大岳山〜御岳山(千足から馬頭刈尾根ルート、ロックガーデン経由)
- GPS
- 06:33
- 距離
- 5.9km
- 登り
- 1,070m
- 下り
- 190m
コースタイム
9:23つづら岩-10:20富士見台-10:40展望ベンチ〜
ストックの先を落としていたのに気付き富士見台方面へ引き返す
〜10:50展望ベンチ発-11:41祠(巻き道分岐)-12:10大岳山荘-
12:50大岳山山頂 13:15発-14:15芥場峠-14:44綾広の滝-
〜ロックガーデンで悪戦苦闘〜
-15:30天狗岩-16:11長谷川恒男顕彰碑(長尾平)ー16:18神社
〜ビジターセンターに寄る〜16:45ケーブル駅
天候 | 晴れ→曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
バス停〜登山道入り口・・・雪解けで流れた水が再凍結して一部つるつる 雪崩で道路が浅く埋まり倒木も 登山道入り口〜天狗滝・・・浅く雪。 アイゼンは不要 滝つぼからすぐのところに吹き溜まりがありずっぽし埋まる 天狗滝〜綾滝・・・雪やや多く道不明瞭。 降雪直後だと分からなかったかも。 雪は硬く締まっておりアイゼン不要 綾滝〜つづら岩・・・尾根に近づくに従ってなぜか雪がほとんど無くなる つづら岩〜富士見台・・・この間雪多いが、融け切って地面が露出しているところも多い。 概ね硬く締まっているがずぼっと踏みぬくところも。 富士見台〜祠分岐・・・雪が多い。 概ね硬く締まっているが時おり踏み抜いてずっぽりはまったり 祠分岐〜大岳山荘・・・なぜか途中でトレースがなくなった。 雪自体は多くないが道が狭い&切れ落ちているので注意 大岳山荘〜山頂・・・かなり雪が残っており、凍結箇所もあるのでアイゼン必須 大岳山荘〜芥場峠・・・やや雪多いがスノーシューの必然性は感じなかった 芥場峠〜ロックガーデン〜長尾平・・・谷あい・日陰のため雪が多く残っており大変歩きづらい。 ツボ足数人分の穴が開いたまま雪が締まってしまっているのと、トレースを外すと時おり太腿まで埋まるので油断ならない。 長尾平〜ケーブル駅・・・途中から除雪されてます。 |
写真
感想
大雪の後、早く山に入りたいなと思いつつ、西東京バスも止まっていたためしばらく山行はお預けとなりました。武蔵五日市からのバス自体は先週開通していましたが、天気や仕事の都合で10日ほど伸び、ようやく出発です。
バスを降りてすぐ作業所のような建物が倒壊しているのを見て先月の雪のすさまじさを痛感します。 登山道に入るまでも2か所ほど雪崩で林道が埋まっている場所があり緊張感は否応なく高まります。 登山道に入ると減っているとはいえ雪は残っているのですが、かなり引き締まっており上に載っても踏み抜くことなく数センチ沈み込む程度なのでとりあえず持ってきたワカンとアイゼンの出番はまだありません。
少し困るのは、雪が柔らかいうちに入山した人はツボ足、しかも人数が少なかったようでツボ足の穴が開いたまま雪が固まってしまい、逆に歩きにくくなっていた事でしょうか。 そんな状況なので油断していたのですが、天狗滝の滝つぼから斜面に取りつくところでいきなりずぼっと踏み抜き後ろにひっくり返り転倒。 足をひねらなかったからいいようなものの、ここで捻挫でもしていたら救助のお世話になるところで、深雪とは違い半端に締まった雪の怖さの片鱗を味わってしまいました。
雪が降った直後は「よっしゃ新雪踏んで一番乗り」などと考えていたのですが綾滝の周辺では元々の道の痕跡すら見つけられず、完全にトレース頼みでした。これでは新雪の時にどうなるか分かったものではありません。 何度も同じコースを通って周辺地形まで頭に叩き込んでおかないといけないのでしょう。
不思議なことに綾滝から先の急坂のところでは全部雪が滑り落ちてしまったのか、露岩や木の熱が伝わるせいか雪はところどころに被っている程度であまり難儀をしませんでした。
今回は困難が予想されたので途中いくつかチェックポイントを設け、そこに予定時間内に到達できなかったら撤収、と決めていましたが、まずはつづら岩には制限時間前に到着。つづら岩の直下は上から落ちてきたと思われる雪と日陰と相まってかなり深い雪が積もっており、岩との隙間が深くパックリ開いておりなかなか不気味です。 狭い登山道が完全に雪で埋まっていることもあり、ちょっと斜面のトラバースっぽい雰囲気を漂わせていましたが、雪にストックではない太い穴が等間隔で空いているのを見るとピッケルを使ったのでしょう、降雪直後は決して大げさではなく「斜面のトラバース」的な状況だったと思われます。
稜線に上がってからはたっぷり雪が積もっているところと、完全に融けて地面が露出しているところが次々に現れる状況でした。 雪の多いところでは写真のように標識が埋まる寸前といったところですが、深雪の時に来ていたらさぞ屋凄まじいことになったでしょう。
