水源林の教え〜苔と雨が似合う笠取山〜
- GPS
- 06:23
- 距離
- 13.7km
- 登り
- 1,062m
- 下り
- 1,048m
コースタイム
- 山行
- 4:16
- 休憩
- 1:27
- 合計
- 5:43
天候 | しとしと雨、ガスガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
作場平橋駐車場へ 作場平と笠取小屋では令和4年11月下旬までトイレ新設工事中。 そのため作場平の駐車スペースは10台以下と縮小されています。現地やホームページ(※)でも臨時駐車場3カ所の案内をしています。臨時,篭畧椶膿台です。 臨時◆↓になると「作場平口」ではなく「中島川口」の方が近いようです。 ※https://www.mizufuru.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/info/5537859c6d0e4d33f2b245d5d121320b.pdf |
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所無し ・笠取山(西峰)への直登はモヤで上部が見えず、心理的プレッシャー無く登れたが、結構長い。山頂に至るルートは本当に直登に近いものから九十九折れまで複雑に交差して続いているので体力や状況にあったルートを選んで登りました。 注意)山頂直下の左ルート(岩の間を登る)、右ルート(巻き道っぽく至る)は、山頂側から見ると左ルートは立入禁止の枝があった。3点支持で登れるルートだったが、右ルートが無難なことは間違いない。 ・笠取山(西峰)から本峰へ向かうルートは、急変して岩峰チックなので慎重に。 ・笠取小屋からヤブ沢峠を通らず、直接一休坂に至るルートは案内は「下山コース(急坂)」となっていますが、急坂と感じる箇所は無い。 ・基本、登山道が良く整備された山です。 天気が良ければ、作場平から小さな分水嶺までのルートは歩き易いコースです。 |
その他周辺情報 | 奥多摩駅・駅前にあるVERTEREのボトルショップで自分ご褒美のビールを購入して帰りました。 |
写真
装備
個人装備 |
(guronsan)長袖シャツ
ソフトシェル
ズボン
靴
靴下
ゲーター
グローブ
雨具
雨よけバンダナ
ザック
行動食
飲料
ポット
笛
ヘッドランプ
予備電池
常備薬
日焼け止め(未使用)
スマホ
時計
タオル
ストック
筆記用具
カメラ
ココヘリ
|
---|---|
共同装備 |
地図(地形図)
コンパス
GPS
ファーストエイドキット
ツェルト
|
感想
本日は、昨年からcozyさんと計画していた「笠取山」へ。
ヤマレコで良く見る山頂直下の急登を「なんぼのもんじゃい」と腕(脚)試しで、いざ挑戦!
天気予報では、雨は夜半に上がり、午前中は曇り、13〜14時頃から再び雨模様。2000m付近の気温は10℃を切るが風は2〜3mで暑くないベストな環境。足元の泥濘は覚悟してゲーターを巻き、「遠くの」景色も観れないものと覚悟して臨みましたが。。。
何と出だしから小雨というかモヤの中。途中からレインウェアは脱いでもザックカバーは着けて、湿った足元が滑らないように慎重に歩を進めました。
5時半に奥多摩湖のダム駐車場でcozyさんと待ち合わせ。cozyさんにはマッハ号から林道専用車に乗り換えてもらって、作場平までお連れしました。
作場平と笠取小屋では11月下旬までトイレ新設工事中のため、作場平駐車場は一部閉鎖で残った10台位の駐車場と3つの臨時駐車場が案内されています。臨時1番目は目と鼻の先ですが、2/3番目は「中島川口」の方が近いようです。作場平の既設トイレは新設完成後に撤去予定ですが、現在利用可能でした。
計画より1時間早い6時半に作場平口から登山開始です。流石水源林と思える苔むした林の中を進みます。渡渉か所だけでなく、要所には、滑り難く横木を渡した木道などが整備され、赤布の有無が気にならないほど案内図や道標が充実していました。
