【鼠と犬と】西丹沢・大滝橋─畦ヶ丸─加入道山─大室山─犬越路─神ノ川


- GPS
- 56:00
- 距離
- 23.5km
- 登り
- 1,709m
- 下り
- 1,788m
コースタイム
- 山行
- 6:44
- 休憩
- 2:10
- 合計
- 8:54
- 山行
- 1:23
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 1:23
天候 | (1日目)快晴 (2日目)曇り時々晴れ (3日目)晴れ |
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アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
かえりは、神ノ川入口からJR中央線藤野駅までバス。 <ゆき> 松本547━928八王子935━1021横浜1030━1124国府津1132━1159谷峨1221=1301大滝トンネル東口(自由乗降) <かえり> 神ノ川入口655=741藤野909━921高尾931━1015新宿1208━1234立川1258━1534小淵沢1626━1738松本 |
コース状況/ 危険箇所等 |
頂上付近はまだ雪が多く残ってた。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
着替え
靴
ザック
ザックカバー
ピッケル
行動食
非常食
調理用食材
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
ロールペーパー
時計
タオル
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
ラジオ
天気図用紙
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感想
4月3日(日) 快晴
4時起床で山行準備。朝食後、松本駅に向かい、5:47発立川行きに乗る。(中略) 八王子に1分遅れで到着。結局予定していた相模線に接続する横浜線の列車に乗り遅れた。仕方なくその次の横浜線の列車で橋本へ向かうが、相模線の列車はそんなに本数が多くない筈で、単線なので時間もかかる。それよりもこのまま横浜へ出て、東海道線に乗ったほうが早いと判断。橋本で降りずにそのまま横浜へ。この列車が快速列車ということも幸いした。横浜から東海道線で国府津に向かい、当初予定していた御殿場線列車に乗り継ぐことが出来た。
この御殿場線列車で谷峨駅へ向かう。春休み最後の日曜日ということもあり、車内はやたら混んでいた。この御殿場線の列車も定刻どおり運転していたが、途中松田駅で、小田急線直通特急の「あさぎり」が遅れているため、5分余計に停車。今度は谷峨駅でのバスの乗り継ぎが心配されたが、5分ぐらいの遅れなら余裕があるため、それほどあわてなかった。(中略)
JR谷峨駅に到着。駅前から西丹沢行きのバスを待つ。バス停では他に高校生とおぼしきグループがスナック菓子やPETボトルのつまったスーパーのビニール袋をたくさん抱えて談笑していた。どこかバンガローかペンションにでも泊まりに行くのだろうか? やがて松田、山北駅を経由してきた西丹沢行きのバスがやって来て、それに乗り込む。先の高校生のグループは玄倉で下車した。私が行く大滝、畦ヶ丸方面へは中川温泉より1 km近く入ったところにある大滝キャンプ場でバスを下車するのが便利だ。ガイドブックの折込地図には大滝キャンプ場のところに「大滝」というバス停があるかのように表示されているので安心していたら、大滝キャンプ場の前に来ても「大滝」というバス停がアナウンスされない。「これはヤバい!」と大滝隧道を抜けたところでバスを停めてもらって、降ろしてもらった。「大滝」なるバス停はそもそも存在しないようで、このバスが自由乗降区間に入っていたのがなんとか幸いし、時間と体力をムダにせずに済んだ。
大滝キャンプ場前の東海自然歩道入口から登山道(自然歩道)に入った。今日の予定は畦ヶ丸避難小屋までのつもりでいたが、畦ヶ丸避難小屋で泊まるには途中沢筋から離れる一軒屋避難小屋付近で水を4ℓ汲んでリフト・アップしなければならない。昨日の睡眠不足と、今日の陽気そして行動食として持ってくるつもりだったミカンを忘れてきて、食べるものがないことを考えるとちょっとキツいかなと思っていた。ら、実際歩いていると50分程歩いたところで早くも一本とるために座り込んだ。やはり今日は畦ヶ丸まで無理だなと判断し、今日は一軒屋避難小屋に泊まることにした。休憩後歩き出すとすぐに下山中のグループとすれ違う。結局一軒屋避難小屋に着くまで10人程度の登山者とすれ違った。
