熊野古道:大辺路(紀伊富田ー富田坂ー安居の渡しー仏坂ー周参見)【和歌山県】
- GPS
- 07:07
- 距離
- 27.4km
- 登り
- 841m
- 下り
- 829m
コースタイム
- 山行
- 7:43
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 7:43
ー参見駅駐車場〜周参見駅
周参見駅駐車場 810 ― 周参見駅 812
○周参見〜紀伊富田
周参見 837 =<JR紀勢本線>= 紀伊富田 858
※列車遅れあり
紀伊富田駅〜安居の渡し(右岸)
紀伊富田駅 859 ― 県道横断 901 ― 県道34号 907 ― 富田橋 908 ― 飛鳥橋 922 ― 草堂寺 924/927 ― スタンプ箇所 933 ― 要害山城跡入口 937 ― 七曲がり 949 ― 展望地点 1009 ― 富田坂茶屋跡 1030 ― 竜首展望 1036 ― 安居辻松峠 1043 ― 林道合流点・トイレ 1050 ― 展望地点 1102 ― 短絡路(上) 1113 ― 短絡路(下) 1117 ― 祝の滝分岐・林道ゲート(A) 1125/1126 ― 祝の滝 1141/1152 ― (A) 1206 ― 姶良火山灰 1207 ― 梵字塔 1213 ― 昼食休憩 1220/1244 ― 庚申塔 1245 ― 小森梅林 1257 ― 三ヶ川バス停 1306 ― 三須和神社 1314 ― 安居小学校・三舞中学校 1314 ― 農道横断 1317 ― 休憩所・スタンプ箇所 1319/1322 ― 安居の渡し(右岸) 1324
○安居の渡し
右岸 1327 = 左岸 1331
0袖錣療呂(左岸)〜周参見駅駐車場
安居の渡し(左岸) 1332 ― 桂松跡 1357 ― 仏坂茶屋跡 1400 ― 林道合流 1401 ― 下村・県道合流 1417 ― 地主神社 1443/1447 ― JR紀勢線脇 1454/1456 ― 松の本踏切1508 ― 堀切踏切 1514 ― 周参見王子跡 1528/1533 ― すさみ町役場 1539 ― 周参見駅裏 1543 ― 下地踏切 1546 ― 周参見駅駐車場 1549
● 行動時間 0:02 + 4:25 + 2:17 = 6:44
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
(和歌山市内=周参見駅駐車場) 周参見駅駐車場―周参見駅 (周参見=紀伊富田) 紀伊富田駅=富田坂=安居の渡し (安居の渡し=船) 安居の渡し=仏坂=周参見駅駐車場 (周参見駅駐車場=和歌山) ●登山口へのアクセス ○紀伊富田駅 ・JR紀勢本線の普通列車で行く。付近に駐車場はないので、電車で行くべきかと。普通列車の本数は少ないので、一本逃すとたいへん ○周参見駅 ・JR紀勢本線の普通列車、特急くろしお、いずれも停車する ・駅を出て左手に進むと町営駐車場がある。現状料金は無料。機械故障につきとなっているが、長らくその状態のように見える (いずれの記述も2022.4現在) |
コース状況/ 危険箇所等 |
○紀伊富田駅〜草堂寺 ・車道歩き。狭い旧道を行く。クルマ通りは多くない。途中県道や国道の横断がある ・曲がり角には「熊野古道」「大辺路」などの案内標記がある。一部クネクネと進むが、標示のおかげで分かりやすい ○草堂寺〜富田坂〜祝の滝分岐〜三ヶ川バス停 ・草堂寺の敷地に沿うように山道に入る。スタンプ箇所からは未舗装林道。林道終点から七曲がりとなり急な上りに変わる。茶屋跡を過ぎ、安居辻松峠の先にある林道合流点からは林道を下る。急坂には舗装もされた道だが、全般に急坂。祝の滝分岐にゲートがある ・祝の滝への道も林道と思われるが、転石が多く見られ、整備が追いついていないようだ ・祝の滝分岐からも未舗装林道。最後バス停のすぐ手前に集落が現れ、ようやく舗装路になる ○三ヶ川バス停〜安居の渡し(右岸) ・小集落の舗装路歩き。細い街路を抜け、農道を渡ると日置川の堤防へ。案内に従って川原へと進めば乗り場 ○安居の渡し(左岸)〜仏坂の茶屋跡 ・乗り場の一段上から古道の続きが始まる。いきなり急斜面の急登。延々と桂松跡の手前までそれが続く ○仏坂の茶屋跡〜下村〜周参見駅 ・茶屋跡のすぐ先で立派な舗装林道と合流。そこからは林道、県道と舗装路を下降する ・地主神社への道については、たまたま出会ったガイドさんや船頭さんにも意見を求めたが、「行かないほうがいい」とのこと。地元の方々に禍根を残すわけにはいかないので、諦めた。 ・JR紀勢本線の線路を見てからは3度も踏切を渡ることになる。概ね線路近くを進んでいれば間違ってはいない。なお、要所には大辺路の案内板があるものの、一部の曲がり角にはなかったため、地図を確認しながら進みたい (いずれの記述も2022.4現在) |
