22年ぶりの高水三山はフモトスミレ咲く上成木の表参道から(高水山・岩茸石山・惣岳山)
- GPS
- 05:10
- 距離
- 8.1km
- 登り
- 687m
- 下り
- 744m
コースタイム
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
八王子06:59(JR八高線) 拝島07:15/07:22(JR青梅線) 東青梅07:39 東青梅駅前🚏07:45(都営バス IC\398) 上成木🚏08:19 復路: 沢井13:01(JR青梅線) 青梅13:15/13:16(JR青梅線) 立川13:45/13:49(JR中央線) 八王子14:03 |
写真
感想
この週末は天気が悪く土曜日の午前中だけはなんとか天気が持ちそうな予報だった。
この新緑の時期に山に行かないのはもったいないので最近気になっていた高水三山へ行ってみることにした。
高水三山に登ったのは今から22年前の2000年のこと。
当時大学1年生でその前の月に初めての3000m峰となった仙丈ヶ岳に一緒に登った友人Hと奥多摩で気になる存在だった大岳山に登りに行ったのである。
が、若気の至りというのか当時よくありがちだったのだが、よくよく時間も調べずに適当に立川駅で待ち合わせして行ったので、電車内で登山地図を確認するとこれからの時間だと絶対に大岳山を歩くのは無理ということが分かり、急遽高水三山に登ることにしたのだった。
Hに言わせると高水三山は皇太子(今上天皇)が登った山とのことで、当時「深田久弥の日本百名山ブーム」が起きていて、そのきっかけになった皇太子が登った山ならどんなにいい山なのだろうかと期待しつつ軍畑駅から出発。
が、結局ずっと薄暗い植林地が続き、唯一展望が良さそうだった岩茸石山は小学生の集団が占拠していたので通り過ぎ、またそのまま植林地を下りがっかりしたという記憶しかない。
なのでその後高水三山に誘われることがあっても、あんなつまらない山は行かないといつも断ってきた。
だが最近あの高水三山の植林地の一部が大規模伐採されているような記録を見つけ、どんなふうに変わったのか行ってみたいなと思っていたのである。
同じ軍畑駅からではつまらないので他のコースを探してみたところ、上成木からが高水山への表参道になるようだ。
江戸城の漆喰の原料にもなった成木産の石灰を運ぶ道であった成木街道。
青梅線(青梅鉄道)開業前は成木街道側が表側として賑わっていたのだろう。
上成木から高水山・岩茸石山・惣岳山を経て沢井駅へ下るとコースタイム3時間半ほど。
天気が悪くなる前に下ってくるのにちょうどいい。
予定が合い一緒に行くことになったYcは山を歩くのは1月以来とのことなので足慣らしにもちょうどいいいだろう。
上成木へ行くバスは東青梅駅からの都営バスになる。
西東京バスの縄張りとなる西多摩地区で都バスが走っているのは面白いのだが、うまい具合に西東京バスが走らない部分を補完している。
7:45発の東青梅駅前を出発したバスに乗り込んだのは我々を含めて4人、全員登山者である。
地元の人はあまり使わない路線なのだろうか。
空いていて快適なバスに乗ること30分あまりで上成木に到着。
車窓から見える沿道の桜は全て青葉になっていて、到着した上成木バス停前ではもうシャクナゲが満開だ。
寒い日が続いていたが昨日からまた一気に暑くなり今日は夏日になる予報。
鳥居から登山道が始まり、合目石もあり参道の雰囲気が色濃く残っている。
ここも植林地だったようだが近年伐採されたようで登山道は明るい。
そしてその足元にはカントウカンアオイやホトトギスなどが生えている。
登山道の真ん中に生えているところを見ると登山者は少ないのだろう。
そしてこの登山道で見つけたのが1兌紊曚匹硫屬鯢佞韻疹さなスミレ。
最初はちらほらとしかなかったのだが、その内苔の上に群生地も発見。
後から調べてフモトスミレ(麓菫)と分かったが、スミレにそんなに思い入れのない自分もこのスミレはかわいいなと思った。
スミレの種の同定は本当に難しいのだが、この山にはこの他にも色々な種類のスミレが生えていて、スミレの好きなYcは大喜びで写真撮影に余念がない。
最終的に自分できちんと同定できたと思えるのは、サイズと葉の模様から判別できるフモトスミレと葉の形に特徴があるエイザンスミレ、そして牧野富太郎博士から名が採られたマキノスミレくらいだろうか。
たくさんの種類のスミレを見たいのなら高水山はおすすめだ。
上成木からの表参道だけではなく、高水山から岩茸石山の間もところどころに植林地はあるものの広葉樹と混交していて明るい登山道だ。
見上げると意外にも透き通るような青空で、名残のヤマザクラの花がはらはらと散ってくる。
岩茸石山に到着すると棒ノ折山から武甲山を始めとした秩父の山までの稜線が続いていて、広葉樹の新緑が黄緑色、萌黄色だけではなく、銀灰色がかかってきらきらと光っていた。
近いうちに交通の便が少し悪い武川岳あたりを歩いてみたいと思う。
10時と時間は少し早いが最高峰である岩茸石山でゆっくりと昼食とした。
気温も風もちょうどよく長居をしていると、いつの間にか周囲に人が増えている。
軍畑駅から登ってきた人が到着する時間になったのだろうか。
再びスミレを見ながらの登山開始。
進行方向にものすごく明るい場所が見えてきて、いよいよ目的だった植林地の大規模伐採地に到着。
思った以上の大規模伐採地で、今日は霞んでいて残念ながら狭山丘陵の西武ドームあたりまでしか見えていないが、東方向の展望もいい。
ここがすべて広葉樹になればどんなにか気持ちがいいだろうと思ったのだが、伐採跡にはヒノキが植えられていた。
スギよりも温暖な地域で育つヒノキというのは、これからの温暖化を考慮したのだろうか。
それにしてもこのヒノキは無花粉タイプのヒノキなのだろうか。
展望がすこーんと抜けているのはとても気持ちよく、一度惣岳山まで行ったが展望がないので少し戻ってここでまたゆっくりとすることにした。
切り株に腰かけて、高水山、岩茸石山の稜線の新緑をところどころ染め上げるほのかな桜色を堪能する。
また20年もするとこのヒノキが大きく育って、また薄暗い植林地になっているのだろうか。
惣岳山から先は、ああこれが自分の高水三山のイメージだったなという植林地が続く。
それでも今日目に付いたフモトスミレやマキノスミレがあちこちで咲いているのに気が付く。
以前歩いたコースとずらそうと今回は沢井駅に向かったが、稜線を逸れて下るとすぐに集落に出た。
12:29発の電車にタッチの差で間に合わず、次の電車まで30分ほど待つことになったがこの時期の屋外はとても気持ち良い。
駅前の八重桜やツツジを見ながら爽やかな風を感じ、水筒の紅茶を飲み干す。
沢井駅には小澤酒造の澤乃井園や「ままごと屋」があり、観光客も多い。
22年前の高水三山の帰りも3つ年上のHは酒が好きなので帰りに澤乃井園に寄ったものだ。
当時自分はまだ酒が飲めない歳だったし、Hがどこかへ行く度に酒を買って帰るのが不思議だった。
そしてそれから22年経ち…、結局酒の味というのはよく分からないままだ。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する