三ノ窓雪渓から北方稜線・剱岳
- GPS
- 33:42
- 距離
- 23.7km
- 登り
- 2,430m
- 下り
- 4,111m
コースタイム
10:03 雷鳥沢キャンプ場
11:25 別山乗越 11:49
13:17 長次郎出合
14:33 二股(近藤岩) 14:45
20:55 三ノ窓
(5/11) 三ノ窓 6:51
7:46 池ノ谷乗越
8:45 長次郎ノ頭
9:02 長治郎のコル 9:11
10:04 剱岳 10:10
13:09 早月尾根c2614
14:34 伝蔵小屋 14:55
19:00 馬場島
天候 | 10日 晴れ 11日 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
自転車
|
予約できる山小屋 |
剱澤小屋
|
写真
装備
個人装備 |
ピッケル
アイゼン
ストック
ツェルト1
プロライトプラス
|
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感想
1年以上も前からずっと行きたいと思っていた残雪期の三ノ窓雪渓から剱岳へのルート。
週間予報ではずっと悪かったGW直後の週末の天候が、3日前の予報からどんどん良くなり、決行となった。
5/10
室堂では2日前に降った雪があたり一帯に20センチの積雪となっていた。
朝から曇りだったが雲が切れ、大日岳や立山が良く見える。大勢の踏み跡を辿っていくと雷鳥坂を何人かのスキーヤが登っているのが見える。雷鳥沢キャンプ場から本格的な登り。別山乗越までは登るにつれ風が強くなり、エビの尻尾もあってまるで冬山のよう。
御前小屋に着いてから冬装備を整え、打って変わって人気(ひとけ)のない剱沢に後ろ髪を引かれる思いで入る。ルート目印の竿が立ててあり、剱岳を眺めなが らどんどん下る。スキーヤが何人か滑り降りているらしいが、ツボ足では自分の前には一人の踏み跡しかない。
長次郎谷入口で長次郎谷を上って降りてきたスキーヤーに会ったが、雪が2層になっていていやらしくて途中でやめて降りてきたとのこと。真砂沢出会から雪が解けて沢がむき出しになった箇所が出てきたので沢をよけて右岸左岸を行き、二股(近藤岩)着。
ちょうど降りてきたスキーヤは別山と池ノ平山に登ってきたとのこと。
(三ノ窓雪渓)
二股から見上げると三ノ窓雪渓の全貌、三ノ窓のコルの形が良く見える。1000mもの登りにひるみそうになったが、暗くなるまで時間があるので登ることにした。
2日前に降った雪で踏み跡は全くない。固そうなところを選んでステップを切って登っていくが雪がくるぶし以上で、1時間に200メートルしか登れない。急斜面では氷雪の粒がしきりに落ちてきていくつか当たる。気温が下がって堅雪ではあるが、雪崩のリスクが頭を離れない。実際、上部でさらに傾斜が急になったあたりで50mほどのデブリに遭遇した。雪の塊の上を登りやすかったのとこれより上部はデブリ箇所ほど急ではないので少し気が楽になった。が、日没の時間を迎えてしまった。
ランプをつけ、コルまでそれほど遠くはないはずだが、雪が吹き溜まりになっており50センチ足を上げても30センチ戻る。さらには表面 がクラストしていて足をのせると深くはまるので、なかなか距離が近づかない。夜も遅くなってつらい登りが続いた。
21時前に憧れの三ノ窓に辿り着いた。三ノ窓雪渓の登りは4時間くらいと見込んでいたがなんと6時間もかかった。予想に反し誰もいない。時折吹く強い風もさることながら、買って初めてのツェルトの設営・張り直しに1時間もかかってしまい、その間体は冷えっぱなし。なんとか食事して落ち着き水も作った。前日運転で1時間ほどしか寝ていなかったため、ツェルトがあおられっ放しながら良く眠った。
5/11
5時に目覚めたら外は風が強いながら快晴。富山平野が全部見える。ということは富山平野のどこからも剱岳が良く見えているだろう。下から見上げる北方稜線はあまりにぎざぎざでい つ見ても驚愕する。その最上部をこれから登らねばならない。登り出しからいきなり急斜面。池ノ谷ガリーは雪と氷の急斜面が200m斜度は45度程が続く。堅雪にピッケルとアイゼンが食い込めるので滑落のリスクは小さいが、雪崩は?氷雪の粒がパラパラと落ちてきて緊張させられる。途中の大岩の基部でのみ休憩できる。
やっと池ノ谷乗越に登り切ったと思ったら、そこから上も急斜面でこのほうが雪崩リスクがありそう。それを登りきった池ノ谷ノ頭からは緊張から解放され、誰の足跡もない快適そのものの楽園のような稜線歩き。随分前の夏に八ツ 峰ノ頭から剱岳本峰まで歩いたときは、不安定な岩の稜線をこわごわ歩いた記憶があるが、今の時期は堅雪の急斜面をアイゼンとピッケルでしっかり確保して登り下りすればよく、夏より安定感が大きい。
長治郎ノコルからの登りではこれがルートかと思うような狭い急斜面を登り小コルから岩の基部を少し上がると頂上から続く緩い稜線に出た。
祠も何も全部雪に埋まっており、これが頂上かと思うくらい何もない剱岳頂上。今日の一番乗りというだけでなく、雪が降った後源次郎尾根を登ってきた一人の踏み跡しかない。
(早月尾根)
下り始めてすぐ分岐。早月尾根への下り。
一般ルートながら北方稜線並に急斜面があり、後ろ向きにアイゼンを蹴り混んで降りる箇所がいくつも出てくる。
気温が上がって腐 った雪がアイゼンにまとわりつき、2、3歩毎に落とさないと歩きにくいことこの上ない。2度も斜面を滑り落ちてピッケルで止めるはめになった。
伝蔵小屋を過ぎて1800mから下はアイゼンを外せるが雪は多い。エフを見落として立山川の谷の方に下りかけてしまい、藪漕ぎをして戻った。30分のロス。
下りで9時間もかかって、ようやく馬場島に降りてきたのは日没直前。とにかく長かった。
デポしておいた自転車で上市駅へ。立山駅の車を回収して横浜に帰るまでも眠く長かった。
長い2日間だった。
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