記録ID: 457921
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無雪期ピークハント/縦走
奥秩父
【川又を起点に奥秩父周回】ヒルメシ尾根〜吹上ノ頭〜笠取山〜雁坂峠〜川又
2014年05月30日(金) ~
2014年06月01日(日)

- GPS
- 50:25
- 距離
- 40.3km
- 登り
- 3,683m
- 下り
- 3,674m
コースタイム
5月30日(金) 川又観光トイレ駐車場からヒルメシ尾根を登り,吹上ノ頭手前でビバーク
駐車場08:00→09:40標高1,165奪灰09:50→1,735奪灰12:00→12:40桃源郷12:50→第一の水場13:06→13:25第二の水場13:40→川又分岐14:30→八百平14:46→15:05ビバーク地点(幕営)
5月31日(土) ビバーク地点から,東仙波〜唐松尾山〜笠取山と縦走し,雁坂小屋で幕営
ビバーク地点05:00→東仙波05:40→06:44水場06:48→07:25唐松尾山手前の水場07:35→07:55西御殿岩分岐(往復)08:25→08:51唐松尾山08:56→笠取山(東峰)10:33→10:42笠取山(西峰)10:48→11:17雁峠避難小屋11:55→13:28古礼山13:34→14:06水晶山14:12→14:41雁坂小屋(幕営)
6月1日(日) 雁坂峠往復後,樺避難小屋〜突出峠を経て川又に下山
雁坂小屋05:23→05:36雁坂峠(au入らず)05:53→雁坂小屋06:05→06:29豆焼沢源頭06:41→07:26地蔵岩分岐(地蔵岩往復)07:43→08:10樺避難小屋08:26→突出峠08:48→岩道場09:18→国道出合10:10→10:27川又駐車場
駐車場08:00→09:40標高1,165奪灰09:50→1,735奪灰12:00→12:40桃源郷12:50→第一の水場13:06→13:25第二の水場13:40→川又分岐14:30→八百平14:46→15:05ビバーク地点(幕営)
5月31日(土) ビバーク地点から,東仙波〜唐松尾山〜笠取山と縦走し,雁坂小屋で幕営
ビバーク地点05:00→東仙波05:40→06:44水場06:48→07:25唐松尾山手前の水場07:35→07:55西御殿岩分岐(往復)08:25→08:51唐松尾山08:56→笠取山(東峰)10:33→10:42笠取山(西峰)10:48→11:17雁峠避難小屋11:55→13:28古礼山13:34→14:06水晶山14:12→14:41雁坂小屋(幕営)
6月1日(日) 雁坂峠往復後,樺避難小屋〜突出峠を経て川又に下山
雁坂小屋05:23→05:36雁坂峠(au入らず)05:53→雁坂小屋06:05→06:29豆焼沢源頭06:41→07:26地蔵岩分岐(地蔵岩往復)07:43→08:10樺避難小屋08:26→突出峠08:48→岩道場09:18→国道出合10:10→10:27川又駐車場
| 天候 | 3日間とも晴れ。特に,最終日の6月1日(日)は快晴。梅雨明け直後の真夏のような暑さでした。 |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
| コース状況/ 危険箇所等 |
【今回の登山ルートについて】 ・ 昨年の4月に雲取山〜飛龍山〜和名倉山と周回するルートを歩いたとき,秩父側の川又集落と和名倉山を繋ぐ「ヒルメシ尾根」の存在を知りました。 ・ 川又集落を起点に,このヒルメシ尾根を歩けば,まだ足跡を残していない主要縦走ルートを雁坂峠まで繋ぎ,いにしえの「秩父往還」で川又集落に戻るという,大変魅力的な周回縦走が可能となります。 ・ このヒルメシ尾根について,ヤマレコで検索してみたところ,登山地図にはルートが記載されていないものの,ルートを示すテープや指導標があり,踏み跡もはっきりしているとの情報を得られたことから,今回の縦走が実現しました。 ・ 特に参考にさせていただいたのは,次の記録です。oreshioさんとshigetoshiさんには,この場をお借りしてお礼申し上げます。 