白水沢 左俣左沢
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- GPS
- 07:54
- 距離
- 7.5km
- 登り
- 740m
- 下り
- 744m
コースタイム
天候 | 曇り時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
参考遡行図/記録 ・「新版 東京起点 沢登りルート 100」 P.176-177 (初級/1級上/Ⅲ) ・https://sawagurui.com/siramizusawahidarisawa メンバー全員が初めて来る沢。沢初級者が2人(とはいえ生涯遡行回数は片手を超えてる)いるが、全員がボルダリング主体メンツなため、登攀力に不安はない。沢特有のロープやマウンテニアリングをCL/SLがリードする構成。 この沢は全体的に岩が脆く、大きなホールドが普通に動いたり剥がれたりするため、一見登れそうな滝でも少し触ってみると危険だったりして巻きが多くなった。なお、その巻きも高度感があったり危険な箇所が多いため、初級とされている沢だが、初級者だけでの入渓は避けたほうが安全かと思う。 渓相。二俣手前までは白い岩!エメラルドグリーンの深い釜!茶色のキレイなナメ!と、とてもキレイ。晴れ間があるとそれがさらに輝き素晴らしかった。が、二俣の先は流木や土砂などで沢が埋まっていることが多く、渓相が悪い上に遡行も大変になる。 沢内では他に2パーティ(両方とも2人組)に会った。我々は人数が多いことや、ロープを多めに出すこともあり、基本的に先にいっていただいた。 今回の駐車スペースには到着時点で3台ほどの車が。大黒屋前から少し上にあがったところにも別の駐車スペースがあり、隣の南沢に行く人はそちらに停めるよう。 駐車スペースで入渓装備準備をし、山行開始。登山道は大黒屋の敷地内を通過するが、大黒屋の入口に登山届箱があるので、計画書を投函した。 登山道をそのままいくと、堰堤を横目に見ながら巻ける。その後すぐに白水滝への看板があり、そちらを降りていくと白水滝の右岸に着く。大黒屋から10分かからない程度。 白水滝は左壁から取り付き、メンバー3人はそのまま左壁を直上して登り、1人はへつり気味に水流に入り落口まで水線を直登した。左壁は崩落が激しいと参考遡行図にはあったことや、朝イチで身体が動いていないことも考慮しながら慎重に。おそらく水流に入ってしまうほうがホールドが良く崩壊の危険性も少ないため登りやすいと思う。どちらかというと水流に入るまでのへつりが崩落の危険がある。 白水滝の上には堰堤がある。これは右岸から巻いた。 Y字状6mは右岸から少し大きめに踏み跡を巻いた。巻き終わり滝上に出ると、小さく巻くルートが見え後悔はあったが、下からはそのルートが落口のどの辺りに出るかなどのリスク判断がパーティとしてとれなかったので仕方がない。 衣紋滝20mは右岸にある明瞭な踏み跡から巻いた。高度感はあるものの、踏み跡がしっかりしており、傾斜の強い後半もしっかりしたホールドがあり、丈夫な木の根などを使える。初級者や釣り人なども問題なく登れる。 ヒョングリの滝8mは左壁から。岩は脆いが、わかりやすい乾いたホールドがしっかりしており、ロープなしで全員登れた。 そのあとの6m滝は、左壁から登ったが、高度感がある(滝自体は6mほどだが、左壁は8mほどある)こと、少し傾斜が立っていることから、初級者に上からロープを出した。落口上の木を支点にしてフィックス+ダイレクトビレイにて。沢慣れしているメンバーだけであれば問題なくフリーで登れる。ホールドは分かりやすいが、動くホールドも多いのに注意。 いくつか小滝を超えていくと二俣に。二俣ド真ん中の木には分かりやすくピンクテープがあり親切。ここを左(左俣)にいくと、すぐに奥の二俣に出る。奥の二俣は綺麗に左(左沢)に16m滝、右(右沢)に4段30mがかかっている。この辺りから水量がぐっと減る。 左沢入口の16m滝は左壁から。初級者向けにロープを出した。ホールドが細かく、下からラインが少しわかりづらい。ルンゼを少しあがりトラバースしながら落口に向かうルートを選択。中間支点を2つほどとってロープの流れを作りつつ、落口上の木を支点にした。