雲の帳から乙女の寝顔(半作嶺、百間山渓谷、植魚の滝-ハリオの滝)


- GPS
- 05:05
- 距離
- 9.8km
- 登り
- 814m
- 下り
- 805m
コースタイム
天候 | 曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
【百間山渓谷】30台以上停められそうな広い駐車場と、より入り口に近い小さな駐車場があります。大きな方には水も出るお手洗いがあり、自販機もあります。携帯電話の電波も届いたようです。 【植魚の滝】大塔橋付近に数台のスペースがあります。ストレスなく停められるのは4-5台くらい。お手洗いありません(南から行くと、途中に公民館のような所で使わせて貰うことができます)。携帯電話の電波は入りません。南からアプローチする県道229は、1.8車線くらいの箇所が多く、落石もさほど多くはありません。距離は長いですがそれほどストレスが多いわけではありません。百間山渓谷から来ると、最初林道でその後R371に出るのですが、R371は結構狭いし、箇所によっては落石が多くて苦労しました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【半作嶺】半作峠まではどうということもありません。踏み跡明瞭で危険箇所なし。標識はほとんどありませんが、迷うことはないでしょう。峠からの稜線は、いくつかのマイナーピークを越えていく感じになります。ほとんどのマイナーピークは巻くことができたと思います。テープはほどほどについています。ロープ場がいくつかあり、確かにロープが設置されて然るべき箇所も複数ありました。帰り道、巻けるだろうと思って行って巻けなかったところがあります(ログでひげ状になっているところ)。 【植魚の滝】少なくともこの日の水量では、石伝いに渡渉することは無理です。アクアサンダルが簡単でしょうが、私は長靴でチャレンジしました。水の流れも結構速いので、足を置く場所は充分注意が必要でした。ポールがある方が安心して渡れるかとは思いますが、沢歩きに慣れている人なら問題ないのかも。特に植魚の滝に迫ったあたりは水深が深く、50cmの長靴でも渡渉箇所を吟味してぎりぎりでした。道自体は標識・リボンなどを目安にすればあまり迷わないと思います。 |
写真
感想
4時半にキャンプ場を出発し、半作嶺の登山口へ。もともとは百間山渓谷を起点に周回するつもりだったのですが、それをやっていると滝に行けないだろうと判断して、軟弱なピストンプランに。登り始めはまだ薄暗かったです。半作峠までは楽に登れますが、ここからが多少厄介でした。稜線がかなりぎざぎざしているようで(樹が生えているので、ぎざぎざ見えるわけではありません)、何度も登ったり降りたり。途中からはロープも登場して、何度かそれに縋って登りました。一度は偽ピークの洗礼も。山頂はそんなに眺望よくないとの情報でしたが、この日も雲海が見えて満足でした。
下山後、前日に見えなかった「乙女の寝顔」を見に行きました。これは、平瀬の大塔村歴史民俗資料館付近から半作嶺を見ると、女性の寝姿のように見えるというものです。お顔はきれいに見えましたが、胸元は雲の布団をかぶっていました。
その後百間山渓谷に行くことにしました。もともと百間山から半作嶺への周回を計画していましたが、時間の都合などで半作嶺はピストンすることに変更しました。最終的には植魚の滝に行きたかったのですが、百間山渓谷はearlgreyさん推薦の谷であり、至近のキャンプ場に泊まっていたのに行かないというのも妙な話。2時間くらいで行ってこれるだろうと目論みました。
大体、うまくいかない時には伏線があるもので、前日はハイカットシューズで法師山に行ったのですが、この日は半作嶺にトレランシューズで登っていました。それで、滝に行くというのに履き替えをさぼってしまったのですね。三脚をサイドポケットに挿してスタート。標識によると犬落の滝まで1.5時間くらいだそうなので、そこまで行って帰ってこようかという計画でした。
