猫又谷から猫又山
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- GPS
- 13:30
- 距離
- 32.8km
- 登り
- 2,573m
- 下り
- 2,556m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
除雪終点から上は猫又山頂に至るまで99%雪がつながっている。渡渉、堰堤越えと言った通過の難所は特になし。猫又谷上部の急斜面はこの日は軟雪で、シールで稜線まで上がることも不可能ではないが、エッジを落さずに保つのが難しいのでアイゼンツボ足に切り換えた。稜線から山頂の往復は、帰路滑降も自信があれば可能だが、アイゼン・ピッケルでの往復が無難。 |
写真
感想
ゴールデンウイーク第一週目だが、Nishidenは諸般の事情で4月28,29日のみ外出可能、しかし29日は天候悪化の予測により、28日日帰りで、アルペンルートの様な混む所ではない、標高差の大きなビッグルートとして、猫又谷から猫又山を目指した。
このルートは暗い内から行動開始が良いのだが、急遽決めた準備に手間取り、駐車場所に朝着いて出発の5時にはもう灯りは要らなくなっていた。車止めからの林道歩きが長いので、自転車持ち込むのも帰りは楽になって良いのだが、登りはそれなりに大変になるので、今日は歩くことにした。
車止め箇所からスキー・スキー靴は背負い、運動靴で歩く。「蛇石、洞杉巨木群」と案内のある南又林道へと分岐を右に入る。舗装路だが道幅は狭まったり広がったりを繰り返し、傾斜は次第に増していく。南又発電所までの間に、洞杉エリア自然観察路が整備されているが、そちらは未だ入口が雪で塞がれていた。南又発電所の少し手前、橋を渡ったところで除雪が終わり、スキー靴に履き替えて雪上歩行となった。発電所前まで来て、この先ずっと雪はつながっていると判断して、シール歩行に切り換えた。
雪上歩行の前半は忠実に林道を辿り、ゆるゆると登って行く。林道標高が1000mにほぼ達するところで全層雪崩で泥だらけのデブリを横断した。今日唯一の通過の難所だった。釜谷出合の500mほど手前で、林道から河原歩きに切り替わる。帰りには僅か登り返しとなる。直ぐに堰堤越えがあり、今日は側面に十分雪があって問題なく、以後堰堤越えはない。釜谷出合を過ぎると水流は隠れ、川底中央を歩けるようになる。
釜谷出合から先は突き上げる稜線まで真っ直ぐで、標高1500mの二俣までは傾斜もほぼ一定、ともかくずっとずっと前から奥まで見えているが、それがなかなか近づいてこない。二俣から見る限り、左俣も右俣と同様の傾斜で登ってみたくなる。この次は左俣から釜谷山を狙ってみようか。右俣に入ると次第に傾斜がまし、ジグザグでシール登りを続ける。今日の雪はもう緩んでおり、シールのまま最後まで行けなくもないかも知れないが、急傾斜ではクトーを着けていても横ずれし易く、ツボ足アイゼンの方が安全と判断して標高1850mで切り換えた。板を担ぐと荷物は重いが着実には登って行ける。ツポ足のトレースを辿って標高2200mの稜線へ、ここが見え始めてから4時間あまりかかった。
さて残り標高差200m弱で山頂だが、もう大分脚が疲れて板も担いだフル装備ではしんどい。この先随所に急傾斜、狭いルートもある様なので、荷物も板も置いてツボ足アイゼンの空身往復が最良と考え、実際行って見て正解だった。時にはピッケル支点を頼りに攀じ登り、幾つか起伏を越えて、遂にこれ以上高い所のない雪の頂きに到達、剱岳も出迎えてくれている。ふと足元を見ると、5m位下に地面が出た場所があって、猫又山山頂の看板とお地蔵様がそこにあった。写真を撮り終えたら直ぐに下りにかかり、デポした荷物まで戻って一息ついた。
下り滑走の準備をしていると、テレマークの男性一人が到着した。金沢から来たとのことだった。彼はそこから下るようで支度をしていたが、僕は先に滑り始めた。
滑り始めたは良いが、ここで機材のトラブルに襲われた。左側のビンディングが、ヒール固定である筈なのに外れて来てしまうのである。最初は何故外れて来るのか理解できなかったが、ヒールピースの問題でなくつま先のトゥーピースの先の蝶番部分の問題で、本来踵を上げる様に曲がっても、逆には曲がらないはずなのが何故か曲がるようになってしまい、その結果踵荷重にするとつま先が持ち上がって踵の嵌め合いが外れて来てしまうのである。これを悩んでいる間にテレマークの人が下りて来て声をかけてくれたが、僕が大丈夫と言ったので先に下りて行ってしまった。応急処置としてつま先の部品同士を細引きで縛り合せてつま先が持ち上がらないようにし、これで急斜面を曲がって降りられるようになった。しばらく大丈夫だったが、遂にまたつま先が持ち上がるようになったので見てみると、しばりつけた部品は本来そんなテンションがかかるものではないので、壊れてしまっていた。同じ応急処置はもう不可能になったが、一番急な所は過ぎたので、だましだまし下りて来て、緩斜面になったら両足とも踵開放にして後はテレマークorクロスカントリー状態で下り続けた。
どうにか滞りなく林道を滑り続けて発電所まで、その下直ぐに除雪道路となって滑降は終了、運動靴に履き替えてテクテクと林道を歩く。90分ほどの歩きで、陽が暮れる前にゲートに戻ったら、最後の1台だった。
長かったが良い谷だった。来年も来たいがもっと早立ちして余裕を持って楽しんで滑って帰りたいと思う。
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