落ち葉や泥が多く、ホールドが見つけづらいのでリードのルーファイ力、後続のための掃除力が問われる。沢慣れしているメンバーのみのパーティであればロープを出すことはないと思う。 チムニー状5mは左岸にある黒いビニールホース沿いを高巻きした。なお、水流右側からのフリーでの登攀を試みたが、そもそもあらゆる岩が脆く、さらに落口手前にある大きなガバホールドが動いてしまったので、危険を感じやめた。この滝は釜を持っておらず落下のリスクも高い。ちなみに参考遡行図には「水流左から登る」とあったが、左のルートはよくわからなかった……。見た目もムーブも右側が簡単そうに見える。ともかく岩が脆いので巻きが正解だと思う。 この辺りから流木や土砂で沢が埋まりはじめ、渓相が悪くなる。辛抱しながら進む。 多段15mは大きくわけると3段構造。2段目までは簡単だが、最上段がホールドが細かく、特にフェルトソールでは難しそうだった。もっとも悪いのは出だしで、フェルトソールのメンバーにはショルダーであがってもらった。落口も若干悪く、落口上にある大きめの岩を支点に上からお助けスリングを出した。 その後出てくる二又を右に。この直前で追い抜いてもらった別パーティは左に行っていたので、パーティで地形図を改めて確認後、どちらへいっても登山道方面には出れそうであることを確認。我々は予定していたルート通りの右に行く。右にはナメ滝がかかっていて、これは左から簡単に登れる。 参考遡行図では、二又右の3mを登ったあとは沢が枯れるところまでナメやナメ滝が連続するエリアとなっていたが、流木や土砂で全て埋まっていて大変残念な渓相になっていた。流木を避ける遡行もすごく大変だった。二又左にいって脱渓を目指したほうがおそらく楽なんだろうと思う。 辛いパートを抜けると、少し渓相が回復し、沢も水沿いを登れるようになる。登っていくと、右岸の尾根に抜けていくような踏み跡も横目に見ながら、沢筋をつめていく。3mほどの小滝があり、それを登り少し行くとまた二又。これを左にいき少し登ると水が枯れる。ちょうど枯れたところから左岸の尾根に詰める。若干の踏み跡もあり、それをトレースしながら高さ2mほどの笹藪こぎを少ししていくと、登山道へ出た。 登山道で装備を解除し、甲子山のピークハントへ。山頂へ向かう登山道は良く整備されており両岸に綺麗なロープがあり、山頂手前には鎖まである。が、ロープも鎖もまったくいらない程度の傾斜なので普通に何も使わずに山頂までいける。 山頂は眺望がひらけており気持ちが良い。ここで南沢から登ってきた別の沢登りのパーティに会った。山頂には10分ほど滞在した。 その後、登山道をそのまま下山していく。まったく困ることのない快適な登山道だった。甲子大橋が見えてくると、そのあとには神社があり、そこで安全に山行できたことを感謝しつつ、朝、白糸滝に向かった分岐に着き、大黒屋を通り過ぎ、無事下山。 |
その他周辺情報 | 入山前 ・ラストコンビニ&トイレ: セブンイレブン 白河インター店 下山後 ・温泉: スパホテル あぶくま ・晩飯: かづ枝食堂 (新白河/ラーメン) |
写真
装備
MYアイテム |
![]() 重量:-kg
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個人装備 |
グローブ
雨具
着替え
昼ご飯
行動食
非常食
ハイドレーション
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
常備薬
保険証
携帯
時計
タオル
ハーネス
ヘルメット
確保機
ロックカラビナ
スリング
セルフビレイランヤード
参考遡行図
地形図
バイル
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共同装備 |
ロープ(8mm30m/ケブラー5.5mm20m)
クイックドロー
カム数本
アッセンダー
レスキューセット(プーリー/マイクロトラクション)
ハーケン数枚
特小無線機2台
ナイフ
|
備考 | ホールドが細かいのでラバーソールを推奨 |
感想
初、福島県の沢!
入渓前の大黒屋の敷地を通らせてもらう箇所ではちょうど朝ごはんの時間だったようで、館内のお客さんがこちらを訝しんでおられた。変な見た目をしていて本当に申し訳ない...