そういうところも概ね表面は固まっておりワカンもアイゼンも使わずにいたのですが、時折突如ズボッとはまり込むようなところがあり、決して油断はなりません。 とくに富士見台を越えてから残雪が多く、それまでツボ足だった足跡が突然減って、スノーシューの足跡に変わっていたりしました。 そこで自分もすこし沈み込みの頻度が増えてきたあたりでワカンを履いてみたのですが、事前に自分のチビ足に合わせてストラップを調整していなかったので
フィット感の悪い事…。 本来の性能を発揮できていたのかはなはだ疑問です。 前回のスノーシューと言い、ちゃんと試し履きをしておくべきだったんですけどね。
さて、余談ですが11時ちょっと過ぎ、展望ベンチを過ぎたあたりで斜面のちょっと下から
「ガサガサバサバサ」というただならぬ音がしました。 思わず「ワーッ」と声を出すとガサガサ音は下の方へ降りていきましたが、あれは一体なんだったのか…。 鹿の場合だとぴょんぴょん飛び跳ねるのでわりと断続的に着地した際に枝を踏み折る音が聞こえるのですが、それとも明らかに違いましたし、狸やイノシシ、はては熊だったんじゃないか、としばらく何度も後ろを振り返ってしまいました。
そんなこんなで照り返しの眩しい中を進み、鋸尾根につながる巻き道と大岳山荘前に出る道の分岐になります。 近いのは大岳山荘に出る道ですが、こちらの道は崩落しやすく、最初に通った時は封鎖されていました。昨年通った時はわずかな雪でも雪崩のデブリのような痕跡があり、この間のような大雪では派手に雪崩れているのでは?結局引き返して迂回せざるを得なくなるのでは?とも思いましたが、意を決して大岳山荘側に進みます(もっとも一回間違えて10mほど下の作業道の方を進んでしまいました)。
ところが? どうしたことか、ここまで自分を先導してくれるように進んでいたスノーシューの跡が忽然と無くなってしまいました。 前回の清八山でもそうですが、引き返したようでもなくなぜ突然無くなってしまったのか謎ですが…。 とはいえ、ズボズボの新雪ではないし、道ももうわかっているのでここからは気にするほどのことはありません。 ほどなく大岳山荘に到着。 大岳山荘はただでさえ荒廃しているところに雪の追い打ちでついに入口の庇が崩れ落ちてしまいました。
ここはトイレだけ使用可能ですが、催してもいませんし一刻も早く登頂したいのでそのまま通過します。 神社から先は雪が深く凍結個所もあり、馬頭刈尾根からここまできてようやくアイゼンの出番となりました。いい加減疲労していることもあり、思いがけず時間を取ってしまいましたが、ようやく登頂。 予定では12時までには…と思っていましたが、なかなかそううまくはいきません。
遅くなってしまいましたが、風もないので湯を沸かしカップめんを食べてから下山に移ります。食べているうちに雲が多くなり太陽も隠れ気温が下がってきたので気も急いてきました。 ちなみに神社の前でアイゼンを装着している時にザックに括り付けておいたストックのうち1本が無くなっていることに気づきましたが、馬頭刈尾根を引き返すと日没までに下山できないのは確実なので諦めて当初の予定通りのルートで下山します。
大岳山から御岳山側の下山ルートは斜面の北側に面するためか、雪は尾根上より多く残っていました。 今回はあまり水を持ってこなかったのですが、乾燥と無風で寒さを感じなかったことに加え、ラーメンの塩気のせいで喉が乾いてしまい水が心細くなったので綾広の滝のパイプから出ている水で給水します。
ここで、長尾平まで最短距離で戻るルートとロックガーデンを通るルートが別れているのですが、「雪のロックガーデンを見るのもいいな、前回余裕があるのに最短距離で帰っちゃったし」ということでロックガーデンルートを選びましたが、これが大失敗でした。 ロックガーデンは谷あいで日が当たらず、「東京の奥入瀬」とまで言われる景勝のはずが雪に埋まって何も見えなくなって「東京の八甲田」になっていました。 おまけに半端に締まった雪のせいで、数十mごとに踏み抜き太腿まではまり込む始末です。 あわててワカンを装着しましたが、「ツボ足だと沈むけどワカンをつけていると沈まない」ようなところはなく、沈むところはワカンでも容赦なく膝上まで沈み込んでしまうので往生しました。
結局ここが核心部だったのではないかというほど時間と体力を消耗し、ケーブル駅には予定より2時間以上遅れて到着。ストックはなくす、スパッツはアイゼンのツァッケをひっかけて破くと惨憺たる状況での下山となってしまいました。 積雪量で言えば新雪の清八山の稜線も結構な量だったと思いますが、半端に圧縮されて締まった雪のたちの悪さというのも思い知らされた山行でした。
例によってUSBバッテリーチャージャーの不調のためGPSが下山時の大岳山荘あたりで切れてます
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