oreshioさんの記録 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-194517.html shigetoshiさんの記録 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-229201.html それにしても,私が2泊3日かけて歩いたルートを,shigetoshiさんは日帰りで歩いています。恐れ入りました。 【ルートの状況など】 ◆ ヒルメシ尾根〜桃源郷〜吹上ノ頭手前ビバークポイント ・ ルートの状況は,上の参考にさせていただいた記録が詳しいですので,基本的にはそちらをご覧ください。特に気になった部分のみ,簡単に言及させていただきます。なお,この日は誰にも会いませんでした。とても静かなルートです。 ・ ヒルメシ尾根への取り付きは,吊り橋を渡るところから始まりますが,この吊り橋,かなり老朽化して,通行止めの表示があります。自己責任で渡りました。通過に際しては,左右のワイヤに手を架け,中央の支えの木から外れないように,慎重に歩きました。 ・ ヒルメシ尾根は登りはじめから,かなりの急登なので,ダブルストックで登ったほうがバランスをとりやすいと思います。ヒノキの植林地帯に入ると,林業作業のためか,踏み跡が交錯するようになり,うっかりするとルートを外れてしまいます。しっかりとテープの目印を確認しながら登りました。 ・ 木にセンサーカメラが取り付けられている広場のような空間や,1,735奪灰襪良充┐ある付近は,目印が少なく,迷いやすいですが,よく探せば,テープの目印が出てきます。 ・ 桃源郷は,テント設営可能な平坦な広場になっていますが,酒瓶が散乱していて,テントを張るにはいまいちな感じです。すぐ近くに水場がありますが,採水できるような状況ではありませんでした。 ・ 桃源郷の先にある第一の水場も水量は少ないです。採水するならば,第二の水場で。桃源郷から35分でした。ただし,第二の水場に下るところで,少し道迷いをしました。テープの目印が見えなくなったら,必ず戻ること。 ・ 第二の水場から川又分岐までは踏み跡が薄いです。また,足場の悪いトラバースの登りなので,意外に時間がかかります。 ・ 川又分岐から先は,一般的な登山道となり,ぐっと歩きやすくなります。八百平までは15分ほど,さらに展望の良いビバークポイントまでは20分ほど。なお,もう少し早めに出発すれば,将監小屋のテン場まで足を伸ばせます。そうすれば,このルートは,1泊2日で歩くことが可能です。 ・ ビバークポイントでの幕営は大変快適でした。誰もいない山中で,満天の星空の下,贅沢な夜でした。ただし,夜中に大きな獣のようなものが,テントのそばをうなり声(警戒音?)をあげながら通過していきました。おそらくクマだと思います。人間の肉の味を覚えたヒグマでもなければ,襲ってくることは無いはずなので,心配はしませんでしたが,やはり気持ちの良いものではありませんでした。 ◆ ビバークポイント〜東仙波〜西御殿岩〜唐松尾山〜笠取山〜雁峠〜古礼山〜雁坂小屋 ・ すべて一般ルートなので,危険なところはありません。よく整備された登山道です。 ・ ビバークポイントから東仙波〜リンノ峰までは,とても眺めの良い稜線歩きです。気持ちよく歩けます。 ・ 山ノ神土手前の水場は,水量はそこそこありますが,水が汲みにくいです。私は,コッヘルを使って汲みました。 ・ 西御殿岩分岐の手前に斜面崩落箇所があり,そこが地図に表記の無い水場となっています。 ・ 西御殿岩は分岐から15分ほど距離がありますが,晴れていればすばらしい展望です。おすすめです。 ・ 唐松尾山の山頂は,樹林に囲まれていて展望はありませんが,山頂の先にテントを張れそうな平坦な場所があります。ビバーク適地です。 ・ 笠取山は東峰は展望があまり良くないので,皆さん,西峰で休憩していました。こちらはとても良い展望です。 ・ 雁峠避難小屋は老朽化がひどく,中に入って休もうとは思いませんでした。改築して欲しいものですね。 ・ 雁峠からは燕山〜古礼山〜水晶山とアップダウンが続きますが,笹原の中の気持ちよい歩きを楽しめます。 ・ 水晶山から雁坂小屋までは,意外に近いです。歩いて30分ほど。 ・ 雁坂小屋のテン場は,公称50張りとなっていますが,どう見ても,せいぜい15張り程度で満杯でしょう。