その他周辺情報 | ●買う、食べる ・紀伊富田駅、周参見駅付近にはコンビニはない ・付近には飲食店も少ない。周参見駅にはコーヒー店がある ●日帰り温泉 ・すさみ町には「望海のゆ」がある。道の駅すさみの隣にある。大人800円。海際にあり、太平洋が見える (2022.4現在) |
写真
感想
山歩きとは趣の異なる大辺路の中でも山らしい富田坂へ。大辺路唯一の渡し船も使い、仏坂も越えて周参見歩く。
予め検討した手順で、周参見駅にクルマを駐め、電車で紀伊富田駅へ。この区間の列車は少なく、一本逃すと次はすぐにはない。そんなこともあって、先に電車利用とした。
周参見駅に向かうと、地元主催のハイキングの会があるようで、すでに40人ばかりの人だかりができている。聞けば、紀伊日置駅から安宅坂を越えて周参見に戻る行程とのこと。ツアーガイドを務める古道の語り部さんに当方の向かう仏坂について伺うと、通り抜けないほうがよいとのこと。地権者の方が立入に反対しており、かつて建てた案内板も引き抜かれてしまったそうだ。どうやら仏坂は古道のガイドマップに従い迂回するよりないようだ。
普段にない団体客のため、電車は2分程度の遅れで紀伊富田駅へ。この駅の駅舎は、芸術の取り組み「トレイナート」できれいに装飾されたままになっており、楽しげなデザイン画に囲まれている。ここから出発。
ひと気のない旧道沿いを進む。大辺路の案内板が所々にある。一旦県道に出て富田橋で富田川を越える。ここも水流は清々しい。
国道を越え、再び旧道然とした細い街路を抜けて行く。ここも曲がり角には「大辺路」や「富田坂」の案内があり、道迷いの心配はない。だいいち、山道以外で迷うようではこの先心許ない。
草堂寺はきれいに整備されており、散りかけたサクラと新緑が美しい。その敷地を回り込むように進むと、富田坂への入口。石段を登り、山道に変わるといったんは林道へ。そこにスタンプ押印所があり、しばらくは林道を進む。林道といっても未舗装の林道で歩きやすい程度のものだ。
そのまま林道がなりゆきで山道に変わる。変わるところに「七曲がり」の標示がある。そこからは斜度が上がり、やがては文字通りのつづら折りの道となって登っていく。
展望地点があり、右を振り向くと、白浜町越しに太平洋が見える。台地上にある空港の滑走路も読み取れるほどによく見える。
そこで先行の青年に遭遇。一年ほど前から白浜に住んでいて、折を見て山歩きを楽しんでいるとのこと。縁のない土地で働き、その土地を満喫する。なかなか羨ましい人生だ。
この辺りからは急な上りも収まり、緩やかな山道。やや進むと茶屋跡。今は何も残っていない。道の脇にうち捨てられた割れ石を見ると、石の手水鉢のようだ。ほんの少しだけ、かつての暮らしがうかがえた。
さらに進み、田野井方面への分岐を見送り、次は「竜首展望」。“竜首”の意味は不明だが、ここからは向かい側のどっしりとした山が見える。ややあって、安居辻松峠に到着。ここからも椿方面への道が分岐している。海岸の集落へは海沿いの道もあったかもしれないが、現代の鉄道や国道がすべてトンネルで切り抜けていることを見ると、かつてはこうやって古道をよじ登り途中から集落へと下りていたのかもしれない。海が近いとはいえ、険しい地形の地域であることがわかる。
峠から少々進むと林道に合流。林道のヘアピンカーブの頂点に合流するかっこうだ。合流点にはトイレもある。そこからは林道を下っていく。途中、前方の視界が開けるところがあり、山岳展望を楽しめる。大塔山系の一部やさらに海側の山々が見えているようだが、うまく同定できなかった。
林道とは思えない急坂をさらに下るとほんの少しのショートカット道が現れる。ちゃんと手製の「大辺路」案内が付けられており、そちらへ。短い区間のショートカットで効果は不明ながら、わずかながら山歩きは、林道よりはありがたい。途中で来し方を振り返ると、低山ではあるが、急峻な山々であったことがわかる。険しい地形だ。
