記録ID: 4155343
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積雪期ピークハント/縦走
東海
【白山】芦倉山(1717m) 天狗山(1659m)
2022年04月09日(土) [日帰り]
体力度
4
1泊以上が適当
- GPS
- 10:37
- 距離
- 17.5km
- 登り
- 1,317m
- 下り
- 1,306m
コースタイム
<芦倉山へ>
朝日添橋に着くと、早くも先客の四駆があった。久しぶりの芦倉山。今回は、保川林道から登ってみよう。牧谷林道を見送って、芦倉山の取り付きへ。
林道を離れて植林下。交錯する林道を突っ切って、ヤブに突っ込む。ようやく雪がつながった。
野伏・薙刀が、残雪をまとって朝日に輝く。推高谷(しったかだに)ってこんなに深かったのか!大変なわけだ。
ほどなくして、私の視界を芦倉山が独り占めした。雪解けが進み、芦倉の南面が、黒い口をパカッと開けている。
この西南尾根だが、ヤブの存在感が半端ない。内心の不安を隠しながら登るうち、別山の大展望が待っていた。
標高1350mからは等高線がぎゅっと詰まってくる。その手前で、先客さんに追いついた。彼は、汗ばむ陽気に山シャツを脱いでいる。
初河山の南面の荒々しい山肌を見ながら、彼はこう言った。「前に芦倉に来た時、初河山で、大きな音を立てて雪崩が起きてね・・・」続けて「ヤブがひどいから、今日はもうやめようかな」と言った。「いやいや、もう少し頑張りましょう」と、ここから私が先行する。
ヤブに挑み、雪稜をつなぐ。ところが、難攻不落と思われるヤブ尾根が通せんぼ。にわかパーティーでも、こんな時には強力なパートナーシップを発揮する。ルートを見極め、北面の急傾斜の雪を慎重につないでいく。
物事にエンドレスはない。ファイティング・スピリットに火がついた。いつしか、ビクトリー・ロードの白カーペットの上だった。
私たちをさえぎるものは何もなかった。スローモーションのように、山頂が近づく。何という美しさ。ローリエの冠を戴く栄誉。
初河山・丸山・銚子ヶ峰・一・二・三・別山・御前峰・荒島・小白・野伏・薙刀・日岸・大長山・・・山頂ふたり占めで、大パノラマをほしいままだ。
景色に身をまかせて陶酔のひととき。丸山を経て、連綿と続く、白山へと登りつめる尾根。ここから見る白山は、御前峰より別山が主役だ。あこがれの別山の東尾根も、存在感ありすぎる。
飛騨・高山・白川を隔てる御前岳・猿ヶ馬場・籾糠、大日ヶ岳と水後山、越美と奥越の山並み。いつしか小休止が大休止になった。
<天狗山へ>
彼はピストンの予定だったが、私が東南尾根から天狗山を目指すと知って、コルまで同行することとなった。
ウサギのように、ぴょんぴょん跳ねながら、コルに立つ。彼とはここでお別れだ。この先、1408〜1596とつないでいく。水後山と大日ヶ岳がいよいよ大きい。1640m双耳峰が見えてくる。
雪稜を登り詰めると、1640mの北西の肩。振り返る小白山から願教寺山の尾根が雄大。そして、あれが、越美国境の滝波・平家・屏風・能郷白山・・・
おや、大日ヶ岳から天狗山に足を伸ばした登山客が、再び大日ヶ岳へと戻り返していくのが見える。
私は、天狗山の西峰から、待望の東峰に立つ。じわじわ感動の波が広がる。時を忘れて佇みたい気分。日射しもやわらか。
帰路は1596の南尾根。最後はスギやカラマツの陽樹の森を抜け、朝日添川に沿う林道に降りる。
春と冬がせめぎ合うこの季節だけに許される至福の時間。世界は、なんて美しいんだろう。
朝日添橋に着くと、早くも先客の四駆があった。久しぶりの芦倉山。今回は、保川林道から登ってみよう。牧谷林道を見送って、芦倉山の取り付きへ。
林道を離れて植林下。交錯する林道を突っ切って、ヤブに突っ込む。ようやく雪がつながった。
野伏・薙刀が、残雪をまとって朝日に輝く。推高谷(しったかだに)ってこんなに深かったのか!大変なわけだ。
ほどなくして、私の視界を芦倉山が独り占めした。雪解けが進み、芦倉の南面が、黒い口をパカッと開けている。
この西南尾根だが、ヤブの存在感が半端ない。内心の不安を隠しながら登るうち、別山の大展望が待っていた。
標高1350mからは等高線がぎゅっと詰まってくる。その手前で、先客さんに追いついた。彼は、汗ばむ陽気に山シャツを脱いでいる。
初河山の南面の荒々しい山肌を見ながら、彼はこう言った。「前に芦倉に来た時、初河山で、大きな音を立てて雪崩が起きてね・・・」続けて「ヤブがひどいから、今日はもうやめようかな」と言った。「いやいや、もう少し頑張りましょう」と、ここから私が先行する。
ヤブに挑み、雪稜をつなぐ。ところが、難攻不落と思われるヤブ尾根が通せんぼ。にわかパーティーでも、こんな時には強力なパートナーシップを発揮する。ルートを見極め、北面の急傾斜の雪を慎重につないでいく。
物事にエンドレスはない。ファイティング・スピリットに火がついた。いつしか、ビクトリー・ロードの白カーペットの上だった。
私たちをさえぎるものは何もなかった。スローモーションのように、山頂が近づく。何という美しさ。ローリエの冠を戴く栄誉。
初河山・丸山・銚子ヶ峰・一・二・三・別山・御前峰・荒島・小白・野伏・薙刀・日岸・大長山・・・山頂ふたり占めで、大パノラマをほしいままだ。
景色に身をまかせて陶酔のひととき。丸山を経て、連綿と続く、白山へと登りつめる尾根。ここから見る白山は、御前峰より別山が主役だ。あこがれの別山の東尾根も、存在感ありすぎる。
飛騨・高山・白川を隔てる御前岳・猿ヶ馬場・籾糠、大日ヶ岳と水後山、越美と奥越の山並み。いつしか小休止が大休止になった。
<天狗山へ>
彼はピストンの予定だったが、私が東南尾根から天狗山を目指すと知って、コルまで同行することとなった。
ウサギのように、ぴょんぴょん跳ねながら、コルに立つ。彼とはここでお別れだ。この先、1408〜1596とつないでいく。水後山と大日ヶ岳がいよいよ大きい。1640m双耳峰が見えてくる。
雪稜を登り詰めると、1640mの北西の肩。振り返る小白山から願教寺山の尾根が雄大。そして、あれが、越美国境の滝波・平家・屏風・能郷白山・・・
おや、大日ヶ岳から天狗山に足を伸ばした登山客が、再び大日ヶ岳へと戻り返していくのが見える。
私は、天狗山の西峰から、待望の東峰に立つ。じわじわ感動の波が広がる。時を忘れて佇みたい気分。日射しもやわらか。
帰路は1596の南尾根。最後はスギやカラマツの陽樹の森を抜け、朝日添川に沿う林道に降りる。
春と冬がせめぎ合うこの季節だけに許される至福の時間。世界は、なんて美しいんだろう。
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感想
芦倉山直下はやぶが顔を出していて苦労させられました
ヤブを北面から巻く際には、アイゼン・ピッケル必携です
チャレンジされる方は慎重さが必要です
私と前後しながら、共に登頂されたベテランさん、楽しい時間をありがとうございました
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