氷ノ山


- GPS
- 05:11
- 距離
- 8.3km
- 登り
- 416m
- 下り
- 860m
コースタイム
- 山行
- 4:36
- 休憩
- 1:06
- 合計
- 5:42
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
コース状況/ 危険箇所等 |
甑岩のトラバース、氷ノ山越直下の急斜面、滑落リスクあり。積雪上にトレースがないとき、悪天候時には三ノ丸の稜線でのルートジャッジ要注意。 |
その他周辺情報 | ゆはら温泉ふれあいの湯(リフト利用で割引) |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
雨具
ゲイター
マフラー
ネックウォーマー
毛帽子
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
水筒(保温性)
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
カメラ
スノーシュー
ストック
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感想
3月に入るやいなや、急に春めいた。山では先週までガンガン雪が降り続いていたなんて、信じられないくらいの季節の急転換だ。あれだけ雪があるからと油断していると、なんせ西日本のこと、あっという間に消えてしまいかねない。今のうちに登れる限り雪山に登っておかねば。今シーズンは、すでに大海里山、天児屋山、駒の尾山、赤谷山と4座で雪を楽しんだが、そろそろ盟主である氷ノ山の出番である。この時期、最もオーソドックスなルートであるわかさ氷ノ山スキー場を起点に、三ノ丸から氷ノ山を巡り、氷ノ山越から周回することにした。今シーズンも終わろうという時期ながら、孫のスキーデビューも気になっていて、その偵察という意味もある。てんくらでは週末の土日は「C」となっている。予想天気図を週末とその前後で眺めてみると、金曜に移動性高気圧が日本列島の真上にやってきて、土曜日には日本海低気圧が発達しながら東に進んでいくことになっている。当然、日本海側の天気は土曜日には下り坂、一方、その直前には穏やかな天候が予想されるので、金曜日に行けばきっと楽しい山行になるだろう。日本海低気圧の通過時には南から暖気が吹き込んで気温の上昇が見込まれ、折角の雪も「もなか」化し、厄介なことになるだろう。それに予定のコースは定番メニューだから、週末には混雑が予想される。ということで、急遽、年休を取得して金曜の山行となる。
例によって中国道を山崎インターで降りる。ETCの車載器からは休日割のない「ノーマル料金」の支払いを知らせるむなしいAIのアナウンスが流れる。ま、その分、週末より楽しもうぜ! 宍粟の街を抜け、一宮、波賀と北上するが、周囲の雪は先週と比べ、目に見えて減っている。それでも戸倉までくると、人家の屋根には1メートルの雪が圧縮された様子でのしかかっている。一週間前に赤谷山に登った時の駐車地である新戸倉トンネル東口には、数パーティーの登山者が準備中である。ははー、俺のヤマレコの影響力もまんざらじゃないな(なわけないだろ、誰も見ちゃいないぜ)、などとおふざけを頭の中でチャットしながら、今日はトンネルを抜けてさらに西へと進む。ここからが意外と遠い。やっとわかさ氷ノ山スキー場に到着し、登山準備開始。リフト券売り場の横のパトロールに登山届を提出して(リフトに乗るたびに提出の確認をされるのでやっておく必要がある)、いざ、第2リフトへ。リュックを抱えてスノーシューを握って、というのは結構不自由だ。脚の下のゲレンデからは、凍った雪面をげずって滑るボードの発する音が響いている。雪質はこの一週間で一気に悪化したと思われる。第3リフトは上部の急斜面に張り付くように伸び、我々をゲレンデトップへと運んでくれる。スキーヤーとボーダーは中間駅で降ろされ、登山者だけがトップまで行ける。トップからの斜面は滑走禁止になっているのだ。この急斜面、そそられるな―。ゲレンデトップからの眺めは周囲の山の眺望と高度感とが演出するアルパインな空気によって一層、魅惑的である。
ここでスノーシューを装着し、稜線上をリフティング使用にて高度を稼いでいく。さすがにメインルートだけあってトレースは明瞭、しかも雪の状態は先週までとはまるで違って締まってきており、ほとんど沈まないので、楽々登れる。眺望は次第に開けて、赤倉山のごつごつした山容が目立つ。さらに登ると、はや氷ノ山とこれから辿る弓形にカーブした稜線が左手眼前に迫る。爽快に登ると今度は右手の眺めが開けて、大段の上の1376mPKから派生する伸びやかな尾根の姿が飛び込んでくる。昨シーズン、残雪を踏んで久曾木から登った1376mPKは、今日もその穏やかな山容で手招きする。また今度行くからな、と心の中で声をかけ、三ノ丸を目指して登ってゆく。すると周囲は広大な雪原となり、その広がりは圧倒的である。全方位に広がる雪の山々を眺めるうちに、40年前にコロラドロッキーを始めて我が目で見た時の感動がよみがえった。それは、視界全てを雪の山々が取り囲んでいる雄大な眺望。勿論今日見る山々は、ロッキーの山のようにとんがってはいないが、ワイドな眺望にある種の既視感が呼び起こされたのだ。
眺めに打たれながら緩やかな稜線を登っていくと、もう三ノ丸である。まずトイレに達する。ここは使用可能だった。次に展望台にやってきたが、てっぺんの部分だけが雪の上に出ている状態である。そして三ノ丸の小屋は、屋根だけが姿を現わしている。ここから緩やかにアップダウンを繰り返し、氷ノ山の山頂に到着した。ここのトイレは使用不可だった。山頂小屋で昼食とする。小屋前の一等三角点はてっぺんを雪の外に出している。ここはいつも強風と陽射しのせいだろう、雪は少ない。眼下にこれから向かう氷ノ山越への稜線を見る。こんな痩せ尾根だったっけ?と以外な感じの険しい風貌をしている。雪庇が続くこの稜線に向かって歩を進める。結構な傾斜だ。目前に難所とされる甑岩が迫る。氷ノ山山頂からの下りでは、甑岩のせり出しはなめらかな尾根にしか見えないので、うっかりそれを越えていきそうになるので要注意である(トレースは甑岩トップへも付いている)。甑岩の手前からこの岩の右へと下り加減でトラバースする。右手が裸の雪面で傾斜があり、バランスを崩すと危険である。ゆっくりと進む。途中からトレースが細くなり、やな感じだ。巻き終わってほっと一息つき、氷ノ山越へとさらに進む。だんだんと赤倉山の威容が目前に迫ってくると、氷ノ山越の小屋がすぐそこにある。ここから左に谷筋を下降するが、ここが急斜面で要注意である。問題は多くの人が雪を踏んでいて、足場が悪くなっていることだ。踏まれていない雪面なら、急とはいっても、どうということもない傾斜なのだが。これが結構長く続き、うんざりしてくるころ、植林帯の急斜面から解放されて一旦雑木の中を抜ける。すると正面に雪原が現れる。ここも踏まれた雪が難物である。踏まれていないところを選んでスノーシューの浮力に頼り下る。この雪原を下りきったところから植林帯を左に入り、わずかに進んで車道に降り立った。
素晴らしい眺望と、変化に富む痩せ尾根のスリルを楽しみ、足場の悪い下りのしごきに鍛えられた今日の山行であった。
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