ところが、やや湿った岩の上で、シューズがかなり滑ります。最初のかやの滝で三脚を出して撮影して、その後三脚を持って歩いていたら、転倒には到らないものの時々足元がスリップしました。最初は赤目の滝のように滝沿いに遊歩道が作ってあったのでそこを歩いていましたが、藤の中島を過ぎると河原を歩く感じになってきました。これ大丈夫だろうかと思って左を見ると、川の右岸(向かって左側)を巻くような踏み跡があるので、「ここは巻くんだ」と思って斜面に登ったのが間違いの始まり。ちょうどそこに出ていた標識が「難渋の壺」とは皮肉。踏み跡はしっかりあるのですが、どうも歩きにくい道だし、途中倒木があってさらに巻き道を通らないといけないし。もちろん途中でGPSを確認して、ルート上にいるはずなのですが。地図上では、川の右岸に道が通っているし、小屋があるようになっていますが、本当にここを一般の人が通る道とは思えず。とにかく川を渡ってしまいたかったのですが、途中で沢より随分上がってしまい、なかなか渡渉箇所を見つけられませんでした。ようやく渡渉できそうなポイントが見つかったので、なんとか渡ったら、そこに右岸にあるはずの小屋。なんやねん。
ちょうどそこには雨乞の滝があったので、ここで写真を撮り、そこから先に進まずに引き返しました。「帰り道」を通ったところ、本当に歩きやすい道で、あっという間に入口に着きました。結局、最初からハイカットシューズに履き替えるか、追加の滑り止め(どれだけ有効なのかはわからないけど)を取り付け、三脚は手に持たず、巻き道に入る前に少し先を確認しておけばよかったのだろうと反省しています。
今回、大塔山の地図で計画を考えていたら、一度見てみたかった植魚の滝がかなり近くにあることを知り、是非プランに加えようと思いました。事実、大塔山の山頂からは平面距離で3kmかそこらしかなく、道さえあれば2-3時間で往復できそうな場所にある。しかし、歩かずに自動車で行こうとするとそれ以上に時間がかかりそうな、「げに恐ろしきは和歌山の山間道路」でした。百間山渓谷からGoogle Mapsが言う通りに車を走らせ、途中あまりの眠気に仮眠したりして、2時間半ほどかかりました。R371は「国道ですか?」と言いたくなりそうな1.5車線区間が多かったし。
さて、大塔橋のたもとに駐車して、履き物をどうしようかと思いましたが、ホームセンターの長靴(50cmくらいか)で出かけることにし、念のためにサンダルをバックパックに放り込んでいきました。出発して間もなく、いきなり滝が出現し、その箇所で最初の渡渉。明らかに川に足を入れないと渡れません。ただまあ、長靴の威力で、くるぶしあたりまで水に浸かりながらも無事渡れました。その後も数回渡渉を繰り返しつつ、1km弱進むと植魚の滝とハリオの滝の分岐に到達しました。先に植魚に行くことにして左の分岐を。川の右岸を辿っていくと、ゴルジュと言ってもいいのかな、谷が次第に細くなって、その先から力強い水音が。ついに植魚の滝に到達です。しかし最後に障壁が。川に脚を入れていくと、どうも水深が50cm以上ありそうです。ここでサンダルに履き替えるかと思案しましたが、渡渉箇所を選べばなんとかなるのかと思い、再チャレンジしたところ、なんとか滝に迫ることができました。崖をらせん状に流れ落ち、下段は斜めに滝壺に注ぎます。神秘的でしたが、時間帯がベストでなかったのか、私のカメラのダイナミックレンジでは落ち口のところが白飛びしてしまいました(HDRで加工しても)。また、ネット上にある写真では落ち口に斜めに光が入るショットが印象的でしたが、これも時間帯が悪かったようです。感動はしたけれど、リトライしたいなあと。ここで後から来られた男性とお会いしました。胸まである長靴を履いておられました。この日は水量が多いのだとか。
その後、ハリオの滝へ。こちらはそれほど大変な渡渉箇所はありません。ベニマダラという藻が付着しているのが特徴だそうで、ここの滝は光が正面から当たるときらきらと輝いて見えて感動的でした。しばらく堪能して帰還。帰路、一回長靴が滑って尻餅。駐車場からは、最初は県道229をそのまま抜けて、R168から帰ろうかと思っていましたが、途中ちらちら見えていた通行止めの標識が気になったので、ナビの言う通りに南下して、周参見から紀勢道に乗って帰りました。結果的には、この滝と法師山・大塔山を1日で済ませてやろうなんて思わなくてよかったです。
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