1時間半弱で「ヤブ沢峠」に到着。登山口から2.9Km。この先は笠取小屋経由で水干まで2.3Kmと半分以上来たことになります。そして、ヤブ沢峠の道標には「柳沢峠17Km」の案内があり山の奥深さを感じました。
間も無く笠取小屋に到着すると小屋の管理者の車やトイレ工事の重機などが停まっていて驚きです。2つ並んだ建物は個人経営の山小屋で、右の建物には寝具付き素泊まり4500円。左側の建物には飲み物やインスタント食品などの販売が案内されていました。また、建物の裏手がテントサイトとなっていて1人700円(一張りではありません)と書かれていました。
笠取小屋には帰路で立ち寄り大休憩する予定で先に進みます。
30分もしないうちに「小さな分水嶺」が見えて・・・と言いたいところですが、小高い丘の上にあるらしい「それ」は白いモヤに包まれて全く見えません。
丘を登りきると、ベンチと石柱と案内板が見えました。石柱は四面ではなく三面。案内板の説明によると、「東に雨が降れば荒川に至り、西に雨が降れば富士川に注ぎ込み日本一の富士の西を流れ、南に降る雨が有れば幾つもの支流から集まったしずくが小河内ダムに集まり、多摩川の流れとなって太平洋に流れ込む」とのこと。
何だ、結局皆、太平洋で一緒になるんじゃないかなどと夢の無いことは言わないでおきましょう。この山中で幾多の支流の交わりや清流、落差を目の当たりにすると普段見ている多摩川や荒川の河口近くの雄大な流れとなることが大変な営みの繰り返しであることが感じ取れる。それだけでも分水嶺に逢いに来た価値があったと思えます。
そして「水干」へと向かいます。最初の一滴がここから始まるのに何故「干す」という一字が使われているのか・・・説明によると「沢の最上部になりこれ以上上には水は無い」という意味なんだそうです。成程です。前日に多くの雨が降ったこともあるかと思いますが、上部の苔むした岩を伝わって落ちる滴が観察できました。ここでは水滴ですが、60m下ると「多摩川の最初の流れが見られます」と案内されていたので、下ったら登る覚悟で高度を下げます。確かに最初の流れのようなものが「チロチロ」との音とともに流れ出ていて、川の誕生を感じることが出来ました。
話しは、前後しますが、小さな分水嶺から水干に至る間に、笠取山の山頂を通っています。西峰に至る斜面は急登として「ヤマレコで使われる写真でも頻度が高い」ものだと思いますが、もちろんモヤで見えません。登っても登っても山頂らしきものが見えて来ません。
cozyさんと、蕎麦粒山も同じように長い急登だった上に暑い日だったので、その時に比べれば今日は楽だという妄想で互いを励ましあって山頂を目指しました。山頂に到着して最初に出迎えてくれたのは鮮やかな桃色の石楠花です。来るのが、もう一週間遅ければ、むせる様な石楠花の中に居たものと思います。
しかし、ここは地図上で山頂となっている場所より幾分手前です。岩峰を辿って本峰を目指し、間も無く到着。途中、「笠取山展望地」なる場所を通ったようですが、この天候では展望が有る訳でもなく気が付かずに通り過ぎていました。
残念ながらどちらのピークも、笠取山山頂標識はあるものの三角点がありません。古い文献では、ヤブ沢峠から辿った笠取小屋の西側の1802mピークが「笠取山山頂」とされていて三等三角点「高橋」が有る筈です。天気が良ければ寄ってみたかったのですが・・・
笠取小屋前の広場にあるテーブルで軽いランチを済ませて下山します。下山用(急坂)と書かれたルートを下りましたが。。。「急?」なところも無く、良く整備された登山道でした。
「天気予報では曇り」だったので時々雨模様の登山になってしまったとややマイナス思考に囚われていましたが、終わってみればこの雨も、苔むす水源林や最初の一滴を強調し、その大切さを伝えるためのものだったのではないか・・・そのように思わせる登山でした。
ア・・・メ・・・に感謝!
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する