ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 410425
全員に公開
雪山ハイキング
箱根・湯河原

箱根・湯坂路 (途中からノートレースで浅間山に到達できず、城山までで敗退)

2014年02月22日(土) [日帰り]
 - 拍手
GPS
03:50
距離
8.7km
登り
646m
下り
626m

コースタイム

箱根湯本駅 07:45
湯坂城跡  08:15
城山(743m) 10:00
湯坂城跡  11:15
箱根湯本駅 11:35
天候 曇り
過去天気図(気象庁) 2014年02月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車
(行き・帰りともに)
箱根登山鉄道 箱根湯本駅
コース状況/
危険箇所等
今回のコースはすべて一般登山道です。緩やかな傾斜の歩きやすい区間が大半を占めていて、夏道であれば何の問題もなく歩くことができます。
以下は、この日の積雪状況に絞って記述したものです。

●箱根湯本駅 〜 湯坂城跡
登り始めのうちは全く雪がありません。
しばらくすると、所々で積雪の痕跡が見られるようになりましたが、ほとんど雪の存在を意識せずに歩ける程度でした。

●湯坂城跡 〜 城山(743mピーク)
湯坂城跡を過ぎて10分ほどすると、夏道から雪道に変わります。
はじめのうちは、良く踏まれたシングルトラックが続くので、積雪の深さが膝下くらいまでの間は、ノーアイゼンに快適に歩くことができました。
しかし、積雪が膝丈に達したあたりから、それまで整然としていたトラックは、ツボ足による踏み抜き跡に変わり、足跡の数も次第に減っていきます。
標高700m付近を過ぎて、いよいよ積雪が深くなると、最後までツボ足で格闘していた1人分の足跡も途絶えて、以降はノートレースとなりました。
そこから先、ツボ足では、1歩ごとに腿まで埋まっては引き抜くという繰り返しを余儀なくされます。
なんとか城山までは到達しましたが、さらに浅間山までトレースを付け続けるのは、1人だけでは困難に思われたため、城山で撤退を決断しています。

