斜里岳 清里コース(旧道→新道)
- GPS
- 07:03
- 距離
- 9.6km
- 登り
- 1,003m
- 下り
- 1,005m
コースタイム
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
飛行機
|
写真
感想
夜明けの清岳荘から外を見ると、眼下の斜里から網走に掛けての平野はすべてオホーツクの低い海霧に埋まっていました。その雲海の上は晴れ渡っています。それほど標高の高くない場所から見る風景としては初めての経験でした。
清岳荘を朝の5時出発。小屋の後ろの登山口から森の中へと回り込んでいくと、林道に降り立ちます。この林道を緩やかに下っていくこと10分ほどで、斜里岳清里コースの旧登山口に到着しました。登山道に入るとすぐに一の沢に沿う道となり、沢を何度も渡渉していくこととなります。水量は十分ありますが、靴底を濡らす程度で渡っていけます。渡渉は何度も右へ左へと繰り返され、小さなへつりも出てきたりしていくうちにだんだんご馳走様という気分になってきました。前方が少し明るく開け、正面に山頂部の稜線らしきものが見えてきたところで、下二股に到着しました。
旧道は、数々の滝を見ながらのコースです。二股から傾斜が増していきます。水蓮の滝、羽衣の滝、万丈の滝と美しい滝や滑滝が続いていきます。このコースはさながら沢登りとも言えるコースのようです。いくつか滝を越えていくと、右から竜神の滝が落ちてきます。このあたりから流れは少し細くなってきて、さらに細く長い滑滝の直登のあと傾斜が緩み、樹林の中の細い流れの中を歩くようになりました。さらに樹林の中に出入りしながら進み、上二股に到着しました。
上二股から、さらに流れの中の樹下の道を進んでいきます。やがて道は左斜面に上がり、かなりの傾斜を登って行きます。木々も背丈より低くなり、周囲の稜線が見渡せるようになってきました。胸突き八丁の看板を過ぎ、更に傾斜を増した木のない岩屑のガレ場を登りきると馬の背に到着。ここでは涼しい風が吹き渡り、青空の下で山頂が目の前に現れました。馬の背は爽快な展望の稜線なのでした。
馬の背から眼前の急坂を登ると、アルミ製の祠のあるピークに立ち、山頂がぐっと近づいて来ました。小さな鞍部を渡って、さらにひと登りすると斜里岳山頂、この爽快な登りは、まさに登山の醍醐味を感じます。そして、今回の北海道で初めての晴れ渡った山頂に立つことが出来ました。眼下には斜里平野、遠望は霞んだり雲がかかっていたりという感じですが、知床の方向にあるゆったりとした山は、連山の入口になる海別岳でしょうか?斜里岳のたくさんの山頂はどれも良く見えていて、南斜里岳は端整な風貌で、帰路に通る新道の稜線も眼下に横たわっていました。
しばらく山頂を楽しんで下山することとしました。下りつつ斜里岳のたくさんのピークの風景を見ていると、なんとなく八ヶ岳を思い出しました。ちょっとミニチュアではありますが、雰囲気が良く似ているような気がするのは、やはり古い火山に共通するものなのでしょうか。上二股まで下り、新道へと入ります。しばらく樹林の中のトラバースが続き、見通しも悪く人影もない樹林の中なので、熊でも出てきそうな雰囲気です。竜神の池への分岐は見送り、緩やかなアップダウンで尾根や沢を回りこんだあと、いつしか緩やかな尾根の登りとなり、1250mのピークに到達します。ここは斜里岳山頂部の展望台で、山頂を眺めながら休憩しました。
1250mのピークから稜線を辿る途中で、山はガスに覆われ始めました。熊見峠の看板のあるピークからは、下二股までの下りに入ります。最初は、ひねくれたダケカンバの多い尾根の緩やかな下りが続き、途中から一気の急下降となりました。やがて、下二股に降り立ち小休止したあと、往路と同様に渡渉を繰り返しながら下っていきます。いったい何回渉るのだろうと数えてみると13回でした。旧車道に出てからは緩やかに登り、登山口に着いたのは丁度12時頃。一夜を過ごした宿に名残を惜しみつつ、清岳荘をあとにしました。
帰路、札弦の道の駅で温泉に入ったあと、飛行機までの時間で小清水の原生花園に立ち寄りました。原生花園から見る斜里岳は雄大で風格があり、登っている間はそれほど北海道「らしさ」を感じていた訳ではないのですが、改めてこれほど美しく目立つ山だったのかと、深田久弥による百名山選出に頷いた次第でした。
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