やがて、眼下に林道ゲートが見え、祝の滝分岐に到着。祝の滝に寄り道する。滝への道も林道だが、当座クルマは通っていないようで、転石が多数放置されていて、今は歩くのも足下注意だ。滝の標示が現れ、激しい滝音も耳に聞こえるが姿が見えない。藪をかき分けてみたが、わずかに水流が見えるだけだ。
戻って先へ。姶良火山灰や梵字塔を見送り、木陰のある切り通しで昼食休憩。さらに林道歩きを続けると、朽ちた「小森梅林」の案内板。後日調べてみても不明なので、今や開いていないものなのかもしれない。さらに進んで三ヶ川バス停へ。いよいよ林道歩きも終わり、ふつうの舗装路歩きになる。
安居などの集落を抜けると日置川へ。川原に下りると、渡し船が待っている。
この渡し船は本コースのハイライト。予め三日前までに予約する必要がある。聞くと、今日は6人目で、当方が本日最後の渡り客とのことだ。シーズンにはそれなりに利用もあるそうだが、保存会によるこのような取組みは世界遺産を盛り上げる意味でもありがたいことだ。
船中の客となると、歩き以上に時の流れが緩やかになったような感じる。わずかに5分ばかりの道中で日置川のことなど教えていただく。水深は渡しの箇所では7mほどあるそうで、歩いて渡る場合は付近の浅瀬を見極める必要があるとのことだ。ちゃんと予約をしておいてよかった。
船を下りたところで、もう一度仏坂のことを聞いた見た。やはり、地主神社への直行道へは行かないほうがいいとのこと。ここでも改めてダメ押しされて、いよいよ林道経由で迂回することに決めた。
仏坂の上りは一気の斜面上りで、休みなく急坂が続く。こちらも休むのは止めて、一気に茶屋跡まで上る。茶屋跡で先ほどいったんは先を急いだ青年に再遭遇。電車時間もあるのであろう、もうゆっくりと行くことにしたとのこと。逆にこちらが先行させてもらう。
茶屋跡を過ぎるとすぐに舗装路へ。この道は先ほどの未舗装林道のようなものではなく、ちゃんと整備がなされている。道沿いに下っていくと、県道にぶつかり、右折すると下村バス停があった。
その先は、起伏も殆どない県道歩き。川沿いをうねうねと進むと地主神社に到着。この神社は社殿のないもの。自然崇拝の名残とのことだが、今や珍しいように思う。山に向かってお詣りさせていただき、今日の無事の感謝をお伝えした。
こちら側からも仏坂へと上る道があるはずだが、全く判らない。入口すら見つけられない。整備されていないとはこういう状態を指すようで、所有者問題以上に踏み込まなくてよかったと思った。
神社からも変わらず県道を歩く。すぐにJRの鉄橋が見え、そこからは周参見駅まで鉄道近くを下りていくことになる。時刻表を調べると、すぐに特急くろしおが来るようだ。毎回のことだが、こちらの嗜好に合わせてくれるかのように、よく列車がやってくる。列車が少ないエリアの割にはよく遭遇する。
ちょうど大阪方面への「パンダくろしお」がやってきたのでそれを撮影し先へ。途中でも新宮行きのくろしおがやってくる。さらには松の本踏切を越えたところでは普通列車もやってきた。調べると、ちょうど周参見駅に列車が集まる珍しいタイミングだったようで、一日に20本程度しかない列車のうち3本も見かけることができた。
堀切踏切を渡り、ここでも街中の細い街路を抜けると周参見王子跡へ。川沿いに出て周参見の市街地を歩き、役場前も通り過ぎて駅へと向かう。この町では子供が次々と挨拶してくれる。そのように学校でしつけられているのか、本当に一人ひとりが挨拶してくれる。小さな町のいいところのように思う。
周参見駅の裏手を進み、東側の下地踏切を渡ると駐車場。長い長いコースが終了。
天気もよく、絶好のハイキング日和だった。舗装路歩きが長かったが、渡し船という滅多にない経験もあり、存分に楽しい時間であった。それにしても紀伊半島は険しい。
私も数年前に大辺路に行っていますが、あの渡し舟に乗れるんですね。
予約がいるのがネックですが、熊野古道はライフワークにしているので、乗りに行ってみたくなりました。
コメントありがとうございます。
渡し舟は、3日前までに予約となっています。運良く現地で待機されているときであれば、予約なしでも乗れることもあるようです。ちなみに今回の例では私で最後、もう撤収とのことでした。そんなこんなを考え合わせますと、予約して臨むのが望ましいということになりましょうか。
わずか5分とはいえ、ゆっくりと進む舟の旅もいいものです。お薦めです。ぜひご利用になってください。
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