この日は12張りほどでしたので,まだ少し余裕がありました。 ・ また,auの携帯電話でメール送信をしようとしましたが,小屋でも,雁坂峠でも通じませんでした。ドコモはテン場でもOKのようでした。 ◆ 雁坂小屋〜地蔵岩〜樺避難小屋〜突出峠〜川又 ・ 出発前に,雁坂峠を往復しましたが,この日は視界が良く,富士山もくっきり見えました。 ・ 小屋から地蔵岩分岐までは,トラバースルートですが,下りよりも登りのほうが多いくらいです。 ・ 小屋の取水ホースが豆焼き沢源頭のところまで,約1キロ続いています。登山者の水の確保のため,苦労されていて有り難いことです。 ・ 登山道は,足場の悪いところや,幅が狭く転落に注意が必要なところが結構あります。 ・ 地蔵岩は,「晴れていたら絶対おすすめ」とのことだったので,寄り道して登ってみましたが,本当にそうでした。 ・ 樺避難小屋は,とても快適そうな小屋でした。水場は確認していません。 ・ 突出峠から先は,急な長い下りが続きます。植林の中を下るようになると,登山口は近いです。 ・ なお,雁坂小屋を出てから下山するまで,一人の登山者とも会いませんでした。本当に静かなルートですね。 |
写真
14:30 ようやく川又分岐に到着。ここまで6時間半かかりました。ここからは一般登山道なので,まるで高速道路のように快適。なお,和名倉山は昨年山頂を踏んでいるので,今回は足を運んでいません。
翌朝,ビバークポイントから,本日歩く稜線を望む。左は西御殿岩から唐松尾山の稜線。右は燕山〜古礼山〜水晶山〜雁坂峠〜雁坂嶺と続く稜線。その奥には甲武信ヶ岳。手前の尾根は黒岩尾根。
少しズームアップ。手前の尾根が黒岩尾根。その先は雁坂嶺から地蔵岩〜突出峠へと続く稜線。明日は雁坂峠からトラバースルートでこの稜線に取り付き,古の「秩父往還」を下る予定。その奥に,甲武信ヶ岳から十文字峠へと連なる稜線が見えています。
稜線を歩く登山者が見えました。この縦走で初めて出会った登山者です。こんな時間に反対側から歩いてきた私を見て驚いていたので,「昨日,吹上ノ頭手前でビバークしました。」と話したら,納得していました。
07:55 西御殿岩分岐に到着。ここで,昨日,川又の駐車場で話をした登山者と会いました。昨日は笠取小屋で幕営したとのこと。かなりの早足ですね。このあと,西御殿岩までご一緒しました。
缶ビール2本購入したものの,物足りないので,管理人さんにウィスキーは置いていないか聞いたところ,個人用のニッカウィスキーを実費で分けていただきました。ありがとうございました。
感想
・ 昨年の4月に雲取山〜飛龍山〜和名倉山と周回するルートを歩いたとき以来,秩父側の川又集落と和名倉山を繋ぐ「ヒルメシ尾根」が気になってしかたありませんでした。
・ でも,この春先の大雪で,今年のGWはまだ雪が深く,あきらめていました。その間,ずっと栃木の山を歩き回っていましたが,5月末の週末は,全国的に好天の予報。残雪も消え,梅雨入り前の縦走チャンスとばかり,金曜日は有給休暇を取得して,2泊3日の奥秩父周回縦走を決行しました。
・ 奥秩父山域は,雲取山から金峰山に至る主稜線の縦走ルートや,甲州側からのアプローチはかなりの賑わいですが,秩父側からのアプローチはとても静かで,一人静かに瞑想に耽りながらの山行にはうってつけです。特に,登山地図にルート記載のない,ヒルメシ尾根から登り,古の秩父往還を下るルートならば,ほとんど人に会うこともなく,マイペースの山旅が楽しめるはずと期待していました。
・ 実際に,歩いてみると,期待以上の素晴らしい登山ルートでした。ただし,ヒルメシ尾根については,地図読みができる経験豊富な方でないと,迷うことが多いと思います。ルートファインディングが得意でない方は,必ず,経験者と同行して下さい。
・ 自己満足と言われそうな登山ルートですが,実際のところ,登山自体が自己満足の世界なので,「自己満足で大いに結構!」とますます自己満足に浸るrikimaruでありました。
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コメント