●城山から先、浅間山方面
私が城山に着いた時点では、完全にノートレースでした。
ただし、引き返して下っている途中で3パーティー計8人とすれ違いました。いずれもワカンやスノーシュー等を持っている様子はなく、もしも城山から先に進んだとすれば、ツボ足で挑まれたことと思います。
そのうち誰かが頂上まで到達した可能性と、8人全員が撤退した可能性は、ほぼ半々くらいではないかと見ていますが、翌日にもさらに人が入ったかもしれませんので、現在では浅間山までトレースが続いているかもしれません。
スタートの箱根湯本駅。まだ朝7時台で、観光客の姿はほとんどありませんでした。
2014年02月22日 07:45撮影 by  FinePix Z300 , FUJIFILM
2/22 7:45
スタートの箱根湯本駅。まだ朝7時台で、観光客の姿はほとんどありませんでした。
国道1号線を少しだけ歩いて、ここから山道に入ります。
2014年02月22日 07:51撮影 by  FinePix Z300 , FUJIFILM
2/22 7:51
国道1号線を少しだけ歩いて、ここから山道に入ります。
かつては石畳が敷かれていたらしい道も、今ではすっかり荒れていて、少々歩きにくくなっています。
2014年02月22日 07:58撮影 by  FinePix Z300 , FUJIFILM
2/22 7:58
かつては石畳が敷かれていたらしい道も、今ではすっかり荒れていて、少々歩きにくくなっています。
登り始めは雪がすっかり消えていて、路面も乾燥していて普通に歩けます。ここだけを見ると、先週の大雪が嘘のよう。
2014年02月22日 08:01撮影 by  FinePix Z300 , FUJIFILM
1
2/22 8:01
登り始めは雪がすっかり消えていて、路面も乾燥していて普通に歩けます。ここだけを見ると、先週の大雪が嘘のよう。
しかし、雪の重みで倒れたらしい倒木が道を塞いでいるなど、大雪の影響は残っていました。
2014年02月22日 07:59撮影 by  FinePix Z300 , FUJIFILM
2/22 7:59
しかし、雪の重みで倒れたらしい倒木が道を塞いでいるなど、大雪の影響は残っていました。
しばらくすると、時々雪が現れるようになりますが、その多くは短い間ですぐに消えてしまいました。
2014年02月22日 08:05撮影 by  FinePix Z300 , FUJIFILM
2/22 8:05
しばらくすると、時々雪が現れるようになりますが、その多くは短い間ですぐに消えてしまいました。
箱根湯本駅から30分ほどの登りで、湯坂城跡に着きます。ここまでの道は、雪がない箇所がほとんどでした。
2014年02月22日 08:14撮影 by  FinePix Z300 , FUJIFILM
2/22 8:14
箱根湯本駅から30分ほどの登りで、湯坂城跡に着きます。ここまでの道は、雪がない箇所がほとんどでした。
湯坂城跡を過ぎて5分ほどで、ようやくそれなりの積雪が現れました。
2014年02月22日 08:20撮影 by  FinePix Z300 , FUJIFILM
1
2/22 8:20
湯坂城跡を過ぎて5分ほどで、ようやくそれなりの積雪が現れました。
雪の上には真新しい足跡がないので、どうやら私がこの日の一番手のようです。
2014年02月22日 08:30撮影 by  FinePix Z300 , FUJIFILM
2/22 8:30
雪の上には真新しい足跡がないので、どうやら私がこの日の一番手のようです。
前日までの足跡も、トレースが明瞭になるための最低限の人数という感じで、新しい雪の感触が十分に残っていました。
2014年02月22日 08:36撮影 by  FinePix Z300 , FUJIFILM
1
2/22 8:36
前日までの足跡も、トレースが明瞭になるための最低限の人数という感じで、新しい雪の感触が十分に残っていました。
ちょうど1人が歩けるだけの幅で、踏み荒らされていない歩きやすい雪道が続いていきます。
2014年02月22日 08:40撮影 by  FinePix Z300 , FUJIFILM
2/22 8:40
ちょうど1人が歩けるだけの幅で、踏み荒らされていない歩きやすい雪道が続いていきます。
前後に自分以外の人の姿を全く見掛けません。快適な雪道をひとり静かに独占できるのが、すごく贅沢な気分でした。
2014年02月22日 08:53撮影 by  FinePix Z300 , FUJIFILM
1
2/22 8:53
前後に自分以外の人の姿を全く見掛けません。快適な雪道をひとり静かに独占できるのが、すごく贅沢な気分でした。
このあたりでは、雪の深さはまだ足首ほどです。
2014年02月22日 08:53撮影 by  FinePix Z300 , FUJIFILM
2
2/22 8:53
このあたりでは、雪の深さはまだ足首ほどです。
時折急な箇所が現れることもありますが、大半は傾斜の緩やかな道で、穏やかな景色がずっと続いていきます。
2014年02月22日 09:03撮影 by  FinePix Z300 , FUJIFILM
2/22 9:03
時折急な箇所が現れることもありますが、大半は傾斜の緩やかな道で、穏やかな景色がずっと続いていきます。
ほとんど迷いようのない1本道のため、この日、登山口以外で見掛けた道標は、結局この1本だけでした。
2014年02月22日 09:10撮影 by  FinePix Z300 , FUJIFILM
2/22 9:10
ほとんど迷いようのない1本道のため、この日、登山口以外で見掛けた道標は、結局この1本だけでした。
雪の深さが膝丈になると、それまで明瞭だったトラックが一変、数人分のツボ足のトレースだけになってしまいます。
2014年02月22日 09:19撮影 by  FinePix Z300 , FUJIFILM
1
2/22 9:19
雪の深さが膝丈になると、それまで明瞭だったトラックが一変、数人分のツボ足のトレースだけになってしまいます。
さらに雪が深まると、ついに先行者の足跡は1〜2人分に。足跡を外すと腿まで踏み抜きます。
2014年02月22日 09:37撮影 by  FinePix Z300 , FUJIFILM
2/22 9:37
さらに雪が深まると、ついに先行者の足跡は1〜2人分に。足跡を外すと腿まで踏み抜きます。
ふいに、目の前から全ての足跡が消え去りました。最後まで頂上を諦めなかった人も、ここで力尽きてしまったらしい。
2014年02月22日 09:44撮影 by  FinePix Z300 , FUJIFILM
2
2/22 9:44
ふいに、目の前から全ての足跡が消え去りました。最後まで頂上を諦めなかった人も、ここで力尽きてしまったらしい。
覚悟を決めて前進を続けますが、なにしろツボ足ですから、1歩ごとに腿まで埋まっては引き抜くという繰り返しで、悪戦苦闘が続きます。
2014年02月22日 09:48撮影 by  FinePix Z300 , FUJIFILM
1
2/22 9:48
覚悟を決めて前進を続けますが、なにしろツボ足ですから、1歩ごとに腿まで埋まっては引き抜くという繰り返しで、悪戦苦闘が続きます。
なんとか頑張って城山まで登りましたが、ここで撤退を決断しました。
2014年02月22日 10:00撮影 by  FinePix Z300 , FUJIFILM
2/22 10:00
なんとか頑張って城山まで登りましたが、ここで撤退を決断しました。
自分が付けてきた道を引き返しますが、楽なはずの下りでも踏み抜きの連続で、結構骨の折れる作業でした。
2014年02月22日 10:05撮影 by  FinePix Z300 , FUJIFILM
2/22 10:05
自分が付けてきた道を引き返しますが、楽なはずの下りでも踏み抜きの連続で、結構骨の折れる作業でした。
送電線が見えてくれば、間もなく先行者の足跡が多く残る場所に戻れて、ようやく苦行から開放されます。
2014年02月22日 10:12撮影 by  FinePix Z300 , FUJIFILM
1
2/22 10:12
送電線が見えてくれば、間もなく先行者の足跡が多く残る場所に戻れて、ようやく苦行から開放されます。
湯坂城跡まで戻る間に、計8人の後続者とすれ違いました。もしかすると、頂上までたどり着けた人がいたかもしれません。
2014年02月22日 11:14撮影 by  FinePix Z300 , FUJIFILM
2/22 11:14
湯坂城跡まで戻る間に、計8人の後続者とすれ違いました。もしかすると、頂上までたどり着けた人がいたかもしれません。
箱根湯本駅に戻ると、すでにお昼近い時間になっていて、さすがに多くの観光客が繰り出していました。
2014年02月22日 11:41撮影 by  FinePix Z300 , FUJIFILM
2/22 11:41
箱根湯本駅に戻ると、すでにお昼近い時間になっていて、さすがに多くの観光客が繰り出していました。
撮影機器:

