところだと思われても
たかがお山に大袈裟なと思われても
当然のこと
けれど
ぼくはそういう意志を抱いた
この日のぼくの背中にあったものは
明らかにこれまでとは異質だった
背負って歩きとおすことなど
到底できなかった
そういう意志なくして
「歩荷」における自分の肉体の限界値が
そろそろ近づいていることも同時に理解した
このような感覚で今以上の鍛錬を続けたら
肉体は確実に崩壊する
終えて自宅で省み
己を振り絞り切った
そう思った
同時に
まだ尽きていないとも思った
それは
これまでとは異質な感覚を
背中に
脚に
脳に
本能に抱きながら歩き続けたことに
まだ慣れていないからだと推測した
「この背中にはいのちがある」
山岳救助隊員はそのようなことを想いながら
ひとびとを助けているのだろうか
今回経験した重量は
平均体重より少し軽めの女性ひとり分だった
それが
ぼくにとって
いのちを背負った重量感だった
motchさん、こんばんは。
48kgのボッカを下山までですか、、、。
しかも雪道で足元悪く、重さのツラさだけでなく、ストレスとの闘いでもあったんでしょうね。
身体中から湯気をあげながら、一歩一歩踏みしめていくmotchさんの目に映ったお山の姿はどんなものだったのか、と。
本当にお疲れ様でした。
私は当面20kg背負えるよう頑張ろうと思ってます。
こんばんは。
前回は山頂で歩荷を下ろしてしまったので、
今回はそれはすまい、というのがひとつの課題でもありました。
しかし、途中で最早そんなことはふっ飛んでいて、
とにかく「最後まで背中にあるこのひと(?)を背負いきる」と、
半ばトランス状態で歩いていました(笑)。
だから、ただ目の前にある岩とか木の根とか雪とか、
そういうものをひとつずつ無心で越えていくような感じでして、
ストレスを感じる余裕すらなく・・・。
今の身体能力と歩行技術では、8時間歩荷は間もなく限界でしょう。
「1回の歩荷が60kg以下になることが多くなりました・・・」
とかおっしゃる草野さんのような御仁は、特別です。
私はこれ以上の負荷でやったら、膝どころか全身が壊れそうです。
ただ、一度は0.05t歩荷にトライしてみたいところです。
あとペットボトル1本分・・・。
一般的な山行の1日のコースタイムを8時間として、
その時間を背負うことが、歩荷トレのひとつの目安と言えます。
ただ、いきなり8時間はキツイと思います。
日帰りハイキングの目安となる5時間から始めて、
段階的に時間と負荷の両方を増やしていけば、
どういう背負い方をすると腰に負担がかかりにくいかも掴めてきます。
腰に無理をかけることなく20kgは可能かと思います。
お互い頑張りましょう!
motchさん こんばんは
美しすぎます
その精神、この描写
言葉になりません
ありがとうございます
良いものを読ませていただきました
とてもmotchさんの領域には近づけそうもないけれど
目指すものが違っているかもしれないけど
せめて山に対する真摯さは同じ方向を向いていたいです
こんばんは。
いや〜、お恥ずかしい・・・(笑)
実際、端から見たらドン引きな感じだったと思います。
あの山域をあんな形相やら、あんなメンタリティ歩くひとなんて、
まずいないでしょうからね。
でも、ありがとうございます。
内心ではそういうことを結構真剣に考えているので、
そういうことに共感してくださる方がいると、
嬉しく思います。
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