入渓直後~二俣までの渓相が素晴らしく、日光に映えるエメラルドグリーンの釜がきれいだった。パーティは思い思いの場所をそれぞれで登っていたが、ぼくは積極的に流芯へ泳いで取り付き登った。
水温も極端に低いわけではないのでよい練習になったと思う。
いくつかある10m以上の滝では今回はいずれもロープを出した。
初級者を含むパーティなのでその安全確保のためだが、岩がもろく中間支点を満足に取ることが難しいのでリードは実質フリーで登れる力を要求される。
CL/SLで意思の疎通が良く取れていたので、ロープを出した割には時間を大きくロスすることもなかったと思われる。
結果的には予定の時間を大きく押してしまっていたのだが、安全圏に入っているので無問題だったと評価している。
上部のナメは細かいスタンスに乗り込んで外傾したホールドをプッシュするなど見た目よりも難しい箇所がいくつかあった。
一応後続が登れるか否かを考えていたつもりだったが、お助けスリングを出す判断が遅くなってしまったところもあって反省。少しでも悪ければすぐに出せるようにすべきだった。
今回は大黒屋の温泉に入れなかった+お隣の南沢も登攀的で面白そうなので、ぜひまた来たいと思う。
今回も安全に遡行できてよかった。お疲れ様した!
はじめての福島の沢。
もともとは水根沢にいこうと思っていたが、関東周辺の当日天気が全滅で、そういえば行きたいと思ってたこちらの天気を調べるといけそうなのでこちらへ。
渓相を期待して前から目をつけていた沢だったので少しハードルが高くなっていたようで、後半の渓相がとても残念だったが、白水滝をはじめとする前半パートでは天気にも恵まれ最高の渓相を楽しむことができた。
計画ではもう2時間ほど早い遡行タイムとしていたが、初級者向けにロープをここまで多く出す沢だと深く認識しておらず、そこは計算ミスだった。とはいえ、CL/SLの連携によりかなり早くロープ処理はでき、ベストパフォーマンスだったように思える。
なお、計画は、15時で閉まる大黒屋で温泉に入りたかった努力目標ではあったので、登山道合流時点でそれをパーティとして諦めたうえで、ピークハントをしつつ別の温泉にいく決定をしている。いずれにしろ一般的な山行の下山時間として問題ない時間ではあるのでパーティとして良い選択ができたと思う。
また、遡行中にショルダーを使ってサポートできたのが初で、うまく良いタイミングと高さで出来たのが嬉しい。我々はパーティとして沢を遡行していくんだ!
なお、「新版 東京起点 沢登りルート 100」では初級とされていたが、詰めの藪漕ぎもしんどく、さらに巻き道の危険性や岩の脆さを考えると若干怪しいとは思った。初級者だけでの遡行はやめましょう。
この山域にもし次来る機会があれば南沢にチャレンジしてみたい。もちろん大黒屋もセットで。
初福島の沢。
学びの多い沢でした。
フェルトソールでの脆い岩・動く岩の乗り方や、ぬるぬるのナメへの足の置き方など現場でしか分からないことをたくさん教えてもらいました。ありがとうございました!
事前情報でラバーソール推奨と書かれていましたが確かにフェルトだと厳しめの滝が多かったです。
初級者だけのパーティには絶対オススメしません。
今回はロープとお助け紐をたくさん出してもらってチームの足を引っ張り申し訳ないです。
経験を積んで技術向上がんばります。
遡行始めは天気も良く渓相に感動してはしゃいでいたものの、行程の半分を過ぎたあたりで流木や土砂が多くなり、途中から沢登りではなくトレーニングの気持ちで粛々と登っていました。
スタート地点からは上がまさかあんなに渓相悪いだなんて誰も想像できなかった……。修行感強い。
甲子山は山頂〜下山までとても歩きやすい登山道で快適でした。もうひとつの南沢もそのうち行きたいですね。
お疲れ様でした!
コメント
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山頂でトンボだらけに騒いでました、すみませんw
南沢、ぜひいずれ行きたいと思っています!またどこかでお会い出来れば嬉しいです!
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