感想

記録的な積雪を記録してから1週間が経過して、鉄道網や道路網の復旧は進んでいましたが、以前と全く同じ状況に戻るまでには至らず、出掛けるに当たって制約のあるエリアが残っていたり、御岳山周辺のように、地元自治体から登山自粛が要請されている地域も出ていました。
従って、都内などから普段と同じ要領で気軽に出掛けられるのは、事実上、高尾山界隈と丹沢にほぼ限られている状況だったのではないかと思います。

だからといって、その高尾山とか丹沢とかに出掛けてしまったら、きっと人が多くて、山は静かに歩くのが一番と思っている私にとって、決して居心地の良い場所ではなさそう。
できれば人が少なそうな場所で、かといってノートレースでは迷ってしまう心配もあるので、前日までに何人かが歩いてくれている、そんな場所が見つかれば最高です。
そこで、登山電車が数日前に全線での運行を再開したばかりで、バスに至ってはまだ運休中の路線も多くて、復旧途上という印象だった箱根エリアの中から、湯坂路を行先に選んでみました。

すると、登り始めはトレースが明瞭で、かつ、踏まれ過ぎてもいないシングルトラックが続くという、理想的な状況となっていました。しかも自分以外に登山者を全く見掛けず、快適な雪道を1人で静かに独占できて、とても贅沢な気分を味わえています。
あとは、そのシングルトラックを追ってさえいれば、自動的に頂上まで連れて行ってもらえるものと、思っていたのでしたが‥‥