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りきまる


















rikimaruさん、こんばんは、goroです。この渋いルートをテント2泊で歩かれるとは流石で、羨ましいです。梅雨前で天気もよく、よかったですね。クマがテントの横を歩いたとのこと、私なら大声で叫んでしまいそうです。お酒も楽しまれていて羨ましいです。私はここしばらく家庭や仕事の都合で週末出かけられず、また梅雨入りも近そうで、どうなるかわかりませんが、rikimaruさんの山行にインスパイアされつつ、計画をたてたいと思います。ではまた。
goroさん,こんばんは。コメントをありがとうございます。
今回の山行は,昨年のGWに歩いてとても魅了された,秩父エリアからのルートでした。梅雨入り前の貴重な晴れ間が期待できそうだったので,思い切って休みを取得し,トライしてみましたが,期待に違わぬ,満足度の高いテン泊縦走ができました。
山に登って心と体を鍛え,合わせておいしい酒に舌鼓を打つことが,私の登山の目的ですので,夜中のクマの徘徊は子守歌のようなものですと強がりを言ってみますが,さすがにびびりましたよ。
それはともかく,秩父側の山域は人が少なく,静かで,本当に私のようなソロを好む登山者向きのエリアですね。これからも,機会を捉えて歩いてみようと思っています。
ところで,思うような山行ができないとのこと。我々50代ともなれば,いろいろ世間のしがらみで好きなことができない場合も多いものです。「山は逃げない」ですので,行けるときに楽しみましょう。私も,今月はいろいろあって,おそらく,ほとんど登山を楽しめないと観念していますが,夏にはまた,テント縦走を狙っています
rikimaru様
先日は遠い居酒屋「雁坂小屋店」へお立ち寄りいただきまして、誠に有りがとうございました。
今の時代、人の多い所にある小屋ならば生ビールも楽しめるようですが、うちは冷たいお水と…(1km引いてくると相当ぬるくなってきますが)…缶ビール、日本酒しかない地道な商いですが。
またおいで下さい。お待ちしております。
いよいよ梅雨入りの報もある中、明日また小屋に行ってきます。これからは足元の苔や小さな花が楽しめます。
isisan 様,先日は大変お世話になりました。
特に,売り物でない,ご本人のためのウィスキーを格安の実費で譲って頂き,とても感謝しております。おかげさまで,快適なテン場でぐっすりと眠ることができました。
これからも,機会あるごとに,遠い居酒屋「雁坂小屋店」へ通ってみたいと思います。
なにせ,オヤジさんの人柄が素晴らしいですからね
rikimaruさん
初めまして。
このレコを参考にさせていただき、2021.5.2〜4で同じコースを
行かせていただきました。
記録の少ないヒルメシ尾根。このレコを拝見しなかったら行くことは
無かったと思います。丁寧でわかりやすく参考になるレコを
ありがとうございました。
これからもお元気でご活躍され、たくさんのレコをよろしくお願いします。
ありがとうございました。
pi-tiさん、こちらこそ初めまして。rikimaruです。
7年前の私のレコが、pi-tiさんの山行のお役に立ったようで、何よりです。
記録を拝見いたしましたが、あの吊り橋の状況ではとても利用できないですね。
また、ヒルメシ尾根から川又分岐までのルートも、私が歩いた時とは様変わり。
7年間の時の流れの中、2019年台風豪雨災害などの影響があったのでしょうか。
写真のコメントを読んで、そのご苦労の様子が伝わってきました。
それでも二日目は良い展望を楽しめたようで、苦労をした甲斐がありましたね。
コロナ禍の中、できるだけ登山者が少ない静かな山域を求めるなら、秩父側から
周回するこのルートは、とても味わい深いですが、人気が出るのも困りもの。
その魅力を知る登山者だけに、歩いて欲しいものだと思います。
私のほうは還暦を過ぎ、いつまでテント泊登山をできるかわかりませんが、無理
の無い範囲で、ボチボチ山歩きを続けていきたいと思っています。
このたびは、わざわざお礼のコメントを、有難うございました。
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