(以上、当時の日記から抜粋)
珍しく1月1日から93日間続いてた1994年の日記は、4月3日の上記の記載を以て突如途切れた(苦笑)。その夜、一軒屋避難小屋で起こった出来事がよほどショックだったんだろうか?(苦笑) 日記に記載されることは無かった4月3日夜の出来事とは…。
一軒屋避難小屋に到着した後、日が暮れる頃には夕食を終え、あとは寝るだけになってる。小屋に宿泊者はおらず、私ひとりだけのため小屋のド真ン中にテントマットを敷いてシュラフにくるまってた私、翌日の行程は長いからさっさと寝ようとしたところ、床のうえを蠢く者が居る。ネズミだ! 避難小屋で泊まってネズミが居たことは大峰でも経験してたのでさほど驚きは無かったけど、ここのネズミはよほど飢えてたのか寝ようとしてる私の後頭部を平気で牙でつついて来た(苦笑)。何度も起き上がってネズミを追い払ったけど、横になるたびに牙でつつかれ、とても眠れたものじゃない。テント泊一式があるので、小屋外にテント張って移動することも考えたけど、すでに外は真っ暗なので今更テントを張るのは諦め、後頭部をつつかれないような防御体勢を取って、なんとか眠ることが出来た。
翌4月4日、朝起きてみると食材のレトルトカレーの袋に穴があいてた…(汗)。ネズミにやられたのは明らかだ。まぁ、予備の食糧あるし、一食分くらいなら…ってその時はあまり深く考えていなかった。まさか、獣害が別の獣害を呼び込むことになろうとは…。
すでに春分を過ぎているので朝明るくなるのは早く、5時半過ぎに一軒屋避難小屋を出て、大滝峠上まで登り稜線に出て、畦ヶ丸へ向かう。雪は大部分が解けてたけど、頂上付近や避難小屋が建つようなフラットな場所にはまだ多くの雪が残ってた。加入道山を経て、大室山へ縦走。こっちは春休みだけど、平日のせいか他の登山者の姿をみることは少なかった。大室山には11時半に到着。頂上で30分休憩してから犬越路に向けて出発。犬越路からは神ノ川へのコースに入り、大きな問題も無く午後2時半に神ノ川ヒュッテに到着。朝ネズミに食材を喰われたのを発見したこと以外は大した問題も無く、2日目の日程は終了。この日はヒュッテ横でテント泊だったと記憶する。
最終日の4月5日は、神ノ川ヒュッテから神ノ川入口バス停まで車道を歩くだけだったけど、ある意味、3日間で一番の緊張を強いられた。この日も朝5時半頃にヒュッテを出発。神ノ川キャンプ場までは問題は全く無かった。しかし、神ノ川キャンプ場を通過した時に、状況は変わった。神ノ川キャンプ場で放し飼いにされているのか、はたまたオフシーズンのキャンプ場を根城にしてるのか知る由も無いが、どこからともなく三匹のイヌが現れ、私の周囲にまとわり付き始めた。そして、ず〜〜〜っと私の後を付いて来た…(汗)。どうしてイヌたちが私にまとわり着くのか最初のうちはワケが解らなかったけど、そのうち合点がいった。ネズミに齧られたレトルトカレーは、食べるワケにもいかず、かといって捨てるワケにもいかずビニール袋にくるんだままザックに入ってたんだけど、嗅覚が鋭いイヌたちはこの匂いを嗅ぎつけたワケだ! 美味しい人間の食べ物の味を知ったイヌたちに違いない! こりゃあ、いつ襲われるか分からんゾ!…そう思うと、神ノ川入口バス停に向かう足も自然と早まる。かといって、イヌを追い払うことも走り出すこともせず、黙々と歩く続けた。そのうち、諦めたのか一匹、また一匹と付いてくるイヌは減っていった。しかし、最後の一匹だけはしぶとく付いてくる。そしてとうとう、神ノ川入口バス停まで付いて来た(苦笑)。神ノ川入口バス停には、6:48到着。ダイヤではバスが来るのは6:55。バスが来るのを待つのは、私ひとりとイヌ1匹のみ。「カナチューバス、早く来てくれ!」と心のなかで願い、さらには「バスのなかにまでイヌが入ってくるようだったら、蹴り出さなきゃ…」と余計な心配までする始末。やがて神奈川中央交通のバスがやって来て、バスに乗った私。幸運なことにイヌはバスのなかに入ってくることはなく扉は閉まり、バスが発車した。こうしてようやく私はイヌから解放された。バスでJR中央線藤野駅に出て、『青春18きっぷ』期間なのをいいことに一旦新宿に買い物に行ってから、松本に帰った。
ネズミにイヌ…登山歴は今年で38年目になるけど、ここまで「獣害」にたたられた山行は他に経験が無い。そのせいか、この山行を最後に、丹沢には一度も行ってない(爆笑〜!!!…ま、単に富山から遠いだけだケド)。
(2022.2.21・記)
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