状況が変わったのは、標高700m付近に差し掛かった頃です。積雪が深さを増してくるとともに、それまで整然としていたトラックが、単なるツボ足のトレースに変わり、足跡の数もみるみる減ってしまうではないですか。
どうやら、前日までの先行者の多くが、雪の深さに阻まれて、このあたりで次々と引き返していたようなのです。

そしてついに、最後までツボ足で格闘していた1人分の足跡も途絶えてしまいます。目の前には、全く足跡のない、1週間前に積もったままの雪原が、ただただ広がるばかりとなりました。

ここから先はもう大変でした。あとは自分がトレースを刻むしかないと前進を続けるものの、なにしろツボ足ですから、1歩ごとに腿まで埋まっては引き抜くという繰り返しです。足の疲労が急激に増していく一方で、遅々としてなかなか先に進めません。
なんとか頑張って743mピークの城山までは登ってみましたが、さらに消耗が進むと下山にも差し支えてしまいそうなので、まだ体力があるうちにと、そこで撤退を決断しました。
当初の目標だった湯坂路の最高点・浅間山までは、距離にしてあと700m、標高差もわずか60mで、夏道ならばほんの10分で行き来できる所ですが、この状況では仕方ありません。
なお、城山は地形図の743m標高点で、山と高原地図でも「城山 743」と明記されていますが、現地には山頂を示す標識等は一切ありません。なので達成感には乏しい場所ですが、名前と標高がハッキリしている地点まで来られたことで、気持ちの整理は付けやすかったです。

ところで、引き返して下る途中には、後続の3パーティー(2人/2人/4人の計8人)とすれ違いました。装備はいずれもアイゼンだけだった様子ですが、ツボ足でもそれぞれのパーティーが少しずつトレースを伸ばしたりしていれば、もしかすると頂上に到達するパーティーが現れていたかもしれません。
それを期待して、最後の4人グループとすれ違った時には、再度回れ右をして登り返してみたら、今度は頂上まで行けたりして、なんてことも頭には浮かびました。でも、その時点で結構下ってしまっていて、テンションも下がっていたので、大人しくそのまま下り続けてきたのですが、果たして、真相はどうだったのでしょうか。

ブログの記事はこちら
 (使用写真はヤマレコと同一ですが、写真の説明は少し丁寧に書いています)
http://cellist.blog.ss-blog.jp/2014-02-22

文章主体の詳細ページ
http://cellist.my.coocan.jp/yama/mt2014_01_03/mt2014_01_03.html#20140222

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:823人

コメント

cellistさん こんばんわ〜
ノートレースお疲れさまでした。
僕は翌日箱根の南部の山に行く予定でした。
南ですしレコからもトレースはありそうでしたので、行っても大丈夫だったと思います。
でも万一トレースが無かったり、あってもツボ足で踏み抜く道が所々あったら?
なんて思っていたらテンション下がってしまい、夜更かしすることになったのです(笑)

今回の雪は低山を高山の雪山のような姿に変えてしまい、ちょっとの雪なら喜んで行くのに・・・
気分が萎えてしまうほど積雪がある山には行く気になれません(泣)

早く雪解けしてバリバリ歩けるようになって欲しいと願ってますよ(笑)
2014/2/24 23:53
コメントありがとうこざいます。
ノートレースでも、膝下までならば前にも経験があって、その時はさほど苦にならず、むしろ楽しんで進んでいたのです(雪質の違いもあったのかもしれません)。

それが腿まで埋まる高さとなると、勝手が全然違ってしまい、こんなにも進めないものなんだと分かったのは、大きな収穫だったと思います。

ワカンとかスノーシューとかが、少し欲しくなってしまいました。。。
2014/2/26 22:24
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

ハイキング 箱根・湯河原 [日帰り]
浅間山から湯坂路
利用交通機関: 電車・バス
技術レベル
1/5
体力レベル
2/5

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら