8歳児とゆく黄金の夢とアスレチックな急登の高柄山【山梨百名山】
- GPS
- 04:05
- 距離
- 4.3km
- 登り
- 412m
- 下り
- 403m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
金山地区〜尾根:明瞭、危険箇所なし 尾根〜高柄山:小高柄の前に2つ、手を使わなければ登れないヤバい急登あり 高柄山〜千足峠:明瞭 千足峠〜金山地区(千足街道):ズタボロ。危険な崩落地点こそないが、埋まりかけたトラバースや崩壊した渡渉地点などかなりのアドベンチャー気分を味わえる |
その他周辺情報 | 秋山温泉 金山地区からトンネルをくぐるとすぐ |
写真
感想
4月初頭、息子は春休み。
せっかく息子がお休みなのだから、学童保育に預けるより休みをとってお山に行こう。
ただ、おととい山梨で遊んだばっかりなので手頃なところでおさえておこう。
そんなわけで選んだのは、山梨百名山の高柄山。標高のわりに骨のある登山道で知られている。
しかし、今回のねらいはそこじゃない。
高柄山にはかつて小さな金山がたくさんあったのだ。ということは、鉱物にも期待できる? 砂金がとれる?
山梨県上野原市、その名も金山(かなやま)という地区に、金山の資料館があって、近くに砂金掘り体験場もあるという。そして高柄山に登山道が通じている。
よし、ここだ。山登りして砂金掘って秋山温泉に入って帰ろう。盛りだくさんで楽しいプランだ。
中央道を上野原インターで降り、旧秋山村方面へ。トンネルの手前から山に入ると、金山地区だ。
山に囲まれた、人気のない集落。かつてはここが金山の基地だったのだろうが、今はほぼ世と隔絶した隠れ里の風情である。
かなやま金山資料館のところに車をとめる。見せてもらうには向かいに住まれる方にお願いするという方式のようだ。
車をとめたあたりの草むらで、息子は今シーズン初のつくしを発見。大喜びである。
4月初頭ながら、見事なまでに晴れた空からそそぐ日差しはなかなか強い。登山口までのアスファルトの登りですっかり倦んでしまう息子さん、山はまだかとばかり聞いてくる。まだだよ頑張れ。
登山口から階段、すこし登ってまた車道、そしてやっと本当の登山口。さあがんばろう、今日は高低差的にはゆるいはず。
今季初のマムシグサを見つけながら、のんびり登っていく。ほどなく尾根に出る。タヌキのためふんがそこかしこにある。息子はランニングシャツ姿、飲み物のんで少し整える。
そしてやってきました、鬼の急登! たいした距離じゃないから息子とわあわあ言いながら登るけど、斜度としては今まで登った中でいちばんかもしれない。登っていくと上のほうは踏み跡がなく、我々は林を進む猿2匹みたいになっていた。
この急登を抜けると、気持ちのよい尾根に。林が途切れたところから上野原方面がよく見えた。あいかわらずイノシシの足跡と掘り返し、タヌキのためふんがある。たぶん人間より動物のほうがよくここを通っている。そんな感じでぼんやりと進めば、
またしても超急登!!! オイオイオイなんだこのコース!!
ひいこら進むと途中に岩場があり、そこにスミレの花畑があった。これは素敵だ、、、
ここに生きる動物たちと同じように手も使って必死によじ登る。息子さんは、と見ると実に楽しそう。
鬼の急登を乗り越えたところに待っていたのは、小高柄の頂上。そして、大室山方面のワイドビュー! これはかなり気持ちがいい。ベンチに座ってひと休み、景色を堪能。
ロープを手に急坂をくだる。今日何度目かのためふんを危機一髪よけて歩く。イノシシがいかに土を掘り返す動物なのかを思い知る。
そして、3度目の急登。ただこれは高柄山へのアプローチなのがわかっているし前のふたつほどでもないのでサクッとクリア。尾根を伝い、最後の登りを終えると、高柄山山頂に出た。
高柄山に登ったよ!!
お社があるので、まずはごあいさつ。上野原方面が開けていて、あっちからのアプローチの稜線と遠い街並みが見える。さあお昼のカップ麺をいただこう。間違えて濃厚クリームカレーみたいなやつをもってきてしまった。息子はガーリックとんこつでご満悦。
さて今日はまだまだすることがある。サクッと山をおりよう。
大地峠や四方津駅に続く尾根道、こちらはポピュラーな登山道なのでとてもきれい。アップダウンをのんびり越えて進む。
千足峠を少し過ぎた小ピークから、金山地区への下山道に入る。最初はしっかり整備されているように思えたが、だんだん落ち葉の量がものすごくなっていく。イノシシの掘りあととタヌキのためふんがやたらある。明らかにこっち、人が来ていない。
この道は「千足街道」、かつて秋山村方面と千足集落・甲州街道方面を結んだ古道だという。牛馬も歩いたそうで、なるほど傾斜がゆるい。ただ千足峠からむこうは四方津駅〜高柄山の登山道としてよく歩かれているのと対照的に、こちらは廃道寸前といった印象。
広く土が削られた、まったく平らなところに出た。ここが「つつみの平」、大昔の露天掘り金鉱跡らしい。
金山神社があり資料館のある集落を抱える高柄山、ここは全体が金の山だったのだ。今はもうとうに掘り尽くして、イノシシとタヌキのいる奥山にすぎないけれど。
道はゆるやかなカーブを描いて里に向かう。が、そこに張り紙が。
「こっから先荒れてるよー、いちおうピンテとかあるけど迷わないようにね」
来たか。気合い入れていこう。
高度の変化を抑えるために斜面に刻まれたトラバース道、これが見事なまでに埋もれている。かろうじてトレースがわかるくらいの細さ、荒れた旧道によくあるパターンだ。ずっと前からそうなのか、ロープが添えられている。そのロープと支柱もところどころ壊れていて手に刺さりそう。
やがて街道は沢と出会い、沢の横をくだる。しかし荒れた道のお約束、沢がはんらんするたびに道をこわすのでルートがズタズタになっている。ピンテを見たりトレースを見たり、歩けそうなところを進む。なかなかのアドベンチャーだ。
小さな枝沢をわたるところはガッツリ削られていて、上にロープが張ってある。ロープを上につかんでわたるという、ちょっと経験したことのない渡りかたをした。
またしても思いっきり埋まったトラバース道をそろそろおりていく。ただでさえほぼ埋まっているのに、さらに落ち葉でおおわれている。なんとか通過して少し歩きやすくなったところに……
こんどは川。沢ではなく、川である。もちろん橋などない。しばらくどうするか考えて、倒木を通して渡ることができた。
この川で、ヤバい千足街道はおしまい。ここからは車の通れるダート道、やがて舗装、金山神社を通り過ぎて、資料館へ到着。マジでおつかれさまでした!!
このあとさっそく「砂金掘り体験場」へ。しかし何にも出てこない……よく考えると、道が舗装になったあたりに砂防ダムがあった。どうやら少し前にできたものらしい。あれがあっては砂金は出ないね。
ダムの上流に移動して少し砂金掘り続行。でも時間がないので小さなかんらん石らしきものを見つけたところで切り上げた。いつかまた掘ってみよう。
秋山温泉でしっかり汗を流して、上野原へ。と、堤防の桜が満開だ。少し寄り道して、アイス食べながらお花見しよう。
かくして春休みの1日を満喫。金は取れなかったけど、ワイルドな山道を楽しんで温泉に桜にと山盛りのホリデーになった。平日ゆえ仕事だった妻がおもしろくなさそうにしていた。
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